人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

SMAP日中友好に貢献~日経の記事から / 深水黎一郎著「ジークフリートの剣」他を買う / 荻原浩著「ママの狙撃銃」を読む

2016年12月31日 08時39分18秒 | 日記

31日(土).1年で一番海老天が高い日を迎えました.年越しそばの準備は出来ましたか? さて,昨日の日経朝刊・国際面のコラム「Voice」に,「SMAP,中日友好に貢献」という見出しの記事が載りました 超訳すると

「駐日中国大使館の報道官を務める張梅参事官は12月の定例記者会見で『SMAPは中日友好に貢献してくれた』と,年内に解散する日本の国民的アイドルグループに対し謝意を述べた 同大使館は26日,ツイッターの公式アカウントに『ありがとう,SMAP』とメンバーが中国を訪れた際の写真を投稿.2万件以上のリツイートを記録していた 2017年は日中国交正常化45周年.SMAPなき後,芸能・文化交流の『顔』は誰が担うのだろうか

私は基本的にニュース以外はテレビ番組を観ないので,SMAPの活躍は新聞で知るくらいしか機会がないのですが,この記事を読むと,SMAPというグループが日本国内での影響力に止まらず,隣国との芸能・文化交流の面でも大きな役割を果たしていたことが,あらためて分かります 張梅参事官も彼らのファンで北京公演にも足を運んだそうです お互いの国に対する国民感情を良い方向に持っていくのに,芸能・文化交流の果たす役割は われわれが考える以上に大きいと思います.その意味で,SMAPの果たした役割は大きかったと言えるでしょう  記事にもあるように,これから誰が芸能・文化交流の『顔』を担うのでしょうか 

ということで,わが家に来てから今日で823日目を迎え,日銀の黒田総裁が「日本の経済は良い方向に向かっているとはっきり言える」と発言したというニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

             今後の経済の見通しを「白」か「黒」かと問われれば 黒田って言うけど・・・

 

          

              「緩和,まだまだやれる」と言うけど,後で「アカンワ」って言わないでよ

 

  閑話休題  

 

昨日の夕食は「すき焼き」にしました わが家の場合は「焼く」というより「煮る」に近い調理法です

 

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

本を5冊買いました.1冊目は深水黎一郎著「ジークフリートの剣」(講談社文庫)です 「トスカの接吻」に次ぐ同氏の「オペラ・ミステリー」の第2弾です

 

          

 

2冊目は米澤穂信著「さよなら妖精」(創元推理文庫)です 米澤穂信の作品は文庫化するたびにこのブログでご紹介してきました

 

          

 

3冊目は道尾秀介著「獏の檻」(新潮文庫)です 道尾秀介の作品も文庫化するたびにご紹介してきましたね

 

          

 

4,5冊目はジェフリー・アーチャー著「機は熟せり(上)」「同(下)」(新潮文庫)です これは「時のみぞ知る」「死もまた我等なり」「裁きの鐘は」「追風に帆を上げよ」「剣より強し」に次ぐ「クリフトン年代記」の第6話です もう一人のジェフリー(ジェフリー・ディーヴァー)同様,ページをめくる手が止まらない面白いシリーズです

 

          

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

荻原浩著「ママの狙撃銃」(双葉文庫)を読み終わりました 荻原浩は1956年埼玉県生まれ.成城大学卒業.広告会社勤務を経て,コピーライターとして独立,97年「オロロ畑でつかまえて」で第10回小説すばる新人賞を受賞し作家デビューしました 多くの著作がありますが,最近では2016年に「海の見える理髪店」で第155回直木賞を受賞しています

 

          

 

主人公の福田曜子は幼い頃にアメリカで暮らし,祖父のエドから 格闘技,護身術,射撃,銃の分解・組立等々 生きるためのあらゆる技術を教わった それもそのはず,エドの職業は暗殺者だったのだ 現在41歳の曜子は 今では夫と二人の子どもとささやかながら幸せな生活を送っていた そんな彼女に「もう一度,仕事をしてみないか」と聞き覚えのある声で電話がかかってきた 仕事とは暗殺のことで,依頼者はKと呼ばれる男だった 彼女はかつて1度だけ「仕事」でコーネリアスという男を殺したことがあり,時々現れる亡霊に悩まされていた 二度と殺人はしないと決めていた曜子だったが,家族が脅かされないように 今度限りで止めようと決心して引き受ける.ターゲットは環境問題活動家で次期米大統領候補のクレイグ・リアドン.横浜のホテルに滞在することろを銃で暗殺するという指令だった 彼女は大観覧車に乗り込み,籠が頂点に達した時に引き金を引いた.これで亡霊が2人に増えた.その頃,夫の孝平は子会社への出向を命じられたことに反発し会社を辞めてしまう 経済的な不安を抱えた福田家の家族を守るため,曜子は報酬の高い次の暗殺依頼も引き受けざるを得なくなる

一方,そのころ中学生の珠紀はいじめに遭っていた 珠紀のお誕生会を巡って,曜子がいじめの張本人・小林萌音を車で送る途中,人通りのない林の中で彼女を降ろし,二度と娘に関わらないようにとライフルを突き付ける.冗談だと思っていた萌音のケータイを空に放り上げてライフルで撃ち落とすと彼女は失禁してしまい,その後は二度と珠紀に関わらないようになる

Kからの報酬の高い2度目の暗殺依頼は,何とターゲット自身が暗殺してほしいと希望しているとのことだった 曜子がKの指定する現場に行き,ターゲットに狙いを定めるとそこにはK自身が居た.Kは顔なじみの男だった

荻原浩という人は,家庭の日常生活を書かせたら右に出る者がいないくらい描写が素晴らしいと思います 思わず笑ってしまう幼稚園児・秀太の傍若無人の振る舞い,中学生の珠紀の思春期特有の反発心,自分が居なければ会社はダメなんだという自尊心で生きている夫・孝平の頼りなさ,本当は二度と殺人を引き受けたくないのに家族を守るためにやらざるを得ない曜子の揺れる心・・・・・

この小説で一番印象に残ったのは,2度の暗殺シーンではなく,曜子が娘をいじめている張本人の女子中学生をライフルで脅すシーンです 「家族を守るためなら何でもやる.警察に通報するなら通報してみろ」という強気の態度が読者の共感を呼ぶのではないかと思います それにしても,中学生に銃を突きつけるところまでやるか?とは思いますが

 

月日の経つのは速いもので,2016年も今日で終わり 皆さまにとってどんな1年だったでしょうか? 例年同様 今年も1日も休まず書き綴ってまいりましたが,1年間お読みいただきありがとうございました このブログの読者の皆さまだけの幸せとご健康をお祈りして年末のごあいさつを申し上げます 良いお年をお迎えください 

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ジェフリー・ディーヴァー著「シャドウ・ストーカー(下)」を読む

2016年12月30日 07時40分09秒 | 日記

30日(金).昨日,当ブログの読者ゆえさんと巣鴨駅アトレの「オッティモキッチン」でランチしました 実は1月のコンサートのうち2回分が日程のダブリ等でチケットが浮いてしまったので,ゆえさんに代わりに行ってもらうことにしたのです ピザをいただきながら今年1年間のコンサートを振り返りました ゆえさんはクラシック音楽の道に迷い込んでちょうど丸2年経ったところで,今年はヤンソンス+バイエルン放送交響楽団も聴いたし,メータ+ウィーン・フィルも聴いたし,充実した1年だったようです 私が「今年は206回聴いたけれど,今なお印象に残るコンサートは数えるほどしかない 例えば東京・春・音楽祭で聴いたワーグナーの『ジークフリート』とか,ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデンの演奏で聴いたワーグナーの『ラインの黄金』とか,ブログの中で『今年のマイ・ベスト10に入る』と書いた公演をはじめ限られたコンサートしかない」と言うと,「え~,そんなものなんですか」と驚いていました.候補が多すぎて10曲選ぶのが難しいと思われていたようですが,実際はその逆なのです 

今年のコンサート「マイ・ベスト10」は来年1月1日の当ブログで発表しようと思います

 

          

 

お店が混んできたので退却することにしましたが,いつの間にか1時間半が過ぎていました.ピザは最高に美味しかったし,楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていきます ゆえさんが「これから来年の”カラオケ新年会”に向けて練習に行きます」というので,どうせ暇なのでお付き合いすることにしました 駅のすぐ近くのカラオケCに行って歌うことになりました.カラオケは ほぼ1年ぶりくらいだと思います.今までは,飲み会の2次会でさんざんお酒を飲んでべろんべろんに酔っぱらって歌っていたので,昼間にアルコール抜きで歌を歌うのは生まれて初めてです ゆえさんは20代の半ば少し過ぎの若さですが,「(歌の年代の)軸足をどこに置いたらいいか分からない」と言いながらも,中島みゆき,松田聖子,松任谷由実,中森明菜,渡辺真知子,テレサ・テンといった いずれも歌が上手いことでは定評のある歌手のヒット曲を,難しい高音も鮮やかにクリアしながら ものの見事に歌いました   思わず「すげー」と叫んでしまいました.歌う曲は私の年代でも分かる曲を選んでくれたのだと思います.”気遣いの ゆえさん” ですから 一方,私の方は江戸時代中期の”はやり歌”を中心に歌いましたが,ゆえさんに通じたでしょうか? ここでも約1時間半楽しい時間を過ごしましたが,ゆえさん 新年会の練習になったでしょうか?「良いお年を」と挨拶して,ゆえさんは能の稽古納めに,私は本屋さんへとお別れしましたが,ゆえさんには 来年は一層クラシックの世界にのめり込んで,1回でも多くのコンサートに通うことできるようお祈りしています

ということで,わが家に来てから今日で822日目を迎え,日経の「東京16年回顧」の記事を見て感想を述べるモコタロです

 

          

           記者:色々 批判もありましたね 小池:そこが都政人のつらいところ  女もつらいよ

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に千葉県勝浦市在住で大学時代の友人S君が送ってくれたアコウダイを煮付けました あとは「生野菜とタコのサラダ」です.わが家は子供たちが肉好きのため 魚を買うことは稀なので 本当に助かります  持つべきものは友だちです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

ジェフリー・ディーヴァー著「シャドウ・ストーカー(下)」(文春文庫)を読み終わりました 著者の経歴は28日のブログに書きましたので省略します

上巻では,人気カントリー歌手ケイリー・タウンが,彼女をつけ狙うストーカーのエドウィン・シャープを呼び出して,これ以上被害が拡大しないように彼を殺害すべく銃を向けるところで終わっていました

 

          

 

結局ケイリーは,「ファンや家族のことを考えて欲しい.殺人はすぐに警察にばれる」というエドウィンの説得により引き金を引くことが出来なかった その後 エドウィンは,自らキャサリン・ダンス捜査官と話がしたいと言ってくる.ダンスは彼と話をするが,”人間ウソ発見器”と言われるダンスにもエドウィンがウソをついているとは思えない 捜査の過程で,誰かが「ケイリーはエドウィンに好意を持っている」と偽りのメールをエドウィンに送りつけ,エドウィンをおびき寄せ,罪を彼に被せてケイリーを抹殺しようとしているということが発覚する ダンスの機転でケイリーもエドウィンも犠牲にならなくて済むが,今度はケイリーのアシスタントであるアリシア・セッションズが,ケイリーのように有名になりたい一心で彼女を殺害しようとしたという疑念が持ち上がる.捜査が行き詰まる中,強力な助っ人,科学捜査の天才・リンカーン・ライムが捜査に加わり 事件の解決に向けて貢献する ケイリーはエドウィンが加害者ではなく被害者だったとして,お詫びの印に食事に誘う.しかし,そこでは意外な事件が待っていた

最後まで読み終わって思うのは,「ああ,やっぱり犯人らしい人は 犯人じゃないんだ」と思いきや,とんでもない どんでん返し が待っているということです  ジェフリー・ディーヴァーの作品が「ジェットコースター小説」と言われる所以です

詳細については書けませんが,読む手が止まらない面白い小説です.お薦めします

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礒山雅氏「生誕260年 モーツアルト最後の4年~百年河清を俟たずに」を聴く:朝日カルチャーセンター新宿教室/クラシック音楽の今年の収穫~日経の記事から

2016年12月29日 08時08分53秒 | 日記

29日(木),昨夜9時38分頃に発生した茨城県北部を震源とする地震は,東京でもかなり揺れました マグニチュード6.3,茨城県で震度6弱とのことですが,NHKテレビのニュースを観ていたら,揺れる10秒くらい前に「緊急地震速報」がテロップで流れました その時モコタロは同じリビングにいましたが,揺れ始めると,前足をハの字にして踏ん張り 目を点にして じっと揺れに耐えていました.きっとものすごく怖かったのだと思います もしドアが開いていたら脱兎のごとく飛び出していたかも知れません ということで,わが家に来てから今日で821日目を迎え,安倍首相とオバマ大統領がハワイのアリゾナ記念館を訪問し慰霊した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

                                 2日連続で真珠湾ネタって有りぞな? 慰霊の連続も異例だし

 

  閑話休題  

 

昨日の日経 夕刊文化面に「今年の収穫~2016年の演劇・舞踏・クラシック」という記事が載りました クラシックは3人の音楽評論家が「クラシック・関東」「クラシック・関西」「オペラ」についてそれぞれ今年のベスト3を挙げています

まずクラシック(関東)は,江藤光紀氏が①ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団(11月,ミューザ川崎),②チョ・ソンジン(1月,彩の国さいたま芸術劇場),③ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団(7月,サントリーホール)を挙げています このうち私が聴いたのは③のブルックナー「交響曲第8番」です.江藤氏は「在京オケのレベルアップも引き続き目覚ましく,とりわけ すでに長期契約を発表しているノット+東響コンビの躍進は著しい」と書いています   ノットの特徴は速めのテンポによる気迫に満ちた演奏だと思います

クラシック(関西)は,白石和雄氏が①ロームシアター京都プロデュース「フィデリオ」,②ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場 チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」,③中野慶理ピアノリサイタルを挙げています

オペラは,山崎浩太郎氏が①ヤノフスキ指揮NHK交響楽団 ワーグナー「ジークフリート」(4月,東京文化会館),②ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場 チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」(10月・同),③ヘスス・ロペス=コボス指揮読売日響+東京二期会 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」(9月,同)を挙げています 私が聴いたのは①です.山崎氏は「タイトルロール,歌劇史上最大の難役といっていい役を,輝かしい声で若々しく歌い切ったアンドレアス・シャーガーの存在は,眩いほどだった こういうジークフリートをマナで聴ける日が来るとは思わなかった.指揮も他の歌手もそろっていた」と書いていますが,私もブログに書いた通り まったく同感です

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日午後1時から,新宿住友ビル10階「朝日カルチャーセンター」で,「生誕260年  モーツアルト最後の4年 ~ 百年河清を俟たずに」を聴講しました 講師は国立音楽大学招聘教授の礒山雅氏です

この講座はクリストフ・ヴォルフ著「モーツアルト  最後の4年」の訳者を務めた礒山氏が,従来から信じられていたモーツアルトの「貧困で不遇だった」という晩年の通説を見直し 俗説を覆したヴォルフの新説を紹介しながら,あるがままのモーツアルトの晩年の生涯を語る,という内容です

礒山氏は1946年 東京生まれ.国立音楽大学招聘教授,大阪音楽大学客員教授を務めています.2006~12年に日本音楽学会会長,2015年~藝術学関連学会連合会会長.専攻はバッハ研究です

10階の18番教室には約50人の受講者が集まりました.男性対女性比率は4:1くらいで圧倒的に男性が多い状況です  礒山氏は4ページのレジュメを用意しており,それに沿って,①最後の4年とは,②まず1788年を見る,③意欲的な作品例,④1789年,⑤1790年,⑥1791年,⑦最後の2か月,⑧レクイエムについてーの順に,時にCDやDVDをかけながら解説していきました 概要は以下の通りです

 

          

 

①「最後の4年とは」では1756年生まれのモーツアルトが生まれ故郷のザルツブルクからウィーンに出て来た1781年(25歳)以降を概観,26歳でコンスタンツェと結婚,28歳の時『自作品目録』開始,フリーメイスン入団,30歳の時『フィガロの結婚』初演,31歳(1787年)の時 父レオポルト死去,宮廷作曲家に登用されたー等を中心に紹介,翌1788年以降1791年までが「最後の4年である」と解説

②「1788年」は,前年に父レオポルトが死去したことに伴い,1787年には25通だった手紙が88年には4通のみと極端に少なくなっていることを指摘,しかも4通のうち3通がフリーメイスンのメンバーで裕福な商人ミヒャエル・プフベルクに対する借金の依頼であることを説明 しかし,この年は創作力の点では旺盛な年で,作品数は最大となり,この中には三大交響曲(第39番,第40番,第41番)が含まれると解説(1784年=11曲,85年=20曲,86年=19曲,87年=21曲,88年=30曲,89年=16曲,90年=6曲,91年=23曲)

一方,借金はしているものの,モーツアルトの年収は(ソロモンという人の計算によると)1788年=1723グルデン,89年=1821グルデン,90年=2538グルデン,91年=4717グルデンと晩年にいくにしたがって多くなっている 1グルデンは現在の日本円で換算して約1万円(3000円という説もあるらしい)なので,1788年は1723万円の年収があったことになる にも関わらず,なぜ借金の依頼をしたのかというと,支出が収入を上回ったからだ モーツアルトは見栄っ張りで,着道楽,装身具,馬車,毎日の床屋,社交好き,宮廷への出入り,立派な住まいに加え,ギャンブルもやっていたからだと思われる

意外だったのは「毎日の床屋」です.彼の手紙にそのような記述があるらしいのですが,それにしても毎日床屋で髪の手入れをしていたとは驚きです しかし,ビートルズも毎日,床屋で髪の手入れをして同じ髪型を維持していた とどこかで読んだような記憶があるので,人気ミュージシャンのたしなみとして”毎日の理髪”は異常なことではなく,”利発な”行動なのかも知れません

③「意欲的な作品例」では,皇帝ヨーゼフ二世から宮廷作曲家に任命された後,作曲した「アレグロとアンダンテK.533」と「ロンドK.494」を組み合わせて出版した「ピアノ・ソナタ」をファジル・サイの演奏によるCDでアレグロの冒頭部分を鑑賞 その後,「まったく対照的な曲をセットとして構想した.例のない集中」として三大交響曲(第39番,第40番,第41番)を紹介,「ジュピター交響曲で,交響曲の頂点まで登り詰めてしまい,これ以上この分野の曲は作らなかった」として,3曲の各一部をコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏によるDVDで鑑賞 

この組み合わせによるCDを持っているので,演奏のアプローチはよく分かっていました.アーノンクールは三大交響曲を一つの大きな”器楽によるオラトリオ”と捉えて演奏しています 第39番の第1楽章と第3楽章などは,あまりにも速すぎて,CDを真っ二つにへし折ってやろうかと思ったくらいです

 

          

 

④「1789年」は,フランス革命が勃発しウィーンが経済危機状況に陥った.このため,作品数が激減(前述の通り).交響曲第41番”ジュピター”以降の傾向として,作品の簡素化が図られる かつてヨーゼフ二世から「音が多すぎる」と言われた作曲法から新しい境地へ.代表例としてクラリネット五重奏K.581の第2楽章をCDで鑑賞

⑤「1790年」は,ヨーゼフ二世の死去に伴い最大の後ろ盾を失う 一方,新皇帝レオポルト二世の政策により教会音楽復活の兆しが現れ,この分野への作曲の情熱が湧く

⑥「1791年」は,ピアノ協奏曲第27番K.595の完成で好調なスタートを切る 大聖堂の副楽長(無給)となり,次期楽長を約束される(本人死去のため実現せず).アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618を作曲.プラハで「皇帝ティートの慈悲K.621」と「魔笛K.620」を上演・初演 魔笛は前例のない成功を収めた.DVDで「魔笛」のタミーノとパミーナの二重唱を鑑賞

⑦「最後の2か月」は,クラリネット協奏曲K.622完成.ホルン協奏曲第1番も作曲に着手(未完),レクイエム作曲に傾注.フリーメイスン用カンタータK.623初演(11月18日)後,突如病床に就く.12月5日0時55分に死去.直接の死因は瀉血(輸血の反対で 血を抜く療法)か.病名は諸説あり,定説はない.暗殺説も流布したが根拠なし.7日,大聖堂の礼拝堂で祝福の後,市門外の聖マルクス墓地に運び,ヨーゼフ二世の埋葬規定通り共同墓穴に埋葬

死因については,新日本フィルの室内楽シリーズのプレトークで,「モーツアルトは妻コンスタンツェと彼女の母親の共謀によって(トリカブトのような)毒を盛られて死んだ」と聞いていたので,真相はどうなんだろうか とあらためて疑問が生じました しかし,日本におけるバッハの権威でモーツアルトに関する著作も何冊かある礒山雅氏が「毒殺説も流布したけれど根拠がない」と言っているからには,まず間違いなく根拠がないのだと思います

⑧「レクイエムについて」では,依頼は特定の個人からだったが,モーツアルトは今後の教会音楽活動への展望のもとに引き受けた 曲は依頼者に独占されていない.間違いないことが2つ.一つは,モーツアルトがヘンデルに学習しながら,『アヴェ・ヴェルム・コルプス』が先鞭をつけた簡素な教会音楽の路線を開拓していること,2つ目は,死を扱うテキストにのめり込み,その世界に没頭していたこと,である DVDでレクイエムの一部を鑑賞

今これを書いていて思い出したのですが,モーツアルトの手紙ということでは,先日読んだ ひのまどかさんの「作曲家の物語 モーツアルト」(新潮文庫)に「モーツアルトが妻にあてた愛情あふれる手紙はたくさん残されているが,その反対のものは一通もない・・・・コンスタンツェは夫を愛していなかった」という記述がありました.この点について礒山さんに質問すればよかったなと今になって後悔しています

 

          

 

礒山氏による2時間の講演を聞いて,いくつかの客観的事実から,モーツアルトの最後の4年間は,「借金だらけの困窮の中で創作意欲も衰えていき,惨めな死を迎えた」という従来の考え方が間違っていたのではないか,と思うようになりました ひと言でいえば,モーツアルトは最後の最後まで向上心を失わず作曲することに情熱を傾けていた,ということです

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変わる各地方オーケストラの布陣~大フィル,京響,広響/ジェフリー・ディーヴァー著「シャドウ・ストーカー(上)」を読む

2016年12月28日 07時57分16秒 | 日記

28日(水).昨日は朝から天気が悪く寒かったのですが,大掃除の第2弾として台所のレンジ回りの掃除をしました 特にひどいのはレンジ・フードの油汚れです かなり苦労しましたが,何とかきれいになりました ということで,わが家に来てから今日で820日目を迎え,安倍首相が米国立墓地で献花し,次いで真珠湾を訪問し慰霊するというニュースを見てひと言発言するモコタロです

 

          

           真珠湾攻撃の「我 奇襲に成功せり!」の暗号は    

                            これ「トラ  トラ  トラ」じゃなくて トラサンと読むんだよ 知ってた?

 

  閑話休題  

 

来年は地方オーケストラにいくつかの動きがあるようです クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」1月号によると,大阪フィルは17年3月で任期が切れる井上道義氏に代わり,同年4月から尾高忠明氏をミュージック・アドヴァイザー,18年4月から音楽監督に迎えると発表した 京都市交響楽団は現在常任客員指揮者を務めている下野竜也氏を17年4月から常任首席客員指揮者とすると発表した 広島交響楽団は17年4月から,2003年から13年まで新日本フィルの音楽監督を務めたクリスティアン・アルミンク氏を首席客員指揮者に迎えると発表した これにより広島交響楽団の新体制は,音楽総監督:下野竜也,終身名誉指揮者:秋山和慶,首席客員指揮者:クリスティアン・アルミンク,ミュージック・パートナー:フォルクハルト・シュトイデ(ウィーン・フィルのコンマス),平和音楽大使:マルタ・アルゲリッチとなる カープ優勝の勢いを受け継ぐビッグ・ネーム揃いの布陣ですね

 

  も一度,閑話休題  

 

ジェフリー・ディーヴァー著「シャドウ・ストーカー(上)」(文春文庫)を読み終わりました ジェフリー・ディーヴァーは1950年,シカゴ生まれ.ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻.雑誌記者,弁護士を経て,40歳で小説家となる.科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(「ボーン・コレクター」他)や”人間ウソ発見器”キャサリン・ダンスのシリーズは世界的に読まれベストセラーとなっている これは,キャサリン・ダンスを主役とするシリーズの「スリーピング・ドール」「ロードサイド・クロス」に次ぐ第3作目の作品です

 

          

 

カリフォルニア州捜査局モンテレー支局捜査官キャサリン・ダンスの友人で人気カントリー歌手ケイリー・タウンは,ストーカーに悩まされていた メールアドレスを変えても,なぜか新しいアドレスを突き止めてメールを送ってくるしつこい男エドウィン・シャープがそのストーカーである エドウィンが数日後のケイリーのコンサートに現れるという情報を得たダンスは,窮地のケイリーを救うべく捜査に乗り出す その矢先,ケイリーのロードクルーのチーフで 密かに交際していたボビー・プレスコットが何者かに殺害される その後,ケイリーの歌をなぞるように殺人事件が起こる.ケイリーは自責の念に駆られ 思い余って自分一人でストーカーと会って抹殺することを決意し,ナイフと拳銃を手に,呼び出したエドウィンと対峙する ケイリーは拳銃の引き金を引くのか? 果たして殺人事件の犯人は本当にエドウィンなのか

この本の解説者が著者のジェフリー・ディーヴァーのことを「手に汗握る”ジェットコースター・ミステリー”でお馴染みの」と紹介していますが,正鵠を射ています 予想のつかないストーリー展開,どんでん返しの連続,まさしくジェットコースター的なワクワク感に溢れています いつものことですが,読む手が止まらない面白さです.下巻を早く読みたい気持ちが押さえ切れません

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伊坂幸太郎著「首折り男のための協奏曲」を読む/管楽器のカビ繁殖に注意!~朝日新聞の記事から

2016年12月27日 08時13分29秒 | 日記

27日(火).毎年12月の最終週は大掃除週間です.昨日は曇天であまりやる気が起こらなかったのですが,幸い息子が冬休みに入ったらしいので手伝ってもらい,ガラス掃除をしました  ガラス戸の外側と網戸は水のジェット噴射で汚れを落とすのですが,水道の蛇口とホースとがジャスト・フィットしていないため水漏れしてしまい,ジェットが少年ジェット位の威力しかありません これは毎年のことですが,それでも何とかきれいにしました 

ということで,わが家に来てから今日で819日目を迎え,仲間が某ショッピング・センターのバーゲンセールのお知らせに登場しているのを見て ひとこと言いたくなったモコタロです

 

          

           なんで君がアルバイトしてるんだよ! ん?  君は熊だったの?

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊・社会面に「大掃除 管楽器も忘れずに~カビ繁殖  台所の排水口以上」という見出しの記事が載っていました.超訳すると

「大阪市立自然史博物館の浜田研究員が,関西の中学,高校,大学の吹奏楽部や社会人の使う管楽器計165台を調べたところ,金管楽器100台のうち88台,木管楽器65台のうち35台からカビが検出された 金管楽器はユーフォニウム(10台)は調査部位1平方センチあたり平均で7487個,トランペット(28台)は819個,ホルン(21台)は791個.平均は977個だった 木管楽器はサクソフォン(16台)が73個,フルート(13台)が13個.平均で金管楽器の28分の1だった.浜田研究員の過去の調査では,台所のシンクの排水口付近が244個,浴室の排水口で3190個.楽器内は住宅の水回りに匹敵する通知だったが,多くが金属製のためか,室内によくあるカビとは種類が異なっていた

「今夏,英国のバグパイプ奏者が楽器からカビ胞子を大量に吸い込み,アレルギー性疾患で死亡したとみられる事例も報告されている.浜田研究員は,死亡例はこの1件で健康へのリスクは高くないと思われるが 衛生的に問題なのは明らか,と話している」

当ブログをご覧の皆さまの中には管楽器をお持ちの方もいらっしゃると思いますが,くれぐれも年末の大掃除の一環としてお手入れをされるようお勧めいたします 

それはそうと,世間に無知を晒すようで恥ずかしいのですが,サクソフォンって金管楽器とばかり思っていましたが,木管楽器だったんですね いい勉強になりました.新聞は役に立ちますね

 

  も一度,閑話休題  

 

伊坂幸太郎著「首折り男のための協奏曲」(新潮文庫)を読み終わりました 伊坂幸太郎は1971年千葉県生まれ.1995年東北大学法学部卒業.2000年「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し作家デビュー 当ブログではお馴染みの小説家ですね

 

          

 

この作品は「首折り男の周辺」「濡れ衣の話」「僕の舟」「人間らしく」「月曜日から逃げろ」「相談役の話」「合コンの話」の7話からなる短編集です これらは2008年4月から2013年2月までの間に雑誌等に掲載された短編小説を2014年1月に,加筆修正したうえで単行本「首折り男のための協奏曲」として刊行したものを文庫化したものです それぞれがまったく異なるストーリーですが,加筆修正の段階で関連付けられたようで,微妙に絡み合っています

最初の「首折り男の周辺」では,「疑う夫婦」「いじめられている少年」「間違われた男」の3組の主人公が登場し交互にストーリーが展開します.「疑う夫婦」は,テレビで見た首折り男の顔写真が隣人によく似ているとして,疑いを抱くという話.「間違われた男」は,その夫婦から首折り男と間違われた隣人の話.「いじめられている少年」は,塾の仲間の悪い先輩からゆすられたとき,首折リ男らしき大男に助けられた話です

この中に,伊坂幸太郎らしいエピソードの紹介だと思った箇所があります それは,銀行のATMコーナーと駅の乗車券発券機で操作に時間がかかっていた女性に向かって,首折リ男似の隣人がクレームを付けたという話です

銀行のATMコーナーで子供連れの母親が操作にてこずっているとき,後ろに並んでいた男が「いい加減にしてくれよ.もう少しやって,まだ時間がかかるんだったら,後ろへ並べよ!,子供,じっとさせていろよ」と大きな声でクレームを付けた その男はテレビで見た首折り男によく似た隣人だったことから,その場面を見ていた妻は「やっぱり,危険な人なんですね」と語る ところが,次に夫が駅の乗車券発売機の前でなかなか券が買えない老婆に向かって「おい,のろのろするなよ!」と怒鳴っている隣人を発見したことから,後に彼に出会ったとき「君は怒っていた」と言うと,隣人は「あれは,わざとで」と答える 「さっきのおばあさんも,銀行の母親も,列に並んでる時に,言ってあげたんですよ.『ゆっくりやっていいですから』って.たとえば,苛々している人が大勢いる時,誰かが文句をつけ始めれば,他の人間はもう言わない.そうなることが多い.おばあさんには『時間がかかるようだったら怒るふりをしてあげる』と言うんです.ぼくはでかい身体だから,他人から怖がられる.でも,やらせだと分かってれば,おばあさんも安心かも知れない」と説明する 夫が「そんなことをするくらいなら,さっきのおばあさんが切符を買うのを手伝ってやった方が早いんじゃないか?」と言うと,隣人は「それじゃあ,俺が本当に、いい人みたいに見えるじゃないですか」と歯を見せ,笑う

伊坂幸太郎の小説には,こういう”手の込んだ”親切行為をする人が時々出てきます.気持ちの表現方法がストレートではないんですよね

伊坂幸太郎らしいもう一つは言葉遊びがあります.たとえば「月曜日から逃げろ」の「月曜日」の冒頭はこんな書き出しです

「釣り堀は空いていたが,鯉の腹は空いていない」

そして「日曜日」の冒頭はこうです

「蕎麦屋は空いていたが,ざる蕎麦を食べ終えた黒澤の腹はもはや空いてはいなかった」

何の説明もいらないでしょう  1度だけなら単なるダジャレですが,2回出てくると文学に近づくような気がしませんか 伊坂幸太郎の小説は,こういう言葉遊びを探す楽しみもあります

 

 

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となっています 

これもひとえに普段からご愛読いただいている読者の皆さまのお陰と深く感謝しております 

年末年始はコンサートの予定が皆無に等しく ネタ切れの心配も頭を かすめますが,何とかネタ 子を起こし「わが辞書にネタ切れなし」の勢いで一日も休まず書き続けて参りますので,モコタロ    ともども 引き続き よろしくお願いいたします

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ストラディヴァリウスの音色の秘密に迫る:背面板から亜鉛,カルシウム,カリウムなどの化学物質を発見~朝日の記事から

2016年12月26日 07時55分21秒 | 日記

26日(月).わが家の固定電話が親機・子機とも聴こえないか聴きづらい状況に陥ったので,保証書で確認したら平成16年に購入しており 12年も使っていることが分かりました 充電池を交換するまでもなく,もう寿命だろうということで,新しい機械を購入することにしました.家電はポイントの関係でいつも同じ店で買っています 池袋のBカメラに行って,いろいろ比較検討して 子機1台付きのS社製の電話機を購入しましたが,1万円でおつりがきました 今やケータイ・スマホ時代です.固定電話のニーズはますます減少の一途をたどり,それに比例して製品単価が安くなっているのだと思います まだ,説明書をすべて読み終わっていないので,電話がかけられません 受けられません 

ということで,わが家に来てから今日で818日目を迎え,アンブレラ・チョコを前にシャレをかますモコタロです

 

          

             半分まで食べたら ハンブレラ ってどうしてここにある?

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊1面に掲載の鷲田清一氏のコラム「折々のことば」は 讃美歌405番の歌詞を取り上げています

  God be with you till we meet again

「神ともにいまして」という題で知られているそうです 「また会う日まで,また会う日まで,神のまもり 汝が身を離れざれ」と繰り返されるとのこと 日本では教会で葬儀のときによく歌われるそうです 英語の Goodbye は この God be with you が縮まったもので,God b' w' y とも書かれたということです.ちっとも知りませんでした

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日は一般社会ではクリスマスでしたが,わが家では娘のン回目の誕生日でした 「ローストビーフを作ろう」ということで巣鴨地蔵通り商店街の肉専門スーパーに行ったのですが,ローストビーフ用のブロック肉は売り切れでした 仕方ないので急きょ予定を変更,ビーフシチューを作ることにしました あとは,スパークリング・ワインとオードブル・セットとフランスパンを買って,お祝いしました

 

          

 

当然,食後はケーキです 約1か月前に予約しておいたFRENCH POUND HOUSE の苺ケーキを美味しくいただきました 娘には,これを機会に定食を食べて,もとい,定職に就いてくれると親としては安心かな と思っています

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

24日の朝日朝刊・総合面に「至高の音色 秘密は防虫? 名器ストラディヴァリウスの木片分析」という見出しの記事が載りました.超訳すると

「名器ストラディヴァリウスの音色が生み出されるのに,材料の木材に防虫目的で塗り込まれた化学物質が影響している可能性があることがわかった 台湾大などの研究チームが,名器から削り取った木片を分析し,現代のヴァイオリンと比べた.チームはイタリア・クレモナの職人アントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737)の製作したヴァイオリン2丁,チェロ2丁,同じクレモナ産の名器ガルネリのヴァイオリン1丁の背面板などから 修理の際などに出た余った木片を分析し,亜鉛,カルシウム,カリウムなどを多く含むことを突き止めた 当時の材木業者がカビや害虫を防ぐために下処理したとみられる.化学物質が木材の繊維の結合を強め,木材の強度が増している可能性があるという また,3世紀に及ぶ年月や演奏による振動で,木質が大幅に変化していることも判明した.水分を吸収する成分のヘミセルロースの分解が進み,現代のものより水分が約25%失われていた こうした要因が複雑に絡み合い,独特の音色を生み出しているらしい

まさか亜鉛やカルシウムなどの化学物質が含まれていたとは驚きました 「音を良くするため」ではなく「防虫・防カビのため」に使用した化学物質が,結果的に300年の年月を経て現代に至るまで至高の音色を届けてくれることを考えると,当時の材木業者に感謝の気持ちが湧いてきます.さしあたって Wood  Job   といったところでしょうか

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コンサートホール・クリスマスツリー・コレクション / 佐藤正午著「永遠の1/2」を読む

2016年12月25日 08時06分43秒 | 日記

25日(日).わが家に来てから今日で817日目を迎え,小学生の子どもを持つ親に成り代わって本音をのたまうモコタロです

 

          

                             子供にとってはクリスマス 親にとってはクルシミマス ってか

 

  閑話休題  

 

佐藤正午著「永遠の1/2」(小学館文庫)を読み終わりました 佐藤正午は1955年 長崎県生まれ.1983年に本作で第7回すばる文学賞を受賞し作家デビュー.2015年「鳩の撃退法」で第6回山田風太郎賞を受賞しています

 

          

 

主人公の田村宏は,失業した途端にツキが回ってくる 婚約相手との関係をたった2時間で清算できる,趣味の競輪は連勝する,脚の長い女をモノにできる,と申し分のない新年を迎えた ところが,その頃から,競輪場や街中でしばしば人違いに逢い,身に覚えのない厄介な男に絡まれたりしたうえ,わけの分からない事件に巻き込まれてしまう そこで気が付いたのは,自分にそっくりな男が同じ街に住んでいるということだった 自分にそっくりな人物はいったい何者なのか.田村は追求を始める.彼は1/2の片割れに出逢うことができるのか

この作品は1984年1月に集英社から単行本として出版され,86年5月に文庫化,2016年10月に著者自身による「あとがき」を加えて小学館から刊行されたものです その「あとがき」が本文と同じくらい面白いのです.その中で佐藤正午は

「たまに,自分が書いた小説を読み返して ほれぼれすることがある

と書いています.その例として「鳩の撃退法」と「5」を挙げています.そして,

「でも読まない本もある.いまあなたが手にしているこの本,この小説,この『永遠の1/2』は例外である  これは読み返さない.なぜなら,これは小説家佐藤正午のデビュー作だからだ.デビュー作といえば聞こえがいいけれど,言い換えれば,デビュー作とは,要は,小説家がアマチュア時代に書いた小説のことだろう.・・・・ほんとうは僕は『永遠の1/2』をあんまり読み返したくない」

と続けています そして 今回,小学館文庫で新版が出ることになり,著者のところに分厚いゲラ刷りが送られてきたのを受けて,

「鬱陶しい.読んでゾワッとするのも怖い.が,著者として校正作業に加わらないわけにもいかない おまけに担当の編集者から,文庫の『あとがき』を書けと言ってきた.文庫なら普通は『解説』が付くんじゃないかとごねてみたのだが,解説の引き受け手が見つからないのだという.じゃあ読むしかない

と書いています.私が面白いと思ったのはここです⇒「解説の引き受け手が見つからない」.佐藤正午ほどの小説巧者ともなると,怖くておいそれと「解説」など書けないのではないか,と思うのです 「ヘタなことを書いたら 自分が恥をかくことになる」と誰もがしり込みするのではないかと 編集者が「解説の引き受け手が見つからない」と言ったのは,「何人かに声を掛けたが すべて断られた」というのが真相ではないか,と確信します

この小説が書かれた1986年と言えば今からちょうど30年前のこと.その頃の佐藤正午氏はクラシック音楽にも興味があったようで,この作品の中には次のような作曲家と作品が登場します

チャイコフスキー「大序曲1812年」  50ページ

グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」    51ページ

シベリウス「交響曲第1番変ホ短調」   51ページ

モーツアルト「ピアノ協奏曲第23番」   89ページ

モーツアルト「クラリネット五重奏曲」 230ページ

モーツアルト「ディヴェルティメント  ニ長調K.136」 316ページ

なお,この作品のタイトル「永遠の1/2(2分の1)」は日本語ではなく英語で登場します(218ページ)

「ぼくは酒瓶に手を伸ばした.胴体に黒のマジックで”20勝”と殴り書きしてあるボトルからたっぷり注いだ.

伊藤は” half  an  eternity "  と書いてある瓶を開けながら・・・・」

ぼくは田村,伊藤は教師です

読む手が止まらない面白さです.お薦めします

 

  も一度,閑話休題   

 

昨夜がクリスマス・イヴで今日がクリスマス  そこで 都内のコンサートホールのクリスマス・ツリー・コレクションをお送りします

 

          

                             サントリーホール

 

          

                      サントリーホール前 カラヤン広場

 

          

                 東京オぺラシティコンサートホール

 

          

                        新国立劇場

 

 

          

                          新国立劇場エントランス

 

          

                         すみだトリフォニーホール

 

          

                           第一生命ホール

 

          

                                                ミューザ川崎

 

          

                (ツリーじゃないけど)NHKホール前のイルミネーション

      

楽しいクリスマスを過ごせるといいですね 

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アンジェラ・ヒューイットによる J. S. バッハ「フランス組曲 全曲演奏会」チケットと「バッハ アルバム」(CD15枚組)を買う

2016年12月24日 08時26分57秒 | 日記

24日(土).わが家に来てから今日で816日目を迎え,22日午前 新潟県糸魚川市で起きた大火事のニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

            今回は「大火なくて良かった」と言えないところがつらい 風と風邪は侮れないな

 

  閑話休題   

 

昨日,夕食に「豚肉のアスパラ巻き焼き」と「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました 「豚肉~」は何回か作ったので ほぼマスターして安定した味で出来上がりました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

来年5月30日(火)午後7時から紀尾井ホールで開かれるアンジェラ・ヒューイット「ピアノ・リサイタル~J.S.バッハ『フランス組曲第1番~第6番』」のチケットを買いました これは,カナダ出身のヒューイットによる『バッハ・オデッセイ:バッハ遍歴の旅』の名のもとに2016年から4年間にわたりバッハのソロ鍵盤音楽の全てをロンドン,ニューヨーク,オタワ,東京,フィレンツェで,各々12回公演で完奏するプロジェクトの一環として開かれるコンサートです 前日の5月29日には下のチラシにあるとおり,「幻想曲ハ短調BWV906」「幻想曲とフーガ イ短調BWV904」他が演奏されます 彼女の弾くピアノは,ドイツの「スタインウェイ」でも,オーストリアの「ベーゼンドルファー」でもない,イタリアの「ファツィオリ」です

 

          

          

 

  も一度,閑話休題  

 

ヒューイットの演奏によるCDで持っているのはつい先日まで次の8枚でした

1枚目は「バッハ アレンジメント」です.「カンタータ第29番~シンフォニア」をはじめピアニストのウィリヘルム・ケンプ等の編曲によるバッハ作品集です

 

          

 

2~5枚目はバッハ「平均律クラヴィーア曲集」(4枚組)です 新録音が出ていますが,これは旧録音(1997~99年)の方です

 

          

 

6~7枚目はショパン「ノクターン全集」(2枚組)です ここではファツィオ―リを弾いています.リサイタルを聴いた時に頂いたサイン入りです この演奏はショパン「ノクターン」のマイ・ベストCDです

 

          

 

8枚目はベートーヴェン「ピアノソナタ第7番,第4番,第23番”熱情”」です.これもファツィオリを弾いています

 

          

 

来年5月にヒューイットのピアノ・リサイタルでバッハ「フランス組曲」全曲を聴くにあたり,彼女の演奏で予習しようと思い,新たに「アンジェラ・ヒューイット バッハ  アルバム」(15+1枚組)を購入しました +1にはバッハ以外の作品が収録されています 12月20日(火)にタワーレコード新宿店で購入したのですが,このうち「平均律クラヴィーア曲集」は上記の4枚組CDとは違う新録音(2008年)の方です これでヒューイットのCDは一気に24枚になりました

 

          

 

リサイタルまではたっぷり時間があるので,1枚目から順番に聴くことにしました 20日から聴き始め,1枚目の「2声のインベンション」「3声のインベンション」,2枚目と3枚目の「イギリス組曲」,4枚目と5枚目の「フランス組曲ほか」と聴き続けて来ましたが,5枚目の最後に収録されている「プレリュードとフーガ  イ短調BWV894」の「フーガ」が,途中から音飛びを起こし,演奏が途切れ途切れになって最後まで聴くことが出来ませんでした 何度か聴き直したのですが 結果は同じで,CDプレーヤーのせいではなく,CD自体に原因があることが分かりました 出来るだけ早く交換した方が良いと思い,昨日 現物(セット)を持ってタワーレコード新宿店に行きました.その場で再生してもらい,確かにCD自体に不具合があることを分かってもらいました 買った時のレシートは捨ててしまったのですが,一緒にもらった新宿店限定クーポンを保管していたので,それを提示したら,確かにお店で買ったという確認が取れました 同じ商品の在庫がないとのことなので,持参したCDセットを一旦持ち帰り,新しい商品が入荷次第電話をくれるのを待って 交換することになりました それまでは,今まで通りCDを聴くことができるので,残りの6枚目以降をすべて聴いて不具合がないかどうか調べておこうと思います 問題がなければ5枚目のCDだけ交換すれば良いわけですから

今回の顛末の教訓は,①CDを買ったら出来るだけ早く全曲聴いて不具合がないかどうか調べること(複数枚のセットの場合はなおさら),②それが確認できるまではレシートを保管しておくこと,③不具合が見つかったら できるだけ早く購入先に持参して新しい商品と交換してもらうこと,の3点です 私の場合は,こういうトラブルが起こった時のアフターサービスを考えて お店で現物を見て買うのですが,値段だけで言えば「アマゾン」が相当安いようです 「アマゾン」の場合,こういうケースはどうなるのでしょうか? 「アマゾン」経由でCDを購入して商品に不具合があったという人がいたら,その時の対応(新しいのと取り換えてもらった等)を教えていただけると有難いです

 

 

本日,当toraブログのトータル閲覧数が 2,601,258 PVとなり260万ページを超えました これも ひとえに 日頃からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも毎日 休むことなく書き続けて参りますので,モコタロともども引き続きよろしくお願いいたします

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「サウスポー」「疑惑のチャンピオン」を観る~新文芸坐

2016年12月23日 07時52分24秒 | 日記

23日(金・祝).わが家に来てから今日で815日目を迎え,ベルリン中心部でクリスマス市に大型トラックが突っ込み多数が死傷した事件で,ドイツ連邦検察庁がチュニジア人の容疑者が事件に関与していたとの疑いを強め公開捜査に乗り出したというニュースを見て,アムリ容疑者に警告するモコタロです

 

          

           逃げるは恥だし役に立たない と思うよ  番組終わったらしいし

 

  閑話休題  

 

昨日,池袋の新文芸坐で「サウスポー」と「疑惑のチャンピオン」の2本立てを観ました

「サウスポー」はアントワーン・フークア監督による2015年 アメリカ・香港映画(124分)です この作品は,短気が災いして最愛の妻を失い,娘とも引き裂かれてしまったボクシングの元世界チャンピオンが,娘との絆を取り戻すために再びリングに上がるという物語です

怒りをエネルギーに相手を倒すことで世界チャンピオンに登り詰めたビリー・ホープだったが,相手の挑発にのって起こした乱闘騒ぎで 妻を死なせてしまい,さらに”養育資格なし”として娘とも隔離され,ボクサーライセンスまで剥奪されてしまう 失意のどん底にあったビリーだったが,育ての親であるトレーナーのディックを訪れ,娘との絆を取り戻すべく再度リングに上がりたいとして トレーナーになってほしいと協力を仰ぐ そして,ビリーを挑発し乱闘騒ぎの原因を作った新チャンピオンとの闘いに挑む

 

          

 

 主演のビリーを演じたジェイク・ギレンホールは,この作品に出演するにあたって6か月におよぶトレーニングによってボクサー体系を作り上げたといいます ジムでトレーニングに励む彼の姿や,試合における彼のファイトを見ると,まさにプロのボクサーそのものです 妻の弔い合戦となるラスベガスでの12ラウンドは,映画とはいえ目の前で本当の試合が展開しているような迫力に満ちていました

ジェイク・ギレンホールはどこかで見たことがあるな,と思ったら先日観た「ナイトクローラー」に主役として出演していた役者さんでした 

3分間の闘いを12ラウンドも続けるのには,相当の体力と精神力をつけておかないと持たないだろうな,とつくづく思いました

 

  も一度,閑話休題  

 

「疑惑のチャンピオン」はスティーヴン・フリアーズ監督による2015年 イギリス・フランス合作映画(103分)です この映画は,ツール・ド・フランスで7連覇を達成したランス・アームストロングのドーピング疑惑を追及した新聞記者デイヴィッド・ウォルシュのノンフィクションをもとに,彼の栄光と挫折の顛末を描いた作品です

 

          

 

ランス・アームストロングは25歳で発症したガンを克服し,世界的な自転車レース「ツール・ド・フランス」で7年連続総合優勝の偉業を達成した その姿はガンで苦しむ人々に勇気を与え,ガン患者を支援する慈善活動にも尽力したことから,スーパーヒーローとして賞賛される しかし,サンデー・タイムズ記者デイヴィッド・ウォルシュの追及により,アームストロングのドーピングの実態が次々と明らかになり,ついに彼自身も認めざるを得なくなる

ドーピング問題というからみで この映画を観て思うのは,国家ぐるみでドーピングに手を染めていたロシアという国家の恐ろしさです 国家発揚のためなら違法行為も厭わないという考え方にKGB出身の大統領の国の怖さを感じます

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シューマン「ピアノ五重奏曲」他を聴く~「芸劇ブランチコンサート~清水和音と八潮圭子の名曲ラウンジ」

2016年12月22日 08時11分11秒 | 日記

22日(木).わが家に来てから今日で814日目を迎え,ケージに前足をかけて おやつをねだるモコタロです

 

          

                  早く おやつちょうだい!  お代官様  お願いしますだ!!

 

          

                 1分以内にくれないと バカボンのパパになっちゃうからね!

          

  閑話休題  

 

昨日,池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「芸劇ブランチコンサート~清水和音と八潮圭子の名曲ラウンジ 第5回『カルテットをやろう』弦楽器の魅力に迫る」公演を聴きました プログラムは①チャイコフスキー「弦楽四重奏曲第1番」から第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」,②ハイドン「弦楽四重奏曲 ひばり」から第1楽章冒頭,同「同 セレナード」から第2楽章冒頭,同「同 皇帝」から第2楽章前半,③ボロディン「弦楽四重奏曲第2番」から第3楽章「ノクターン」,⑥シューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」です 出演は,ヴァイオリン=藤江扶紀,大江馨,ヴィオラ=佐々木亮,チェロ=富岡廉太郎,ピアノ=清水和音です

藤江扶紀は第80回日本音楽コンクール第1位,大江馨は第82回同コンクール第1位,佐々木亮はNHK交響楽団首席,富岡廉太郎は東京シティ・フィル客員首席奏者,清水和音は1981年ロン=ティボー国際コンクール第1位のピアニストです

 

          

 

自席は2階F列31番,センター右ブロック右から2つ入った席です.会場は1階席と2階の前ブロックはほど満席です ステージ上には中央に椅子が4脚,その後方にグランドピアノが構え,左サイドには司会進行用のポディウムが置かれています

4人の弦楽奏者が登場,早速チャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」の演奏に入ります ゆったりしたテンポでソフトな肌触りの演奏です 東京芸術劇場大ホールで弦楽四重奏曲を聴くのは今回が初めてですが,よく響きます.2階席で聴いているということもあるのかもしれませんが,とても良い音響特性だと思います 4人の誰かが突出するのでなく,終始バランスのとれた素晴らしいアンサンブルでした

ここでナビゲーターの八潮圭子さん(「アド街ック天国」で名前を売りましたね)とピアニストの清水和音氏が登場,挨拶のうえ今回のコンサートの趣旨を説明しました.清水氏は

「弦楽四重奏曲という形態は,同属の弦楽器だけ4人で演奏するので 個々人の責任が大きく,一方 作曲者にとってはスタディ的な面もある(交響曲等を作曲する上で試行錯誤の練習になる)ジャンルです ハイドンの弦楽四重奏曲は,第1ヴァイオリンが主導して,他の楽器は伴奏に回る形態をとりますが,後のバルトークなどの作品になると4つの弦楽器がそれぞれ主役となり,演奏が困難になります これからハイドンの有名な3曲の弦楽四重奏曲の一部を演奏していただきますが,『セレナード』は,別人の作曲による作品であるという説が有力になっています

と説明,4人の演奏に入りました.「ひばり」は比較的速めのテンポで軽快に演奏します ちなみに私はイタリア弦楽四重奏団による演奏がベストだと思っています.「セレナード」は中庸のテンポで,「皇帝」はゆったりとしたテンポで演奏しました 「皇帝」はオーストリア国家「皇帝賛歌」として現代に生きています

 

          

 

次にボロディン「弦楽四重奏曲第2番」から第3楽章「ノクターン」を演奏しました この曲と聴くと「夜のとばり」を想います.名曲です

最後の曲はピアノの清水和音が加わってシューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」です.ここで八潮さんが清水氏に

「弦楽四重奏曲にピアノが加わることによって,どう変わってくるのでしょうか?」

と訊くと,清水氏は

「弦楽四重奏の時は個々人の責任が重かったのですが,ピアノが加わることによって責任が分散されて弦楽奏者は気が楽になるでしょうね 人数が多い方が演奏していて楽しいですよ

と答えていました.そして,演奏に入りました.4つの楽章から成りますが,第1楽章冒頭は輝かしいアレグロです.第3楽章のスケルツォは曲が終わったかのように賑やかに終結するので,1階席で拍手が起こりました 第4楽章が輝かしく終わると大きな拍手が起こりました

芸劇ブランチコンサートは初めて聴きましたが,出演者も演奏もトークも素晴らしく,会場の音響特性も良いので,とても良い企画だと思いました 次回は2月22日ですが,すでにチケットは入手済みです

 

          

 

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