人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ビブリア古書堂の事件手帖6」「最後の証人」「七色の毒」「流れ星と遊んだころ」「笑う警官」

2015年01月31日 11時04分01秒 | 日記

31日(土)。今日でもう1月も終わりです。月日の流れの速さに驚きます。わが家に来てから今日で126日目を迎え、竹踏み健康法の竹でくつろぐモコタロです

 

          

                               ちいーっす! 頭重いんで楽っす

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊のコラム「文化往来」は「モーツアルト全交響曲を2日で演奏」という見出しで、NPO法人日本モーツアルト協会が創立60周年を記念して3月7日、8日に開く「モーツアルト交響曲全45曲演奏会」を取り上げています モーツアルトの交響曲は番号でいうと第41番が最後ですが、番号なしの”新ランバッハ交響曲”などを含めると45曲になります 私は2日目の公演のうち三ツ橋敬子と井上道義がそれぞれ東京フィルを指揮する2つの公演(第31番~第41番)を聴きます

さてここで問題です 私は第31番から第41番まで何曲を聴くことになるでしょうか? 答えは11曲です、か? それは間違いです。答えは10曲です なぜなら交響曲第37番は存在しないからです 20世紀初頭まで交響曲第37番ト長調K.444として知られていた曲は、冒頭部こそモーツアルトの自筆ではあるものの、途中からヨーゼフ・ハイドンの弟ミヒャエル・ハイドンの手によって書かれたことが判明したからです

さて、上記のコラムによると、同協会の三枝成彰理事長は「モーツアルトは職人、ベートーヴェンは芸術家。14歳違いの2人の間にはヘーゲルの哲学が存在し、音楽の芸術としての価値観が生まれた。今回その差異を確かめる」と話しているとのこと

三枝氏の言う「14歳違いの2人の間にはヘーゲルの哲学が存在し」という意味が、私のような無教養な人間にはよく理解できません 無い知恵を絞って勝手に解釈すれば、貴族からの注文を受けて娯楽音楽を作曲してきた職人モーツアルトと、14年後に生まれ、より自由な立場から大衆のために作曲し芸術の域まで高めた芸術家ベートーヴェンの間には一段階上に上がる”止揚”が見られる、ということではないかと推測します つまり、三枝氏からすれば、バッハだろうが、モーツアルトだろうが、あくまでも職人に過ぎず、ベートーヴェンこそ音楽を娯楽から芸術に高めた偉大な作曲家なのだ、と言いたいのだと思います 私は三枝氏の主張を真っ向から否定するものではありませんが、バッハもモーツアルトも立派な芸術家だと思います それにしても分からないのは、「今回その差異を確かめる」と言っていることです。今回ベートーヴェンは聴かずにモーツアルトだけ聴いて、どうして”今回”その差異を確かめられるのでしょうか

 

  閑話休題  

 

本を5冊買いました 1冊目は三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖6」(メディアワークス文庫)です 今回は太宰治の古書がテーマです

 

          

 

2冊目は柚月裕子著「最後の証人」(宝島文庫)です 新聞の書評でも好評でした

 

          

 

3冊目は中山七里著「七色の毒」(角川文庫)です この人の本は多様で面白いです

 

          

 

4冊目は連城三紀彦著「流れ星と遊んだころ」(双葉文庫)です。彼の作品はこのブログで「夜は鼠たちのために」を取り上げました

 

          

 

5冊目はマイ・シューヴェル ペール・ヴァールー共著「笑う警官」(角川文庫)です。この本は前々から気になっていた作品です

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDはシューベルトの「弦楽四重奏曲第14番ニ短調”死と乙女”」です 演奏はウィーン・コンツェルトハウス四重奏団で、1950年の録音、つまり今から65年も前の録音です 明日クアルテット・エクセルシオのコンサートで聴くので、その予習です

 

          

 

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新国立オペラ、ヨハン・シュトラウス「喜歌劇”こうもり”」を観る

2015年01月30日 07時01分04秒 | 日記

30日(金)。わが家に来てから125日目を迎えた、横顔がステキと女性に人気のモコタロです 

 

          

           いやーてれちゃうなー 毎日出番で・・・・・・

 

  閑話休題  

 

28日の日経夕刊文化欄に「明快な指揮、世界が追随 デビュー50年 齋藤メソッドを継承」の見出しにより指揮者・秋山和義氏が取り上げられていました 秋山氏は1940年東京生まれ。指揮者・齋藤秀雄氏のもとで小澤征爾、山本直純らと指揮法を学びました。記事によると

秋山氏は客員として北米の40か所ほどの楽団で指揮をしたが、「どこでその指揮を習ったのか」と行く先々で聞かれた。「日本のサイトウという先生から学んだ」と言うと、「あなたのやりたいことは棒を見ただけですぐ分かる」とよく言われた 欧州では言葉で説明する比率の高い指揮者がいる。だが、指揮者は手に持つ棒と身体のアクションで音楽を表現し、楽員に伝えるべきだ。「話はいいから振ってくれ」と思う楽団員は多い 齋藤メソッドはそんな具体的な指揮の動きを体系的に教えてくれた。その指揮法は日本の管弦楽団の演奏水準を高めたし、世界にも広まっている

斎藤秀雄という人は世界に通用する指揮法を確立し、世に広めた偉大な指揮者だったことがあらためて分かります かつて山本直純が小澤征爾に「お前は世界の頂点を目指せ。おれは底辺を広げる」と言ったと、どこかで読みました 実際その通り、山本直純は「大きいことはいいことだ」と言って一般大衆の前に指揮棒を持って現われテレビ番組「オーケストラがやってきた」でクラシック音楽を大衆に広め、小澤征爾はボストン交響楽団で30年近くも音楽監督を務め、最後にはウィーン国立歌劇場管弦楽団の音楽監督まで登りつめました 齋藤秀雄がいなければこの二人の、そして秋山和慶の活躍はなかったでしょう

 

  閑話休題  

 

昨夕、初台の新国立劇場で新国立オペラ、ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」を観ました キャストはアイゼンシュタインにアドリアン・エレート、ロザリンデにアレクサンドラ・ラインブレヒト、フランクにホルスト・ラムネク、オルロフスキー公爵にマヌエラ・レオンハルツベルガー、アルフレードに村上公太、ファルケ博士にクレメンス・ザンダー、アデーレにジェニファー・オローリン、ブリント博士に大久保光哉、フロッシュにボリス・エダ―、イーダに鷲尾麻衣ほかです。指揮はアルフレート・エシュヴェ、オケは東京交響楽団、合唱は新国立劇場合唱団、演出はハインツ・ツェドニクです

 

          

 

ハインツ・ツェドニクの演出でこのオペレッタを観るのは、2006年6月14日、2009年1月27日、2011年12月1日に次いで今回が4回目です ウィーン生まれのアルフレート・エシェヴェ指揮東京交響楽団により軽快な序曲が始まります。オペレッタの序曲は理屈抜きで楽しめます

この喜歌劇の舞台はウィーンとばかり思い込んでいましたが、プログラムに寄せた吉野忠彦氏の「バーデン 音楽・歴史紀行」によると、「台本では、ある大都市の近郊の温泉地となっているので、ウィーン近郊のバーデンかザルツブルク近郊のバート・イシュルであろうと考えられる。さらにこの復讐劇が起きたのが大晦日であることを加味すれば、夏の避暑地ではないものと推測され、バーデンと思われる」と書かれています。目からウロコでした

          

          

 

さて、この喜歌劇の物語は

「アイゼンシュタインは顧問弁護士の不手際で禁固刑を受けて憤慨している しかし、悪友のファルケに誘われ、妻ロザリンデには刑務所に出頭すると偽り、変装してオルロフスキー公爵邸のパーティーに出かける。そこで仮面を付けた美女を自分の妻だとは気づかず口説きにかかるが、まんまと時計を奪われてしまう 翌朝、刑務所に出頭したアイゼンシュタインは、元の恋人と一緒にいる妻ロザリンデの浮気を疑うが、逆に自分が浮気をしていた証拠の時計を見せられ逆襲される そこへ復讐劇の仕掛け人ファルケが登場し『すべてはシャンパンのなせる業』と言って大団円を迎える

アイゼンシュタインを歌ったウィーン生まれのエレートは2011年の時も同じ役を歌い演じましたが、歌が上手いだけでなく身のこなしが軽快でオペレッタに適役です ロザリンデを歌ったウィーン出身のラインブレヒトは、第2幕でハンガリーを想って歌うチャルダーシュをはじめとして、美しくも力強い歌声を聴かせてくれました

刑務所長フランクを歌ったウィーン出身のラムネクはとぼけた演技が光っていました オルロフスキー公爵を歌ったオーストリア出身のレオンハルツベルガ―は資産が有り余っている退屈な公爵を見事に演じ、歌いました

復讐の仕掛け人ファルケ博士を演じたオーストリア出身のザンダーは明るいバリトンで聴衆を魅了しました アデーレを演じたアメリカ出身のオローリンは、アイゼンシュタイン家の女中と舞踏会での女優の役を見事に演じ分け、見事に歌い上げました

日本人で光っていたのはロザリンデの昔の恋人アルフレードを歌った村上公太です。能天気なテノール歌手を素晴らしい歌声で表現していました

 

          

 

個人的に少し物足りなかったのは刑務所の牢番フロッシュ役のウィーン出身のボリス・エダーです 一言で言えば、この役を演じるには若すぎるというところでしょうか 1曲も歌うことなく、独白と会話のみで人の心を掴み、笑わせなければなりません。人を泣かせるのは簡単ですが、人を笑わせるのは大変です

牢獄からアルフレードを解放したフロッシュが、牢獄の中で始終歌っていたアルフレードに「おまえの職業は何だ?」と訊くと「新国立劇場の歌手です」と言って笑いを取りますが、それを受けて、フロッシュが気の毒そうな顔をしながらポケットから札束を抜いてアルフレードに手渡します ここで会場は爆笑するところです。つまり「新国立劇場の歌手だって?そんなに貧乏しているのか。気の毒に」という気持ちで札束を手渡すシーンだからです。2011年の時は大爆笑でしたが、今回は外しました ちょっとした間合いの問題だと思いますが、あるいは、今回の聴衆はそのユーモアのセンスを理解できなかったのでしょうか

とにかくオペレッタは理屈抜きに楽しい 中でも「こうもり」は最高峰です いまこれを書いている最中も、序曲と第2幕で演奏されるポルカ「雷鳴と電光」のメロディーが頭の中をグルグル回っています 山本リンダではないけれど「どうにも止まらない」状態です 昨夜の終演はカーテンコールを含めて午後10時10分を回っていました。明らかに睡眠不足ですが、気分は高揚したままです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDはドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲」です。演奏はヴァイオリン=チョン・キョンファ、リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団です ドヴォルザークの協奏曲と言えば「チェロ協奏曲」しか聴いたことがないという人も、この曲の冒頭の堂々たるメロディーを聴けば一度で気に入ると思います。この曲は明日、読売日響で聴くので、その予習です

 

          

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若林顕+宮本文昭+東京シティフィルでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」を聴く

2015年01月29日 07時01分08秒 | 日記

29日(木)。わが家に来てから124日目を迎え、ゲージュツ作品のモデルとして初めてお目見えしたモコタロです 

 

          

           ご主人さまがやっとカメラ機能をマスターしたよ      

 

  閑話休題  

 

昨夕、池袋の東京芸術劇場で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました この公演は「都民芸術フェスティバル」の一環として開かれたもので、プログラムは①モーツアルト「歌劇”フィガロの結婚”序曲」、②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、③チャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」です。指揮は東京シティ・フィル常任指揮者・宮本文昭、②のピアノ独奏は若林顕です

 

          

 

自席は2階L列54番、2階右ブロックの右のどん詰まりです。不幸なことに上に屋根(3階席の床下部分)があります。最悪のパターンです が、B席ですからしかたありません。会場は文字通り満席状態です

オケがスタンバイします。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとります この日は音楽監督の宮本文昭の指揮なのでこういうスタイルですが、この4月から宮本に代わって音楽監督に就任する高関健になったら、おそらく対向配置になるだろうと推測します。少なくともブルックナーやマーラーではそうなるでしょう

宮本文昭がいつも通り手ぶらで登場します。彼はタクトを使用しません。1曲目のモーツアルト「歌劇”フィガロの結婚”序曲」が軽快に始まります 短い曲の中に、モーツアルトはオペラ全体のエッセンスを集約しています。これほどワクワクする序曲も他にないでしょう

ピアノがステージ左サイドからセンターに運ばれ、ソリストの登場を待ちます。2曲目はラフマニノフの名曲「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」です。若林顕が指揮者とともに登場し、ピアノに対峙します 重々しいピアノの和音が会場に響き渡ります。ソリストも指揮者も起伏の大きな音楽を展開します 宮本は相変わらず身軽なフットワークのもとオーバーアクションで指揮をします。1949年生まれなので60代半ばですが、その辺の若者には負けない”元気印”です この二人の組み合わせで聴くと、やはりラフマニノフのロマンチシズムは男性に演奏してほしいと思います 若林の演奏を聴くのは昨年暮れのベートーヴェンの「第9」のピアノ独奏版以来ですが、揺るぎない自信に基づいてスケールの大きな音楽を奏でました

会場一杯の拍手とブラボーに、リストの「コンソレーション第3番」を演奏し、クールダウンを図りました この曲も昨年暮れのリサイタルで演奏しましたが、ロマンティシズムの極致ですね

休憩後はチャイコフスキーの「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です。この”悲愴”というタイトルは、彼の弟・モデストの提案によってチャイコフスキー自身が命名したと言われています

再び宮本が登場、静かに開始の合図を送ります。コントラファゴットが暗いメロディーを奏でます。こんな曲を聴かされたら自殺者が出るのではないかと思うほど、とにかく暗い曲です その後は、クラリネットが素晴らしい演奏を展開します

第2楽章はワルツ風の曲ながらちょっとメランコリックな曲想に魅かれます。そして、第3楽章はアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェの指示通り、行進曲のような勇ましい音楽が”前進”します

さて、ここで予想されるのは、第3楽章が圧倒的な迫力で終結するため、拍手が起こることです 宮本文昭は考えました。第3楽章のフィナーレで曲を終わらせ、スキを作らず、すぐに第4楽章を開始したのです。そうすることによって、オケの緊張感を持続させたのです

この曲の特徴は、楽章間の落差と言えます。第1楽章の”暗さ”から第2楽章の”ほのかな明るさ”へ、そして第3楽章の”楽天的とも言える快活さ”から第4楽章の”再びどん底に落ち込んだような暗さ”へ、という落差です 第3楽章から第4楽章への転換は”クライマックス”から”暗いMAX”へ、と言えるでしょう

チャイコフスキーは、この曲を作曲して約1か月後に自身の指揮によって初演しましたが、何とその9日後に急逝してしまいました。本人にとっては晴天の霹靂、悲愴だったことでしょう 言ってみれば、この曲はチャイコフスキーの人生の縮図のような曲だったのかも知れません

オケは客員コンサートマスターの松野弘明のリードのもと、渾身の演奏を展開しました 拍手に応え、宮本はクラリネット、コントラファゴットを立たせ、次いでコントラバス、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンの順に立たせ拍手を求めました これは良いことだと思いました。通常、コンサートでは管楽器ばかりが名指しで賞賛されます。しかし、弦楽器は数が多いので一人一人が目立たないだけで、相当頑張っているのです 自ら世界的なオーボエ奏者として長年活躍して賞賛されてきた宮本は、指揮をする立場から、思うところがあったのでしょう。終いにはオケの一番後ろに出向いて行き、女性クラリネット奏者の手を引いてステージの前方まで連れてきて拍手を求めていました 私も彼女の演奏は素晴らしいと思ったので大きな拍手を送りました

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDはヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇「こうもり」です 演奏はカルロス・クライバー指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団です。キャストは、グンドラ・ヤノヴィッツ、ブリジット・ファスベンダー、ウォルフガング・ブレンデル他です CDジャケットには録音年月日の表示も、解説もないので、いわゆる一つの”海賊版”です 今夕新国立オペラでこのオペレッタを観るので、その予習です。時間の関係で全曲までは聴けませんでしたが、ひと通りBGM的に聴きました

カルロス・クライバーと言えば、1986年5月に横浜の神奈川県民ホールでバイエルン国立歌劇場管弦楽団を振った来日公演が忘れられません 当日のプログラムはベートーヴェンの交響曲第4番と第7番という最高のカップリングでした アンコールに演奏したヨハン・シュトラウスⅡ世のポルカ「雷鳴と電光」とともに、その華麗な指揮ぶりが目に焼き付いて離れません

 

          

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モーツアルト「交響曲全曲演奏会」、ザ・シンフォニカ「ブルックナー第8番」のチケットを買う

2015年01月28日 07時01分18秒 | 日記

28日(水)。わが家に来てから今日で123日目を迎えた、常にじっとしていらなれないモコタロです 

 

          

              ブラッシングしてもらってんだけど くすぐったいんだよね

 

  閑話休題   

 

26日(月)の朝日夕刊・文化欄に「作曲家の世界 知性で迫る ユリアンナ・アブデーエワ、来月来日」という記事が載っていました その中に次のような記述がありました

「今回弾くピアノ協奏曲第1番は、3年前に古楽の巨匠ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラと時代楽器で共演し話題を呼んだ曲でもある

私は、そのコンサートを聴きましたが、この記事を見て「おや?」と思ったのは『時代楽器』という言葉です クラシック音楽にある程度興味のある人なら「その時代の楽器=ピリオド楽器」、この場合はショパンが生きていた時代に使用されていた楽器(今から見れば『古楽器』)のことを指すことはすぐに分かるでしょう しかし、ごく普通の読者がこの記事を読んだとき『時代楽器』って何だ?と思うのではないでしょうか 前に”古楽の巨匠”という言葉があるので、ある程度推測は出来ると思いますが、一般の読者を想定してもう少し分かり易く書いた方が良いのではないかと思いました

 

  閑話休題  

 

チケットを3枚買いました 1枚は2月15日(日)午後1時半から錦糸町のすみだトりフォニーホールで開かれる「ザ・シンフォニカ第57回定期演奏会」です プログラムは①ドビュッシー「管弦楽のための映像より”イベリア”」、②ブルックナー「交響曲第8番ハ短調」(1890年ハース版)で、指揮は4月から東京シティ・フィルの常任指揮者に就任する高関健です。ザ・シンフォニカは新交響楽団と同様、アマチュア・オーケストラですが、何回か聴いた感じでは素晴らしいオケです。狙いはブルックナーの第8番です

 

          

 

2枚目と3枚目は日本モーツアルト協会主催による「モーツアルト交響曲全曲演奏会」です この演奏会は3月7日(土)と8日(日)の2日間、6回に分けてモーツアルトの交響曲全曲を演奏する試みです

3月7日(土)はサントリーホール「ブルーローズ」を会場に①午前11時から曽我大介の指揮で交響曲第1番~第8番と旧ランバッハ等が、②午後3時から金聖響の指揮で第9番~第14番とK96(111b)が、③午後6時半から湯浅卓雄の指揮で第15番~第21番が、それぞれシアターオーケストラトーキョーにより演奏されます このオケ、私は知りません

3月8日(日)はサントリーホール(大ホール)を会場に①午前11時から三ツ橋敬子の指揮で交響曲第22番~第30番が、②午後3時から井上道義の指揮で第31番~第36番が、③午後6時半から大植英次の指揮で第38番~第41番が、東京フィルにより演奏されます

7日は東京フィルのコンサートの予定が入っているので、8日の午前11時からと午後3時からのコンサートを聴くことにしました

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDはモーツアルトの「ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488」です。演奏はピアノ=マウリツィオ・ポリー二、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルです モーツアルトの曲の中で最も好きな曲の一つで、この演奏はこの曲のマイ・ベストです 昨日はモーツアルトの誕生日だったので、敬意を表して聴きました

 

          

                     

 

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オルガ・シェプス ピアノ・リサイタルを聴く~プロコフィエフで本領発揮

2015年01月27日 07時01分14秒 | 日記

27日(火)。わが家に来てから122日目を迎えて、革張りの椅子の破損の嫌疑で職質を受け、うろたえるモコタロです 

 

          

          イスの皮の破れは俺じゃねえんだ 刑事さん 信じてくれ!

           

  閑話休題  

 

今日、12月27日はモーツアルトの誕生日です。モーツアルトは1756年1月27日にザルツブルクで生まれました したがって今年は生誕259年に当たります。来年は生誕260年の区切りのよい年なので、音楽産業は手を変え品を変えいろいろと仕掛けてくるでしょう 今日はモーツアルトの誕生日を祝して彼の音楽を聴こうと思います。さて何を聴こうか

 

  も一度、閑話休題   

 

昨夕、大手町の日経ホールで日経ミューズサロン「オルガ・シェプス・ピアノ・リサイタル」を聴きました プログラムは①ショパン「バラード第1番」、②同「ピアノ・ソナタ第3番」、③ラフマニノフ「コレルリの主題による変奏曲」、④プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第7番”戦争ソナタ”」です

 

          

 

オルガ・シェプスは1986年モスクワ生まれ。6歳の時にドイツに移住し、現在ケルンに住んでいます デビューCD「ショパン」はエコー・クラシック賞若手ピアニスト部門をアリス=沙良・オットとともに受賞しています

自席はD-21番、前から4列目の右グロック左通路側です。会場は7割位の入りでしょうか

拍手の中オルガ・シェプスが明るいブルーのドレスで登場、スタインウェイに向かいます 1曲目はショパン「バラード第1番ト短調」です。この曲はホロヴィッツのCDで初めて聴いて感銘を受けました バラードというのは元々、声楽曲を指していましたが、ショパンはピアノ曲として初めて作曲しました

オルガはスタインウェイを思う存分鳴らします。前から4列目で、極めてピアノに近いということもありますが、ピアノの音がガンガン響きます。それは良いのですが、何か違和感があります それは次のショパン「ピアノ・ソナタ第3番ロ短調」でも同様です。どこか引っかかるのです。ほんのちょっとしたことなのでしょうが、どこかが違うのです そう思ったのは私だけだったのでしょう。演奏後は大きな拍手が送られていました

休憩後の第1曲、ラフマニノフ「コレルリの主題による変奏曲」は、イタリア・バロックの作曲家コレルリの「12の独奏ソナタ集」の終曲の主題を使っていますが、プログラムの解説によると、それはコレルリが流用したポルトガルの舞曲「ラ・フォリア」の旋律なので、厳密にはコレルリの主題ではないとのことです。孫引きですね 主題に基づいて20の変奏曲が演奏されます

彼女の演奏に慣れてきたせいか、この曲ではそれ程違和感を感じなくなりましたが、それでもまだしっくりきません しかし、最後のプロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第7番”戦争ソナタ”」の演奏を聴いて初めて吹っ切れた感じがしました これこそ彼女が本当に演奏したかった本領発揮の曲なのではないか リズムが躍動する爽快な曲です

大きな拍手とブラボーに応えてアンコールを演奏しました 1曲目はグルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」から”メロディー”、2曲目はチャイコフスキーの「四季」から”5月(白夜)”、そして最後にショパンの「ノクターン第8番」を弾いて、熱くなった聴衆のクール・ダウンを図りました

さて、いま演奏を振り返って、あの違和感は何だったんだろうか、と考えています 分かり易く言えば、同じエコー・クラシック賞を受賞したほぼ同じ世代のアリス・沙良・オット(1988年生まれ)と比べてどこがどう違うのか、ということです。一言で言えば、「いま聴いた演奏をもう一度聴きたいと思うか?」と問われた時に、どう答えるか、という問題です アリス=沙良・オットはこれまで何回か生演奏を聴いてきましたが、リサイタルにしてもコンチェルトにしても「また聴きたい」と思わせる実力と魅力を備えています(5月19日には再度、リサイタルを聴きに行きます)。それに比べて、今回初めて聴いたオルガ・シェプスは、残念ながらそういう風に思わせるまでには至らないのではないか、と思います もちろん、これは私の個人的な印象です。彼女の演奏がたまらなく好きだという人ももちろんいらっしゃるでしょうし、それを否定するつもりは毛頭ありません

終演後のロビーにはオルガ・シェプスのサインをもらうための列が出来ていました。彼女は美人なので人気がありますね

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です 演奏はフェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン放送交響楽団。明日東京シティ・フィルで聴くので、その予習です。ドラマチックな演奏です

 

          

 

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山下一史+新交響楽団でサン=サーンス「交響曲第3番ハ短調”オルガン付き”」を聴く

2015年01月26日 07時01分02秒 | 日記

26日(月)。わが家に来てから121日目を迎えた、宇宙を語るモコタロです 

 

          

             ぼくの隣にある丸いのは木星だよ 木製じゃないけど

 

  閑話休題  

 

昨日午前、「東京・春・音楽祭2015」のコンサートのうち3月13日(金)の「オープニング・コンサート」と4月5日(日)のマラソン・コンサート「古典派~楽都ウィーンの音楽家たち」(5部構成)のチケットをネットで手配しました 両公演とも”登録会員優先発売”がないので、一般発売の昨日、一斉に発売開始となったのです ギリギリまで公演内容が公表されなかったので、昨日の発売時になって初めて内容を知った有様です 遅くとも前日までには大まかなプログラムを公表すべきではないか、と思います        

3月13日(金)午後7時から東京文化会館小ホールで開かれる「オープニング・コンサート~春が来た」ですが、ヴァイオリンのダニエル・ゲーデ、小森谷巧ほか読響のメンバーが中心となってヴィヴァルディの「四季」ほかを演奏するようです

4月5日(日)の「東京春祭マラソン・コンサート 古典派~楽都ウィーンの音楽家たち」は5部構成になっています 第1部は午前11時から、第2部は午後1時から、第3部は午後3時から、第4部は午後5時から、第5部は午後7時からとなっています。私は時間の関係で、午後1時からの第2部と午後3時からの第3部を聴くことにしました

第2部はハイドン「交響曲第96番」から第2楽章、ヘンデル「メサイア」から、ハイドン「天地創造」から、プレイエル「ピアノ三重奏曲」から他が演奏されます

第3部はモーツアルト(フンメル編)「交響曲第40番jト短調」、同「結社員の旅」、クレメンティ「ピアノ・ソナチネ」から、ザロモン「歌曲」他が演奏されます

いずれも出演者は未定とのことです。昨年は、この時期にはすべてのプログラムが確定していたように思います。今年は大分戸惑っているようですね 

結局、今年の東京春祭は次の11公演聴くことになります

3月13日(金)「オープニング・コンサート」

3月18日(水)「ミュージアム・コンサート~N響メンバーによる弦楽四重奏」

3月20日(金)「東京春祭チェンバー・オーケストラ」

3月21日(土)「リヒテルに捧ぐ~舞踏協奏曲”オーバード”」

3月22日(日)「ベートーヴェン”七重奏曲”~若き名手たちによる室内楽の極」

3月25日(水)「ブラームスの室内楽」

4月4日(土) 「ニーベルングの指環~ワルキューレ」 マレク・ヤノフスキ+NHK交響楽団

4月5日(日) 「マラソン・コンサート:古典派~古都ウィーンの音楽家たち」第2部

4月5日(日) 「              〃                   」第3部

4月9日(木) 「スクリャービンー野平一郎」

4月12日(日)「ベルリオーズ”レクイエム”」 大野和士+東京都交響楽団

 

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の東京芸術劇場で新交響楽団第228回演奏会を聴きました プログラムは①ベルリオーズ「序曲”ローマの謝肉祭”」、②チャイコフスキー「バレエ音楽”白鳥の湖”」から抜粋、③サン=サーンス「交響曲第3番”オルガン付き”」。指揮は山下一史です

 

          

 

自席は1階N-13番、センターブロック左通路側です。会場はほぼ満席 新交響楽団のコンサートに来ていつも思うのは、アマチュア・オケでこれだけの動員数は凄いということです。もちろん演奏する楽団員のご家族をはじめ会社や学校の同僚、知人などが多数お見えになっているとは思いますが、それにしても毎回ですから驚きます 創立指揮者が芥川也寸志氏ですから、歴史と伝統のあるオケであることが、今の実力と人気に繋がっているのだと思います

ステージの左右の袖から楽員が次々と入場し、立ったままの姿勢でコンマス(女性なので正確にはコンサート・ミストレス)の堀内真実さんを迎えます プログラムに掲載された楽員名簿によると、彼女は青山学院高等部教諭となっています。楽員の職業は公務員、学生、自営業、民間会社と様々です

指揮者の山下一史が登場、1曲目のベルリオーズ「序曲:ローマの謝肉祭」の演奏に入ります。華やかな序奏に続いて、コーラングレによるメランコリックなメロディーが奏でられます この序曲の聴かせどころですが、良かったですね また、ヴィオラが良い音で響いていました

2曲目はチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」から8曲を抜粋して演奏します。①導入曲、②情景、③ワルツ、④情景、⑤Eパ・ダクシオンより、⑥ハンガリーの踊り(チャルダーシュ)、⑦スペインの踊り、⑧情景・終曲です

娘が小学生の時クラシック・バレエを習っていたので、「情景」を聴きながら、子供たちを連れてバレエを観に行った時のことを思い出していました。今は無き新宿厚生年金会館でした

「ワルツ」は良いですね チャイコフスキーの魅力たっぷりの曲想です

「E・パ・ダクシオン」では木管とハープが演奏されますが、ハープ奏者は珍しく男性です。名簿には「賛助」とあったのでプロの人でしょう 非常に良い演奏でした。続いて独奏ヴァイオリンによって美しいメロディーが奏でられますが、コンミスの堀内さんの演奏は素晴らしかったです

最後の「情景・終曲」はまさに「チャイコフスキー・ワールド」の集大成とでも言うべき大団円で終わります 管楽器も、弦楽器も、打楽器も、大迫力でチャイコフスキーの音楽の魅力を引き出していました

 

          

 

休憩後はサン=サーンスの「交響曲第3番ハ短調”オルガン付き”」です。ステージ後ろの2階席にあるパイプオルガンの椅子には鈴木隆太がスタンバイします。オルガンは「バロック面」ではなく「モダーン面」がその偉容を誇っています

交響曲は通常4つの楽章から成りますが、この曲は2つの楽章から成ります しかし、音楽的には1つの楽章が前半と後半の2部に分かれているので実質的には4部構成になっています

第1楽章の前半はアダージョの序奏とアレグロ・モデラートの主部から成りますが、後で出てくるメロディーのほとんどが登場します 後半は静かなオルガンの響きに乗せて美しいメロディーが聴かれます

一転、第2楽章冒頭は激しい慟哭のような劇的なメロディーが強奏されます そして後半は力強いパイプオルガンの演奏で幕を開けます。オケは渾身の力でサン=サーンス最後の交響曲に対峙します

管楽器、弦楽器、そして、観ていて気持ちの良いのはセンター後方に陣取るティンパ二奏者です ”中高年の星”と言っておきましょう 胸のすくような演奏です

渾身の演奏を展開した新交響楽団の皆さんにあらためて拍手を送ります 昨夜は当然、池袋で打ち上げだったでしょうが、さぞかし乾杯のビールは美味かったでしょうね

次回は4月19日(日)午後2時から、ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」他が演奏されますが、私は東響の定期演奏会の予定が入っているので残念ながら聴きに行けません その次は7月26日(日)午後2時から、マーラー「交響曲第4番」他が演奏されます。今のところコンサートの予定がないのでスケジュール表に印を付けておくことにします

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはマルタ・アルゲリッチの弾くショパン「ピアノ・ソナタ第3番」と、ユリアンナ・アヴデーエワの弾くプロコフィエフの「ピアノ・ソナタ第7番”戦争ソナタ”」の2枚です 今夕、日経ホールでオルガ・シェプスの演奏を聴くので、その予習です。アルゲリッチのアルバムは本当に久しぶりに聴きましたが、新鮮でした。一音一音が粒立っていました

 

 

          

 

          

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METライブビューイング、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」を観る

2015年01月25日 08時54分26秒 | 日記

25日(日)。わが家に来てから120日を迎えた、成長戦略真っ最中のモコタロです 

 

          

                ぼくは食べることだけが生きがいなんだよ

 

  閑話休題  

 

昨日、東銀座の東劇でMETライブビューイング、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」を観ました この公演は昨年11月22日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です

キャストはフィガロにクリストファー・モルトマン(バリトン)、ロジーナにイザベル・レナード(メゾソプラノ)、アルマヴィーヴァ伯爵にローレンス・ブラウンリー(テノール)、バルトロにマウリツィオ・ムラーロ(バスバリトン)、バジリオにパータ・ブルチュラーゼ(バス)ほか。指揮はミケーレ・マリオッティ、演出はバートレット・シャーです

 

          

 

ロッシーニの最高の作品は何か?と訊かれたら、何の躊躇もなく歌劇「セヴィリアの理髪師」を挙げるでしょう 原作の戯曲は1775年にフランスの戯曲作家ボーマルシェによって書かれました。モーツアルトは1786年にボーマルシェの原作による歌劇「フィガロの結婚」を作曲しています。「セヴィリアの理髪師」は「フィガロの結婚」の登場人物の若い頃が描かれています。つまり、アルマヴィーヴァ伯爵がフィガロの機転によってロジーナと結婚に漕ぎつけるまでを描いています

このオペラの魅力はアリアに次ぐアリア、重唱に次ぐ重唱、というように、名曲が次々と歌われるところにあります

まずフィガロを歌ったモルトマンですが、第1幕で歌われる「私は町の何でも屋」を明るくパワフルに歌い、フィガロの精力的な性格を見事に表出していました 個人的には前回フィガロを歌ったペーター・マッティの方が”はまり役”だと思いますが、モルトマンもなかなかです

ロジーナを歌ったレナードはMETでは、モーツアルトの「フィガロの結婚」でケルビーノを、「コジ・ファン・トゥッテ」でドラヴェッラを歌っていました 今回はコロラチューラの超絶技巧を駆使し、第1幕の「いまの歌声は」をはじめアリアの数々を美しい歌声を聴かせてくれました 演技も素晴らしくチャーミングでした

アルマヴィーヴァ伯爵を歌ったブラウンリーは黒人歌手ですが、スカラ座やウィーン国立歌劇場でも歌っている実力者です 輝くテノールで第1幕の「セレナード」をはじめ超絶技巧アリアを歌い上げました。聴いていてフローレスの輝く歌声を思い出しました

味のある歌と演技という意味ではバルトロを歌った、ムラーロが一番でしょう 過去のMETライブでは「コジ・ファン・トゥッテ」で哲学者ドン・アルフォンソ」を歌っていましたが、とぼけた味わいが何とも言えません また「わしのような医者に向かって」のような”早口言葉”のアリアも見事にクリアして聴衆の喝さいを浴びていました

 

          

 

バートレット・シャーの演出の大きな特徴は、張り出し舞台です 舞台を延長してオーケストラを囲むように”道”が作られます。歌手は時に指揮者に背を向けて歌わなければならないので大変です

休憩時間の幕間のインタビューで張り出し舞台で歌う時、「指揮者の後ろで歌うことになりますが、どのように”合わせる”んですか?」と問われたフィガロ役のモルトマンは「フォースを使います。スターウォーズのジェダイの戦士のようにね」と答えていました。

聴かせどころはたくさんありますが、私が特に好きなのは第1幕フィナーレです 登場人物が揃って登場して「これからどうなってしまうんだろう」と歌う訳ですが、この重唱がたまらなく好きです。聴いていてワクワクしてきます。この部分はモーツアルトの「フィガロの結婚」の第1幕フィナーレに通じるところがあります

本当に楽しいオペラです。初心者にも分かり易く楽しいオペラです。上映時間は10分の休憩・インタビューを含めて3時間13分。入場料は@3,600円(学生2,500円)です。30日(金)まで、都心では新宿ピカデリー、東劇他で上映中です。強くお薦めします

 

   閑話休題  

 

昨日聴いたCDはジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団によるサン=サーンスの交響曲第1番~第3番(2枚組)のうち「交響曲第3番”オルガン付き”」です オルガンはマリー=クレール・アランが弾いています。プレートルは、数年前のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートも良かったし、気品がありますね 今日の午後、新交響楽団でこの曲を聴くので、その予習です

 

          

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アラン・レネ監督「愛して、飲んで、歌って」を観る~日本記者クラブ試写会

2015年01月24日 07時01分25秒 | 日記

24日(土)。わが家に来てから119日目を迎え、暗くて狭いところでリラックスしているモコタロです 

 

          

                             うしろ姿で失礼! 足からず・・・・

          

   閑話休題  

 

昨日午前11時から、当ビル10階ホールで「シベリウス生誕150年記念」記者会見があり、出席しました フィンランド放送交響楽団首席指揮者のハンヌ・リントゥ氏と日本シベリウス協会会長で愛知室内オーケストラ常任指揮者の新田ユリ氏がシベリウスの音楽の魅力について語りました

 

          

              記者会見で配布されたシベリウス関連パンフレット

 

それに先立って、東京都交響楽団のメンバー(第1ヴァイオリン=篠原智子、第2ヴァイオリン=三原久遠、ヴィオラ=林康夫、チェロ=森山涼介)によって、シベリウスの弦楽合奏曲「アンダンテ・フェスティーヴォ」が弦楽四重奏で演奏されました 演奏者はステージ中央ではなく、音響効果の関係で舞台の右サイドで演奏することが分かったので、右側前方の座席を確保しました

「アンダンテ・フェスティーヴォ」は、1922年にサイナトゥサロ製作所からの依頼で、その25周年記念祝賀会のために弦楽四重奏曲として作曲されました その後、ティンパ二を含む弦楽合奏用に編曲され、1941年に出版されました。1939年のシベリウス自演の放送録音がCD化されているとのことです 

四重奏メンバーの譜面台の上にはペラ1枚の楽譜が置かれているだけ 演奏時間はたったの6~7分の短い曲です

「フェスティーヴォ」というのはイタリア語で「祝祭的な」という意味ですが、実際に聴いてみると「祝祭的」な雰囲気はまったく感じられません むしろ厳かな曲想です。指揮者リントゥ氏が語っていたように、この曲は「シンプルだが、そうであるがゆえに世界中で受け入れられる」曲だと思います この作品はシベリウスのお気に入りの曲だったそうですが、都響メンバーによる素晴らしい演奏を聴いていて感じたのは「特にわれわれ日本人にとってすごく共感できる音楽だな」ということです 日本語を付けて歌えば日本の歌になるのではないか、と思うくらいです

 

          

                 フィンランド大使館からのメッセージ

 

リントゥ氏の話で印象的だったのは、少年期に図書館で借りた渡邊暁雄氏が指揮をするシベリウスの「交響曲第2番」のLPレコードを聴いて感銘を受けたという発言です 渡邊暁雄氏の母シーリはフィンランド人で、新田ユリさんの資料によると1935年12月8日(シベリウスの誕生日)に、シベリウス70歳を記念したJOAKラジオ特別番組でシベリウスの「黒いバラ」などを歌っています また、渡邊暁雄氏は1962年11月に日本フィルを指揮してシベリウス「交響曲全集」を世界で初めてステレオ録音しています このように渡邊親子はシベリウスの音楽を日本に普及させた最大の功労者と言えます

 

          

               本当は次ページに続きますが省略します

 

クラシック音楽の指揮者を招いての記者会見は、記者クラブ始まって以来のことと聞きました 記者会見が始まる午前11時前には、広い会場にパラパラとしか聴衆がいなかったので、いったいどうなるのか と心配していましたが、そのうち結構な数の人たちが集まってきたので一安心しました 今年は、シベリウス生誕150年を記念したコンサートが全国各地で開かれますが、私も何回かは聴きに行くと思います。交響曲の中では特に「第5番」が好きなので、プログラムに含まれていれば是非聴きに行きたいと思います

 

          

          (昨夕のコンサートのチラシ。リントゥさんはこういう顔の人です↑)

 

          

           (新田ユリさんの指揮する演奏会はまだ間に合います)

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕6時から、同じ10階ホールで日本記者クラブ主催の試写会が開かれ、フランスのアラン・レネ監督「愛して、飲んで、歌って」(2014年、フランス)を観ました 

物語の舞台はイギリスのヨークシャー郊外。3組の夫婦は、友人ジョルジュが病気で余命わずかと知らされて悲しみにくれるが、すぐに気を取り直して愛すべき旧友の限られた人生を充実したものにしようと一致団結する しかし、過去にジョルジュと関係のあった女たちは彼をめぐって火花を散らすので、男たちは振り回される 3人の女たちは、それぞれがジョルジュから「いっしょに旅行に行こう」と誘われていた。そんなに人気のあるジョルジュとは一体どんな人物なのか?男たちは、それぞれどんな行動を起こすのか

 

          

 

この映画のタイトル「愛して 飲んで 歌って」は、言うまでもなく、ヨハン・シュトラウス二世のワルツ「酒、女、歌」を意識しています 英国の戯曲家アラン・エイクボーンの「お気軽な生活」を映画化したものです アラン・レネ監督というと1961年制作の「去年マリエンバードで」という難解な映画で有名です。私はン十年前と数年前の2度観ましたが、まったく理解不能でした それに比べてこの映画は何と分かりやすい内容でしょうか もちろん、ヨハン・シュトラウスのワルツ「酒、女、歌」も流れます また、建物のスケッチをイラストで描いて、それが次の瞬間にリアル映像で紹介されるなど、映像表現に工夫が凝らされています それにしても、舞台がイギリスのヨークシャー地方なのに、全編フランス語の会話というのも洒落ています

この映画の主役とも言うべきジョルジュはとうとう最後までわれわれの前に姿を現しませんが、人生の教訓を残して死んでいきます 映画の最後に流れるワルツの調べは「人生を楽しめ」と語っています。これが昨年3月1日にこの世を去ったアラン・レネ監督のメッセージなのでしょう

この映画は2月14日(土)から神保町の「岩波ホール」で上映されます。上映時間は108分です

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、そして今朝聴いたCDはロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」です。ロジーナをマリア・カラスが、フィガロをティト・ゴッピが歌い、アルチュオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団がバックを務めています 今日の午後に東劇でMETライブビューイング「セヴィリア~」を観るので、その予習です ところでマリア・カラスは、やっぱりヴェルディやプッチーニやドニゼッティやベッリー二などのドラマチックなヒロインの方が向いているのではないか、と思います オペラ・ブッファにはやや暗い声質かも知れないと思うのですが、どうでしょうか

 

          

 

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誉田哲也著「あなたの本」を読む~短編でも読ませる実力

2015年01月23日 07時01分04秒 | 日記

23日(金)。わが家に来てから118日を迎え、ゴミ屋敷で暮らすモコタロです 

 

          

            ポップアートだって? ただ散らかってるだけだってば!

 

  閑話休題  

 

毎週木曜日、朝日夕刊で連載されている「黒木瞳の ひみつのHちゃん」を楽しみにしています 昨夕は「おニューとオールド 財布の効果」というテーマでした。黒木さんのお姉さんは新しい財布が大好きで、黒木さんが海外旅行に行くたびに買ってきてほしいと頼まれるとのこと 同じ姉妹なのに瞳さんは同じ財布を30年あまりも使っていましたが、その財布を2度紛失したそうです しかし、2度ともすぐに手元に戻ってきたといいます。「この財布はきっと、私のそばにいたいのだろう、大事に使わなきゃ、って思った」と書いています

財布の紛失ということで言えば、私も1度財布を失くしたことがあります。もう5年以上も前になりますが、地元、巣鴨の商店街で買い物のハシゴをしている最中、お店で支払いをしようと胸ポケットに手を入れたところ財布が無かったのです 来た道をたどってみましたが、どこにもありませんでした 巣鴨駅前の交番に駆け込んで被害届を出して、すぐにクレジット・カード会社や銀行や郵便局に連絡して、すべてカードを”止めて”もらいました その翌日、その交番から電話があり、財布が届いているということでした さっそく届け出てくれた方に電話を入れてお礼をしましたが、幸いなことに、人のよさそうなおばあさんでした 巣鴨と言えば”おばあちゃんの原宿”として有名ですから、巣鴨内外からやってきた多くのお年寄りが闊歩しています。この時ほど、日本は安全な国だ、巣鴨は安全な街だと思ったことはありません。それからは、地蔵通りを歩いていてお年寄りを見ると皆さん善人に見えます よい子の皆さん、お年寄りは大切にしましょうね

 

  も一度、閑話休題  

 

誉田哲也著「あなたの本」(中公文庫)を読み終わりました 誉田哲也の本は文庫化されるたびにこのブログでも何冊かご紹介してきました 彼は1969年東京都生まれ。2002年に『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。その後、『ジウⅠ.Ⅱ.Ⅲ』、『ストロベリーナイト』などのヒット作を次々と発表し話題を呼びました

 

          

 

この本は①帰省、②贖罪の地、③天使のレシート、④あなたの本、⑤見守ることしかできなくて、⑥最後の街、⑦交番勤務の宇宙人の7つの短編から成ります

①の「帰省」は、都会に出たもののヒモのような男に引っかかり、田舎に逃げ帰るとそこに男が現われる。その後が、本人も予想できないとんでもない結末になる、という話

②の「贖罪の地」は、原始人の話が展開していたかと思うと、突然SFチックになってくる不思議な話

③の「天使のレシート」は、天使という名のコンビニ店員に恋した男子中学生が、天使に運命を左右されるという話。最後の結末はハッピーエンドを期待していた向きには大きな予想外

④の「あなたの本」は、自分の人生のすべてが書かれた本を発見した男の話。もし目の前にそういう本があったら、果たして読むだろうか、と問いかけてくるシリアスな内容

⑤の「見守ることしかできなくて」は、フィギュアスケートの少女に恋をする少年の話

⑥の「最後の街」は、止めるのも聞かず、生きては帰れない最後の街に行った男の話。最後の結末は感動的

⑦の「交番勤務の宇宙人」は、地球を守るために派遣され警官として働く宇宙人のコメディ・タッチの物語。解説にある通り星新一のような感じ

この中で一番印象に残っているのは「天使のレシート」です。読者の期待を大幅に裏切る内容です 誉田哲也と言えば長編が魅力ですが、どうしてどうして短編もなかなか読ませます

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはシベリウスのヴァイオリン協奏曲です 演奏はヴァイオリン=ヒラリー・ハーン、エサ=ペッカ・サロネン指揮スェーデン放送交響楽団です。北欧の澄んだ空気を感じさせる清々しい演奏です

 

          

 

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新国立オペラ研修所、東京シティ・フィル、東京文化”響きの森”、アリス=沙良・オットのチケットを買う

2015年01月22日 07時01分07秒 | 日記

22日(木)。わが家に来てから117日目を迎えた欲求不満気味なモコタロです 

 

          

                        久しぶりのドアップなのに また食事のシーンかよ 

 

  閑話休題  

 

昨日、会社帰りに東銀座の東劇に寄って、METライブビューイング、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」の座席を指定してきました この映画は24日(土)から30日(金)までの1週間、都心では東劇や新宿ピカデリーで上映されるオペラのライブ映像です ロジーナを歌うイザベル・レナードの歌が楽しみです。このメゾ・ソプラノ歌手は最近METでの活躍が目立ちます この作品はモーツアルトの「フィガロの結婚」とともにオペラ・ブッファの金字塔です 24日(土)午後3時からの指定を取りましたが、後方の中央通路沿いの右通路側席を押さえました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

チケットを4枚買いました 1枚は2月20日(金)午後6時半から新国立劇場・中劇場で開かれる「新国立劇場オペラ研修所公演」です。プログラムはロッシーニの歌劇①結婚手形、②なりゆき泥棒です。2つとも初めて観るオペラです。河原忠之指揮東京シティ・フィルがバックを務めます。いま、若い人たちはどういう段階にあるのか、観るのが楽しみです

 

          

 

2枚目は5月9日(土)午後2時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる東京シティ・フィルの第289回定期演奏会です。同フィルの桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎がブルックナーの「交響曲第8番」を振ります

 

          

 

3枚目は5月19日(火)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「アリス=沙良・オット ピアノ・リサイタル」です プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番”テンペスト”」、②J.S.バッハ「幻想曲とフーガ イ短調BWV944」、③バッハ/ブゾーニ編「シャコンヌ」、④リスト「愛の夢」第2番、第3番、⑤同パガニーニ大練習曲です。間違いなく素足で演奏します

 

          

 

4枚目は6月3日(水)午後7時から東京文化会館で開かれる「”響きの森”第36回 ドイツ・ロマンの森 ワーグナー&ブラームス」公演です。プログラムは①ワーグナー「歌劇”タンホイザー”序曲」、②同「楽劇”トリスタンとイゾルデ”より”前奏曲と愛の死”」、③ブラームス「交響曲第4番ホ短調」です。演奏は飯守泰次郎指揮東京都交響楽団です

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはサー・ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団によるシベリウス「交響曲第5番・第7番」です フィンランド以外の外国で最も早くシベリウスを評価したのはイギリスでしたが、中でもバルビローリは彼の作品に傾倒し、”シベリウス指揮者”という名前に相応しい活躍を見せました

「なぜ今シベリウスか?」というと、実は明日、当ビル10階ホールでシベリウス生誕150年を記念して記者発表があり、その際にシベリウスの弦楽合奏曲「アンダンテ・フェスティーヴォ」が都響メンバーによる弦楽四重奏で演奏されるからです 私はこの曲のCDを持っていないので、代わりにといっては何ですが、彼の代表的な交響曲を聴いておこうと思ったのです

 

          

 

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