マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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池ノ内八幡神社祇園祭

2010年08月25日 07時36分50秒 | 大和郡山市へ
雨は一日中降り止まない。

それでも祭りは欠かさず祭礼している池ノ内町の八幡神社。

氏子たちは手に提灯を抱えてやってきた。

家の提灯であるゆる家名が記されている。

手を合わせて参拝したら拝殿に登る。

中央には萎められた提灯が蝋燭を灯して置いてある。

本殿の神さんから移されたオヒカリで、氏子はその火をもらって家の提灯に移される。

そして天井に一つずつぶら下げていく。

ずらりと並んだ提灯は壮観な様相を描き出す。

宮司が語るには、家に門口に掲げる御神燈もそのオヒカリから授かる。

その灯りは神さんが迷うことなく家に来てくださるときの標だという。

その風習はいつしかなくなったようだ。



修祓、氏子たち幸多かれ栄えんと祇園祭りの祝詞奏上、御湯立など賑々しく神事が行われていく。

湯立神事は神業だと祝詞を挙げられた。

この日の湯立参拝者は二組。

厳かな神事を傍で拝観している。

かしこみ申すと神さんに告げて、塩、お神酒などで御湯を清め、ゆっくりと御幣でかき回す。

御幣と鈴を手にして右や左に舞う。

始めて見たのであろうか子どもたちは神妙な眼差しで固唾をのむ。



そして笹を手にして湯に浸けて前向きにシャバシャバした。

この所作をそのやり方から地元の人はシャゴシャゴと呼んでいる。

東は伊勢大明神、南は多武峰大権現、西は大阪住吉大明神、北は春日若宮大明神の名を告げて呼びおこす。

再びシャゴシャゴして同じく四方に向かい、それぞれの大明神に「この屋敷に送りそうろう」とお戻りになられることを告げた。



本社、末社に鈴舞いをされたあとは、「交通安全、家内安全、水難盗難、身体健勝、祓いたまえ、清めたまえ」と鈴を振って祓う。

宮守さん、参拝者、宮司に氏子たち一人ずつ順に祓い清められて神事を終えた。

直会を済ませば家へ戻っていくのだが、提灯は秋祭りまで残される。

神事を終えたら拝殿で直会。

お下がりのモモにいつも通りの昆布〆とスルメを肴にお神酒をよばれた。

(H22. 7.14 EOS40D撮影)