人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶 ✕ 吉田南 ✕ 東京交響楽団でブラームス「ヴァイオリン協奏曲」&「交響曲第1番」を聴く ~ 東響第697回定期演奏会 / 東京 春 音楽祭「N響室内楽」チケットを取る

2022年01月31日 07時05分15秒 | 日記

31日(月)。昨日、東京春音楽祭の一環として4月5日(火)19時から国立科学博物館地球館2階常設展示室で開かれる「N響メンバーによる室内楽」公演のチケット(全席自由)を取りました プログラムは①モーツァルト「クラリネット五重奏曲 変ロ長調『断章』K.Anh.91(516c)」、②同「クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581」,③ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第2番 イ長調 作品68」です 演奏はヴァイオリン=大林修子、大宮臨太郎、ヴィオラ=坂口弦太郎、チェロ=山内俊輔、クラリネット=伊藤圭です

 

     

 

月末なので、恒例により今月の3つの目標の実績をご報告します 1月の実績は①クラシックコンサート=9回、映画鑑賞=0回、読書=11冊でした 映画鑑賞0は最近10年間で初めてだと思います 一方、Netflixで「新聞記者」(全6話)をはじめ5作品を観ました また、読書11冊は1か月間としては最近10年間で最高の実績だと思います この傾向は今月急激に悪化した腰痛に要因があります 腰が痛いので出来るだけ外出は避ける(コンサートはチケットがあるので聴きに行くが)一方、ベッドで横になる時間が多くなくことから読書が増える、ということです この傾向は2月も続くと思いますが、早く腰痛を治さなければと思っています

ということで、わが家に来てから今日で2578日目を迎え、バイデン米大統領夫妻は29日までに、ホワイトハウスに2歳の雌猫「ウィロー」を迎え入れたが、ホワイトハウスで「ファーストキャット」が暮らすのはブッシュ(子)大統領時代の2009年以来となる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウィロー君の役割は何だろう? 政権支持率アップを狙うキャッチ、いやキャットか

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団 第697回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77」、②同「交響曲第1番 ハ短調 作品68」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=吉田南、指揮=東響桂冠指揮者・秋山和慶です

拍手の中 オケの面々が入場し配置に着きます   弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び。コンマスは水谷晃です

開演前に水谷氏のツイッターを見たら、東響は本公演を挟んで新国立劇場での「さまよえるオランダ人」のリハーサルと本番、さらに次のオペラ「愛の妙薬」のリハーサルが連日のように組まれているとのこと 東響は人使いが荒いオケだな、と楽団員の皆さんは思っているのではないか と想像します    しかし、現在のコロナ禍のもとでは、忙しいことの しんどさ よりも、聴衆の前で演奏できる喜びの方が勝るのではないか、と思います コマは回り続けなければいつかは止まって倒れてしまう 東響というコマは回り続けなければならない でもコマは漢字で「独楽」と書きます。さて、この日は楽しく演奏できるでしょうか

 

     

 

1曲目はブラームス「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1878年に作曲、翌79年1月1日にライプツィヒのゲヴァントハウスでブラームスの指揮、ヨーゼフ・ヨアヒムの独奏によって初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の吉田南さんは奈良県出身。2014年の日本音楽コンクール第1位&5つの特別賞、2015年の第11回シベリウス国際ヴァイオリンコンクール入賞、2016年モントリオール国際音楽コンクールで最年少 第3位に入賞しています 現在米国ニューイングランド音楽院にフル・スカラシップを得て留学中で、この春から東京音楽大学アーティストディプロマコースに特別特待奨学生として在籍しています

秋山氏に伴われてステージに登場した吉田南さんは、上がシルバー、下がブラック、左肩出しのエレガントな衣装で登場、一瞬ステージがパリコレのランウェイに変貌を遂げたかのようでした

秋山氏の指揮で第1楽章が悠然としたテンポで開始されます    そして、吉田南のヴァイオリンが決然と入ってきて情熱的な演奏が展開します 南さんの演奏はエネルギッシュで、確かな技術に裏付けられた大胆にして細心の演奏です カデンツァは”大胆素敵”な渾身の演奏で、聴いていて背筋が寒くなるほどの感動を覚えました 第2楽章は冒頭の荒絵理子のオーボエ独奏が素晴らしく、ヴァイオリン・ソロの名演を導きました 南さんの演奏は繊細で、優しさや温かさを感じる音色を聴くと、本人の性格を表しているように思いました 第3楽章に入ると一転、ドイツの暗い空の雲の合間から輝く太陽が顔を出したように明るく躍動感に満ちた演奏が繰り広げられます 南さんの生き生きとした演奏姿を見ていると、ブラームスへの共感が身体から沁み出ているように感じました 秋山氏 ✕ 東響はスケールの大きな演奏を展開し、ソリストをしっかりサポートしました

満場の拍手が南さんと秋山氏 ✕ 東京交響楽団の皆さんに送られ、スタンディングオベーションも見られました

鳴りやまない拍手に南さんは、テレマン「無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲」から「第10番」の第1楽章を軽快に演奏、再び満場の拍手を浴び、悠々とランウェイを引き上げていきました この日は当初、ウィーン・フィルの第2ヴァイオリン首席奏者・クリストフ・コンツが独奏する予定でしたが、新型コロナ禍に伴う外国人の新規入国制限措置により来日できなくなり、急きょ、吉田南さんが演奏することになりました コンツ氏の降板は残念でしたが、この日の演奏を聴く限り、反って吉田南さんで本当に良かったと思います 他の曲も是非聴いてみたいと思わせる素晴らしいヴァイオリニストです これからもレパートリーを広げて、素晴らしい演奏を聴かせてくれることを期待しています

 

     

 

プログラム後半は「交響曲第1番 ハ短調 作品68」です この曲はブラームスが1855年(構想)、62年、68年、74年~76年にかけて作曲、1876年11月4日にカールスルーエで初演されました 第1楽章「ウン・ポーコ・ソステヌート ~ アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第3楽章「ウン・ポーコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ」、第4楽章「アダージョ ~ ピウ・アンダンテ ~ アレグロ・ノン・トロッポ、マ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります

この曲は何度となく生演奏で聴いてきましたが、やっぱり秋山さんの指揮は素晴らしいと思います 私が10数年前に東京交響楽団の定期会員になったのは秋山さんが音楽監督を務めていたからです いつも何の衒いもなく整然と、作曲家の主張するエッセンスを届けてくれます 第1楽章冒頭のティンパニロール(52連打)を聴くと、「これからブラームスへの旅が始まる」と覚悟します。この楽章ではチェロの重心の低い演奏が印象的でした 第2楽章ではオーボエ主席の荒絵理子、フルート首席の相澤政宏、クラリネット首席の吉野亜希菜、ファゴット首席の福井蔵ら、東響自慢の木管楽器群が大活躍でした また、水谷コンマスのヴァイオリン・ソロも素晴らしかったです 第3楽章では、弦楽セクションと管楽セクションとの対話が素晴らしく、美しいアンサンブルが楽しめました 第4楽章では、中盤のアルペンホルンの旋律がホルン首席の上間善之によって奏でられ、そのすぐ後に相澤政宏のフルートが続きましたが、アルプス山脈の上空に広がる青空のように爽やかに響きました そして、秋山氏 ✕ 東響は 構想から21年をかけて念入りに作り上げたブラームスの「交響曲第1番」を重厚なサウンドで締めくくりました

満場に拍手に秋山氏がカーテンコールに呼び戻されます やっぱり秋山氏はいいなあ、と思いました

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井上道義 ✕ 服部百音 ✕ 読売日響によるショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲」「交響曲第5番」のチケットを取る / 新川帆立著「元彼の遺言状」を読む

2022年01月30日 07時20分19秒 | 日記

30日(日)。2月10日(木)19時からサントリーホールで開かれる読売日響特別演奏会のチケットを取りました このコンサートは、ヴァイグレ指揮による「エレクトラ」公演の中止を受け、急きょ企画・開催されることになったものです プログラムは①ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、②同「交響曲第5番」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=服部百音、指揮=井上道義です。チケット代は一般5000円ですが、読響会員は3000円と格安になっています

 

     

 

新日本フィル「室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編」第149回~第152回のチケットを取りました 会場はすみだトリフォニーホール(小)で、時間はいずれも19時からプレトーク、19時15分から演奏です

第149回(4月11日・月)フルート&ピッコロ奏者・渡辺泰プロデュース編

第150回(6月16日・木)チェロ奏者・飯島哲蔵プロデュース編

第151回(9月8日・木)チェロ首席奏者・桑田歩プロデュース編

第152回(10月12日)コントラバス奏者・原田遼太郎プロデュース編

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2577日目を迎え、アメリカのバイデン大統領は東部ペンシルべニア州で、橋が崩落し少なくとも10人がけがをした事故を受け、現場を視察し、「われわれはすべてを修理するつもりだ。冗談ではなく、これは巨大な変化になるだろう。(修理が必要な橋は)全国に4万3000か所もある」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     崩落した橋の再建はお金で解決できるが  二分した米国を再建するには相手がある

 

         

 

新川帆立著「元彼の遺言状」(宝島社文庫)を読み終わりました 新川帆立は1991年生まれ。アメリカ・テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2021年に本作「元彼の遺言状」でデビューしました

 

     

 

主人公の剣持麗子は丸の内の大手法律事務所で働く28歳の弁護士。弁護士の腕は確かだが、ボーナスが減額されると聞いて勢いで事務所を飛び出してしまう そんな折、大学時代に3か月だけ付き合った相手・大手製薬会社の御曹司・森川栄治が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を遺して亡くなったばかりだと知る 栄治の旧友で麗子の大学時代のサークルの2年先輩・篠田は、栄治にインフルエンザを移したのが原因で翌日栄治が死んだと主張する 麗子は巨額の成功報酬を得ることを目論み、篠田を犯人に仕立て上げ 森川家が開いた「犯人選考委員会」に彼の代理人として乗り込む 森川家に着いてみると、栄治の遺言状には生前世話になった多岐にわたる分野の人々にも遺産を分け与えるよう書かれており、そのリストには元カノたちの名前が連なっていた たった3か月しか付き合わなかった麗子の名前も含まれていた 麗子は犯人犯立候補者・篠田の代理人として、かつ遺産の相続人の一人として栄治が住んでいた軽井沢の屋敷に赴く そこに、栄治の父・金治とその妻・恵子、栄治の兄・富治、金治の姉・真理子とその夫・定之、彼らの息子・拓未、娘・紗英、金治の弟・銀治ら森川家の人たちや、顧問弁護士の村山、他の元カノたちも集まる。そんな中、村山の事務所から遺言状を保管していた金庫が何者かに盗まれ、さらに村山が何者かによって殺害されてしまう 金庫には栄治の遺言状のほかに、ある者にとっては重要なデータが入っていた さて、栄治を殺した真犯人は誰か?  顧問弁護士・村山を殺したのは誰なのか?  金庫に保管されていたデータは何か

本作の主人公・剣持麗子のキャラが際立っています これまでのミステリーでは登場しない自信過剰気味でお金に目のない意欲満々の女性です 付き合っている男から婚約指輪としては平均的な40万円の指輪を贈られたものの、「自分はそれほどの価値の女か、平均が40万円なら120万円の指環が欲しい」と言って突っ返してしまうのです 弁護士事務所のボーナスも、250万円を提示されたものの、去年は400万円くらいだったから、として「こんな事務所、辞めてやる」と言い、「250万ぽっちとはいえ、ボーナスはきっちり振り込んでくださいね」と言い捨てて事務所を辞めてしまうのです お金に対しては非常にシビアな女性です。気持ちがいいほどです しかし、ある人から「君自身も、本当に欲しいものは金じゃないはずだ」と言われ、「自分が本当に欲しいものが何なのか分からないから、いたずらにお金を集めてしまうということは、さすがの私も分かっている ただ自分では、自分に何が必要なのかわからないのだ」と独白するようになります。この辺は、麗子が単にお金の猛者ではないことを表しています

そんな麗子を主人公とした本作は、複雑に入り組んだ人間関係を背景に、巧みに練り上げられたプロットにより伏線が張り巡らされていますが、後で取ってつけたようなエピソードなどはなく、謎解きには納得がいきます これがデビュー作とは信じられない傑作だと思います

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井上道義 ✕ 池田香織 ✕ 宮里直樹 ✕ 読売日響でマーラー「大地の歌」、シベリウス「交響曲第7番」、藤倉大「Entwine」を聴く / 都響2022年度定期会員Bシリーズ継続

2022年01月29日 07時05分05秒 | 日記

29日(土)。昨日は東京都交響楽団の2022年度会員継続手続き(変更)開始日だったので、都響WEBチケットから変更手続きをしました 現在Bシリーズ(サントリーホール)会員ですが、同じBシリーズを継続し座席を1階の前寄りに変更しました 残念ながら通路側席は取れませんでしたが13列目を確保しました

ということで、わが家に来てから今日で2576日目を迎え、2019年の参議院選挙を巡り、河井克行元法務大臣側から現金を受け取ったとされ、不起訴となった広島の元議員ら100人について検察審査会は35人を「起訴すべき」と議決した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     起訴しなかったら  選挙でお金をもらっても 何の罪もないことになってしまわね?

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「里芋の味噌汁」を作りました トンテキと同じようにワンプレートに盛り付け、目玉焼きをトッピングしました

 

     

 

         

 

昨日19時から、東京芸術劇場コンサートホールで「東京芸術劇場 presents 読売日本交響楽団演奏会」を聴きました プログラムは①藤倉大「Entwine」、②シベリウス「交響曲第7番」、③マーラー「大地の歌」です 出演は③のアルト=池田香織、テノール=宮里直樹、指揮=井上道義です

 

     

 

自席は1階L列11番、左ブロック右から2つ目です 会場は9割近く埋まっていると思われます 2024年末に指揮者を引退すると宣言した井上道義のマーラーで、しかもソリストが今や飛ぶ鳥を落とす勢いのテノール・宮里直樹と、現在のオペラ界を牽引するアルト・池田香織です 満席でもおかしくないでしょう

オケは左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置。コンマスは林悠介、その隣は長原幸太というダブルコンマス態勢です

1曲目は藤倉大「Entwine」です この曲は藤倉大(1977~)が東京芸術劇場、ケルンWRD放送交響楽団、ブルターニュ交響楽団の国際共同委嘱により作曲した作品で、2021年6月12日に無観客のケルンフィルハーモニーで世界初演されました 「世界の今の情勢を表した5分のオーケストラ作品」という要望を受けて、藤倉が頭に思い浮かべたのはコロナ禍で人と人との間になくなってしまった「touch(接触)」だったそうです その大切さを音楽を通して表現したいとの思いで作曲したとのこと

井上の指揮で演奏に入りますが、彼はタクトを持ちません 両手で楽器と楽器の融合を図り、あるいは離散させ、音を紡いでいきます 集中力に満ちた演奏でした

2曲目はシベリウス「交響曲第7番 ハ長調 作品105」です この曲はジャン・シベリウス(1865-1957)が1924年に作曲、同年ヘルシンキで「ファンタジア・シンフォニー」として初演され、出版時に第7番とされた単一楽章の作品です

この曲では、井上はタクトを持ちます ティンパニの連打により開始されますが、第6番までのシベリウスの交響曲のエッセンスを凝縮したような曲想で、交響曲というよりも抒情的な交響詩という方がふさわしいように思いました トロンボーンとホルンといった管楽器が素晴らしい演奏を展開していました

 

     

 

プログラム後半はマーラー「大地の歌」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1908年から翌09年にかけて作曲、1911年にミュンヘンで初演されたテノールとアルトとオーケストラのための作品です 李白、銭起、孟浩燃、王維らの漢詩をドイツの詩人ハンス・ベートケがドイツ語訳した「支那の笛」を台本として6曲からなる歌曲集として作曲されました 本来は「交響曲第9番」という位置づけにある作品ですが、ベートーヴェンが第9番を作曲して亡くなったことから縁起を担ぎ、「大地の歌」として発表しました

第1曲「大地の哀愁を歌う酒歌」、第2曲「秋に寂しき者」、第3曲「青春について」、第4曲「美について」、第5曲「春に酔える者」、第6曲「告別」の6曲から成りますが、テノールとアルトが交互に歌います

アルトの池田香織が指揮台の下手側に、テノールの宮里直樹が上手側にスタンバイします。井上はタクトを持たず第1曲の演奏に入ります 宮里の声はオーケストラのフォルテを突き抜けて客席に訴求します 単に大きい声で歌っているわけではありません。高音部が良く伸び、まったく無理がなく自然体で歌っています 初めて彼の歌を聴いたのは何年前だったか思い出せませんが、当時新人だった彼の歌を聴いて、とんでもない新人が出てきたものだと思ったものです とにかく若手の中で突出していました 当時から比べると、すっかり貫禄が出てきて堂々たるものです。彼はこの後も、第3曲、第5曲を非凡な歌唱力で歌い上げましたが、オーケストラと対等に勝負していました

池田香織はワーグナー歌手として、とくに「ニーベルングの指環」のブリュンヒルデ役の第一人者として名を馳せていますが、今回は強靭なブリュンヒルデを離れた、しっとりと深みのある歌を聴かせるアルト歌手の一面を見せてくれました とくに演奏時間で全体の半分を占める最後の「告別」における抒情的な歌唱は、いつまでも聴いていたいと思わせるものでした

オーケストラでは、金子亜未のオーボエ、フリスト・ドブリノヴのフルート、北村貴子のコーラングレ、金子平のクラリネット、林コンマスのヴァイオリン、遠藤真理のチェロ、日橋辰朗のホルンが冴えた演奏でソリストを盛り立てました 井上は終始集中力を切らさず、読響から最高のマーラー・トーンを引き出していました

カーテンコールが繰り返され、2人の独唱者を中心に大きな拍手が送られましたが、井上は感極まってか、あまりにも素晴らしい歌唱を披露した宮里にハグを仕掛けました 宮里は照れ気味でしたが、本当はオミクロンが怖かったに違いありません しかし、昨年の大阪フィルの「第九」公演で合唱団がマスク着用で歌うと言ったら、そんなのあるか と怒って指揮者を降板してしまった井上道義なので、オミクロン何のそのでしょう コロナ禍の現在、終演後に各セクションの首席奏者と握手したり、歌手とハグしたりするのは世界広しといえども井上道義だけです 怖いものなしほど怖いものはない 井上道義はこのまま2024年末まで突っ走るのだろうか

 

     

 

昨日、toraブログ開設4000日目を迎えました。2011年2月15日に開設して以来4134本の記事を書いてきましたが、アップできなかったのは身内の不幸があった3日間だけです

継続は力なり これからもパソコンが壊れようが、入院しようが、何があろうと毎日書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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新国立オペラ3月「椿姫」主役交代:アニタ・ハルティヒ ⇒ 中村恵理 / 真山仁著「プレス 素晴らしきニッポンの肖像」を読む ~ 現場感、俯瞰した視点、時代感覚を込めて今と未来を見つめ直す

2022年01月28日 07時08分37秒 | 日記

28日(金)。昨日はモーツアルト(1756-1791)の266回目の誕生日だったので、彼の曲をCDで聴きながら新聞や本を読んで過ごしました

新国立劇場のホームページによると、「2021/2022シーズン オペラ『椿姫』ヴィオレッタ役に出演を予定していたアニタ・ハルティヒは、直前のスケジュール及び入国制限(入国後の待機義務)により十分なリハーサル期間を確保できないことから、降板することになった。代わって、中村恵理が出演する」としています オペラは長丁場なので早めに手を打たないと本番に間に合わなくなるのでしょう 中村恵理は昨年12月にプッチーニ「蝶々夫人」タイトルロールを歌っているので、2公演連続でヒロインを歌うことになります 今や、困った時の中村恵理か

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2575日目を迎え、海外メディアは26日、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙の労働新聞や朝鮮中央通信など北朝鮮の主なウェブサイトへの接続が26日、27日に困難になっているが、北朝鮮へのDDoS(分散型サービス妨害)によるサイバー攻撃と思われる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      乱発するミサイルを自爆させるような サイバー攻撃を仕掛ける方が 世界のためだ

 

         

 

昨日の夕食は「寄せ鍋」にしました 材料は豚バラ肉、タラ、海老、白菜、シメジ、京菜、長ネギ、豆腐です。〆はおじやにしました

 

     

     

 

         

 

真山仁著「プレス 素晴らしきニッポンの肖像」(角川文庫)を読み終わりました 真山仁は1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科を卒業。新聞記者、フリーライターを経て2004年「ハゲタカ」で作家デビュー。社会問題をテーマとした作品が数多くあります

 

     

 

本書は2018年10月に毎日新聞出版から刊行された単行本「アディオス!ジャパン なぜ日本は凋落したのか」を改題し、加筆修正のうえ文庫化したものです

筆者は「はじめに」の中で、「現場感、俯瞰した視点、時代感覚を込めて今と未来を見つめ直したい」という考えから、都内各所、東北、富士山、阪神エリア、沖縄、そしてミャンマー、フランス、韓国、アメリカへと飛び回り、日本という国の有り様を考察しています コロナ禍以前の時代を「刻印=プレス」しようという意図のもとに刊行されました 本書は次の18のエピソードから構成されています

1,変凹(へんてこ)君ニッポン漫遊記 ~ チャップリン暗殺計画と日本人秘書の秘策など

2.ミャンマーは民主主義の学校か ~ アウン・サン・スーチー氏は国を救えるか

3.先進国への狼煙(のろし) TOKYO1964 ~ 東京オリンピック1964年と2020年

4.ビバ!富士山 ~ 中国人が多い登山客:インバウンド

5.ワインは語る ~ 自分で味合わないでワインを論評するジャーナリストの体たらく

6.さらば築地のはずが ~ 豊洲市場への移転問題

7.地熱は日本を救えるか ~ 地球温暖化対策の切り札は地熱発電しかない

8.銀座でお金の重みを考える ~ 実感なきカネの暴走が世界を破滅させる

9.IRは日本復活の成長産業となるのか ~ カジノを中心としたエンターテインメント施設と国際会議場の融合体(IR)の行方

10.問われる震災復興 ~ 震災遺構と復興

11.韓国は近くて遠いのか ~ 商談の失敗も大統領の責任という不思議

12.沖縄は可哀そうな場所なのか ~ 基地問題と貧困問題

13.ニッポンの”国技”野球の底力 ~ スタジアムをテーマパーク化して成功した横浜DNAベイスターズ

14.トランプ大統領は、民主主義の申し子なのか ~ 「21世紀のジョーカー」の誕生は必然だった

15.ものづくり大国はいずこにー阪神工業地帯盛衰

16.大政奉還150年ーその深謀遠慮と誤算

17.言葉とは裏腹の平成時代 ~ 激動とショックの30年

18.名門・東芝は何を失ったのか~ 原発ビジネスを見誤ったツケ

各エピソードの目次を見ると、コロナ禍前の出来事が現在進行形の形で取り上げられていますが、最初のエピソード1「変凹(へんてこ)君ニッポン漫遊記」はやや傾向が異なります 「変凹(へんてこ)君」とは喜劇王チャールズ・チャップリンのことです そこには私が初めて知った事実が書かれていてビックリしました 真山氏は概要次のように書いています

「世界一周の旅に出たチャップリンが神戸港に到着したのは1932年5月14日の朝だった その日の夜、東京駅に到着したチャップリンは車で帝国ホテルを目指した。その途上、車は二重橋の手前で停車する。チャップリンは車から降りると、二重橋から皇居に向かって深々と拝礼した この行動についてチャップリンの自伝には、最も信頼する秘書の高野虎市が突然、降車して皇居を拝んでほしいと頼んだとされている。チャップリンが『それが習慣なのか』と尋ねると、高野は『そうです』とだけ答えた。それでチャップリンは素直に従ったという なぜ高野は皇居遥拝にこだわったのか。チャップリンは『5.15事件』の主犯である青年将校たちのターゲットの一人で、それを回避するために一芝居打ったのだ 事件後の裁判で主犯の古賀清志海軍中尉は、『チャップリンを暗殺すれば、日米戦争を起こせると思った』と証言している 高野は、軍や右翼思想に詳しい人たちに相談し、チャップリンは天皇陛下に敬意を表する真の親日家であるという印象を与えればいいとアドバイスされる。国際主義者と名乗り、常にそのスタンスを貫くチャップリンが、秘書の言葉に素直に応じたのは、天才喜劇王ならではの勘の良さか

つまり、「5.15事件」の前日、秘書の機転がチャップリンを暗殺の危機から事前に救ったエピソードと言えます つくづく彼の秘書が日本人であって良かったと思います

また、エピソード14「トランプ大統領は、民主主義の申し子なのか」では、次の指摘が印象的です

「米国メディアだけでなく、日本でも、『あいつは独裁者で民主主義の敵だ』という批判が相次いでいる だが、それは間違いだ。トランプは、米国の国民から選ばれた民主主義の帝王なのだ。ただ、メディアを含めて多くの人が、民主主義は国民を幸せにし、社会を安定させるシステムだーと勘違いしていた 民主主義は常に両刃の剣で、国民の支援を受けた勢いで不幸へとまっしぐらに落ちていくこともある ナチス・ドイツを生んだヒトラー同様、国民の怒りをバネに、民主主義の手続きを経てトランプは強大な権力を手にしたのだ。民主主義がバラ色の未来を約束するという大いなる幻想を改めなければ、いずれ世界は破滅するだろう だが、民主主義という『怪物』にはリセットという機能もある

そのリセット機能が効いて、2021年1月に民主党のバイデン政権が誕生したわけですが、「トランプでない誰か」という消去法で大統領に選ばれたバイデン氏は、内外の諸問題を抱えて苦戦を強いられています 率直に言って私は、共和党の大統領でも構わないと思っています ただし、科学を信じず、欺瞞に満ち、自分ファーストのトランプは絶対にダメです。世界中を再び混乱に陥れるのは確実だからです 民主党でも共和党でもいいから、トランプに代わる強い大統領の出現を期待します

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新国立オペラでワーグナー「さまよえるオランダ人」初日公演を観る ~ オール日本人キャストでオミクロン株をぶっ飛ばせ!

2022年01月27日 07時15分01秒 | 日記

27日(木)。わが家に来てから今日で2574日目を迎え、北京オリンピックまであと少しとなり、現地入りしたIOCバッハ会長はさっそく習近平国家主席と会談したが、公園にはバッハ氏の厚遇ぶりがうかがえる「バッハ氏の銅像」が設置されている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     習近平の国家主席3選が成ったら 偶像崇拝国の象徴として彼の銅像が立つんだろう

 

         

 

昨日、夕食に「トンテキ」を作りました いつもはサラダを別にしているのですが、今回はワンプレートに盛り付けました。目玉焼きもトッピングしました。とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日は昼間、ベッドで寝ながら新聞や本を読んで体力を温存し、19時から新国立劇場「オペラパレス」でワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」を観ました キャストはダーラント=妻屋秀和、ゼンタ=田崎尚美(マルティーナ・ヴェルシェンバッハの代役)、エリック=城宏憲(ラディスラフ・エルグルの代役)、オランダ人=河野鉄平(エギルス・シリンスの代役)、マリー=山下牧子、舵手=鈴木准、合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京交響楽団、指揮=ガエタノ・デスピノーサ(ジェームズ・コンロンの代役)、演出=マティアス・フォン・シュテークマンです

上にある通り、新型コロナ・オミクロン株の感染拡大に係る外国人の新規入国制限措置により、指揮者と歌手陣のほとんどが来日できなくなり、代役での開催となりました

私が新国立オペラの「さまよえるオランダ人」を観るのは2007年2月、2012年3月、2015年1月に次いで今回が4度目ですが、演出はすべてマティアス・シュテークマンです

 

     

 

この歌劇はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1841年に作曲、1843年にドレスデンで初演された3幕8場から成るオペラです

悪魔の呪いを受けて永遠に海をさまようオランダ人船長は、7年に1度だけ上陸が許され、永遠の愛を捧げる乙女に出会った時に呪いから解かれる運命にあった 彼はノルウェー船の船長ダーラントと出会い、娘のゼンタに求婚する 運命的な出会いを感じたゼンタは、永遠の貞節をオランダ人に誓う。ゼンタを愛するエリックは彼女の心変わりを責め、それを聞いたオランダ人は絶望し出航を命じる ゼンタは彼を追って海中に身を投じ、彼女の永遠の愛によりオランダ人は呪いから救われる

 

     

 

初日公演にしてはいつもより客入りが少ないような気がします まあ、モーツアルトやロッシーニの楽しいオペラでもないし、プッチーニやヴェルディの本格オペラでもないし、指揮者も歌手陣も代役ばかりだし、オミクロン旋風も吹き荒れているし、仕方ないのかもしれません それでも8割近くは入っているようです

ラファエル・クーベリックのような風貌のガエタノ・デスピノーサがオーケストラピットに入り指揮台に上がります 演奏する東京交響楽団のコンマスは小林壱成です

デスピノーサのタクトで序曲の演奏に入ります この演奏が素晴らしかった 弦楽器の激しいトレモロに続いてホルンが勇壮な「オランダ人の動機」を高らかに歌い上げ、弦楽器が嵐で荒れ狂う海を表現し、オランダ人の行く末を暗示します 東響総力を挙げての渾身の演奏でした

今回の公演で私が一番素晴らしいと思ったのはダーラントを歌った妻屋秀和です この人は何をやらせても高得点を取るバスですが、今回も多くの船員を預かる船長であるとともに、お金や財宝に目がなく、一人娘の父親でもあるダーラントをユーモラスに歌い、演じていました 第2幕でオランダ人を娘のゼンタに引き合わせるシーンで、お互いに無関心を装う2人を見て、自分がいると話しづらいと悟ったダーラントが「後は、お若い者どうしで」と席を外すときのアリアはとても微笑ましく、妻屋秀和ならではの演技力と歌唱力だと思いました

「この人は破壊力があるなあ」と思ったのはゼンタを歌った田崎尚美です 第2幕の「ゼンタのバラード」を聴いた時、そのド迫力に圧倒されました これぞワーグナー歌手と言いたくなるソプラノです

役に成りきっていたのはエリックを歌った城宏憲です 迫真の演技力と歌唱力で存在感を示しました

主役のオランダ人を歌った河野鉄平は大健闘でした 歌唱力は申し分ありません あえて希望を言えば、オランダ人の不気味さがもっと前面に出ればよかったかな、と思います その方が幽霊船の船長としての存在感を示すことができると思います

このオペラの大きな特徴は合唱の力強さかもしれません 新国立劇場合唱団こそ世界に通用する合唱団であるということを今回あらためて知らしめました

特質すべきは、デスピノーサ指揮東京交響楽団の演奏です 歌手に寄り添いつつ、木管が、ホルンが、弦楽セクションが自ら良く歌っていました

かくして、この日の初日公演は「オール日本人キャストでオミクロン旋風をぶっ飛ばせ」という意気込みを感じさせる公演でした

この日も腰痛防止のためコルセット着用で3時間弱(休憩含む)の「さまよえるオランダ人」に臨みましたが、私にとっては「腰痛の天敵=ワーグナーのオペラ」への挑戦です

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東京交響楽団 第697回定期演奏会(1/30:サントリーホール)のソリスト吉田南さんについて / N響26日、27日のBプロ公演中止

2022年01月26日 07時18分08秒 | 日記

26日(水)。昨日は19時15分から新日本フィルの「室内楽シリーズ 第146回 コールリッジ=テイラー探訪にご一緒しませんか?」があったのですが、腰痛が悪化する恐れがあるため諦めることにしました これからも毎日、自分の身体と相談しながら行くか行かないかを判断しようと思います

ということで、わが家に来てから今日で2573日目を迎え、米国のトランプ前大統領が2020年の大統領選の敗北を覆そうとして、昨年1月にジョージア州の州務長官に電話で選挙結果改ざんを持ちかけた疑惑で、米ジョージア州フルトン郡の裁判所は24日、特別大陪審を5月に招集することを認めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     24年の大統領選の勝者は共和党でもいい  でも”疑惑のデパート”トランプはだめだ

 

         

 

昨日、夕食に「ポトフ」を作りました 材料はフランクフルトソーセージ、キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、ミニトマトです ミニトマトがいいアクセントになって美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日のブログに、東京交響楽団「第697回定期演奏会(1/30)」の代演ヴァイオリニスト・吉田南さんについて、東響からの通知ハガキに本人のプロフィールが書かれていなかったことに関して、「少なくとも私は初めて目にする名前のヴァイオリニストです」「代演者の簡単なプロフィールくらいは紹介すべきだと思います」と書きました

これについて吉田南さんからツイッターに「2018年9月にベートーヴェンのコンチェルトを一度聴いていただいたようです。また、お目にかかれることを楽しみにしております。当時感想を書いてくださったブログを嬉しく読ませていただきました。1/30、どうかお気をつけてお越しくださいませ」とコメントをいただきました 「えっ?」と思い、さっそく過去のブログを検索し、2018年9月8日に文京シビックセンターで開かれたコバケン ✕ 東京フィルをバックに吉田さんが弾いたベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」の記事を確認しました そこには、「吉田南さんは、2014年の日本音楽コンクールで第1位、2015年のシベリウス国際ヴァイオリンコンクールでは最年少優勝、2016年モントリオール国際音楽コンクールでは最年少第3位に入賞しています。現在ボストンのニューイングランド音楽院に学費全額免除で在学、同時に桐朋学園ソリストディプロマコース学費全額免除特待生として在学中の逸材です」とプロフィールを紹介しています( 当時から3年以上経っているので、現在は立場が変わっているかもしれません)。そのうえで、「吉田さんの演奏はダイナミックで、なおかつ繊細さも併せ持った立派な演奏でした」と結んでいます 読みながらその時のことを思い出しました。私の悪い癖は一度ブログに感想を書き終わると、次のコンサートに気が向いて、すっかり忘れてしまうことです 忘却力がますます強まっている昨今ですが、穴があったら入りたい気持ちです そんな言い訳を含めて、吉田さんに謝罪のツイートをしました

これについて、吉田さんから返信ツイートがありました どうやらモコタロの写真が印象に残っていて私の過去のブログを思い出されたようです 吉田さんは「ごめんなさいなんて言わないでください。むしろ嬉しいです。1/30頑張ります」と書かれていました 2つのツイートを読んで、吉田さんの優しい人間性が伝わってくるようで嬉しくなりました 吉田さんには当日、全力を出し切ってブラームスを弾いてほしいと思います

それにしても・・・と思うのは、toraブログはツイッターにも同じものをアップしていますが、演奏する側から「いいね!」やコメントなどで反応があるのはツイッターの方だけです 最近1年以内ではピアニストの阪田知樹さん、金子三勇士さん、歌手の池田香織さん、中江早希さん、ヴァイオリニストの石上真由子さん、戸澤采紀さん、指揮者の鈴木優人さん、原田慶太楼さんなどです それだけに、プロの演奏家を含めて誰に読まれているか分からないので、やたらなことは書けません 今回のことを教訓に、一層緊張感を持って書かなければと思っています

【追記】(26日正午)

本日の朝日新聞 社会面の案内広告に「謹告 公演中止 HHK交響楽団 1月定期公演Bプログラム 1月26日(水)27日(木)サントリーホール」という告知が載っていました    全文は以下の通りです

「団内で新型コロナウイルス感染者(無症状)が確認されたことから、公演関係者およびお客様の安全確保に万全を期すために、本公演を中止させていただきます。チケット代金は払い戻します。詳細は、N響ガイドから該当のお客様に別途ご案内します。NHK交響楽団」

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東響1/30定期公演ソリスト: クリストフ・コンツ ⇒ 吉田南に変更 / 藤崎彩織著「読書間奏文」を読む ~ SEKAI  NO  OWARI か Dreams  Come  Trueか?

2022年01月25日 07時18分03秒 | 日記

25日(火)。先日のブログに、「行きつけの先生からは『絶対安静』『お風呂はシャワーのみ』『患部を冷やす』『お酒は厳禁』と言いつけられているが、寒いので お酒を控える以外はうまくいっていない」と書いたところ、Kiriokaさんからフェイスブックのメッセンジャーに「ホカホカ♨カイロの温めは 虎い、いえいえ、トライ されましたか?」とトラ年に相応しいメッセージをいただきました 保冷剤で患部を冷やしていると身体全体が寒くなってくるので、別の箇所に使い捨てカイロを貼るのはとても有効だと思います さっそく 虎いすることにしました

「使い捨てカイロ」で思い出すのは、30年以上前の1991年1月の出来事です 当時勤めていた新聞関係団体の仕事で、ヨーロッパ諸国の新聞業界の労務事情を把握するため、「欧州新聞業労務事情視察団」を派遣することになり、事務局職員として同行することになりました 視察団はドイツ ⇒ フランス ⇒ イギリスの順に現地の新聞社や新聞団体などを訪問し、湾岸戦争勃発直前に帰国しました ドイツから航空便でフランスのドゴール空港に入った時のことです。手荷物検査で、私だけが検閲官に呼び止められ、荷物を開けるように言われました 荷物をスキャンした映像には袋に入った白い粉が映っています 私はおもむろに「ホカロン」を出して、フランス語が出来ないので、「これはホカロンと言ってね、これを両手でもむとね、熱が出て温かくなるんですよ。それをね、腰とか背中に貼ると温かいんですよ」と身振り手振りで説明しました どうやら検閲官は「覚せい剤」の密輸と勘違いしたようです 一瞬「日本人、ドゴール空港で覚せい剤保持で逮捕」の見出しが頭をよぎりました 今でこそ笑い話ですが、その時はホカロンを貼っていないのに身体が熱くなったものです

ということで、わが家に来てから今日で2572日目を迎え、香港当局は23日、飼い主から引き渡されたペットのハムスター1匹から新型コロナの陽性反応が確認され、感染対策としてこれまで2200匹以上のハムスターを殺処分したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本のウサギは大丈夫かな? ペレットとおやつは大歓迎だけど オミクロンは嫌い  

 

         

 

昨日、夕食に娘が職場の同僚を通して入手した国産牛を焼いて、「生野菜サラダ」「卵スープ」と一緒にいただきました ステーキは柔らかくて美味しかったです

 

     

 

         

 

東京交響楽団から「第697回定期演奏会(1/30)出演者変更のお知らせ」が届きました それによると、「当日出演を予定していたヴァイオリンのクリストフ・コンツは、新型コロナ禍に係る入国制限により出演できなくなった。代わりに吉田南が出演する」となっています    なお、指揮者・秋山和慶は変更なし、プログラムの①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、②同「交響曲第1番」も変更なしとのことです それは良いとして、吉田南さんてどういう人ですか?  というのが率直な疑問です ハガキには何の説明もありません。それとも「東響会員なら知っていて当然」ということなのでしょうか?  少なくとも私は初めて目にする名前のヴァイオリニストです   吉田南さんには何の落ち度もありませんが、東響は「この出演者変更に伴うチケット代金の払い戻しはございません」と書くからには、代演者の簡単なプロフィールくらいは紹介すべきだと思いますが、いかがでしょうか

 

         

 

藤崎彩織著「読書間奏文」(文春文庫)を読み終わりました これは「読書感想文」ではなくて「読書間奏文」というタイトルに惹かれて購入した文庫本です したがって、藤崎彩織という人がどういう人なのかまったく知らないで買いました プロフィールを見て初めて、彼女が4人組バンド「SEKAI  NO  OWARI」でキーボードとライブ演出、作詞、作曲などを担当していることを知りました 2017年に発表した初小説「ふたご」は直木賞候補にもなったそうです

 

     

 

彩織さんは本書の中で次の作品を取り上げています

「犬の散歩」:森絵都「風に舞いあがるビニールシート」より

「皮膚と心」:太宰治「きりぎりす」より

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」:村上春樹

「パレード」:吉田修

「羊と鋼の森」:宮下奈都

「コンビニ人間」:村田沙耶香

「妊娠カレンダー」:小川洋子

「火花」:又吉直樹

「ぼくは勉強ができない」:山田詠美

「サラバ!」:西加奈子

「花虫」:彩瀬まる「くちなし」より

「武道館」朝井リョウ

「詩羽のいる街」:山本弘

「悪童日記」:アゴタ・クリストフ

「空っぽの瓶」多和田葉子・松永美穂訳

「フェミニズム批評」:織田元子

「グレート・ギャツビー」:フィッツジェラルド=文庫書下ろし

「夏の夜」=単行本書下ろし

「ひとりの時間」=単行本書下ろし

上記の「書下ろし」(3作品)以外の作品についていえば、筆者が本を読んだ感想を書いているわけではありません。それは「読書感想文」です 彼女の採った手法は、彼女自身が主人公となったエッセイの中に作品の一部を引用し、音楽でいう「間奏曲」のように使うという凝った手法です それで「読書間奏文」なのです。上記の作品の中で私が読んだことがあるのは、「パレード」「羊と鋼の森」「コンビニ人間」「火花」「サラバ!」の5作品ですが、それぞれ、「作者はこういうことを言おうとしているのではないか」とか、「作品を読んでこう思った」とかいった感想や批評を期待して読んでも、答えは返ってこないということです

例えば一番最初の「犬の散歩」では、SEKAI  NO  OWARI はとても貧乏だったこと、メンバーは皆アルバイトをしながらバンドをやっていたが、お金が入るとすべてバンドのために使ったこと、貧乏であるというのは、友だちか音楽か、現在か未来か、常に取捨選択を迫られるということだった、と書きます そして、ここで森絵都の「犬の散歩」を引用します

「大学の頃、同じサークルに毎日毎日、牛丼ばかり食べてる先輩がいた。世界のすべてを牛丼に置き換えて考えるのが常だった 当時は牛丼が1杯400円くらいだった。例えば映画の料金が1600円だったとして、その先輩にとっては牛丼が4杯も食べられる、だからそれは高い、よほど面白い映画でなければ牛丼4杯分の価値はないという。彼は牛丼を通して世界を捉えていた」(以上・超略)

そして、彼女は本筋に戻します

「私にとっての『牛丼』は、間違いなく仲間たちとのライブハウスだった 『ライブハウス』という基準が出来たことで、様々な迷いから解放された 友だち、飲み会、サークル、恋人、旅行、エステ、お洒落・・・いくつもの誘惑を断ることに、何の躊躇もなくなっていく

しかし、デビューしてバンドが軌道に乗ってくるとお金も入るようになり、不摂生になって 取捨選択する必要がなくなり、彼女の心にあった『牛丼』はなくなってしまいます 自分自身の価値基準を失ってしまったある日、彼女はネットで「チャイルド・ファンド・ジャパン」(恵まれない子供たちに経済的な援助ができる「里親」制度)の存在を知ります 月々4000円で里親になれるという内容です。彼女は8000円で2人の子どもたちの里親になります。かくして8000円が彼女の価値基準となります 里親になった半年後、ネパールの子どもたちから絵手紙が届き、さらに1年後、子どもたちから好きな先生の名前が書かれた手紙が届いた、と書きます 彼女は次のように文章を閉じます

「手紙が増えるにつれて、次第に成長していく彼らの姿を、大人になるまで見届けたいと思うようになった それは、心の中の『牛丼』が、いつも幸せの味を教えてくれるからなのだ

この文章を読んだ後で、純粋にこのエッセイのタイトルを付けるとすれば、「犬の散歩」ではなく、「牛丼」あるいは「価値の基準」の方がふさわしいと思うようになります

全編を通して読んで思ったのは、藤崎彩織という人は幼少時から数多くの本を読んでいて、それゆえに文章がとても巧いということです

それにしても、どういう理由でバンド名を「SEKAI  NO  OWARI」としたのだろうか   「世界の終わり」だと「アルマゲドンかい?」と突っ込まれそうですが、ローマ字表記でも違和感があります  同じバンドでも「Dreams  Come  True」の方が希望が持て、売れるような気がしますが、それは素人の赤坂見附、もとい、素人の浅はかさ なのかもしれません

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中山七里著「ヒポクラテスの試練」を読む ~ 法医学の権威がMRIにも映らない未知の疾患に挑む:あっと驚くどんでん返し!も待っている

2022年01月24日 07時18分05秒 | 日記

24日(月)。昨日は腰痛の痛みを和らげるため、一日中ベッドに横たわってCDを聴きながらひたすら読書に勤しみました 今週、新国立オペラ「さまよえるオランダ人」を聴くので(行けるのか?)、クレンペラーの指揮によるCDを流しました

ということで、わが家に来てから今日で2571日目を迎え、アメリカのミズーリ州で19日、マクドナルドのドライブスルーで、女が従業員にフライポテトの割引を求めたが断られたことを恨み、発砲して軽傷を負わせた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     さすがは広大なアメリカだ  こういう発火点の低い人もいるよね 銃規制しなきゃ!

 

         

 

中山七里著「ヒポクラテスの試練」(祥伝社文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビューして以来、毎年のように幅広いテーマによりベストセラーを連発、「中山七里は7人いる」と言わしめるほどの多作家です 本作は浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授を主人公として展開する「ヒポクラテスの誓い」「ヒポクラテスの憂鬱」に次ぐシリーズ第3弾です

 

     

 

浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授のもとに、急死した前都議会議員・権藤要一の司法解剖の依頼がきた 死因はMRIにも映らない急激に悪化した肝臓がんか?と疑われた 埼玉県警の小手川刑事が捜査すると、毒殺の疑いが浮上する。しかし、光崎が解剖すると、肝臓の裏でうごめく虫を発見する。それはエキノコックスという虫で、主に牧草地帯に生息し、犬や猫などの糞に混入したエキノコックスの卵胞が、水分や食料補給の過程で人体に侵入することがあり、その卵胞が人体で幼虫となり、主に肝臓に寄生して発育するということだった 光崎の見立ては「エキノコックスという寄生虫の突然変異体が肝臓に巣くい毒素をばら撒いた結果、肝臓疾患に陥った」というものだった。しばらくすると、今度は東京都職員・箕輪義純が同じ疑いで第2の犠牲者となった 小手川が2人の共通点を調べると、過去に議員グループと付き添いの関係でアメリカへ視察旅行に行っていたことが判明する しかし、視察旅行の詳細の記録は残されていなかった。小手川は他の同行メンバーに訪問先を言うよう説得したが頑なに拒否される 訪問先にニューヨーク市検死局も含まれていたことから、法医学教室の栂野真琴とキャシーの2人が現地に派遣され調査することになった 驚くべきことに、市検死局のリドラー局長も当該視察団と行動を共にしていたということ、さらに、彼も肝臓がんのような症状で急死していたことが判明する。検死局の副局長・ぺギョンの協力を得て、真琴とキャシーは視察団がどこを訪問したかを追求していく

頑固一徹の光崎教授、真面目な栂野真琴、天然キャラのキャシー、叱られ役の小手川刑事の会話が楽しい

最後に視察団のメンバーが頑なに訪問先と行動を明かすことを拒否した理由が明かされますが、もしそれが世間に知られたら議員辞職だけでは済まない、名誉失墜間違いなしです 最後に”お約束”のどんでん返しが待っています

本書では、国民の税金を使ってやりたい放題やって平然としている議員への怒りや、金儲けのためなら違法なことを平気でやる者への怒りが伝わってきます

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ジョン・アクセルロッド ✕ 服部百音 ✕ N響でブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、ブラームス「交響曲第3番」を聴く

2022年01月23日 07時23分13秒 | 日記

23日(日)。わが家に来てから今日で2570日目を迎え、アメリカが国連を通じて北朝鮮にコロナワクチン6000万回分を支援する意向を伝えたところ、北朝鮮のキム・ソン国連大使は、ワクチンの種類は「ファイザーかモデルナか」と関心を示し、「平壌に報告する」と話した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     国民の命を第一に考えたら 金正恩は素直に受け入れるべき ミサイルどころじゃない

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールでNHK交響楽団の2月度池袋Cプログラム定期演奏会を聴きました プログラムは①ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26」、②ブラームス「交響曲第3番 ヘ長調 作品90」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=服部百音、指揮=ジョン・アクセルロッドです

元々この公演はワディム・グルズマンのヴァイオリン独奏、トゥガン・ソヒエフの指揮で演奏される予定でしたが、新型コロナ・オミクロン株の感染拡大に伴う外国人の新規入国制限措置により来日できなくなったため、急きょ代役となったものです

開演に先だって、N響メンバーによる室内楽の演奏がありました ヴァイオリン=篠崎史紀、横島礼理、ヴィオラ=中村翔太郎、チェロ=市川寛也、コントラバス=西山真二の5人によりヨゼフ・ランナー(アンゲラー篇)「モーツアルト党」作品196が演奏されました 初めて聴く曲でしたが、モーツアルトの歌劇「魔笛」の序曲、アリアを中心にドン・ジョバンニのアリアが挟まれた楽しい曲でした 演奏に当たり若手の横島氏が「謎かけ」を披露しました ⇒

「ワルツとかけて何と解く?」「 子どものお弁当と解く」「そのココロは?」「どちらもウインナが欠かせません」とな 山田君、座布団1枚あげてください

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものN響の並び。コンマスはマロこと篠崎史紀氏です

指揮のジョン・アクセルロッドは世界各地のオーケストラの首席指揮者や音楽監督を歴任、現在は京都市交響楽団首席客演指揮者を務めています 昨年11月に同楽団を振ってから、オミクロン旋風が吹き荒れる中、来日できなくなった外国人指揮者の代わりに日本国内のオケに客演しまくっています いつになったら故郷のアメリカに帰れるのやら、といった心境かもしれません

ヴァイオリン独奏の服部百音(はっとり もね)は1999年生まれ。2009年のヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝のほか数々のコンクールで優勝している若手のホープです

1曲目はブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26」です この曲はマックス・ブルッフ(1838-1920)が1866年に作曲、同年コブレンツで初演されました 第1楽章「前奏曲:アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「終曲:アレグロ・エネルジコ」の3楽章から成りますが、続けて演奏されます

アクセルロッドの指揮で第1楽章が開始されます 服部百音のヴァイオリンは弱音がとても美しく、思わず耳を傾けてしまいます また低音部には深みを感じます 第2楽章ではヴィブラートが美しく響き、ヴァイオリンが抒情的に歌います 第3楽章ではヴァイオリンとオケとが混然一体となって情熱的な音楽が展開します 渾身の演奏でした

服部はアンコールにイザイ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 作品27-2」から第4楽章「復讐の女神たち」を超絶技巧で弾き切り、聴衆を唖然とさせました

 

     

 

2曲目はブラームス「交響曲第3番 ヘ長調 作品90」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1883年に作曲、同年12月2日ウィーンでハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルにより初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「ポコ・アレグレット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

アクセルロッドの指揮で第1楽章がエネルギッシュに開始されます 吉村結実のオーボエ、甲斐雅之のフルートが良く歌います そして弦楽セクションの渾身の演奏が光ります 第2楽章では松本健司のクラリネットが冴えていました 第3楽章ではチェロの抒情的な演奏が寂寥感を醸し出します ホルンの演奏も素晴らしい このメロディーはブラームスの作品の中で屈指の音楽だと思います 第4楽章ではブラームス特有の「秘めた情熱の発露」といった演奏が素晴らしかった

 

     

 

今週は3回コンサートを聴きましたが、腰痛のためコルセット着用で臨みました 行きつけの整骨院の先生からは「絶対安静」「お風呂はシャワーのみ」「患部を冷やす」「お酒は厳禁」と言いつけられていますが、寒いので お酒を控える以外はうまくいっていません 早い話が、入院したつもりで何もしないでベッドで寝ている以外に早期回復は不可能なのです しかし、週5回は料理を作らなければならないし、ブログは毎日書かなければならないし(入院してもブログは書く)・・・と、やるべきことは少なくないのです 持病とうまく付き合いながら やっていくしかないと思っています

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佐渡裕 ✕ 反田恭平 ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」を聴く ~ クラシックへの扉シリーズ

2022年01月22日 07時21分25秒 | 日記

22日(土)。わが家に来てから今日で2569日目を迎え、新規感染者数が連日3万人を超えるオランダでは、美容室などの再開が許可された一方、コンサートホールや美術館などの文化施設が休業を要請されていることに対し、オーケストラの演奏の前で散髪するパフォーマンスが行われた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     このパフォーマンスはリハツな行為か サンパツに終わるか さまよえるオランダ人

 

         

 

昨日、夕食に久しぶりの金曜ローテ入りした「鶏の唐揚げ」を作りました あとは前日残った鍋のスープを利用して「ニラ玉」を作りました 唐揚げは「外カラっと、内ジューシーに」仕上がりました ニラ玉はニンニクの味が効いて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第3回すみだクラシックへの扉」公演を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」、②リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード 作品35」です 演奏は①のピアノ独奏=反田恭平、指揮=佐渡裕です

 

     

 

この日も腰痛のためコルセット着用で、開演30分前に会場に行ったのですが、入口まで長蛇の列が続いています 会場に入るとすごい混雑です。受付の登原さんに「この混雑は何事ですか」と聞くと「反田人気です」とのこと。チケットは完売、文字通り「満員御礼」という状況です 佐渡裕押しの「ニュウニュウ」がオミクロン禍で来日できなくなったため、急きょ昨年のショパン・コンクール2位入賞の反田恭平氏に白羽の矢が立ったことが、「禍を転じて福と為す」結果を呼び込みました

開演に先立って、指揮者の佐渡氏がマイクを持って登場、「4月から新日本フィルのミュージック・アドヴァイザーに、来年4月から音楽監督に就任します 新日本フィルは私がデビューしたオーケストラでもあるし、われわれの大先輩、小澤征爾さんの作られたオケということもあって、深い縁を感じます 今日は超満員のお客様ということで嬉しく思います 反田君目当てということはよく解っています(会場)。反田君とは7年くらい前から一緒に音楽をやっていますが、彼は人間的にも素晴らしいんです 彼は若いのに男気があって、ショパン・コンクールのあと、ウィーンまで報告に来てくれて『焼肉おごってください』って言うんですよ(会場)。それでは演奏をお楽しみください」とあいさつしました

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは崔文洙です

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1809年に作曲、1811年にライプツィヒで初演されました 曲想が壮大であることから「皇帝」の名が付けられています 演奏者に任せるカデンツァをすべて楽譜に記すなど古典派協奏曲の枠を超えた作品です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:モルト・アレグロ」の3楽章から成ります

髪を後ろで束ねたサムライ反田恭平が登場、ピアノに向かい、佐渡の指揮で第1楽章がパワフルに開始されます 反田のピアノは一点の曇りもない明快なもので、一音一音が粒だっています 強音も決して濁りません。第2楽章はロマンあふれる演奏で、古典派の協奏曲というよりはロマン派の協奏曲のように響きます 反田の演奏で聴くとショパンの「ピアノ協奏曲第1番」の第2楽章の抒情性を先取りしたような感覚を覚えます 間断なく続く第3楽章は、まさにピアノ協奏曲の中の「皇帝」に相応しい堂々たる演奏で、佐渡 ✕ 新日本フィルによるスケールの大きな演奏がソリストを盛り立てました

鳴りやまない拍手に反田は、ショパンのマズルカを鮮やかに演奏、聴衆を熱狂の渦に巻き込みました 休憩時間に登原さんに確かめたらショパン「マズルカ  ロ長調 作品 56ー1」とのことでした この曲は反田氏が昨年のショパン・コンクール第3次予選で弾いた作品ですね

新日本フィルのプログラム冊子1月号に、瀧本麻衣子さんが昨年12月から首席ヴィオラ奏者として正団員となったことと、首席クラリネット奏者の重松希巳江さんが12月末で退団したことが書かれていました つい先ごろ、副首席クラリネットの中館壮志氏が退団したばかりです 重松さんは素晴らしい演奏家だったので残念でなりません 登原さんも、これから重松さんがどうされるかはっきりとは分からないとのことでしたが、「重松さんは大学で教えていらっしゃるし・・・・」とのことなので、あるいは東京音楽大学で教鞭をとること(現在は非常勤講師)に専念するのかもしれません いつか新日本フィルに客演することを切に願っています

 

     

 

プログラム後半はリムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード 作品35」です この曲はニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844-1908)が「千一夜物語」を題材に1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「海とシンドバッドの船」、第2楽章「カランダール王子の物語」、第3楽章「若い王子と王女」、第4楽章「バグダードの祭り、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲」の4楽章から成ります

佐渡の指揮で第1楽章の演奏に入ります 冒頭の強烈な「シャフリヤール王の主題」のあと、ヴァイオリンのソロによる「シェエラザードのテーマ」に入る直前のミステリアスな音楽は、開演前に開かれた小室敬幸氏の「ワンコイン講座」によるとメンデルスゾーン「夏の世の夢」冒頭のテーマそっくりです 小室氏によれば、これは「これから夭折な物語に入ることを示す音楽」です ワンコイン講座は役に立ちます 演奏では、この楽章に限らず、崔コンマスのヴァイオリン・ソロが素晴らしい 各楽章の冒頭で「シェエラザードのテーマ」として 手を変え品を変え登場しますが、その弾き分けが見事です 第2楽章では神農広樹のオーボエ、野津雄太のフルートが冴えていました 私は第3楽章が大好きです。弦楽セクションのアンサンブルが美しく響きました 第4楽章では波乱に満ちた物語が圧倒的なスケール感で色彩感豊かに描かれました

満場の拍手に、佐渡 ✕ 新日本フィルはヨハン・シュトラウス2世のポルカ・シュネル「雷鳴と電光」を華々しく演奏、新春に相応しい祝祭感を醸し出してコンサートを締めくくりました この曲はオットー・シェンクの演出によるヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」の中で、バレエ音楽に代えて演奏・舞踏されます 新国立オペラの「こうもり」でも「雷鳴と電光」が使われていましたが、いつ聴いてもワクワク楽しくなる音楽です

 

     

コメント (4)
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