すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

白夜の季節の恵みを受けて

2020-06-22 | アイリッシュハープ

カラマツの新緑と針葉樹(名前不明)の新芽の膨らみが爽やか

 

前回のポスト後、雪は1週間ほどで解け、
夏が一気に始まりました。

ベランダでは、30度を超す日もあるんですよ。

今は仕事も、ダンスやノルウェー語会話なども、
まだ始まっていない。
日本にも帰れない。

お蔭で、この白夜の季節に朝から晩まで、
念願の庭の手入れ、畑作りにたっぷり時間を注ぐことができました。

採りたてを食べれるほど贅沢なことはない。

日本を離れ、ますます私はそう思います。

今日は、日本とはちょっと違ううちの畑から紹介いたしますね。

ジャガイモ、苺、アニス、ケール、レタス、ホウレンソウ、レッドビートなど

雪に倒れたリップスのサポートから

雪に強いリップスと言えど、
今年は固くなった2m以上の雪の下にいたのです。

さすがに、古い枝は折れ、
多くは地面にはいつくばっていました。

しかし、姿勢のよい木には被害がなかったのです。
つまり、
まっすぐに育つサポートが、夏のうちから必要だったのですね。


サポート後、真上にどんどん伸びる
 

リップスだけでなく、
傷んだ枝、成長しすぎの枝を思い切って剪定しました。

すると、これが冬のストーブの薪になるんですって。
それで、せっせせっせと薪作りもしました。


乾かして、次は薪割り? うわっ、たくましくなるわ!

苺には、黒いビニールシート

苺を植えて3年目。

雑草防除と温暖のため、苺に黒いシートを使うのもここでは普通。

それでもこの2年、実の成りが悪かったのです。

今年は、粘土質気味の土を改良してみました。
とにかく、ここで採れるイチゴは美味しいんですよ。


うーん、いい感じ。花がつくのが、楽しみ~!

「木の枠」もサポートだった?

ここでよく見かけるのが、「木の枠」。
長い冬を越し、すごいスピードで大きく成長する雑草たちの根は、
太く長く強い。

だから、レタスなど弱いものは、木枠で囲うと育ちやすいんですね。
草抜きもしなくていいし。

少量には、木枠は、まさにサポーター。

前回書いたミントたちも木枠の中に植えてみました。


これで、ミントティー1年分になる??? 検討を祈る。。。

食べれるものは、雑草(?)も頂きましょう。


マリーコッペ

雑草というのでしょうか。

どこにでも生えているマリーコッペ。

当初は、かわいー!と眺めていたのも束の間、
その繁殖力には参りました。

しかし、このマリーコッペが食用になると聞きました。

ならば共存。
美味しく頂きましょう。

 
パスタソースの中にも入ってます。苦くもなく、さっぱりした味

の木の葉のお茶が美味しく、体にもいい。

ここではBjørk(ビヨルク)という樺の木が、
林という林に生えており、うちの裏にもあります。

この若葉がお茶になり、体にもよいそうです。
今年は、たんと作ってみました。


Bjørkの葉の香りが、玄関中に。この季節の香りになりそう。

コーヒー好きの国にいると、
ハーブティ・薬草茶を自分で作れるって、
なんて素敵なの!

お茶好きな日本人ならばこそ!

と自分では思っています。

木陰の場所が、転々と変わる

畑仕事の合間は、休憩も食事も木陰で。

一日中陽が照る、ということは、
時間帯で木陰の位置が変わる、休む場所が変わる。
これもまた楽しい。


自家製krøkebær(クラウベリー)のジュースに摘みたてミントを入れて。

期間限定ですもの、
お日様の下にはおれるだけ、おりたいものです。

ただし、この楽しみは、「日焼けつき」。

ドンマイ(^^)

 昨日の日曜日は、夏至。

昨日で一区切りつき、
後は収穫を祈るばかりです🍀

梅雨の時期ですが、皆さん、元気でいましょうね!


夏至の夜中 6月21日から22日へ 夜中の12:00
 

Baringstidのささやかなプロジェクト

2020-06-04 | ノルウェーの自然

やっと来た“Baringstid ”

「やっと雪が解けてきたよー!」
と私が言うと、たいてい日本の友人の反応は
「やっと春が来たね」。

「春はとっくに来ている」
と私は思っているのですが。

日に日に、鳥のさえずりは増え、
日差しは高く強く、日も長くなる。

この変化を「春」と呼ばず、何と言う? 
でも、雪があるからなあ、雪が。

そんな私をすっきりさせてくれる言葉に出逢いました。

「Baringstid(バ-リングスティド)」。
つまり「雪解けのとき」。

そう、Baringstidが、やっと来たんです。

ただ、今年は例年より3週間遅れ。
5月にこんなに雪が降ったのは、23年ぶりだそうです。


今年の6月3日 うちの裏の畑
 

去年の6月3日 同じくうちの裏の畑

雪は、「重い」だけではなかった。

太陽の陽射しが、大地を温め
大地が、深く固くなった雪を解かす。

耳をすませば、
雪と大地のハーモニーがどこからともなく聞こえてきます。
これは、なかなか神秘的です。

そして、Baringstidだけの小川があちこちに現れてきます。


うちにも Baringstidにだけ、清らかなせせらぎが聞かれます。

「こんな重い雪に耐えて」
と不憫に思っていた草木たち。

実は、冬の間は
雪に保温され、
Baringstidには
解ける雪から潤いをもらい活力を蓄えていたのですね。

だから、雪が消えたとたん、
花をつけたり、
あっという間に緑になって、
私たちを驚かせてくれるのでしょう。

月9日 

5月9日 Blåvei 雪が一部解けて。雪の下でもう蕾になっていたよう。

5月24日 

酷使しない「ミントプラント作戦」

とは言え、

この環境で生きる花や草木の種類は限られるし、

生育期間も短い。

これが、「日本恋し病」の大きな原因の一つ。

今年は、こんな私が癒されるための
細やかなプロジェクトを思いつきました。

ミントプラント作戦!

私はミントティーが大好き。
ここでも日本でも買いましたが、
やはり生、さらに自分で干したのが最高ですよ。

日本ではミントは繁殖力が強くて、
他の植物を守るため地中に壁を埋めるくらいです。

でも、ここではそうはいかない。

昨年は、「少し伸びると摘む」を繰り返し、
コツコツ増やして作ったミントティーを
大事に大事に飲みました。

ミントにすれば、酷使され息つく暇もなかったでしょう。

そのミントがまだ雪の下にいるのです。

あの子たちは生きている。

私は信じています。

今年は、あの子たちに加えて株数をうんと増やし、
一年分のミントティーをストックする!

しかし、今年はすでに3週間も出遅れている。
ミントとて、ここでは高価。

そこで、株分け、挿し木で増やしておいて、
雪がなくなったら、一気に移植する!

と、にわかに思いつきました。

根が出て、次はポットへ

値下げされていた温室育ちの子たちも、
外に出され待機中。(やっぱり酷使してる?)

と、ここで畑に行ってみましたら、

解けたての雪の間からミントが出ていました!

なんと健気な子たちよ。

さあ、育つのよ!

24時間お日様が見守ってくれているからね。


まるで胎児のよう。でも、ちゃんとミントの香りがしています。