ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

空腹の時

2017-12-21 | アメリカ事情

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さて、今日12月21日のクリスマスカレンダーは、マタイ伝第25章35節からの "For I was hungred, and ye gave me meat." 「あなたがたは、わたしが空腹のときに食べさせ、。。。」である。

 

飢餓には二つの種類がある。 一つは物理的なもの。 もしあなたが好きなスープのレセピがあれば、おそらくそれを作って飢えているかもしれない隣人などと分け合うことだと思うし、居住地域のフードバンク(寄付された食糧を集配するセンター=食糧銀行)へ、まとまって食糧を寄付したり、お金を寄付したりする。日本でも合衆国でも飢えている子供達が、大人がいる。 国や地方自治体では賄いきれない問題がある。お金や食糧のほかに寄付できるのは、時間と労力である。スープキッチンで調理を手伝い、配膳をしても、それは立派に飢える人を満たしている。

 
 

 

次の飢餓は精神的、霊的飢餓である。 ついこの間、日本で発覚した恐ろしい事件は、死にたいと願いながらも死にたくなかった若者をある恐ろしい男が毒蜘蛛の糸にかけていき、九人もの犠牲者を出したそうだ。 被害者たちに共通していたのは、精神的・霊的な飢餓感のあったことである。 こうした飢餓感は、信仰があれば、どうするかわかるが、信仰を嫌い、あるいは無神論者を装う人々には、暗闇に答えがあると思ってしまうようである。福音を知りたければ、ドアを叩けばよいだけで、そのドアは開かれ、また仏教にしても同様である。スピリチュアリズムに惹かれれば、それを勉強したら、少しでも飢餓を減らせるかもしれない。 あるいは各自治体、医療施設でも、いくらでも助けはある。 それを振り切って、悪魔の思う通りに暗闇へ向かってしまった若者は、おそらくこれで最後ではないと危惧している。

 

人間だから、辛いことも楽しいこともあり、本当は独りぼっちではないのに、言葉のあやで誤解したり、素直になれなかったり、口の重さで仲間に入れない、と思ってしまう。別に宗教の門戸を訪ねなくても、図書館や本屋には、実は人を勇気づける本もあるのだ。 義母が未亡人となった時、よく読んでいたのが、Gift From the Seaであった。 作者は飛行家で文筆家のアン・モロウ・リンドバーグで、あのチャールス・リンドバーグの妻である。 義母は読書家であったが、特にこの本を気に入っていたが、義父が亡くなって十年ほどした頃、この本を私にくれた。この本はアマゾンでも日本語訳が売られている。

 

 

         

                        海からの贈物 (新潮社文庫)                     私がもらった本

 

アン・モロウ・リンドバーグは比較的裕福な家に生まれた。1960年代までコーネル大学を除いて全てのアイビー・リーグ校が男子校であった中、全米屈指の最大難関名門女子大学のスミス大学へ進んだ。 夫のチャールスリンドバーグが史上初の大西洋横断飛行快挙の翌年、彼女は世界で最初にグライダーのライセンスを取り、やがてプロペラ機のライセンスも取るほど活動的かつ有能な女性であった。しかし、1932年に起きた長男の誘拐殺人事件を経験し、また後年チャールズが帽子商のドイツ人女性を愛人としていたことなど、その生涯は平坦ではなかった。しかしながら非凡な彼女の文才は、最初の作品、Gift from the Seaが1955年出版されるや否や、すぐにベストセラーになるほど優れていた。

 

彼女の本が引用されることは多いが、私もその一人。特にしたの文章は気に入っている。簡潔で、さらりとしていて、そのくせ心にしみとおる文筆家である。

“Don't wish me happiness
I don't expect to be happy all the time...
It's gotton beyond that somehow.
Wish me courage and strength and a sense of humor.
I will need them all.”

「私に幸せを願わないでください  始終幸せではいられないと思うのです  とにかく私の制御できることではありません  私に勇気と強さとユーモアのセンスを願ってください

私はそのすべてを必要とするでしょう」


あなたはどちらの飢餓を失わせるお手伝いをしたいでしょうか。

 

 

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