すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

西の魔女が死んだ

2008-10-13 | 本の紹介

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩 小学館

● またまた津で上映中!

津の大門シネマで10月17日(金)まで上映中。

昨日知りました!

ぜひ見ていただけたらと思い、

「本」のメッセージをお届けいたします。

● 魔女修行の基礎とは?

まいは、中学一年生。

学校での人間関係から不登校中、

おばちゃんと暮らすことになりました。


おばあちゃんによると、
まいは、超能力に長けた家系だとか。

才能に思い当たらないまいは、

おばあちゃんに聞きます。

「私も、超能力が持てるようになる?」

「なりますよ」

こうして、おばあちゃんからまいへの

「魔女修業」が始まります。


「精神力をつけるため、基礎トレーニングから。

まずは、

寝寝早起き、食事をしっかりとり、

よく運動し、規則正しい生活をする」。


●こんなおばあちゃんになりたい~!

この修業に自信のないまいが聞きます。

「意志の力って、あとから強くなるものなの?」

「生まれつきの意志が弱くても

少しずつ長い時間をかけて、

だんだんに強くなりますよ。

最初は、何にも変わらないように思います。

だんだん疑いの心、怠け心、

あきらめ、投げやりな心が出てきます。

それでも、黙々と続けるのです。

そして、永久に何も変わらないんじゃないかと思われる頃、
ようやく以前の自分とは違う自分を発見する出来事が起こるでしょう。
その繰り返しで少しずつ、強くなっていくのです」。

これは、私が日々努めたいと思っていること。

また、おばあちゃんは、まいに
「~しなさい!」とは、決して言いません。
おばあちゃんが伝えようとしていること、
その伝え方は、
まさに私が、望んでいることなのです。

ああ、こんなおばあちゃんになりたい!!

この本を読んでいると、

私は、いつのまにか

「まい」に寄り添っているのです。

だから、教わることが多いのでしょうか。

映画も本もお勧めです。

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「やる気」と「脳」のつながりは?

2008-10-09 | 素老日誌

8月18日(月)より

● 自分でも体操してたんだぁ!

今朝、私が起きると母は、ベッドの上で何やらしていたらしい。

母:あー、えらかったー!
娘:何しとったん?
母:「チョウちゃん体操」をな。
娘:偉いなあ。たきびさんでもしとったん?
母:さあ、どうやったやろ・・・?
娘:ちょっとお尻見せてもらっていい?
 すごい! チョウ子ちゃん、中に入ってる!
母:あれえ、そうーお!
娘:きっと、たきびさんでもしとったと思うよ。
  でなかったら、もっと出ているはずやもん。

● 「自主性」「主体性」が出てきた?

子どもに対して
「主体性」「自主性」ということを
「やる気」とつなげてよく考える。

まさに母の主体性、自主性が出てきたのだ。

これまで「やるわ!」というセリフは、
なんど聞かせてもらったことか・・・
ところが、本当にやっていたんだ。

これは、すごい!

どこからこの変化が起こっているのか?

「やる気」と「脳」は、どう関係するのだろうか?

驚き、喜びはするものの
冷めて観察している自分がいる。

なにせ、束の間の「ぬか喜び」を
何度も味わってきたもんねー。

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あらためて「認知症」って、何?

2008-10-02 | 縁側の日

2008年9月4日(木より

縁側の日・三回目。

中道和久さんをお招きして

月に一度開いています。

 
7月に続き、

今回も私の母が参加。

 
前日の会話
 
娘:お母さん、明日「縁側の日」やけど、来る?
母:縁側の日? なんやったやろ?
娘:お母さん、楽しかった!って言ってたよ。
母:そう? ほな、行くわ。
 
確かに覚えはないのでしょうが、
一つ返事をする母は、
どこかに間違いなく残っている記憶と
無意識に呼応しているように思えます。
 
●えっ、お姉さんがいたの?
 
今日は、まず母の話で始まりました。

母には、姉がいたというのです。

幼くして疫痢で亡くなった姉が・・・

えっ、そうなの~~~!

初耳でした。
 
 
「疫痢で子どもを死なせてしまった・・・」

その親の思いから、
生ものを食べさせてはもらえなかったし、
古いものは食べないようしつけられたとか・・・。
 
なるほど・・・それで納得しました。
 
「ややこしいものは食べんに限る」

母は、少しでも古いと、すぐ捨てるのです。
 
私には、「もったいない!」と不可解でした。
神経質なのか、自己防衛力の強い人なのか・・・?
と思ったりもしていました。
 
しかし、「同じ過ちを二度と繰り返すまい」と
両親が母に授けた力、
自分で自分の命を守る力だったのですね。
 
●「拝みわらし」のゆえん
 
幼少期、寺の公園で毎日遊んでいた話も出ました。
 
その時、母親から言われていたこと。
 
「遊ぶ前には、

『遊ばせてもらいます』と拝むように。

遊び終わったら、

『ありがとうございました』と拝むように」。
 
それを母はいつも実行していたのだそうです。
 
近所での密かな呼び名は、『拝みわらし』。
 
祖母が、
信仰心の厚い人だったとは聞いていました。
でも、ずっと背負った思いもあったのですね。
この度、
亡き祖母を、愛しく、せつなく想いました。

今母が生きていること、
今私が生きていること、

祖母のおかげを改めて感じるのでした。
 
母は言いました。

「寝る前に、いろいろなことを思わないで、
『なむあみだぶつ』と息が続くまで言い続けると
ぐっすりねむれるんやわ」。

これもきっと、母が母親から授かった智恵でしょう。


●問いかけてくれる他人がいる場。
 
どうして、こんな話になったかと言いますと・・・

「おばあちゃん、ご兄弟いらっしゃるんですか?」

この問いがきっかけだったのです。
私なら、絶対に聞かない問いです。

他人とただお喋りするだけでなく、
問いかけてくださる方がいる場の貴重さを実感しました。
 
●あなどるなかれ、認知症!
 
母の話しぶりには、皆さん驚かれました。
同じことを繰り返すことなく、
また質問とずれることなく、
イキイキとしゃべり続けたのですから。
 
同じ話を繰り返し、
庭にぼ~と力なくたたずんでいた
以前の母を知っている人は、
驚くでしょう。
 
中道さんは、こう言われました。
 
「生活のあり方によって、
認知症の症状はいくらでも変わるんやな」。
 
そして、
「認知症になりにくい」と言われていることを

まとめた資料をいただきました。

認知症」って、なんだろう?
 
「アルツハイマー型認知症」の診断と脳の萎縮は、
必ずしも一致するとは限らない。
脳が萎縮していても、
認知症の症状がない人もあるし、
脳の萎縮がなくても
「アルツハイマー型認知症」と診断される場合もある、
ということでした。


参加者のケアマネージャーの方の言葉。
 
「認知症の方の変化を見ていると、
認知症ってなんだろう?と思わずにいられない」。
 
私も同感です。
 
「おばあちゃんは、
どんどん善くなってきているんだよね」。
 
そう言われても首をかしげてしまいます。
 
人と話すときの様子は、

明らかに良くなっています。
 
でも・・・

直腸脱では、

「大便がしたくなってきた」の連呼。

「大便ではなく、腸だ」と何度言っても
そこから抜け出すことはできません。
 
以前は、美容院に送っていくと、
一人タクシーで帰ってきました。
それもしていません。
 
食事の準備はもちろん、
毎日の仕事だった洗濯干しもしていません。
 
大好きだった草取りもやめました。
 
デイサービス、ショートステイでは

起きていることができるのですが、

家では、

一人で自主的にすることはなく

ほとんど眠っています。
 
私がいればできることでも、
一人ではできないのか、しないのか・・・。
 
ただ、言えることは・・・
 
以前のように不安にとりつかれることなく、
穏やかに過す時間が増えている、
ということ。


 
認知症って何なんだろう?
 
固定観念で見ないためにも、
いつも持っていたい問い。

そう思いました。

最後に

「笑顔の効用~体心を若々しく保つ~」を
皆で音読して終わりました。
 
 
なんとも学び多き時間です。

 

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