すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

●こんなときだからこそ、予定通りに!

2011-05-30 | ほっとひといき

5月25日、
今度は母の左脳に脳梗塞が起こりました。

嚥下のリハビリを始めようとすると、
高熱、再発ということで
嚥下のリハビリは進まず、鼻から栄養をとり始めました。

そのせいもあるのでしょう。

目の力も出てきて、
ゆっくりであれば、目で私を追いかけます。

足の裏をくすぐると両足が「やめて~!」と反応します。

「あーー」と声も出るようになってきました。

かすかに私の歌声(ギョっ!)に足でリズムをとりました。

血圧の方も落ち着いてきています。

 

「お母さんが大変なんだから、やめましょうか?」

そう言われましたが、
「こんな時だからこそお願いします」。
と、昨日台風の中、
予定通りハンギングの教室をしていただきました。

そして、母の病院に行き、

整体の先生の治療もしてもらって・・・

そして、夜は・・・

小田和正のコンサートに行ってきました!

友だちがチケットが手に入ったからと、
母の入院寸前に私を誘ってくれたんです。

コンサートで、小田さんは、ほとんど喋らないんですね。

「震災が・・・・」って話きっとあるだろう、
と思っていたのが、気持ちよく裏切られました。

実は、始めは思っていたんですよ。

やっぱ、年とったよなあ・・・なんて。

ところが!

あの高い声が、時間と共に衰えるどころか、
どんどん会場に響くようになってくるのです。

トークなんて、全く要らない。

メッセージは、すべて歌にこもっている。

いっぱいいっぱい泣かせてもらいました。

 

今日は、台風のあとのカラッとした日。

本当にいろいろな方々に、
力をもらっていることにあらためて感謝です。
                


Good Timing!は連携の現れ?

2011-05-26 | 素老日誌

2011.05.24.より

 今日の体のリハビリの時間に合わせて病院に行く。

リハビリ担当の方と話しながら、
先日のアイスクリームのことを告白。

「だけど、『食べる』という意識はあるってことですよねー!」
「そうですよねー!」

とリハビリの先生も巻き込んで
何とか自分の行為を正当化しようとしている私(^_^.)

母の様子も見ながらいろいろ話していると、
熱の下がった母もしっかりと目を覚ましている。

そこで、
「今日は、車椅子でお散歩しましょう」
ということになった。

私はそろそろ帰らなければならない。

一緒に部屋を出たところで、
担当医の先生と
担当医の先生を追いかけていらしたMSWの方にも
ばったり出くわす。

お~~、Good Timing!

そこで又、私は先生にアイスクリームのことを告白。

すると、
「発熱は、それじゃないと思いますよ」
ときっぱり。

なーんだ、よかった~~~!

これだけの顔ぶれで話せるなんて、
なんてラッキーなんでしょう!

母も車椅子で傾いたまま、聞いている。
この空気を感じているに違いない。

おまけに今日は、
救急車で運ばれたとき
お世話になっていたショートステイの施設の方も
お見舞いに来てくださった。

「豊吉さん、待ってますよ。また来てくださいね」
と言ってもらい、
「また、行きますのでヨロシクお願いいたします」
と私は言っていたのだ。

担当医、看護士さん、MSWさん、
リハビリの先生二人(嚥下担当と体担当)

ケアマネージャーさん、施設の方々、

そして、整体の先生。

たくさんの方々との連携が
すでにうまくいき始めていたのだ。

この恵まれた状況を心からありがたく思う。

ムチャクチャ元気が湧いてくる。

「きっと、うまくいく!
お母さんはうちに帰れるようになる!」

そう心から思えてくる。

こんな私って、本当に幸せもの!

 

 

 

 


「メディカル ソーシャルワーカー」をご存知ですか?

2011-05-25 | 素老日誌

2011.5.23.

今日から食事のリハビリが始まるわ!
と楽しみに入っていく。

ところが・・・

母は元気がなく、言葉も表情もない。
お茶を飲む量も少ないし、
私が歌ってもほとんど反応なく眠っている。

これじゃあ、食事も無理じゃない・・・?

看護士さんに聞いてみると、
夕べから38.6度の発熱が続き
今朝下がったところで、
また絶食になっているとのこと。

誤嚥性の発熱かもしれないという。

うわっ・・・!

私がアイスを勝手にあげたから?
一応看護師さんにはいいと言ってもらったんだけど・・・
どうしよう・・・?

落ち込むわぁ・・・・。

 

今後の相談もあって、ケアマネさんを訪ねる。
食べ物を認識していないと言われたが、認識はしているようだ。
しかし、発熱は私のせいではないか?
これをどうやって伝えたらいいものだろう?
今後の見通しが立たないが、どうしたらいいものだろうか?

などなど・・・
私の気になっていることを聞いてくださる。

すると、彼女は
「メディカル ソーシャルワーカー」
という人を紹介してくれた。

メディカル ソーシャルワーカー(MSW)とは・・・

患者が
地域や家庭において自立した生活を送ることができるよう、
社会福祉の立場から、
患者や家族の抱える心理的・社会的な問題の解決・調整を援助し、
社会復帰の促進を図るものだそうだ。

こういう立場から
見守り助言してくださる人がいるということは、
ありがたい。

「連携」こそ大事と思うのだが、
いまひとつスムーズに行っていない、
というのが実感だったので、
早速お目にかかってみた。

なんだか、急に光が射してきたような気がした。

それにしても・・・

この病院に入院していらっしゃる方や家族の方は、
「メディカルソーシャルワーカー」の存在を
ご存知なのだろうか?

「メディカルソーシャルワーカー」の存在は、
新聞などで知ってはいたが、
母親の病院に存在しようとは思いもしなかった。

こういうことは、事前に知らせてもらいたいです~!

 

 

 


ハーゲンダッツ抹茶アイス作戦・大成功!

2011-05-24 | 教室

2011.05.21より

私は毎日病院に行っているのだが、
食事の気配がない。

お茶もゴックンと飲むことができているのに、
どういうことなんだろう?

母は言葉が出ないし、
音楽を聞いてもリズムを取ることもなくなっている。

食べていないからか、
どんどん元気がなくなってきているのだ。

今回より飲み込みがうまくできなかった昨年ですら、
もっと早い時期に食べていた。

お医者さんの話によると・・・

「嚥下機能(飲み込み)も働いている。
ただ、食事を試みても口をあけない、
口に入れても飲みこまない。

『食べ物』を認識することができないのではないだろうか?

認知症からか、脳梗塞からかはわからないが・・・」

ということだ。

なるほど・・・そんなこともあるんだ・・・

でも、母の様子を思い浮かべてみても
私には合点がいかない。

そこで、翌日私はちょっと試してみることにした。
母の大好物、ハーゲンダッツの抹茶アイスを持って。

「ハーゲンダッツの抹茶アイスよ」。

目をパチとした。

(あ、わかってる!)

まず私が一口・・・

「おいしい~!お母さんも食べてみる?」

すると、また目をパチ。

(やった!)

一口食べては、また一口。

それはそれは、時間がかかります。

でも、だんだん口も大きくあくようになってきて、
手がスプーンに!

(おー!・・・口まで運べるか・・・?・・・入った!)

さらに2.3口食べて、声を出した。

「おいしーねー」

やったー!
ちゃんと認識しているよ。
大丈夫!

「食べる」って、
生きる力・生きる源なんだとつくづく思う。

これから元気が出てきますように。


イチゴの季節に母入院

2011-05-18 | 素老日誌

 

 2011.05.18.より

今年も自然生えのイチゴが実をつけました。

花に守られて真っ赤になったのを今日頂きました。

しあわせ~!
(この写真は、15日のもの)

さて、さて、母ですが・・・

10日から2回も救急車のお世話になって、
結局、12日に入院しました。

脳梗塞の再発です。

昨年の8月に脳梗塞を起こしたときは、
親指サイズの梗塞でした。

左半身、動くなんて考えられないほどの麻痺でした。

今回は、
大脳の右半分がほとんど真っ黒に梗塞を起こしていました。

でも、不思議なんです。

母の様態は、前回よりずっとよくて、
昨日で左足を自分で曲げて伸ばしました。

今日は、岡先生に病院に治療に来ていただいたのですが、
治療中に右手で左手を曲げたり伸ばしたり開いたりしているのです。
たぶん、左手が動こうとしている感覚があるからでしょう。

顔のゆがみもないし、
小さい声ですが、
歌を歌うこともできます。

「とよしみえさーん!」と私が呼ぶと、
返事をする代わりに
「あっかんべー!」とします。

あらあら、ユーモアの感覚も生きています。

CTでは、右半分がほとんど梗塞しているけど、
肝心のところがつながっているということでしょうか?

「左半身は動かないと思ってください」
とお医者様には言われましたが、
どうも様子が違います。

一体どうなるのか全くわかりません。
しばらく様子を見守ります。

 

 

 


わしゃ、鬼の親戚や!

2011-05-05 | 素老日誌

2011.05.02.より

母:鬼みたいな顔して!
  人にばっかええ顔して、うちの中ではめちゃくちゃや。
  世話になっとる旦那に礼の一つも言わんとおいたら、
  えらい死に目にあうでー!
  よう覚えとき!

それはそれは、凄いど迫力!

しかし、私が母に何をしたわけでもなく、突然である。
(私はいたって普通の顔でいたので、あしからず)。

ここで、「おかしい」と思えばいいのだが、
たじろぐ私がいる。

「いやいや、ちょっと待てよ」。
ともう一人の私がいさめてくれる。

「そりゃ、あんたは、内と外の顔は違うわ。
でも、そりゃ普通やで。
そりゃ、別れた旦那にも養育費のこともよくしてもらった。
でも、あんたかて、
子どものそばでできることはやった。
ようがんばった。
自信持ち!

それより・・・
今、お母さんは、お母さんか?」

そうだっ!

そこで、私は「母」でもない、他の何者かに向かって、毅然と聞いた。

娘:あなたは、どなたですの?
母:わしゃ、鬼の親戚や。
娘:鬼の親戚ですか・・・
  鬼の親戚が何の用やの。
  ここは、あんたのくるとこやない!
  鬼は鬼の場所がある。
  とっとと、帰って!

私も負けじと、どすを効かせて言う。

すると、母の表情が急に変わった。

しばらく、じっと私の顔を見ていたのだが、徐に口を開いた。

母:鬼さんがねえ、仲良くしたいわって、言うてたよ。
娘:えっ、なんやあ、仲良くしたかったんやって?
  それならそうとわかるように言ってくれやんとなあ。
母:鬼はこわい、鬼はこわいって決めつけやんといてって、泣いとったよ。
娘:あ、そうなん。
母:鬼にも優しい鬼もおるでなあ。
娘:そうやわ。確かに・・・。
  そう言えば、鬼はこわいって、いつからなったんやろ・・・?

ふとそこで思い出した。

酒瓶、杯片手に大口で笑っている二人の鬼の人形。

以前行っていたデイサービスの玄関に置いてあったのだが、
それを見るたびに母が毎回毎回大笑いしていたそうだ。
ところが、その鬼にそんなに反応する人は他にいないからと、
母が辞める時に記念にくださったのだ。
それを持ってくると・・・

母:なあ、こんなにニコニコかわいい鬼もおるもんなあ。

それからしばらく、母と私は「鬼」で大笑い。
盛り上がった、盛り上がった。

そして、最後に母は言った。

「ああ、よかった。
やっぱり、あんたは鬼の子やいうて、喜んでたわ。
よかったねー」。

一線引けた自分、そして、否定せず母の世界に行けた自分に拍手!

それにしても、認知症の人の物語作りは、実に巧みだ。


母とゆっくりブランチ!

2011-05-03 | 素老日誌

2011.5.3.より

今日は、何もなく母と家にいる日。

いつもなら、
「はよ食べたいわー!えーん!」と横で催促する母が、
今日はゆっくりしています。

母の奥歯が4本ごろっとぬけて、
前歯にも虫歯があって、
噛みにくくなっています。

歯医者さんに行きたいけど、
暴れるのは必至なので、
とても行こうと思えない・・・。

そこはちょっと手間をかけて。

今日は、いつになく写真まで撮っちゃいました。

お天気は曇り。
家でゆっくりするのにぴったりの日。

さあ、ブランチしましょ!

★スナックエンドウ

まずは、見て見て!
スナックエンドウ、昨日うちの畑で採れました!

母の分だけ、長めにゆでます。

★ゆで人参

 本当は生でいいんだけど、
ゆでて柔らかくすれば母にもOK!

彩りを綺麗にしてくれるので、
作り置きをしておくと便利!

味付けは、レモンと塩で。

★豆乳ポテトスープ

新じゃがいもと豆乳でわかめのみじん切りを散らして。

牛乳を少し足すと、青臭さがなくなって味もまろやか。

★パンケーキ

先日までは大きく切っていたんだけど、
噛み切るのも痛がるように・・・

これならOK!
もうちょっと焦げめがほしかったなあ。

★新玉葱と鶏肉ミンチのドレッシング和え

昨日の残り。
昨日も今日も母には受けました。

★ヨーグルト(黒蜜がけ)

薬は、丸いままだと出してしまうので、
刻んで何かにしのばせています。

ヨーグルトは便利で、朝の定番メニュー。

注)薬って、温いものだとさらに苦くなるようです!