人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

準メルクル+PMFオ―ケストラでベルリオーズ「幻想交響曲」を聴く

2013年07月31日 07時00分16秒 | 日記

31日(水)。7月も今日で終わりです。月日の経つのは速いものですね 

昨日、実家から母親が入院したという知らせがあったので、昼に会議の予定があったのですが会社を休んで埼玉県S市の病院に見舞いに行きました。今年2月頃にも同じ症状で入院したのですが、肺に水がたまって呼吸が困難になるというものです。部屋は個室でなく6人部屋だったので一安心、幸い熱もなく酸素吸入器により呼吸も安定しており、顔色も良かったのでひとまず安心して帰ってきました。母も今年9月の誕生日で満90歳になります。何とかこの暑い夏を乗り切って欲しいと思います

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールでPMFオーケストラ東京公演を聴きました PMFとはPacific Music Festival の略で、1990年に、かのレナード・バーンスタインによって札幌に創設された国際教育音楽祭です。

プログラムは①ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」(ヴァイオリン独奏=ワディム・レーピン)、②ベルリオーズ「幻想交響曲」で、指揮は準・メルクルです

 

          

 

 自席は2階C8列6番、2階席やや左サイドの後方通路側です。会場は9割方入っている感じです 拍手の中オケのメンバーが登場します。コンマスは男性です。オケは向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢を採ります PMFオーケストラは世界各都市の厳しいオーディションを通過した18歳から29歳までの若手音楽家で編成されています。約1カ月にわたり世界的なオケの首席クラスの教授陣から演奏の指導を受け、その練習の成果を披露するのがこのコンサートなのです

1959年ミュンヘン生まれの準・メルクルと1971年シベリア生まれのワディム・レーピンが登場します。レーピンは17歳でエリーザベト王妃国際コンクールで優勝した逸材です 彼はかなり大柄でメルクルよりも背が高くガッチリした体格の人です

1曲目のブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」がヴァイオリンによるモノローグによって厳かに開始されます レーピンは1743年作のヴァイオリン、グァルネリ・デル・ジェズ”ボンジュール”を駆使して堂々たる音楽を奏でていきます。彼が奏でるメロディーがオケの伴奏を抜けて2階席まで浮き上がってきます

会場一杯の拍手に、弦楽器陣にピチカートを求めて、軽やかなメロディーを弾き始めました 簡単そうで実はすごく複雑な(弦を指で弾きながらメロディーを弾く)曲を何の苦労も見せずに弾ききりました 後でロビーの掲示でアンコール曲を確かめると、パガニーニの「ヴェニスの謝肉祭」という曲でした

2曲目のベルリオーズ「幻想交響曲」を演奏するため、オケのメンバーが拡大し、90名を超えるフルオーケストラになりました あらためてオケを見渡すと、まさに人類の坩堝で、世界各国から集まっている集団であることが判ります 一例を挙げれば、黒人の演奏家が5人います。ヴィオラの首席の一人(男性)、コントラバス(男女各1名)、ハープの一人(男性)、そして管楽器に一人(男性)です。

私はこのうち管楽器の黒人男性に注目して演奏を聴くことにしました 彼はホルンとフルートの間にスタンバイしています。通常だとピッコロの位置です。しかし、彼は何と楽器を持っていません と言うか、2階の自席から見ると手ぶらに見えます。彼の役割はいったい何なのでしょうか

1827年、ベルリオーズは、パリで英国の劇団による「ハムレット」を観て、オフィーリアを演じたスミッソンに一目ぼれします しかし、スミッソンはベルリオーズには目もくれずパリから去ってしまいます 深く絶望した彼は、狂おしいほどの彼女への想いと音楽的な野心から「幻想交響曲」を作曲しました

準・メルクルのタクトにより第1楽章「夢、情熱」が、うつろな感じの音楽で始まります。第2楽章「舞踏会」で、メルクルはワルツが踊られるシーンに相応しい演奏を展開します

ここまで来た時点で、かの管楽器奏者の動きはまったくありません。楽譜こそめくりますが、手元に楽器は見当たりません

第3楽章「野の風景」では、舞台上のコーラングレと舞台裏のオーボエが会話をします。ベルリオーズは恋人を思い出しているのでしょう

すると、やっと、かの管楽器奏者が楽器のケースらしきものを膝に乗せて、中から楽器を取り出しました。ピッコロほどの小さな楽器ですが、縦に吹く楽器のようです。しかし、彼は吹きません。ひたすら楽譜をめくります

第4楽章「断頭台への行進」が勇ましくも恐ろしく始まります。メルクルは途中で大きくテンポを落とし、力を溜めてから一気に爆発させました やっとその管楽器奏者が楽器を口に当てて吹きました しかし、他の楽器に付き合う程度で、全体の音に埋もれてその楽器特有の音が聴こえません

第5楽章「ワルプルギスの夜の夢~魔女のロンド」は彼の葬儀に集まった魔女たちの饗宴です 恋人が下品に変わり果てた姿で現れます。まさにその音楽を、その管楽器奏者がソロで高らかにグロテスクに吹いたのです 後で調べてみたら、彼の吹いた楽器は小クラリネット(ピッコロ・クラリネット)と呼ばれる木管楽器のようでした 普通はクラリネット奏者が持ち替えて吹くようですが、PMFの場合は”教育的見地”から単独で吹かせるようです。彼はその演奏で一躍人気者になりました

最後は弔いの鐘が打ち鳴らされ”怒りの日”の旋律とともに饗宴は狂宴と化していきます。菅・打楽器、弦楽器すべてが渾身の力を込めてフィナーレを飾りました

何度も舞台に呼び戻された準・メルクルは、管楽器を順番に立たせ、拍手 を送りました。その中には、あの小クラリネットの黒人奏者の得意満面の姿もありました

オケはアンコールに、ホルストの「惑星」から”ジュピター”をティンパ二3人がハデに大活躍する演奏で、拍手喝さいを浴びました

準・メルクルは先日の水戸室内管弦楽団の時も良かったですが、今回のPMFオーケストラも十分楽しませてくれました

 

          

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チョン・ミュンフン+アジア・フィルを聴く~渾身のブラームス「交響曲第4番ホ短調」

2013年07月30日 07時00分29秒 | 日記

30日(火)。昨夕、サントリーホールでチョン・ミュンフン指揮アジア・フィルのコンサートを聴きました プログラムは①ワーグナー「歌劇:タンホイザー序曲」、②同「楽劇:トリスタンとイゾルデ~前奏曲と”愛の死”」、③ブラームス「交響曲第4番ホ短調」です

 

          

 

自席は1階10列15番、左の島の右通路側です。会場はほぼ満席 拍手で迎えられたオケの面々を見渡すと、ソウル・フィルが圧倒的に多かった昨年のメンバーとかなり違っているような気がします 念のためプログラムに掲載のメンバー一覧表を見ると、総勢90人強のうちソウル・フィルのメンバーが3割強、東京フィルを中心とする日本のオケのメンバーが3割強、ドレスデン・スターツ・カペレを中心とする欧米のオケのメンバーが3割弱と、ほぼ3等分の構成になっています この絶妙なバランスには、指揮者チョン・ミュンフンがドレスデン・スターツ・カペレの首席客演指揮者であり、東京フィルともN響とも関係があり、ソウル・フィルとアジア・フィルの芸術監督を兼ねていることが背景にあるといえるでしょう 韓国と日本のメンバーを合わせれば6割強なので、名前の通りアジア・フィルと呼べるかもしれませんが、一歩、インターナショナルに近づいた感じがします

オケは向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢を採ります 第2ヴァイオリンの首席席にはN響の第1ヴァイオリンのコンマス山口裕之と東京フィルの第2ヴァイオリン首席の戸上真里が、ヴィオラの首席席には東京フィルの首席・須田祥子の姿が見えます よく見るとオーボエはボストン管弦楽団の副主席奏者・若尾圭介の姿があります それより何より驚いたのは、コンサートマスターとして登場したのがベルリン・フィルのコンマス樫本大進だったことです 上に載せたチラシには彼の名前はありませんでした。これはグレイト・サプライズです

会場一杯の拍手 に迎えられてチョン・ミュンフンが登場します。1曲目のワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲がゆったりとしたホルンの調べで始まります 次いで豊かなチェロが続きます。聴いていると次第に気分が高揚してくる不思議な曲です

次いで同じくワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と”愛の死”」がチェロの弱音で始まります 物語のとおり官能的な音楽が展開します。演奏者、とくに弦楽奏者を見ていると、一人一人が曲にのめり込んで懸命に曲と対峙している様子が分かります ワーグナーを2曲取り上げたのは、おそらく今年がワーグナー生誕200年のメモリアル・イヤーだからでしょう

われわれが待っていたのは休憩後のブラームス「交響曲第4番ホ短調」です 第1楽章の冒頭はヴァイオリンのアウフタクトで始まりますが、樫本コンマスは思い入れたっぷりに引きずりました 第2ヴァイオリンの戸上真里が彼を見てニヤッとして「やってくれたわね」という表情を見せました。チョン・ミュンフンは深く音楽を掘り下げ、たっぷりと歌わせます。第1楽章フィナーレは怒涛のごとく突っ走ります

第2楽章はホルンと木管によって開始されます。弦楽器がフォルテで演奏される時、空気が震えるのが見えるように感じました

第3楽章はスケルツォに相当する楽章です。冒頭からチョンは力強い指揮振りで勇壮に豪快に音楽を進めます。相当速いテンポです

第4楽章はたっぷり歌わせます。コンマスの樫本は身体全体を使ってオケを引っ張ります ブラームスの魅力は重厚なサウンドですが、今まさに目の前で展開している音楽がそれだ、と自覚できます 渾身のブラームス、フィナーレは圧倒的な迫力で曲を閉じました

チョン・ミュンフンは何度も舞台に呼び戻され、管楽器をフルートから順番に立たせます。そして、最後に弦楽器の首席奏者一人一人とハグをして健闘を称え合い、オケを解散させました

チョン・ミュンフンは私が一番好きな指揮者ですが、彼ほどのカリスマ性を備えた指揮者は現在、数えるほどしかいません プログラムといっしょに配られたチラシに「チョン・ミュンフン特別インタビュー」が載っています。そこで彼は次のように語っています

「何の媒体も介さずに人と人の生身の感性のやりとりが発生する場所は、もはやクラシックのコンサートしかありません。その人間の声をぜひダイレクトに感じてほしい」

彼の言葉に共感します。生きている限り、生のコンサートに通い続けたいと思います

 

          

 

 

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小菅優+スダーン+東響でグリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」を聴く~フェスタサマーミューザ・オープニング

2013年07月29日 07時00分21秒 | 日記

29日(月)。昨日、ミューザ川崎で「フェスタサマーミューザ・オープニングコンサート」(オール・グリーグ・プログラム)を聴きました 川崎はこの日も朝から暑い1日でした

 

          

 

午前11時に会場前の「歓喜の広場」でユベール・スダーン指揮東京交響楽団金管・打楽器奏者により「オープニング・ファンファーレ」が華々しく演奏されました

 

          

 

この日のコンサートのチケットを持っている人は11時半からの公開リハーサル(ゲネプロ)を聴くことができるというので、すぐに列に並び入場しました リハーサルだけ自由席とのことだったので2階のCA5列14番を確保しました。会場は1階席、2階中央席、P席(舞台裏)を中心に観客が入っています。全体の半数くらいでしょうか

舞台上で直前の練習を重ねるオケの面々はそれぞれ自由でラフな服装をしています カラフル&カジュアルというのがぴったりです 時間になるとステージマネジャーのような人が出てきてリハーサルの説明をしました

「今日の演奏は午後3時から本番です。リハーサルは本番とは順番を入れ替えて最初に「ペールギュント」を演奏し、少し休憩を入れてから、「ピアノ協奏曲」のリハーサルに入ります それではスダーンさんをお迎えします

スダーン氏も上が白のシャツ、下がジーンズといったラフなスタイルです。指揮台上の椅子に座り、日本語で「オハヨウゴザイマス」と挨拶してから、さっそくリハーサルに入ります グリーグの劇音楽「ペールギュント」から、花嫁の略奪、イングリットの嘆き、山の魔王の宮殿にて、オーセの死、朝の気分、アラビアの踊り、アニトラの踊り、ソルヴェイグの歌、ペールギュントの帰郷・嵐の夕べ、ソルヴェイグの歌(歌なし)の順にさらって行きます スダーンは、本番前のゲネプロのためか、基本的に曲を途中で止めて修正することはしません 一つのエピソードが終わったところで主な注意点を英語で指摘して次に移ります。楽員は彼の言っていることを理解しているようです

ソルヴェイグの歌では、ソプラノの期待の新人・新垣有希子が本番と同じダークブルーのドレスで登場し、美しい歌声を披露して拍手を浴びました この曲のリハーサルは12時22分に終了、52分かけたことになります

15分の休憩時間に、ピアノがセンターに設置されています。さっそく黒の上下の衣装を着た小菅優がピアノに向かい速いパッセージを弾いて練習しています 12時37分、スダーンが登場し「ピアノ協奏曲イ短調」を最初から合わせます 小菅はリハーサルだからといって最初から最後まで手を抜きません。すごい集中力です 楽章間はほとんど間を置かずどんどん先に進めます。リハーサルの段階からパワフルなピアノで聴衆を魅了します このリハーサルは聴衆の拍手の中13時10分に終了しました。33分かけたことになります

本番の3時まで1時間50分もあるのでコーヒーを飲むことにしました。とはいうものの、ミューザのあるラゾーナ側は日曜日でどこも混んでいるので、商店街がありそうな駅の反対側の東口に出て喫茶店を探しました。幸いコーヒーチェーンDに席を確保することが出来ました コンサートで良い席を確保するのと同じくらい苦労しました 暑くてクールでいられないので、ホットにしました

 

          

 

午後2時過ぎ再度ミューザ川崎に向かいましたが、川崎駅からラゾーナ側を見ると人だかりが出来ていました 2週間前の日曜の午後、同じ場所で剛力彩芽に人々が群がっていたという情報がありましたが、昨日は誰が人集めをしていたのでしょうか?非力謝零(ヒリキアヤマレ)か

ということで、午後2時半に同じチケットで再度ミューザ川崎に入場し、自席の2CB2列49番に着席しました。会場はほぼ満席です 拍手に迎えられ舞台に現われたオケの面々は、男性が上が白のブレザー、下が黒のスラックス、女性は上が白のブラウス、下が黒のロングスカート(管・打楽器はパンツルック)で統一しています 個人的には女性は全員パンツルックで統一した方がカッコイイと思います

楽員と同じ衣装で現われたスダーンが登場、指揮台の椅子に腰をかけてグリーグの組曲「十字軍の兵士シグール」から「忠誠の行進曲」を勇ましく堂々と演奏しました

次いで、舞台右サイドからピアノがセンターに移動、小菅優がスダーンとともに登場します。2曲目の「ピアノ協奏曲イ短調」が全身全霊をかけた小菅のピアノにより開始されます 小菅はパワフルなピアノで聴衆を唸らせます。しかし、第2楽章のアダージョは静かに聴かせます。そして第3楽章では再度、迫力のあるピアノを披露します

小菅は何度も舞台に呼び戻されましたが、スダーンに合図し、フルートの甲藤さちを立たせ、拍手を送りました

鳴り止まない拍手に、グリーグの「叙情小品集」から「夜想曲」を静かにゆったりと演奏し、聴衆の熱い心をクールダウンさせました。再び、心のこもった拍手が起きました

休憩後はリハーサルで最初に取り上げた「ペールギュント」の音楽を順番に演奏しました 「朝の気分」はフルートの甲藤さちとオーボエの荒絵理子のコンビが爽やかで気持ちの良い演奏をしました そして「ソルヴェイグの歌」では、新垣有希子が美しいソプラノを聴かせてくれました。この人はこれからどんどん活躍が目立ってくるでしょう

終演後、スダーンがチェロの席に行き、一人の男性奏者と会話を交わし握手しました 多分、定年を迎えるチェリストなのでしょう。スダーンは団員が辞める時には必ずこのような心配りをします。心温かい人なのだと思います 彼が今年度限りで東響を離れるのが惜しまれます

今夕はサントリーホールにチョン・ミュンフン指揮アジア・フィルを聴きに行きます

       

          

 

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「JAZZ IN 藝大2013」を聴く~マルタ+エリック・ミヤシロの共演も!

2013年07月28日 07時25分29秒 | 日記

28日(日)。昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「JAZZ IN 藝大」公演を聴きました このコンサートは「藝大から巣立ったジャズメン Part1」と題されている通り、東京藝大を卒業して音楽界で活躍するジャズメンが一同に会した公演です MALTA(サクソフォン)、美野春樹(ピアノ)、藤井美智(トランペット)、山崎千裕(トランペット)、山本正治(クラリネット)、古賀正治(トロンボーン)、藤本隆文(ヴィブラフォン)たちですが、私が知っているのは山本正治氏だけです。この人はクラシックの人ですから

もともとこのコンサートのチケットを買った動機はゲストにトランペットのエリック・ミヤシロが出演するからです 彼の演奏は数年前に有楽町マリオン朝日ホールで「侍ブラス」を聴いて、その炸裂するパワーがすっかり気に入って、その後気になる存在になっていたのです

 

          

 

自席は1階11列12番、左ブロック右通路側のかなり良い席です 会場は8~9割方埋まっている感じです。薄暗い照明のもと、マルタとその仲間、そして藝大ビックバンドMANTO VIVOの面々が配置に着きます。左サイドにピアノ(スタインウエイ)、ギター、ドラム、ベースがスタンバイし、右半分にビックバンド(トランペット、トロンボーン、サクソフォン、クラリネット)が控えます。後方中央にはエリック・ミヤシロがデンと構えています ちなみにエリックはハワイ生まれ、高校卒業後バークリー音楽大学に奨学金で招かれ入学、ウディ・ハーマンなどのビッグバンドにリード・トランぺッターとして招かれ、世界中を公演旅行した経験のある実力者です。という訳で東京藝大卒ではありません

進行役の東京藝大演奏芸術センター教授・松下功氏が登場、

「この企画は2004年からスタートしたもので、『邦楽とジャズ』『クラシックとジャズ』『語りとジャズ』と様々な切り口で実施してきたが、今回は東京藝大卒のジャズメンを集めてのコンサートを企画した 卒業生に声を掛けたところ是非出演したいというジャズメンが多かったので、取りあえず今回は”Part 1”とした」

として、藝大卒で一番有名なジャズマンのマルタを紹介しました。思ったより小柄な人です。松下教授とのやりとりは掛け合い漫才のようで軽妙洒脱です

マルタが指揮をしながらサックスを演奏するスタイルで、第1部の1曲目のジェローム・リチャードソンの「グルーヴ・マーチャント」が始まります。陽気な音楽です

そして2曲目、お馴染みのウィリアム・クリストファー・ハンディの「セントルイス・ブルース」、3曲目、サイ・オリヴァーの「オーパス・ワン」がご機嫌に演奏されます。マルタの主導でノリノリの演奏が続きます

ここで、いったん配置換えがあり、その間に進行役の松下教授がマルタにインタビューします

松下教授:「どうですか、後輩たちの演奏は?」

マルタ :「昨日までボロボロだったじゃないですか(笑)。でも今日はさすが 本番に強い(会場・笑)」

 

          

 

次は美野春樹トリオにより「シンディス・キャンディ」が演奏されます。ピアノは先ほどのと代わりますが、やはりスタインウエイです。クラシックもジャズもピアノはスタインウエイなのでしょうか

再び配置換えがあり、元の配置に戻ります。チャック・マンジョーネの「フィール・ソー・グッド」が、トランペットの藤井美智のソロを中心に演奏されます この人の演奏はポエムがあります。次いでランディ・ブレッカーの「サム・スカンク・ファンク」が、トランペットの山崎千裕のソロを中心に演奏されます この人の演奏は吹き抜けた明るさとパワーがあります。両曲ともサクソフォンのマルタとのコラボが何とも爽快です ほんの短い間、金髪で黒のバンダナがトレードマークのエリック・ミヤシロのソロがありますが、会場は拍手喝さいです 知ってますね、本物を

ここで進行役の松下教授がビールの入ったジョッキ を片手に登場、「夏はジャズにビールが合いますね。皆さん、ホワイエでビールを販売しています。どうぞお買い求めください。飲んじゃおっと」と言って一口飲んで、ジョッキを持たないマルタと「カンパーイ」と言って引っ込みました。この教授、相当な宣伝部長です

休憩後、再び登場した松下教授は「皆さま、お陰様でビール が相当売れたようです。ありがとうございました」とお礼を言っていました。

 

          

 

第2部の最初はグレン・ミラーの代名詞のような曲「ムーンライト・セレナード」です グレン・ミラーって本当にいいですね 次いで、同じ作曲家による「ペンシルバニア6-5000」が演奏されました。これもご機嫌な曲です。グレンはツアーの途中でいきなりヘレンに電話をかけ、「明日ニューヨークに来てくれ。結婚しよう。着いたらペンシルバニア6ー5000に電話してほしい。迎えに行くから」とプロポーズをしたという背景のある曲です マルタの合図で客席は手拍子で演奏に参加しました クラシックで言えばウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートにおける「ラデツキー行進曲」のようなものでしょうか

次いで、マルタ自身が作曲した「タズックスマニア」と「マンハッタン・イン・ブルー」が、マルタを中心に熱く演奏されました。いつかどこかで聴いたことのあるような、なかなか良い曲です

次にウディ・ハーマンの「フォー・ブラザーズ」とパディ・リッチの「ビッグ・スイング・フェイス」がソリストを代えながらご機嫌に演奏されました ここまでくると、聴衆は身体をスイングさせ、手や足で拍子を取っています。これがジャズの良いところでしょう

そして、最後にライオネル・ハンプトン=マルタによる「サクラ’81」が、最初は厳かに、途中からパワー炸裂で展開しました

 

          

 

最後の曲が終わっても拍手が鳴り止まないので、マルタが「アンコールないから、帰ってください」(笑)と叫びました。が、聴衆はアンコールがあるはずだとして帰りません マルタは「それじゃ、テイク・ジ・Aトレイン」と言って、出演者全員を登場させ、「A列車で行こう」をノリノリで演奏しました フィナーレではわれらのエリック・ミヤシロが、2階最後部席に突き刺さるような、誰も吹けない超高音でトランペットを吹き鳴らして曲を閉じました

本当に楽しいコンサートでした 来年もPart2をやるそうです。絶対に聴きに行きます 最後に私が作った格言を一つ・・・・・・

「ジャズは身体を解放し、クラシックは心を解放する」

たまにはジャズも良いものです が、いい気になってコンサートのジャンルをジャズまで広げると、今でも過密なコンサート・スケジュールが超過密になって、過労死する恐れがあります。”たまに”がちょうど良いのかもしれません

 

          

 

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バッハ・コレギウム・ジャパン第103回定期演奏会を聴く~世俗カンタータ第3回目

2013年07月27日 07時00分23秒 | 日記

27日(土)。昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)の第103回定期演奏会を聴きました 今回はバッハの世俗カンタータ・シリーズ第3回目です。プログラムは①音楽劇「響き交わす弦による 一致する不一致よ BWV207」、②音楽劇「鎮まりしアイオロス」〈破れ、砕け、うち壊て、この洞窟を〉BWV205」です

キャストはジョアン・ラン(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、ヴォルフラム・ラトゥケ(テノール)、ロデリック・ウィリアムズ(バス)、演奏は鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽・合唱)です

 

          

 

開演前にお決まりのアナウンスがあります

「ケータイ電話のご使用は他のお客様のご迷惑になることがございます。会場内ではマナーモードに設定のうえ電源をお切りください

どこかおかしいと思いませんか?この場合、「迷惑になることがある」という言い方が変です。演奏中ケータイが鳴ったら「迷惑になる」のであって「迷惑になることがある」のではありません それから、電源を切って欲しいと言っているのに、なぜマナーモードにしなければならないのか、意味不明です こういう言い方はこの東京オペラシティコンサートホールだけだと思います。他のほとんどのコンサートホールでは次のようにアナウンスしています

「ケータイ電話のご使用は他のお客様にご迷惑になります。会場内では電源をお切りください

関係者の再考を求めます

拍手の中、オケのメンバーが三々五々登場してきます。フラウト・トラヴェルソは管きよみと、いつもは前田りり子なのですが、この日は菊地香苗という新人が入ります また、オーボエも三宮正満と尾崎温子のほかに星春海という新人が加わっています さらに合唱の男声も2~3人新しい人が入っているようです。年度が代わって少しずつメンバー変更が進められているのでしょうか

1曲目の音楽劇「響き交わす弦による 一致する不一致よ」は大学教授祝賀カンタータということもあって、幸運(ソプラノ)、感謝(アルト)、勤勉(テノール)、名誉(バス)がそれぞれ主役になって歌われる真面目なカンタータです 舞台左サイドに控えた3人のトランペット奏者は片手でトランペットを支え、もう一方の手は腰にあててかっこよく吹きます 古楽器トランペットはバルブがないので吹くのが困難だと思われます それでも3人は高度な技術力で演奏に集中します。全体的には「祝賀」カンタータなので明るく輝かしい音楽です 4人のソリストは、それぞれ持ち味を発揮して会場一杯に喜びの歌声を響かせます

休憩後、指揮者の鈴木雅明がマイクを持って登場、曲の解説をしました

「前半は大学教授祝賀ということで堅苦しい面がありますが、次に演奏する音楽劇『鎮まりしアイオロス』は風の神が吹き荒れるのを、他の神々がなだめすかして鎮めるという、説明するまでもないような劇音楽です バッハとしては、他のカンタータよりも多種類の楽器を使用して大規模な音楽を作曲しています。背景には、相当大きなスポンサーがいたことは間違いないでしょう

この曲でもトランペットの3人が舞台左サイドにスタンバイし、反対の右サイドにはホルンが2人スタンバイします。ホルンは管を丸めただけでバルブはありません。中央にはヴィオラ・ダ・ガンバが控えます

歌手は4人とも実に楽しそうに歌います。これはおそらく指揮者・鈴木雅明の考えによるものだと思われます。「みんな、楽しくやりましょう」という掛け声があったはずです その一方で、歌手に伴奏をつけるオケのメンバーを見ると、オーボエの三宮正満はいつものように抜群の好演で聴衆を唸らせ、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・モーレを弾いたコンマスの若松夏美は安定した実力を発揮していました また、フラウト・トラヴェルソの管きよみと菊地香苗は美しいハーモニーを奏でていました それとティンパ二の乾いた響きが何とも心地よく、”軽快なバッハ”演奏に貢献しています

それにBCJと言えば、ソリストを含めた合唱の素晴らしさを指摘しないわけにはいきません 文字通り、世界に通用する超一流の合唱団です バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏を聴いていつも思うのは、バッハが現代に息づいている、ということです

終演後は拍手 とブラボーが鳴り止まず、何度もソリストたちと鈴木雅明は舞台に呼び戻されていました 会場の1階後方に空席が目立ったのは何とももったいない話だ、と残念に思いました

 

              

 

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新日本フィル室内楽シリーズを聴く~残念!篠原英和さんのプレトーク最終回!!

2013年07月26日 07時00分13秒 | 日記

26日(金)。昨夕、すみだトリフォニー小ホールで新日本フィル室内楽シリーズ2012-2013の最終回を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423」、②ストラヴィンスキー「兵士の物語」です

開演前に、いつものように新日本フィル第2ヴァイオリン奏者・篠原秀和さんによるプレトークがありました。残念ながら今回が最終回です いつもは原稿らしきペーパーを譜面台に置いてトークを始める篠原さんですが、今回はまったく原稿なしです。とはいうものの、いつも原稿は用意するのに、まったく見るそぶりを見せないので同じことです ほとんど”暗譜”でプレトークに臨んでいるのです

最終回のこの日は「私の中の三本柱」と題して「アマデウス弦楽四重奏団」、「ブタペスト弦楽四重奏団」「ボロディン弦楽四重奏団」を取り上げ、さらに篠原さんが師事したアマデウス弦楽四重奏団のヴァイオリン奏者・ブレイニンさんについて熱く語りました また、今回のトークで初めて、この室内楽シリーズがクリスチャン・アルミンクの提唱で始まったことを知りました 

篠原さんは約8年もの長きにわたりこの室内楽シリーズのプレトークを担当されました どれほど、聴く側のわれわれが音楽の知識を吸収するのに貢献したか、図りしまれません 最後の最後まで各四重奏団のメンバーの名前から歴史に至るまで正確な知識を披瀝され、われわれを驚かせました 私自身はこのシリーズとは2年間ほどのお付き合いですが、本当に勉強させていただきました。感謝に耐えません 

次回からプレトークを担当されるコントラバスの村松さんから篠原さんへ花束の贈呈がありました 村松さん、とんでもない大役を引き受けましたね 篠原さんとは違ったパーソナリティ―で、この難局に臨まれることと思いますが、ご健闘をお祈り申し上げます

さて、1曲目のモーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423」は、ヴァイオリン=山田容子、ヴィオラ=木村恵子によって演奏されました

         

          

 

篠原さんがプレトークで語られたように、この曲は「オペラだらけ」の曲です。歌心にあふれた楽しい曲でした 山田さんも木村さんも演奏を楽しんでおれれたように見受けました

休憩後のストラヴィンスキー「兵士の物語」の演奏は、クラリネット=重松希巳子、ファゴット=石川晃、トランペット=杉木淳一朗、トロンボーン=奥村晃、ヴァイオリン=佐々木絵理子、コントラバス=廣嶋嘉人、パーカッション=山田徹、語り=吉田孝というメンバーで演奏されました 語りの吉田孝さんは、どこかの番組の「スーパーニュース」のナレーターでお馴染みだそうです(私はテレビを観ないので分かりませんが)。

この演奏は新日本フィルのソリストが本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。が、それを圧倒したのがナレーターの吉田孝さんでした 約1時間の演奏時間のうち半分はナレーションと言ってもいいほど語りの出番が多いのですが、主人公の兵士や悪魔等を七色変化の声で使い分けて聴衆を圧倒しました 彼は音符が読める と感心し、プロとはこういうものかとました。声が良く通るので、彼の顔の表情を見ると、耳に掛けたメガネのツルのような器具が集音マイクになっていて、それが声を拾っていることが判りました

この曲はもともとジャン・コクトーの詩に音楽をつけたものですが、今回演奏されたのは新井鷗子さんの台本によるものです ナレーターの吉田さんが「ジェジェ」など最近のはやり言葉を入れて飽きさせない工夫して再構成した台本によって上演されました

こんなに楽しい「兵士の物語」を聴いたのは初めてです 驚いたのは測ったように9時ちょうどに演奏が終わったことです。これは何チャンネルかの「ジルベスタ―コンサート」じゃないよね と思ったりしました。

この曲を聴いていて思ったのは「ストラヴィンスキーは何故、このような音楽を作曲したのだろうか」ということです。「マーラー、ブルックナーで交響曲の時代は終わった」という判断のもと、まったく違う音楽表現の道を歩もうと決心したのだろうか、と思いました

終了後、いつも通り500円会費のワンコイン・パーティーに参加しました モーツアルトでヴィオラを演奏した木村恵子さん、兵士の物語でヴァイオリンを演奏した佐々木絵理子さん、同じくナレーターを務めた吉田孝さんがインタビューに応じていました

パーティー会場には篠原さんの奥様のMさんのコンサートのチラシが用意されていたので、いただいてきました。どうです、美人でしょう あっ、ここで一言お断りしておきますが、このチラシはご本人の許可を取らずにアップしています。このような行為は通常、肖像権侵害、著作権および著作隣接権に抵触、軽犯罪法および東京都迷惑条例違反に該当します。よい子はマネをしないでね

 

          

 

篠原さんとの約束で、パーティー終了後、軽く飲みに行くことになっていたので、しばらくワインを4杯ほど飲んで待機していました すると、二次会の幹事役のAさんを紹介してくれました。あと、篠原さんの奥様Mさんと、篠原さんのファンで新日本フィルを陰で支える3人のボランティアの素敵な女性がたで、トりフォニーホール近くのワイン・ダイニング「DIGO」というお店に繰り出して”打ち上げ”をやりました その時初めて、私は自分の本名と勤務先、そして寅年生まれでタイガース・ファンであることからtoraのブログを書いていることを明かしました

後から木村恵子さん、新日本フィル事業部のNEさん、NHさんが加わって再度打ち上げをしましたNEさんは室内楽シリーズのプログラムの充実に尽力された魅力的な女性で、篠原さんはさかんに感謝の言葉を述べておられました NHさんも広報・宣伝プロデューサーとして篠原さんをはじめ新日本フィルの活動を支えていらっしゃいます 私も某新聞関係団体の事務局職員を長年務めたので裏方の苦労は相当共有できると思います ”事務局”は楽しいことばかりではありません。むしろ縁の下の力持ちですから、日ごろは地道な仕事をこなさなければなりません。お二人ともきっと音楽がお好きなのでしょうね 人は見れば分かります。

 

          

 

何だかんだ飲んでしゃべっているうちに時計の針は23時50分を指しています。楽しいことはあっという間に過ぎます 秋葉原で乗り換える時に篠原さんはじめ皆さんにお別れしました。篠原様ご夫妻はじめ打ち上げにご参加の皆さま、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。ありがとうございました また飲みたいですぅ

買い物をして巣鴨の家に帰って洗濯して雑用をこなして就寝したのは3時過ぎでした 洗濯なんて朝やれば、と言うかもしれませんが、私の場合はいつやるか、今でしょ、って感じです(昨夕の「兵士の物語」でも出演者による不慣れな演出がありましたね)。とにかくセンタクの余地がないのです ツッコミを入れるのなら今です。これを洗剤一隅のチャンスといいます

と言うことで、今朝は6時に起きてこのブログを書いています。昨夕は8日連続コンサートの初日だったので、まだまだ序の口ですが、最初から飲んだくれていていいのだろうか、と反省する今日この頃です今日はバッハ・コレギウム・ジャパンを聴きに行きます

 

          

 

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音楽大学オーケストラ・フェスティバルのチケットを入手~洗足、桐朋、武蔵野、昭和、東京、国立の各音大

2013年07月25日 07時00分21秒 | 日記

25日(木)。昨日、皇居前広場で丸の内消防署主催の自衛消防訓練審査会が開かれたので、小雨の中、応援に駆けつけました 出場チームは警備隊で43チーム。丸の内消防署管内は大企業の本社が集中していることもあり、各ビルの警備隊は強豪揃いで有名です われらがNPCチーム(指揮者I君、一番員T君、二番員S君)は26番目、午後1時半頃に出場しました。大きなミスもなく日頃の訓練の成果を発揮してくれたと思います。ただ、そこは”丸の内”、さすがに上位入賞常連チームも同じように実力を発揮します。結果としては14位ということでした。しかし、43チーム中14位というのは立派な成績です 3人ともよく健闘してくれました。さらに、今回は一番員のT君が指揮者、一番員、二番員それぞれ1名ずつしか選ばれない個人賞(敢闘賞)を受賞しました これは立派な成績です。出場選手諸君、関係者の皆さま、お疲れ様でした

審査会の模様は当社ホームページ http://www.presscenter.co.jp の「取り組み」にアップしてあります。

 

  閑話休題  

 

その夜は、テナントKの3人の幹部(K代表、Kさん、F女史)と隣のFSビル地下O寿司で暑気払いで飲みました 当社側はS元監査役、技術のH君と私の3人です。K代表はダジャレとカラスの鳴きまねで有名な方で、この日も絶好調でした。もう一人のKさんは今回初めてお会いしましたが、見た目は静かな印象ですが、話をされると、とくに芸能界の話になると、キャンディーズからAKB48まで豊富な知識を披瀝されるので驚きました 当社のS元監査役も”昭和”と芸能情報については誰にも負けない知識の持ち主ですが、いい勝負です Fさんはいつもお淑やかで、K代表やS元監査役のダジャレを軽くかわしながら話の輪に加わっていました 最近、家族でテニスを始められたとのことです。爽やかな一家ですね 楽しい会話に花が咲き、2時間の制限時間(飲み放題)を軽く1時間オーバーしてお開きになりました。K代表、Kさん、Fさん、お疲れ様でした。今後ともよろしくお願いいたします

 

  も一度、閑話休題  

 

第4回音楽大学オーケストラ・フェストバルのチケットを3枚買いました

1枚目は11月11日(月)18時30分からミューザ川崎シンフォニーホールで開かれる洗足学園大学(指揮:秋山和慶)と桐朋学園大学(指揮:高関健)のコンサートです 洗足学園はブルックナーの「交響曲第7番」を、桐朋学園はストラヴィンスキーの「カルタ遊び」「春の祭典」を演奏します

2枚目は11月23日(土)14時から東京芸術劇場で開かれる武蔵野音楽大学(指揮:北原幸男)と昭和音楽大学(指揮:マテシッチ)のコンサートです 武蔵野音大はショスタコーヴィチの「交響曲第10番」を、昭和音大はチャイコフスキーの「交響曲第4番」を演奏します

3枚目は12月8日(日)15時から東京芸術劇場で開かれる東京音楽大学(指揮:川瀬賢太郎)と国立音楽大学(指揮:山下一史)のコンサートです 東京音大はベートーヴェンの「交響曲第8番」とハチャトゥリャン「ガイーヌ」からを、国立音大はバルトークの「オーケストラのための協奏曲」を演奏します

このほか12月1日(日)に東邦音大と東京藝大のコンサートがあるのですが、東京交響楽団の定期演奏会の予定が入っているので残念ながら聴きに行けません

学生のオケだからと言ってバカにしてはいけません。むしろ、次代を担うプロのタマゴの集まりだと思って聴いた方がいいと思います

 

          

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椰月美智子著「ガミガミ女とスーダラ男」を読む~ここまで書いていいのか?!

2013年07月24日 07時00分25秒 | 日記

24日(水)。昨夕、X部長から「今日はコンサートないの?」と訊かれ、たしかに予定がないので「ないよ。でも記者クラブの試写会 が6時からあるけどね」と答えると「じゃあ、ちょうどいいや。30分だけね」と誘われ、30分ならまあいいか と軽い気持ちで付き合ったのが運のツキ S元監査役と3人で地下のRで飲んでいると、6時にテナントJのN氏がやってきて仲間に加わりました。X部長にとっては予定の行動、われわれにとっては不測の事態、山本リンダではありませんが、もうどうにも止まらない 1升瓶が空きそうです。かろうじて翌日の予定を思い浮かべて自制心が働き、7時には撤退しました 翌日、つまり今日、自衛消防訓練審査会が開かれ、わがPCビルの防災センター隊員3名が皇居前広場で開かれる審査会に出場するので応援に駆け付けることになっているのです。さらに、夕刻からはテナントKの3人の幹部と暑気払いで飲むことになっているのです さらにさらに翌木曜日から来週の木曜日まで連続8日間のコンサートが控えているのです 出来るだけ早く家に帰らねば死んじゃいます 何はともあれ、審査会に出場する3人の隊員には後で後悔しないよう、普段の練習の成果を十分に発揮してほしいと思います

 

  閑話休題  

 

椰月美智子著「ガミガミ女とスーダラ男」(講談社文庫)を読み終わりました 椰月美智子は、さきのブログでご紹介した「るり姉」の作者です

この本は下ネタ好きの夫(2度目の)に毎日イライラを爆発させながらも、捺印済みの離婚届を保留している妻のエッセイです いくつかのエピソードが紹介されていますが、たとえば「シアサッテの人」という話は次のように始まります

「Webちくび。いまだかつて、筑摩書房の『ちくま』のことを『ちくび』と表現したふとどき者がいただろうか・・・・・・いた・・・・・・わが家に・・・・・・スーダラ男である スーダラ男こと、うちの旦那は無意識のうちにとんでもないことを口走る性癖がある。その事実は、もちろん結婚後に判明した

スーダラ男と呼ばれる夫に関する妻の見立ては次のようなものです

「おちゃらけ者、シモネタ好き、いいかげん、ふざけすぎる、人の話を聞かない、痛みに弱すぎ、忙しぶる、気分屋、嘘をつく、おおげさ、だらしない、くだらない、気が短い、物に当たる、妻や子どもに当たる、すぐに文句を言う、味噌クソ一緒、しつこく泣き言を言う、ややこしいことは全部人任せ、漢字が読めない、日本語を知らない、尻毛がすごい、トイレが長すぎ、ハミガキが嫌い、などなど、気に入らないところを挙げると切なく出てくるス―ダラ男

よくもまあ、人の欠点がこうもたくさん羅列できるものだと感心します 毎日のように繰り返される口げんか、それでも決着しないと殴り合いバトルが始まるという恐ろしい夫婦です しかも、これは小説ではなくすべてが事実=ノンフィクションだと言いますから呆れるばかりです

それでは、なぜ彼女は(2度目とは言え)そんなスーダラ男と結婚したのでしょうか。その理由を次のように書いています

「夫は”生きる力”を持っている。生きるために、なりふりかまわず、がむしゃらに、今持っている力を全部出し切ることができるっていうのかな。何があってもきっと大丈夫、って思わせてくれる力強さのようなもの。アメーバのように原始的で、猿のように本能的な人間であるスーダラ男は、なんの疑いも抱くことなく、当たり前にそれを持っていると思う

ポポジ(長男。本当の名前なの?)の弟が生まれそうと言う時は、こんなことも書いています

「ポポジは、きわちゃん(妻の母)ちへお泊り。家事はすべてスーダラ男がやってくれた。スーダラ男は以外にも家事が得意である。そして彼は、根はやさしい男である

そうでなければ第2子誕生はありえないでしょう。ちなみに第2子の名前はペペジといいますが、本当の名前なの?

とにかく、こんなことまで書いてもいいのか と思わせる抱腹絶倒のシモネタ話が満載です 絶対に電車の中では読まないように。挙動不審で逮捕されます

読み終わって思ったのは、妻である著者の椰月美智子さんという人は相当の美人に違いないな、ということです。直感でそう思いました

 

          

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パリ・オペラ座バレエ・ライブビューイングでマーラー「交響曲第3番」を観る

2013年07月23日 07時01分03秒 | 日記

23日(火)。昨日は1日の夏休みを取りました。実は台所のガスレンジが3つのうち2つが点かず、最後の1つもチャッカマンに頼っている今日この頃なので、そろそろヤバイのではないかということで、業者に来てもらい見積もりを出してもらうことにしたのです

要件はほんの30分程度で終わったので映画を観に行くことにしました 候補は3つ。一つは「25年目の弦楽四重奏」、二つ目は「アンコール!!」、三つ目は「パリ・オペラ座バレエ”マーラー:交響曲第3番”」です 1分ほど迷って「パリ・オペラ座バレエのマーラー」を観に行くことにしました

午前11時半からの指定を取りましたが、ウィークデーということもあってか日比谷のTOHOシネマズみゆき座はガラガラです。20人までは居ませんでした

 

          

 

この映画は今年4月18日にパリ・バスティーユのオペラ座で上演されたバレエ「マーラー:交響曲第3番」のライブ録画です 音楽は言うまでもなくグスタフ・マーラーが作曲した「交響曲第3番ニ短調」ですが、この長大な曲にハンブルク・バレエの芸術監督ジョン・ノイマイヤーが振付を施したのもです ノイマイヤーは就任早々真っ先にこの曲を取り上げたといいますが、マーラーが1891年3月にハンブルク市立劇場の指揮者に就任し、1893年からザルツブルク郊外のアッタ―湖畔のシュタインバッハで夏の休暇を過ごし、そこで交響曲第3番を作曲したことと、少なからず関係があるのではないかと思います

交響曲第3番ニ短調は1895年から96年にかけて作曲された全6楽章から成る交響曲ですが、第4楽章にアルト独唱、第5楽章にアルト独唱と児童合唱、女声合唱を導入しており、演奏時間は100分にも及びます

マーラーは作曲当初、全曲と各楽章にタイトルを付けていました。全体の表題としては「夏」をテーマにしています また楽章ごとには、第1楽章「夏が行進してくる」、第2楽章「野原の花々が私に語ること」、第3楽章「森の動物たちが私に語ること」、第4楽章「夜が私に語ること」、第5楽章「天使たちが私に語ること」、第6楽章「愛が私に語ること」としています。しかし、これらの標題は、後に誤解を受けるとして、マーラー自身の手によって破棄され、楽譜には書かれていません

ノイマイヤーは、マーラーの当初の標題を生かし、「夏」、「秋」、「夜」、「天使」、「愛が私に語るもの」として再構成し、演出しています

彼は、公演が始まる前のインタビューで「このバレエを観て、考えないで下さい。自分のものとして吸収してください」と語っていました チャイコフスキーの3大バレエ曲や、ストラヴィンスキーの「春の祭典」などのように、もともとバレエのために作曲された曲ではない曲に振付を施すことの困難さを言い表したのだと思います

サイモン・ヒューヴェットという指揮者のタクトで第1楽章が開始され、まず、男性陣による男っぽい「夏」が展開します どうも、男ばかりのバレエは味気なくて困ります。ベジャールのボレロは別ですが

「秋」になって、やっと女性ダンサーの登場です。時に2人で、3人で、集団で、音楽に合わせて現代バレエが踊られますが、マーラーの曲自体が長いため、間を持たせるのが大変です はっきり言って、バレエ音楽としてマーラーの交響曲第3番は向かないのではないか、と言うよりも100分にも及ぶマーラーの交響曲全体をバレエで表現することに無理があると思います 同じマーラーの交響曲でも第5番の「アダージェット」はバレエに向いていると思いますが(これもベジャールだったかも知れません)

全曲を通して思うのは、この曲を振付するのなら最後の「愛が私に語るもの」だけを取り上げた方が良いのではないかということです 全曲を聴くのなら、バレエ抜きで純粋にオーケストラの演奏を聴いた方が良いと思います 上映時間は1時間54分。入場料は3,500円です

パリ・オペラ座ライブビューイングはバレエだけでなくオペラのライブ録画も上映します。ビゼーの「カルメン」、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」、オッフェンバックの「ホフマン物語」、ヴェルディの「ファルスタッフ」、ポンキエッリの「ジョコンダ」です。こちらの方が期待できるかも知れません

 

          

 

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佐村河内守「交響曲第1番」を聴く~金聖響+神奈川フィル~本人も登場!

2013年07月22日 06時48分43秒 | 日記

22日(月)。昨日は午前中近くの小学校に参院選の投票に行きました。長男が通っていた小学校ですが、いつの間にかグランドが天然芝になっていてました。自宅マンションから半径60メートル位しか離れていないのに、裏通りにあるので滅多に行かないためです 投票は、娘が大学を卒業するも就職できずアルバイトに甘んじていることから、若者に就職をと声高に訴えていた候補者に1票を入れました (今日の朝刊の1面大見出しは、朝日が「自公圧勝、衆参過半数」、日経が「与党圧勝、ねじれ解消」です。『歴史は繰り返す』これまでも、そして、これからも

家に帰ってから、午後に横浜みなとみらいホールで聴く佐村河内守の「交響曲第1番」のCDを3回繰り返し聴いてメロディーを頭に叩き込みました

 

  閑話休題  

 

ということで、昨日午後2時から横浜みなとみらいホールで神奈川フィルの特別演奏会で佐村河内守の「交響曲第1番」を聴きました

本当はこの曲のCDを出している大友直人指揮東京交響楽団によるコンサートを聴きたかったのですが、チケット発売時点でソルド・アウトで、”仕方なく”横浜まで神奈川フィルの公演を聴きに行くことにしたのです

佐村河内守は1963年、被爆二世として広島に生まれました。4歳から母親にピアノを師事し、音楽大学へは進まず独学で作曲を学びました。35歳で全聾になりながらも、絶対音感だけで「交響曲第1番”HIROSHIMA”」を完成しました その経緯は彼の著書「交響曲第一番”HIROSHIMA"~闇の中の小さな光」に書かれています

 

          

 

NHKスペシャルでその壮絶な半生が紹介されて話題になり、そのCDはクラシック音楽としては空前の17万枚以上の売り上げを記録しました

 

          

 

会場は3階席までほぼ満席。自席は2階LD1-1で、左サイドの最前列です。1階席でいえば9列目の左側の真上辺りの席です。全3楽章80分かかる交響曲のため「この公演は途中、休憩はありません」というアナウンスが入ります

私が”仕方なく”神奈川フィルを聴こうと思ったのはコンマスが気に入らないからですが、幸運にも、舞台袖から現れたコンマスはいつものIではなく、思わず胸を撫で下ろしました オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢を採ります

ロビーで購入した全国ツアーのプログラム(1,000円)に佐村河内守氏のインタビューが載っていますが、指揮者の金聖響について次のように語っています

「金聖響さんは私が指名しました。あくまでも私見ですが、彼はもの凄く可能性があります。私なりの方法で調べたりして、いま一般に評価されているよりも高く深い潜在能力を感じます 彼も今回『完全燃焼して頑張る』と言ってくれていますし、スコアを相当読み込んで新たな発見をされてもいますので、違った切り口の”HIROSHIMA”が生まれてくるのではないかと期待しています

その金聖響がタクトを持って登場します。彼の合図で低弦の重い響きが会場を満たしていきます 全3楽章ですが、第1楽章が約20分、第2楽章が約35分、第3楽章が約27分かかります

 

          

 

音楽評論家の長木誠司氏はCDジャケットの交響曲第1番の楽曲解説に「作曲者自身のコメントによれば、第1楽章が”運命”、第2楽章が”絶望”、第3楽章が”希望”とされている」と書いていますが、さきのプログラムの中で佐村河内守氏は次のように語っています

「音楽は聴いて感じるものです。でも、1つの誤解だけは解いておきたいと思います 色々なところで使われているような『第1楽章は”運命”、第2楽章は”絶望”、第3楽章は”希望”である』との発言をしたことは、一度もありません それは鐘の部分を示しています。それぞれ”運命の鐘”、”絶望の鐘”、”希望の鐘”である、同じ『シ』の音が、まわりの音によってそのように聴こえます 今初めて明かしますが、楽章そのものが”運命”や”絶望”だと、皆間違って解釈しています。1つの楽章の中に、絶望や希望、挑戦、それを蹴落とそうとする悪魔・・・・など、様々な要素が含まれています 一括りに”絶望”の楽章というのは誤りです。ただ、最後はやはり”希望”でありたいですし、音符もそうなっているとは思います

誤解を受けやすい書き方の解説が独り歩きしてしまった感が否めません。実際にこの長大な交響曲の各楽章を聴いていると、作曲者の主張のとおり、どの楽章でも、絶望、苦しみ、悲しみ、怒り、また逆に、勇気、喜び、立ち直りを現した音楽が展開していることが判ります

重々しい管弦楽の中でトランペットやトロンボーンの明るい音が聴こえてくると救われる思いがします第3楽章のフィナーレは、長木氏が述べているように「マーラーの交響曲第3番の終楽章に匹敵するような壮大な音楽」です 最後の”鐘”が希望を体現しながら鳴り響く中、全曲が閉じられます

圧倒的な拍手 とブラボーが会場を満たします。一段と拍手 が大きくなる中、1階席の聴衆の目が会場の後方に注がれます。2階席から下を見下ろすと、サングラスをかけた作曲者・佐村河内守氏が杖をついて急ぎ足で舞台に向かっているところでした そして、舞台に上がるや否や指揮者の金聖響としっかりと抱き合い、お互いを讃え合いました 次いで佐村河内氏は弦楽器の首席奏者全員と握手し、会場の前後左右に向かって一礼し、聴衆の感動を受け止めていました 

金聖響のもと、神奈川フィルは全力でこの大曲に対峙しました しかし、作曲者の佐村河内守は会場でただ一人自作の交響曲第1番を聴くことが出来ませんでした。全聾だからです。作曲家にとってこれほど残酷なことがあるでしょうか?その代わり、聴衆のわれわれが彼の耳になって神奈川フィルの演奏を通してしっかりとメッセージを受け止め、その素晴らしさをスタンディング・オベーションで彼自身に伝えました。生涯忘れることのない印象深いコンサートでした

 

          

                    

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