人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイング、チャイコフスキー「イオランタ」、バルトーク「青ひげ公の城」を観る

2015年03月31日 07時01分07秒 | 日記

31日(火)。油断していた訳ではないのですが、今日で3月も終わり、2014年度も終わりです。わが家に来てから174日目を迎え、新年度を前に決意を新たにするモコタロです 

 

          

            今年度はお世話になりました 新年度もよろしくね!

 

  閑話休題  

 

昨日夕方、マンションの管理人から次のような報告がありました

日曜の夜11時過ぎ、当マンション1階店舗でアルバイト従業員が帰りがけに、電気ポット内の大量のお湯をシンクに捨てたところ多量の湯気が発生し、天井の熱感知器が作動、慌てた本人が火災報知機を押したため、他の階の住民が火災と勘違いし119番通報して、消防車が出動したとのこと(私は気が付きませんでした。消防署はすぐ近くなのでサイレンなしだったのかも)。当然、当該店舗の店長は消防署の事情聴取を受けたとのこと

当マンションはセコムと契約しているので、火災報知器が鳴るとセコムに直接つながり、担当者が直行するシステムになっています。その担当者から管理人を通じて報告書が届きました。先日の、消火器をエレベーター内の防犯カメラに向けて噴射する事件といい、今回の事件といい、このマンションの住人はいろいろとやってくれます。理事長としては飽きることを知りません でも本当の火災は困ります。皆さんのお住まいでも熱感知器や煙感知機が誤作動するようなことがないよう気を付けましょうね。いざとなった時「狼が来た」、「えっ、今度はマジっすか」になりかねませんから

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、今年度最後の有給休暇を取って、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、チャイコフスキー「イオランタ」とバルトーク「青ひげ公の城」の2本立てを観ました これは今年2月14日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です

最初に上映されたのは「イオランタ」(全1幕)です。キャストは、イオランタにアンナ・ネトレプコ(ソプラノ)、ヴォデモンにピョートル・ベチャワ(テノール)、ロベルトにアレクセイ・マルコフ(バリトン)、レネ王にイリヤ・バーニク(バス)、医師エブン=ハキヤにイルヒン・アズィゾフ(バリトン)、指揮はワレリー・ゲルギエフ、演出はマリウシュ・トレリンスキです

 

          

 

プロヴァンスの王レネの姫イオランタは生まれながら盲目だが、その意味を知らぬまま森の中の館で美しく育っていた ある日、森に迷い込んだヴォデモン伯爵が偶然、館のイオランタと出会い一目ぼれする 伯爵は彼女が盲目と知りながら愛を誓う。目の治癒のためには自ら治ろうと強い意志を持つこと、という医師の勧めにより、ヴォデモン伯爵の愛に応えるため治療を受ける そしてついに視力を回復しヴォデモンと結ばれる

美しくも不幸な女性が突然現れた王子様に救われるという、まあ、言ってみれば同じチャイコフスキーの「眠りの森の美女」のようなストーリーです そんな有り得ない話を歌に乗せて人を感動させるのがオペラだ、と言ったら身もふたもないでしょうか

とにかく、このオペラはアンナ・ネトレプコのためにあるような作品です ロシア生まれの彼女は、この日タクトをとったワレリー・ゲルギエフに才能を見いだされて、今やMETの看板スターと言っても過言ではない世界的なソプラノ歌手です 全1幕の中で、彼女は歌いまくりますが、その艶やかな中にも力強さを持った歌声は他の追随を許しません

そして、その相手役ベチャワの伸びのあるテノールはいつ聴いても素晴らしいです ネトレプコとの二重唱は背筋が寒くなるほど感動しました もう一人挙げれば、ヴォデモンの親友ロベルトを歌ったバリトンのアレクセイ・マルコフです。ベチャワに負けていません

終演後、METオペラでお馴染みのソプラノ歌手ジョイス・ディドナートのインタビューに、ネトレプコは「ハッピー・バレンタイン(この日は2月14日だった)みんな、早く帰って楽しみなさい」とジョークを飛ばしましたが、ディドナートがすかさず「このあと、もう1作品あるので、皆さん帰らないでくださいね」とフォローしていました。ネトレプコってこういうお茶目なところがあります

休憩時間が15分あったので、いつものようにお茶を飲みながらオニギリを3個食べました

後半に上映されたのはバルトークの歌劇「青ひげ公の城」(全1幕)です。キャストは、青ひげ公にミハイル・ペトレンコ(バス)、ユディットにナディア・ミカエル(ソプラノ)、指揮と演出は「イオランタ」と同じコンビです

 

          

 

家族を捨て、青ひげ公の新妻として彼の城に来たユディットは、彼を愛するが故に、暗い城の窓や扉を開け放ち、明るい光を入れようとする そして、7つの扉を次々と開いていく。そこにあったのは、拷問部屋、武器庫、宝物庫、花園、広大な領地の見える部屋だった。それらにはすべて血が付いていた 最後に彼女は見てはいけない扉を開いてしまう。そこで見たのは青ひげ公の過去の女性たちだった

青ひげ公を歌ったペトレンコは、歌といい、動作といい、サイコサスペンスの主人公といった風情で、役柄がピッタリです ユディットを歌ったミカエルは、狂気の青ひげ公に魅かれながらも彼を恐れる役柄を体当たりで演じ、歌いました 実質的な出演者はこの2人しかいないので、相当プレッシャーもあったでしょうが、2人ともそれを乗り越えました

幕間の対談で、演出家のトレリンスキが、この日上演した2つのオペラの演出について語っています

「ハッピー・エンドの『イオランタ』と、救いようのない結末の『青ひげ公の城』とは一見まったく関係のない組み合わせだと思われるかもしれませんが、実はそうではない 両方とも童話に基づいています。童話というのは残酷な結末もあります 今回のオペラは一つの続き物として演出しました。盲目の女性は手術によって目が見えるようになった。しかし、目が見えるようになった女性は、愛する人の秘密が知りたいために、7つの扉をすべて開けるように要求した。しかし、そこに待っていたのは愛する人の過去の女性たちだった。というように

普通であれば「ハッピーエンド」と「救いようのない結末」の別々の2作品は結びつかないと思うところですが、演出家というのは発想が自由で柔軟なのですね

 

  最後の、閑話休題  

 

METライブビューイング2015-16シーズンのラインナップが明らかになりました 10月から来年4月まで10作品上演されます。ヴェルディが2作品、プッチーニが3作品、その他にワーグナー、ベルク、ビゼー、ドニゼッティ、R.シュトラウスが各1作品選ばれています 個人的に一番期待しているのは第1作=ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」です。出演者のアンナ・ネトレプコ、ディミトリ・ホヴォロストフスキー、ドローラ・ザジックというのは、このオペラで現在望みうる最高のキャストです。今から楽しみです

 

          

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遅刻して聴く~大友直人+レジス・パスキエ+東響によるブラームス「ヴァイオリン協奏曲」

2015年03月30日 07時01分08秒 | 日記

30日(月)。わが家に来てから173日目を迎え、ご主人のコンサート会場への遅刻を嘆くモコタロです 

 

          

           ご主人は初台に行くべきところ溜池山王へ行ってしまっただよ

 

  閑話休題  

 

昨日午前、新日本フィル2015-2016シーズンの会員継続手続きをしました。これまでトりフォニー・シリーズの会員だったのですが、次期はマーラーの交響曲が3回組まれているサントリー・シリーズに鞍替えしようと思います 昨日がその手続き開始日でした。午前10時から受付開始でしたが、まったく電話が繋がりません やっと繋がったのは正午少し前のことでした。今まではセンターブロック1階席やや後方の通路側S席にこだわっていたのですが、先日、日本モーツアルト協会の「モーツアルト交響曲全45曲演奏会」のときに聴いた2階LB席がすごく良かったので、ヴァイオリン奏者が見える反対側の2階RBの通路側S席を確保しました。これで1年間聴いてみようと思います

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、東京交響楽団の東京オペラシティシリーズ第84回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」、②ヴォーン・ウィリアムス「交響曲第2番”ロンドン”」で、指揮は大友直人、①のヴァイオリン独奏はレジス・パスキエです

 

          

 

実は、コンサートには余裕を持って開演時間の30分前には会場に着くようにしているのですが、その通り午後1時半に会場に着いたのです。サントリーホールに。ところが、「ドゥダメル指揮ウィーン・フィル」という表示が目に入ってきました 「東京交響楽団」の文字はどこにもありません。「ン?」と思って手元のチケットをよく見ると東京オペラシティコンサートホールと書かれています。この時初めて会場を間違えていたことに気が付きました さて、どうする?頭の中のグーグルを回転させます。最寄駅は地下鉄南北線の六本木1丁目です。そこから四谷に出て、丸の内線に乗り換え新宿三丁目まで行って都営新宿線で初台まで行くことにしました。その結果、午後1時半にサントリーホールを出て、地下鉄を乗り継いで会場の東京オペラシティコンサートホールに着いたのは2時15分でした。所要時間45分です

なぜ会場を間違えたのか?つらつら考えてみると、第1に私は東京交響楽団のサントリーホール・シリーズと東京オペラシティシリーズの両方の定期会員で、チケットがまったく同じデザイン・色なのです したがって小さな文字で書かれた会場名をよく見ないと間違えるのです。第2にコンサート・スケジュールは手帳に書いているのですが、手帳をよく見ていないためです 時々こういうポカをやってしまいます。われらがタイガースは開幕3連勝というのに、toraはいったい何をやっているのでしょうか この教訓は次回に生かすことにします。もっとも、そういうことがないようにしたいとは思いますが

会場に着いた時は当然、1曲目のブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」の第1楽章はすでに始まっていて、アテンダントの女性の案内でロビーのモニターを観ながら第1楽章が終わるのを待つことになりました 同じお仲間が他に4人居ました。モニターからはパスキエと東響によるブラームスが実に良い響きで流れています ちょうど2時半に第1楽章が終わり、アテンダントの案内で会場左側の最後列に着席し、第2楽章から聴きました

第2楽章は冒頭からオーボエのソロが延々と続きます。サラサーテはこの部分を「いい音楽であることは否定しない。しかし、考えてもみてくれ、第2楽章でソリストが楽器を手に突っ立ち、長々としたオーボエのソロを聴かねばならないのだから」と嘆いたそうです しかし、パスキエはこの曲が終了した後、オーボエ奏者の所までわざわざ出向いて握手を求めていました。よほど彼の演奏が気に入ったのでしょう 彼に限らず、東京交響楽団の面々は大友直人の指揮、大谷康子のコンマスのリードのもと、パスキエの独奏をよく支え、”ヴァイオリン独奏付交響曲”とでも言うべき協奏曲を力強い演奏で締めくくりました

 

          

 

休憩後のヴォーン・ウィリアムズの「交響曲第2番”ロンドン”」は本来の定期会員席に座って聴くことが出来ました。この曲は1913年に完成しましたが、友人の作曲家バターワースの勧めによって着手した経緯があります 作曲者自身の説明によると「題名からこの交響曲は描写的な作品と思われるかもしれないが、それは私の意図するものではない。この交響曲は、むしろ『ロンドンっ子による交響曲』とでもいうべきものである」という曲です。4つの楽章から成ります。弟1楽章の冒頭、低弦による響きは”霧のロンドン”を連想させます すると、突然、爆発します そうかと思っていると、日本的なメロディーが出てきたり、ラヴェルのようなメロディーが出てきたりします どうも曲自体のコンセプトがよく分かりません。ごたまぜと言うか、何でもアリと言うか、いろいろな作曲家の影響を受けていることが窺えます。彼はベルリンでブルッフに、パリでラヴェルに師事していますが、そうしたことも無縁ではないでしょう

特に印象に残ったのは第4楽章です。管弦楽の中から日本でもおなじみのビッグ・ベンの鐘のメロディーが聴こえてきます。そして、フィナーレ。低弦が低く静かにいつまでも続くかのように会場に響き渡ります これはイギリス音楽を得意とする大友と東響の真骨頂でしょう。初めて聴いた曲ですが、なかなか面白い曲だと思いました

ヴォーン・ウイリアムズは、ロンドンの王立音楽院でも、ケンブリッジのトリニティ・カレッジでも成績は振るわず、「救いようがないほど音楽が下手なのに、なぜか音楽をやめない生徒」と教師たちも匙を投げるほどだった、と言います こういう人、どこぞの音楽大学にも居そうな気がしますね 学生諸君、諦めるな。ヴォーン・ウイリアムズを目標に頑張れ

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マックス・ポンマー+新日本フィルでJ.S.バッハ「管弦楽組曲第1番~第4番」を聴く

2015年03月29日 07時30分49秒 | 日記

29日(日)。わが家に来てから172日目を迎え、小型テレビのコードをかじって使いものにならなくしても反省の色がないモコタロです 

 

         

         高度な機械のコードほど硬度が高いし美味いんだよな。。。。。

 

  閑話休題  

 

昨日、新国立劇場から封書が届きました。中には2015-2016年シーズンのチケット10枚が同封されていました 併せて、公演日に聴きに行けなくなった時に他の日時に振り替えが出来る「公演日エクスチェンジ・サービス」のお知らせも入っていました 今年度は使用可能限度の3回利用していますが、この制度は助かります と、そこまでは良かったのですが、もう1枚小さな紙切れが入っていました。そこには「アトレVISA・ゴールドカード決済をご希望のお客様は5月11日のお引き落しになります」と書かれていました 見なければよかった、と思いましたが、見なくても引き落とされるのですから同じです。やっぱり払わねばなりませんかねぇ

 

          

 

          

 

          

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第538回定期演奏会を聴きました プログラムは①J.S.バッハ「管弦楽組曲第3番」、②同「同第2番」、③同「同第1番」、④同「同第4番」で、指揮はマックス・ポンマーです

 

          

 

ヨハン・セバスチャン・バッハが生まれたのは1685年なので、今年は生誕330年という記念すべき年に当たります そのことを意識して新日本フィルは「管弦楽組曲」全4曲の指揮を1936年ドイツ、ライプツィヒ生まれのマックス・ポンマーに託したのでしょう ポンマーはカラヤンに師事し、78年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のメンバーと「ライプツィヒ新バッハ合奏団」を設立し活動を開始しました。バッハ演奏のオーソリティと言えるかも知れません。今年4月から札幌交響楽団首席指揮者に就任します

新日本フィルがバッハの曲を定期演奏会で取り上げるのは2011年2月(私が聴いたのは27日)のフランス・ブリュッヘン指揮による「ミサ曲ロ短調」以来のことです。そのブリュッヘンも今は過去の人。時の流れを感じます

当初、第1番から番号順に演奏する予定だったのが、プログラムには第3番、第2番、第1番、第4番の順に演奏する旨のお知らせが挟み込まれていました

曲が曲だけにステージに上がるメンバーは30人ほどです。最初の曲は第3番。楽器編成はオーボエ2本、トランペット3本、ティンパ二、チェンバロと弦楽5部(対向配置)。コンマスはチェ・ムンスです

ステージに指揮台はありません。ポンマーはタクトなしで指揮をします 祝祭的な前奏曲に続いて演奏されるのは「エア」、「G線上のアリア」として有名な曲です。ポンマーは比較的速めのテンポで進めます。続いて、ガヴォット、ブーレ―、ジーグと続きますが、これらは”舞曲”です 最後のジーグはトランペットが祝祭感豊かに演奏され曲を閉じます。終始、古部賢一のオーボエが冴えわたっています

次いでメンバー・チェンジがあり、フルート首席の白尾彰が登場、ソロを務めます。あとはチェンバロと弦楽5部です。言ってみれば「フルート協奏曲」のような曲で、終始フルートが活躍します。白尾のフルートは軽快そのものでした

拍手に応え、白尾+ポンマー+新日本フィルは最後の「バディヌリ」をアンコール演奏しました

 

          

 

休憩後の最初は第1番です。楽器編成はオーボエ2本、ファゴット、チェンバロ、弦楽5部です。ここでも古部賢一のオーボエが大活躍します

最後は第4番です。4曲の中で最も大きな編成なのでメンバーが拡大します。オーボエ3本、ファゴット、トランペット3本、ティンパ二、チェンバロ、弦楽5部です。この曲もトランペットが入るので祝祭感溢れる曲想です 全体的に前へ前へという推進力に溢れた曲で、トランペット、オーボエが大活躍です

2曲目のアンコール曲「エア」の後、ポンマーは譜面台からブルーの表紙にBACHと書かれた楽譜を取り上げ、「これです」と指し示します。「拍手を受けるのは演奏者だけでなく、作曲者のバッハですよ、皆さん」というジェスチャーです。拍手が鳴り止まないので、ポンマーはとうとう楽譜を抱えて舞台を去りました 日本の聴衆はとくにお年寄りの指揮者に優しいので、ご本人も良い気分で楽屋に戻られたことでしょう

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはリヒテルの弾くシューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」ほかです。収録曲は「ピアノ協奏曲」のほか、「森の情景」、「序奏とアレグロ・アパッショナート」、「ノヴェレッテ」、「トッカータ」です。「ピアノ協奏曲」は歯切れの良いタッチで弾き進めるリヒテルを、ヴィトルド・ロヴィツキ指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団がしっかり支えます。「序奏とアレグロ・アパッショナート」は演奏される機会が少ないですが、良い曲ですね

 

          

 

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アンサンブル・ウィーン=ベルリン&新日本フィル「オール・モーツアルト・プログラム」他のチケットを買う

2015年03月28日 07時43分27秒 | 日記

18日(水)。わが家に来てから171日目を迎え、食事を中断して背中を掻いてもらうモコタロです 

 

          

           あ~ そこそこ そこがかゆいんだよね~ 快感 。。。。。

 

  閑話休題  

 

チケットを3枚買いました 1枚は4月29日(水・祝)午後2時からサントリーホールで開かれる「AARチャリティ難民救済コンサート~地雷ではなく花をください」です。萩原麻未+プラジャーク弦楽四重奏団がショパンの「ピアノ協奏曲第1番(室内楽版)を演奏し、酒井玲子「女声合唱組曲”サニーおねがい 地雷でなく花をください”」が歌われます また、宮沢りえが「地雷でなく花をください」を朗読します

2枚目は7月12日(日)午後3時から池袋の東京芸術劇場で開かれるクラシカル・プレイヤーズ東京のコンサートです プログラムは①交響曲第35番「ハフナー」から第1楽章、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」、③メンデルスゾーン「交響曲第4番”イタリア”」です 指揮は有田正広、②のピアノ独奏は仲道郁代ですが、フォルテピアノ(ピリオド楽器)を弾きます

この2枚はまだチラシが出来ていないのか見ていません。新聞広告に載っていたのでそれを掲載します

 

          

 

3枚目は7月13日(月)午後7時からすみだトリフォニーホールで開かれるアンサンブル・ウィーン=ベルリン+新日本フィルによる「オール・モーツアルト・プログラム」コンサートのチケットです プログラムは、モーツアルトの①ファゴット協奏曲、②フルート協奏曲第1番、③オーボエ協奏曲、④ホルン協奏曲第4番、⑤クラリネット協奏曲です 

ソロはそれぞれ、フルート協奏曲:カール=ハインツ・シュッツ(ウィーン・フィル首席)、オーボエ協奏曲:ジョナサン・ケリー(ベルリン・フィル首席)、クラリネット協奏曲:アンドレアス・オッテンザマー(ベルリン・フィル首席)、ファゴット協奏曲:リヒャルト・ガラ―(ウィーン響首席)、ホルン協奏曲:シュテファン・ドール(ベルリン・フィル首席)、指揮はシェレンベルガー(元ベルリン・フィル首席オーボエ)といった錚々たるメンバーです これを聴かない手はないでしょう。モーツアルト好きにはたまらないコンサートです 幸い新日本フィルの定期会員割引があり1割引きで買うことが出来ました

 

          

 

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中山七里著「切り裂きジャックの告白」を読む~予想外のどんでん返し

2015年03月27日 07時01分24秒 | 日記

27日(金)。わが家に来てから170日目を迎え画面に収まり切れないほど肥大化したモコタロです

 

          

            おいおい 肥大化したんじゃなくて 撮り方の問題だろ!

 

  閑話休題  

 

記者クラブ主催の試写会「ハーツ・アンド・マインズ~ベトナム戦争の真実」が4月1日午後6時からあるのですが、当日はコンサートの予定が入っていて観られないのです  しばしばこういうバッティングがありますが、仕方ないですね 当日は新日本フィル「室内楽シリーズ」新年度第1回目のコンサートで、大好きなモーツアルトの「セレナード第10番”グラン・パルティ―タ”」他が演奏されるので、こっちを取るしかありません

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

中山七里著「切り裂きジャックの告白」(角川文庫)を読み終わりました 中山七里の本はこのグログで何冊もご紹介してきましたので、もうお馴染みですね 「さよならドビュッシー」「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」という”作曲家シリーズ”を書く一方で、「贖罪の奏鳴曲」「七色の毒」などシリアスなテーマを取り上げて本格的なミステリーを展開する多面性を持った作家です

 

          

 

都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた若い女性の死体が発見された テレビ局に『ジャック』と名乗る犯人から声明文が送られる。その直後、川越で会社帰りのOLが同じ手口で殺害される。さては1888年のロンドンで実際に起こった連続殺人事件の犯人『切り裂きジャック』を真似た手口か、と騒がれる。臓器は鮮やかな手さばきで取り除かれていることから犯人は医療関係者ではないかという疑いが出てくる しかし被害者2人の接点は見いだせない。捜査一課の敏腕刑事・犬養は同僚の小手川とともに捜査を継続するが、その過程で事件は臓器移植と関連があり、被害者は同じドナーから臓器の提供を受けていたことを突き止める そして移植手術に際して間に立った人物が同一人物だったことが判明する 二人の刑事はその人物に接近するが、実はその人物にはアリバイが・・・・・さて、真犯人はどこにいるのか・・・・

中山七里の作品は、いつもどんでん返しが待ち受けていますが、それが1度で収まらないのが特徴です。この作品も例外ではありません

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは「ウィーンのリヒテル~20世紀ピアノ音楽の夕べ」です これは1989年2月、ウィーンのヤマハ・センターでのライブ録音です。収録曲はプロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第2番」、ショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ~第19番、第20番」、ストラヴィンスキー「ピアノ・ラグ・ミュージック」、ヴェーベルン「ピアノのための変奏曲」、バルトーク「3つのブルレスク」、シマノフスキ「メトープより」、ヒンデミット「ピアノのための組曲”1922”」です 

リヒテルがいかに広範囲のレパートリーを持っていたかがうかがい知れるプログラムです 全体を通して聴いた感じでは、やはりプロコフィエフが一番耳に馴染みます。シェーンベルクやヴェーベルンは生理的に受け付けないのですが、リヒテルの弾くヴェーべルンはなぜか許せる気がします それにしても、このCDジャケットのサングラス姿のリヒテル、決まってますね

 

          

 

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川本嘉子+リュドミラ・ベルリンスカヤでブラームスの室内楽を聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月26日 07時01分20秒 | 日記

26日(木)。わが家に来てから169日目を迎え、お恵みを乞うモコタロです 

 

          

            この中に食糧を入れて下され 現金はダメ カードもね

 

  閑話休題  

 

昨夕、上野の東京文化会館小ホールで「ブラームスの室内楽」を聴きました これは東京・春・音楽祭の一環として開かれたコンサートです。プログラムはブラームス①4つの厳粛な歌、②ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調、③ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調、④11のコラール前奏曲から第4曲、第5曲、第8曲~第10曲です。ブラームス晩年の傑作を集めたコンサートと言っても良いかもしれません。演奏はヴィオラ=川本嘉子、ピアノ=リュドミラ・ベルリンスカヤです

 

          

 

川本嘉子は1999年から2002年まで東京都交響楽団の首席ヴィオラ奏者を務めました 一方、リュドミラ・ベルリンスカヤはボロディン弦楽四重奏団の創設メンバーであるヴァレンティン・ベルリンスキー(チェロ)を父に持つピアニストで、現在モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団のソリストを務めています 先日、東京藝大奏楽堂で開かれた「リヒテルに捧ぐⅠ」公演でのプーランク「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲”オーバード”」での力演が記憶に新しいところです

 

          

 

自席はM19番、左ブロック右通路側席です。会場は9割方埋まっている感じでしょうか 川本嘉子は人気がありますね。1曲目の「4つの厳粛な歌」(ヴィオラ&ピアノ版)の原曲はバスとピアノのための歌曲で、ブラームス最後の誕生日1896年5月7日に完成しています

川本嘉子が黒の、ベルリンスカヤが白と銀のドレスで登場、二人とも真剣な表情で演奏に入ります 何と言ったら良いのか、全体的に死を目の当たりにした人間の慟哭のような曲想です。この曲の少し前に、密かに想いを寄せていたクララ・シューマンが脳出血で倒れ、この曲の完成後まもなく死去したという事実も、この曲に暗い影を落としているといって良いでしょう

2曲目の「ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調」は、次の第2番とともにクラリネット・ソナタの編曲です 川本のヴィオラは書体に例えるなら太い毛書体といったところでしょうか 非常に力強く、とてもヴィオラ1本で演奏しているとは思えないほど迫力があります 一方のベルリンスカヤは”伴奏に徹する”姿勢とはまったく正反対の、主張すべきところははっきりと主張するタイプのピアニストで、聴いていて気持ちのよい化学反応を起こしています

 

          

 

休憩後の「ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調」は、クラリネット・ソナタとして聴き馴染みがあります 第1番と比べて、流れるような旋律で晩年のブラームスの良さが沁み渡ってきます この曲でもベルリンスカヤとの丁々発止のやり取りが頼もしく、十分楽しめました

最後の「11のコラール」の原曲はオルガン曲で、ブラームスの遺作です コラールですからバッハに戻ったような古典的な手法ですが、世の中を達観したような明るい曲想が救いです 結局、作曲家はみなバッハに帰るのでしょうか

演奏後、大きな拍手とブラボーに、川本が

「アンコールをする予定はなかったのですが、手がすべってしまって・・・もう一度1曲目に演奏した曲(の一部)を演奏させていただきます

と言って、1曲目に演奏した「4つの厳粛な歌」の第3曲「おお死よ、いかに汝は厳しいことか」をベルリンスカヤとともに演奏し拍手喝さいを受けました 終演後、ロビーの一角に「本日のアンコール曲」が掲示されていましたが、その手際の良さを考えると、ひょっとして最初からアンコールで演奏するつもりだったのではありませんか、川本さん

この日のプログラムはブラームス晩年の作品を集めたもので、曲想から言えば「暗い」「渋い」というイメージなので、クラシック入門者はこの曲から入らない方がよいかもしれません やはり傑作ぞろいの交響曲や協奏曲の方が良いでしょう

 

          

 

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高関健+東京交響楽団でベルリオーズ「幻想交響曲」を聴く~都民芸術フェスティバル

2015年03月25日 07時01分19秒 | 日記

25日(水)。わが家に来てから168日目を迎え、白兎をナンパしたけど相手にされないモコタロです 

 

          

             おっと、気になる子がいるな 話かけてみようかな

 

          

            きみ この辺で見かけない顔だけど どこから来たの?

 

          

             まあ そう固くならないで 食べたりしないからさ

 

          

           内緒の話だけど いい餌場があるんだ 一緒に行こうよ

 

                

                そう冷たくしないでもいいじゃんか

 

          

             わかったよ もういいよ 孤独な生活に戻るよ

 

          

                       失敗だったな 作戦の練り直しだ!

 

以上、3月25日を記念して特別7コマ・バージョンでお贈りしました

 

  閑話休題  

 

昨夕、池袋の東京芸術劇場で高関健指揮東京交響楽団のコンサートを聴きました これは「都民芸術フェスティバル」の一環として開かれたものです。プログラムは①パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、②ベルリオーズ「幻想交響曲」で、①のヴァイオリン独奏は周防亮介です

 

          

 

自席は2階L54番、右ブロックの右側どん詰まり。おまけに上は屋根(3階席の床部分)です。音響効果は決して良いとは言えない席です 会場はほぼ満席

オケは左奥にコントラバス、前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置、高関健シフトをとります コンマスは水谷晃。チェロを見ると首席の伊藤武文嗣の隣に樋口泰世がスタンバイしています。このシフトは初めて見ました 定期公演ではあり得ない配置です。そこで思ったのは、東京交響楽団は、普段クラシック音楽を聴く習慣のない聴衆が多く集まる「都民芸術フェスティバル」を利用して、定期会員を増やすために首席でない美人を前面に立たせたのだな、ということです 言わば楽団のイメージ戦略です 今後、定期演奏会で同じシフトが見られるのなら彼女も本物です

ソリストの周防亮介が指揮者・高関健とともに登場します。周防は髪が長いので相変わらず女の子のように見えます 高関のタクトでパガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」が開始されます。この曲は”悪魔のヴァイオリン”パガニーニが自分自身の超絶技巧を誇るために作曲したもので、曲自体の魅力はそれ程ありません

周防は、見たとおりの素直でスマートな演奏を展開します 超絶技巧曲にも関わらず、顔をしかめて難しそうに演奏するようなことはありません。あくまでも冷静に淡々と演奏を進めます パガニーニの曲は、ただただソリストの奏でる千変万化の音色に耳を傾けるしかありません。出てくる音の美しさは純粋そのものです

アンコール期待のカーテン・コールが5回ほど繰り返されましたが、周防はとうとうそれには応えませんでした あれ程の超絶技巧曲を通して演奏した後です。休ませてあげましょうよ

 

          

 

休憩後はベルリオーズ「幻想交響曲」です。この曲は生で何度も聴いていますが、まったく飽きません この曲が作曲されたのは1830年でベルリオーズが27歳の時でした。ベートーヴェンが死去したのが1827年のことなので、わずか3年後に「幻想交響曲」が生まれたことになります ちょっと驚きますが、ちょうどこの境が古典派からロマン派への過渡期にあるということでしょう

この曲はベルリオーズ自身の実体験をもとにストーリーを設定して作曲したものです。「感受性が強く、想像力に溢れた若い芸術家が、恋の苦悩で阿片自殺を図る。彼は死に至らなかったかわりに、奇妙な夢を見る」という内容です

この曲で好きな部分は第2楽章「舞踏会」です。ハープ2台が華やかさを彩ります 第3楽章「野の風景」ではイングリッシュ・ホルンが奏でる牧童の笛に応えて、舞台裏からオーボエが聴こえます この木管同士の会話は聴きものです 広い会場なので、舞台裏のオーボエはもう少し大きな音の方が良かったのではないかと思いました

第4楽章「断頭台への行進」で、聴いていてワクワクするのはブラスの咆哮もありますが、何と言ってもファゴットの刻むリズムです あれは堪りませんね。第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」では、舞台袖で鐘が打ち鳴らされる中、グレゴリオ聖歌の「怒りの日」のメロディーが鳴り響き、ティンパ二と大太鼓が轟き渡るフィナーレが最高です

高関+東響はアンコールにベルリオーズの歌劇「ファウストの劫罰」から「ラコッツィ行進曲」を勇壮に演奏しました。ベルリオーズは小さな曲でも劇的ですね

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映画「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」を観る~オペラ界のBC・AD

2015年03月24日 07時01分03秒 | 日記

24日(火)。わが家に来てから167日目を迎え、なんちゃってスタイルを見せるモコタロです 

 

          

          あまり長い間2本足で立ってると腰痛になりそうだな 誰かみたいに

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日『天声人語』は桜をテーマに取り上げていました

「花を詠む歌は数あれど、この名高い作品の大胆な発想には舌を巻く。『世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし』(在原業平)。この世に桜がまったくなかったら、春も穏やかな気持ちでいられるのに。伊勢物語では、先の業平の歌に続き別の人が詠む。『散ればこそいとど桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき』。これは無常、桜は散るからこそ素晴らしい、という賞賛だ

今朝何気に点けたテレビのニュースで東京・日比谷公園の桜が咲いていると言っていました。ただし、上空を寒気団が覆っているので寒風が吹いて寒くなりそうだと解説していました 歓喜団なら良いけれど寒気団ではたまりません。寒風で風邪を引いたら完封負けです。気象庁も予想はよそうと言っているとか いずれにしても、桜が咲いても咲かなくても才能がないので歌は読めても詠めないかな

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、有休消化の一環として休みを取り、午後2時10分から渋谷のシネマライズで映画「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」を観ました この映画は1958年12月19日、マリア・カラスのパリ・オペラ座デビューを飾るガラ・コンサートの模様をすべて収録した、いわばマリア・カラス絶頂期の貴重な映像です モノクロ映像、モノラル録音によるロジェ・ベナムー映像監督による115分のドキュメントです

 

          

 

映画のオープニングではベッリーニの歌劇「ノルマ」の序曲が流れています マリア・カラスの歴史的なパリ・デビューとあってフランス大統領ルネ・コティをバルコニー席に迎え、フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』が演奏されます ナレーターが、会場にはブリジッド・バルドー、チャーリー・チャップリンなど著名人が来場しているが、チャップリンにインタビューを申し込んだが、フランス語が不得手だと言う理由で断られたと語っています

指揮者ジュルジュ・セバスティアンがオーケストラ・ピットに入り、パリ・オペラ座国立劇場管弦楽団の指揮をとります。最初にヴェルディの歌劇「運命の力」序曲が演奏されます

そして、いよいよマリア・カラスの登場です。テノールのジャック・マルスが共演します。カラスはベッリーニの歌劇「ノルマ」から「反乱を教唆する声だ」を歌い盛んな拍手を受けますが、彼女はお辞儀一つもしません なぜなら次の「清らかな女神よ」が続いているからです。カラスの歌で私が一番好きなのがこの「清らかな女神よ」です 聴いていて鳥肌が立ってきました。またしても拍手の嵐になり、しばらく止みません やっと終わり「儀式はこれで終わった」そして「ああ!初めの頃の誠実な愛が」を歌います。何度もカーテンコールがあり、そのたびに女王の笑みで聴衆に応えます

 

          

 

次いでヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」からレオノーラのアリア「行っていいわ・・・」~「恋はバラ色の翼に乗って」を切々と歌い、拍手のあと「ミゼレーレ 哀れみたまえ」を歌い上げます

ここでカラスは一旦ステージから引き揚げ、オーケストラによりロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」から序曲が演奏されます そして再度カラスが登場、ロジーナのアリア「今の歌声は」を技巧的に、そして力強く歌い上げます 今まで、カラスはあまりロッシーニに向いていないのではないか、と思っていたのですが、考えを改めました 高音から低音まで幅広い音域を苦も無く美しく歌い上げる彼女の姿を見て、あらためてカラスの力を見せつけられました

 

          

 

さて、ガラ・コンサートの後半はプッチーニの歌劇「トスカ」から第2幕です。このシーンは別の映像で観たことがありますが、演出はほとんど同じだと思います キャストはスカルピアにティト・ゴッピ(バリトン)、カヴァラドッシにアルベール・ランス(テノール)、スポレッタにルイ・リアラン(テノール)ほかです

このコンサートの前半が『歌手マリア・カラス』の魅力だとすれば、後半は『女優マリア・カラス』の魅力だと言えるでしょう これ程演技力を備えた歌手はどこにいるでしょうか とにかく『目力』が凄いのです。目で演技していると言っても良いかもしれません カラスは「歌付のお芝居」だったオペラを文字通り「歌劇」として再生したのです。トスカの名アリア『歌に生き、恋に生き』では、感情移入が半端でなくトスカその人に成りきっています アリアが終わるや否やブラボーと拍手の嵐です。いつこの嵐が止むのだろうか、と思うほど長く長く拍手が続きました

BCとADとは紀元前、紀元後のことですが、オペラ界では独特の言い回しがあります。『ビフォア・カラス、アフター・ディーバ(カラス以前、歌姫以後)』。つまり『カラスの前にカラスなし、カラスの後にカラスなし』という意味です

マリア・カラスは美声か?と問われれば、決してそんなことはない 美声ということなら他に何人も歌手はいます。しかし、声自体に力があり、圧倒的な演技力でオペラ界にリアリティをもたらしたという意味で、マリア・カラスはオペラの歴史を塗り替えた唯一無二のソプラノ歌手なのです

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

という訳で、昨日聴いたCDは「ザ・ベスト・オブ・マリア・カラス」です ベッリーニ「ノルマ~清らかな女神よ」、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師~今の歌声は」、プッチーニ「蝶々夫人~ある晴れた日に」、同「トスカ~歌に生き、恋に生き」、カタラーニ「ワリー~さようなら、ふるさとの家よ」など、マリア・カラスの魅力を集約したようなCDです 何度聴いても鳥肌ものです

 

          

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「若き名手たちによる室内楽の極」コンサートを聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月23日 07時01分19秒 | 日記

23日(月)。わが家に来てから166日目を迎え、ラップの芯を食べるモコタロです 

 

          

           サランラップよりクレラップの方が固いなぁ オレってラップ通?

 

  閑話休題  

 

先日、自宅マンションのエレベーター内防犯カメラと共用廊下に消火器を噴射して住民に大迷惑をかけた20代女性の話を書きましたが、土曜日に管理組合の理事会があり、管理会社からそのてん末が報告されました 本人に対する損害賠償請求額は約35万円(うち防犯カメラ1台取り替え分=約17万円)ということです。35万円ですよ、奥さん 何しろ当の本人の悪事が防犯カメラに映っているので抗弁のしようがないのです 酔っていたとはいえ、ちょっとしたイタズラのつもりが高い代償につきましたね。よい子はマネしないでね

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日は暖かい1日でした 上野の東京文化会館でコンサートを聴くため、午後早めに家を出て京成上野駅側から登って上野公園を散策しながら文化会館を目指しました。種類は分かりませんが一部の桜は満開です

 

          

 

ということで、午後3時から文化会館小ホールで「若き名手たちによる室内楽の極」コンサートを聴きました これは「東京・春・音楽祭2015」の一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ベートーヴェン「弦楽三重奏曲第1番」、②リヒャルト・シュトラウス/ハーゼンエール偏「もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル」、③ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です 出演はヴァイオリン=長原幸太(読響コンマス)、ヴィオラ=鈴木康治(読響首席)、チェロ=上森祥平、コントラバス=渡邉玲雄(新日フィル首席)、クラリネット=吉田誠、ファゴット=長哲也(都響首席)、ホルン=福川伸陽(N響)です

 

          

 

自席はM列19番、左ブロック右通路側席。会場は9割以上は入っている感じです やっぱり「東京・春・音楽祭」はこうでなくっちゃ 拍手の中、ヴァイオリンの長原幸太、ヴィオラの鈴木康治の読響首席コンビと、チェロの上森祥平が登場します

1曲目の「弦楽三重奏曲第1番」は若きベートーヴェンの力作です。彼は1792年に故郷ボンを離れて音楽の都ウィーンに出てきます そしてハイドンの指導を受けることになりますが、その頃に書かれたのがこの三重奏曲です 6つの楽章から成る大作です。なぜベートーヴェンは四重奏曲でなく三重奏曲を書いたのかと不思議に思っていたのですが、音楽祭の総合プログラムに音楽評論家の安田和信氏がその理由を書いていました

「18世紀後半の理論家の中には、3声部の楽曲は4声部のそれよりも作曲が難しく、三重奏曲を自在に作曲できる作曲家こそが一流だとする者もいたから、1790年代の若きベートーヴェンはむしろ三重奏曲のほうに先に取り組んだのかも知れない

これで納得です。楽器編成からしてベートーヴェンはこの曲の作曲に当たりモーツアルトのディベルティメントK.563をモデルにしたことが窺えるようですが、聴いている限りモーツアルトの影響はまったく感じられず、どこを切ってもベートーヴェンらしい曲想です 全体として明るく溌剌とした曲で、3人の演奏からは若きベートーヴェンの”やってやろう”という意欲を感じます

 

          

 

2曲目はリヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を基に、ハーゼンエールが1957年に編曲して出版した「もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル」です 演奏者が登場します。左からヴァイオリン=長原、コントラバス=渡邉、ホルン=福川、ファゴット=長、クラリネット=吉田という編成です。5人の奏者は「むかしむかしあるところにティル~」という語りを軽妙洒脱に演奏、拍手喝さいを浴びました

 

          

 

休憩後はこの日のメーン・プログラム、ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です。この曲は1800年に完成しましたが、厳ついイメージのベートーヴェンからはほど遠い明るく楽しい曲です 当時ベートーヴェンはウィーンの聴衆に作曲家として認められる必要があり、いわば『一般大衆向け』にこの曲を作曲したのです 6つの楽章から成りますが、「八重奏曲」と言えばメンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」がパッと浮かぶように、七重奏曲と言えばベートーヴェンのこの曲がすぐに浮かぶほど私はこの曲が大好きです

拍手の中、演奏者が登場します。左から長原(Vn)、鈴木(Va)、上森(Vc)、渡邉(Kb)、福川(Hr)、長(Fg)、吉田(Cl)という編成です。福川の携えるホルンはラッパの部分が赤い色をしています

第1楽章のアダージョからアレグロ・コン・モトに移るところは堪らなく良いですね 長原のリードが冴えています。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」での弦楽器グループと管楽器グループとの対話は素晴らしいのひと言 第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」はピアノ・ソナタ第20番第2楽章の主題が現われます。第4楽章は、中盤の弦楽三重奏の後、管楽器との会話が聴きどころです 第5楽章のスケルツォはホルンが活躍します。そして最後の第6楽章「アンダンテ・コン・モト・アラ・マルシアープレスト」は、冒頭のアンダンテからプレストに移る部分がこの曲の最大の魅力です コンマスの長原は何のてらいもなくスッと移行します。そこがまたたまらなく素晴らしいと思います。終盤の長原のカデンツァはなかなか聴かせました この人は本当に上手いし、音がきれいです

会場一杯の拍手とブラボーに、7人はアンコールにベートーヴェンの「トルコ行進曲」を演奏しました 高音のクラリネットが際立っていました。それでも鳴り止まない拍手に「七重奏曲」の最終楽章を途中から演奏し、会場を興奮の坩堝に巻き込み、演奏会を終えました

この曲は何度聴いても素晴らしいと思います。幸せな気持ちで家路に着きました

 

          

          

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはスヴァトスラフ・リヒテル「ソフィア・リサイタル」です。1958年2月25日にブルガリアの首都ソフィアで行われたヨーロッパへのデビュー演奏会のライブ録音です ここからリヒテルが”西側”で活躍することになります。収録されているのはムソルグスキー「展覧会の絵」、ラフマニノフ「前奏曲第23番」、シューベルト「楽興の時第1番」、同「即興曲第2番、第4番」、ショパン「練習曲”別れの曲”」、リスト「忘れられたワルツ第1番、第2番」、同「超絶練習曲第5番”鬼火”、第11番”夕べの調べ”」です

「展覧会の絵」のプロムナードでは、ちょっと前のめり気味の感じがしますが、その後は曲と曲との間を空けず続けて前へ前へと進める姿勢が際立っています 最後の「バーバ・ヤーガの小屋」から「キエフの大門」にかけての演奏は圧巻です 技術的な面だけを言えば、現代のピアニストは何の苦も無く弾き切るでしょうが、当時のクラシック音楽界ではどうだったでしょうか?技術だけでは表現できないものを感じます 一方、一連のシューベルトの曲は軽快です 超絶技巧練習曲の2曲は激しい中にも詩情がある曲ですが、これもリヒテルが単に技巧だけで演奏しているのでないことが窺える演奏です

 

          

 

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「リヒテルに捧ぐ1(生誕100周年記念)舞踏協奏曲『オーバード』」を聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月22日 10時00分32秒 | 日記

22日(日)。わが家に来てから165日目を迎え、オープン戦で滑り込みするモコタロです 

 

          

          滑り込みセーフ自民党、ってか。 歯止めかけろ公明党、ってか。

 

  閑話休題  

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「リヒテルに捧ぐ1(生誕100周年記念)舞踏協奏曲『オーバード』」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ディヴェルティメントK.136」、②同「ピアノ協奏曲第17番ト長調K.453」、③同「交響曲第31番ニ長調K.297”パリ”」、④プーランク「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲”オーバード”」です 出演はヴァハン・マルディロシアン指揮トウキョウ・モーツアルトプレーヤーズ、ピアノ=リュドミラ・ベルリンスカヤ、振り付け=ドミトリー・アンティポフ、舞踏=ドミトリー・アンティポフ、ヤロスラヴァ・ナグマノヴァです 当初の予定ではモーツアルトの「2台のピアノのための協奏曲K.365」が演奏される予定でしたが、ピアニストのアルチュール・アンセルが出演出来なくなったため交響曲第31番K.297に変更されました

 

          

 

自席は1階14列13番、センターブロック左通路側席です 会場は半分も埋まっていないでしょう。すごくもったいないです

指揮をとるヴァハン・マルディロシアンはアルメニア生まれ。パリ音楽院を首席で卒業し最初はピアニストとして活躍しました トウキョウ・モーツアルトプレーヤーズは指揮者の沼尻竜典の呼びかけで1995年に結成した若手中心の小編成のオケです

1曲目はモーツアルトのディヴェルティメントK.136なので総勢17人の弦楽奏者だけが登場します 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢をとります。コンマスは女性です。どこかで見たような気がしますが思い出せません オケは女性が中心ですが、平均年齢はアラサ―といったところでしょうか

顎に髭を蓄えた体格のいいヴァハン・マルディロシアンが登場し演奏に入ります K.136はよく聴きます。最近だけでも東京交響楽団、東京フィルで聴きました モーツアルトが16歳の時に作曲しました。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と同じくらい人気がありモーツアルトの代名詞のような曲です マルディロシアンは軽快に演奏を進めます。第2楽章はモーツアルトの楽譜の指定通りに繰り返して演奏したようです。彼のこだわりでしょうか

 

          

 

ピアノがステージ左からセンターに運ばれ、管楽器奏者が加わり、2曲目のモーツアルト「ピアノ協奏曲第17番K.453」に備えます。ソリストのリュドミラ・ベルリンスカヤが白とシルバーを基調とするドレスで登場 ピアノに向かいますが、眼鏡をかけます 譜面立てがないのにおかしいな? と思っているうちに演奏が始まりました。ピアノの上に直接楽譜を置いていたようで、弾きながら楽譜をめくっていました

ベルリンスカヤの演奏は、一音一音が粒立っていてはっきりと聴こえます 歯切れの良い演奏である証左です。モーツアルトはこうでなくては、と思わせるテンポ感の良い演奏で、指揮者との相性も良いようです 第2楽章ではオーボエ、フルート、ファゴットのアンサンブルが見事で、心地よい雰囲気を醸し出していました 第3楽章は、まるでパパゲーノが歌い出しそうな楽しい曲想ですが、ベルリンスカヤとオケは愉悦間に満ちた演奏を展開しました

ピアノがステージ左サイドに片付けられ、管楽器奏者がさらに拡大、ティンパ二も加わって、総勢30人規模でモーツアルト「交響曲第31番K.297」の演奏に入ります この曲は先日、日本モーツアルト協会主催の交響曲全45曲演奏会で聴いたばかりです。名曲は何回聴いても良いものです マルディロシアンは小気味のよいテンポで軽快に演奏を進めます。第2楽章から第3楽章へは間を置かずに演奏します。緊張感を持続するためでしょう

 

          

 

休憩後はこの日のメーン・プログラム、プーランク「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲『オーバード』(朝の歌)」です ステージ中央にグランド・ピアノが置かれ、その左サイドにオーケストラのメンバー18人がスタンバイします。弦楽奏者が手前に、管楽器奏者が奥の壁際に配置されます。そしてステージの右側スペースの中央には街燈が置かれています。その周りでバレエが踊られるようです

舞台が暗転し、オケは手許灯により演奏に臨みます この曲は「処女神ディアーヌが、自ら定めた掟により、恋も出来ず、薄明のたびに悲嘆に暮れるという神話風の夢幻劇」で、切れ目なしに10のエピソードが演奏されます

最初はブラスのファンファーレによって幕が開き、次に衣装を黒の上下に替えたベルリンスカヤによる激しいピアノの独奏が続きます リヒテルはこの曲が好きで、自ら演奏したこともあるようですが、再演を望みながら叶わなかったということです そこで生前リヒテルと共演を重ねた経験のあるベルリンスカヤが彼の想いを受け継いで、この曲を再演することを決意した、ということです

私には鉄のカーテンの向こう側にいた鉄人リヒテルと自由の国フランスのプーランクが、どうしても結びつかず、どうしてリヒテルはプーランクを弾きたがっていたのだろうと思っていました しかし、今回初めてこの曲をベルリンスカヤの演奏で聴いて「こういう曲ならリヒテルは自分で弾きたいと思うだろうな」と思いました。スピード感があり力強くもあるこの曲はリヒテルにピッタリです

演奏の途中、ヤロスラヴァ・ナグマノヴァ(超美人!)とドミトリー・アンティポフ(イケメン!)が黒の衣装で街燈の下に登場、音楽に合わせてバレエを踊るのですが、これが最高に素晴らしいのです アンティポフの振り付けが本当に素晴らしい

終演後、指揮者とともに二人は何度もカーテンコールに呼び戻され、会場一杯のブラボーと拍手を浴びていました もう一度、この企画があるのなら是非また観たいし聴きたいと思います こんなに素晴らしいコンサートが会場の半分しか埋まらないなんて信じがたいです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはスヴァトスラフ・リヒテルの演奏するリストの「超絶技巧練習曲」他のアルバムです 1988年3月ケルンでのライブ録音で、「超絶技巧練習曲集」から第1番~第3番、第5番、第7番、第8番、第10番、第11番の8曲、ポロネーズ第2番、スケルツォ・ト短調、コンソレーション第6番、メフィスト・ポルカ、「3つの演奏会用練習曲」から第3番”ため息”ほかが収録されています

何と言っても「超絶技巧練習曲」が豪演です ライブなので演奏後の会場の熱気が伝わってきます また、1曲目に置かれた「ポロネーズ第2番」は初めて聴く曲ですが、ショパンとは違ったゴツゴツした感触がたまらない魅力を感じました

 

          

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