人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アンジェイ・ワイダ監督「大理石の男」を観る~映画大学の女子学生の目を通してドキュメンタリータッチで描く1950年代と1970年代のポーランド~ベートーヴェン「エグモント」序曲も流れる

2018年04月30日 07時46分48秒 | 日記

30日(月・休)。4月も今日で終わりです。もう1年の3分の1が過ぎてしまったのですね 最近 つくづく月日の流れの速さを実感します

ということで、わが家に来てから今日で1306日目を迎え、韓国の文在寅大統領が29日、安倍晋三首相と電話会談し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が27日の南北会談の際「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べたことを伝えた というニュースを見て安倍首相に成り代わって独り言を呟くモコタロです

 

     

        そう 上から目線で言われてもなぁ 目当ては底なしの経済援助だって見え見えだし

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐でアンジェイ・ワイダ監督「大理石の男」を観ました これは1977年ポーランド映画(160分)です

舞台は1976年のポーランド。映画大学の女子学生アグニェシカはテレビ局の仕事として記録映画の取材で訪れた博物館の片隅に放置されている1950年代の労働英雄ビルクートの大理石像を発見する ビルクートは戦後ポーランドで最初に建設された大工業プロジェクトの建設に当たり名レンガ職人として活躍した伝説の労働者だった 彼女はビルクートを主演とするドキュメンタリーを観て彼に関心を持ち、本人にインタビューしようとしたが消息不明だったため、生き証人へのインタビューを通してスターリン時代に労働者の英雄に祭り上げられた一人の労働者の姿を浮き彫りにしていくことで、ポーランドの現代史の裏面を明らかにしていく

 

     

 

主人公の女子学生アグニェシカ(クリスティナ・ヤンダ)は、パンタロンを履いて、長い足を組んで煙草をスパスパ吸いながら 相手が誰だろうと対等に議論するアグレッシブな女性です   とても女子学生とは思えない彼女の姿を見て「ウーマン・リヴ」という言葉を思い出しました この映画が作られたのは1977年なので、アメリカで起こったこの運動が世界に広まっていった時期ではないかと思います

大理石の男であるビルクートの消息をつかむため、アグニェシカは当時の労働者仲間や元妻などに会ってインタビューしていくわけですが、肝心のビルクートが見つからないので、テレビ局から「映画は完成できない」と決めつけられ、アグニェシカの企画はボツにされてしまいます 困った彼女は父親に相談すると、「平凡な真実こそ一番大切で、映画の完成よりも真実を追究する行為自体が真実だ」と説得されます この言葉はワイダ監督のメッセージでしょう

ところで この映画では、1952年のニュース映像としてビルクートの雄姿が映し出されますが、バックに流れていたのはベートーヴェンの「エグモント」序曲でした

2時間21分という長さを感じさせず 最初から最後まで弛緩するところのない作品でした

 

     

     

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高関健+東響でモーツアルト「行進曲K.335第1番 ~ ポストホルン・セレナーデK.320 ~ 行進曲K.335第2番」を聴く ~ 冴えわたる木管楽器群の名人芸:モーツアルト・マチネ第33回公演

2018年04月29日 07時51分30秒 | 日記

29日(日)。わが家に来てから今日で1305日目を迎え、トランプ米大統領が27日、韓国と北朝鮮による南北首脳会談を「歴史的だ」と高く評価し、北朝鮮の核問題の解決に関して「(米大統領の)私に責任がある」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       11月の中間選挙を念頭において張り切るのはいいけど 気まぐれだから 危なくね?

     

        

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団「モーツアルト・マチネ」第33回公演を聴きました プログラムはモーツアルト①行進曲 ニ長調 K.335 第1番、②セレナーデ第9番ニ長調「ポストホルン」K.320、③行進曲 ニ長調 K.335 第2番です 指揮は東京シティ・フィル常任指揮者の高関健です

 

     

 

新シーズンを迎え、1階センターブロック左サイドに席を移動しました

開演にあたり指揮者の高関健氏がマイクを持って登場、この日のプログラムについて説明しました

「今日演奏するのは『ポストホルン・セレナーデ』です 前後に演奏する行進曲を含めて ちょうど1時間かかります。『セレナーデ』というのは夜 貴族たちがくつろぐときに屋外で演奏されたBGMのような音楽です 『ポストホルン』というのはホルンに似た小型の管楽器で、もともとは郵便馬車や駅馬車の発着を知らせるために用いられた楽器です。当時は セレナーデの演奏者が入退場する際に行進曲が演奏されたと考えられており、今日は最初に弦楽器5人だけで行進曲の演奏を開始し、次に『ポストホルン・セレナーデ』を演奏、その後 再び行進曲を演奏する形をとります   この曲は特に第3楽章から第6楽章にかけて管楽器の名人芸が聴けますので、楽章が終わったら盛大な拍手をお願いします

そして、高関氏の指揮で、第1ヴァイオリン(水谷晃コンマス)、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1人の5人により「行進曲K.335」の第1番の演奏が開始されます 5人が演奏しているうちに他の楽員が三々五々入場してきて演奏に参加します これは高関氏のアイディアだと思いますが冴えた演出です この曲は短いながら躍動感あふれる音楽で、荒絵理子のオーボエが活躍します 曲の中盤で歌劇「ドン・ジョバン二K.527」の第1幕終盤のドン・ジョバンニ邸でのパーティーで踊られる「メヌエット」のメロディーが聴こえてきてビックリします

 

     

 

次いで『セレナーデ第9番ニ長調”ポストホルン”K.320』の演奏に入ります この曲はモーツアルトが23歳の時、1779年8月にザルツブルクで作曲されました。何らかの祝祭のために作られたと考えられますが、明確な目的は分かっていません 第1楽章「アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「メヌエット:アレグロ」、第3楽章「コンチェルタンテ:アンダンテ・グラツィオーソ」、第4楽章「ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第5楽章「アンダンティーノ」、第6楽章「メヌエット」、第7楽章「フィナーレ:プレスト」の7楽章から成ります

高関氏はタクトを使用しません。両手で音を紡いでいきます 第1楽章が力強い序奏で開始されます。この曲は大好きなモーツアルトの作品の中でも最も好きな曲の一つなので、この序奏を聴くとワクワクしてきます 第3楽章は木管楽器群の名人芸のオンパレードです。冒頭から甲藤さちのフルートと荒絵理子のオーボエがモーツアルト・ワールドを展開し、ファゴットの福士マリ子が加わり色彩感豊かなアンサンブルを奏でます それは第4楽章にも受け継がれ、木管楽器群が軽快なテンポで演奏し大活躍します

第5楽章はこの作品の中で唯一の短調楽章です。冒頭から哀愁に満ちた旋律が支配します 他の楽章が「光」だとすれば、この「アンダンティーノ」は「影」と言えるでしょう。モーツアルトの光と影はいつも隣り合わせに存在しています

第6楽章「メヌエット」は明るく力強く始まり、次いで濱崎麻里子のピッコロが主旋律を奏で、後半になるといよいよポストホルンの登場です 演奏の途中で ステージ下手からポストホルンを手にした演奏者が登場、第1ヴァイオリンの手前で演奏します 冒頭、ちょっと外しましたが、全体を通してみれば そんな些細なことは吹き飛ぶくらい 素晴らしい演奏でした   そして、第7楽章はテンポを上げ、怒涛のフィナーレになだれ込みました

管楽器群を中心に立ち上がって大きな拍手を受けますが、もう1曲残っています   退場のための音楽「行進曲ニ長調K.335」の第2番が演奏されます 曲の終盤になると、今度は開始時とは逆に、演奏者が一人二人と三々五々抜けていきます 最後には最初に登場した5人の演奏者だけが残り、曲を閉じました。5人だけ拍手を受けるわけにはいかないので、全員が呼び戻され、大きな拍手を受けました

木管楽器群を中心とする東響メンバーの素晴らしい演奏もさることながら、メイン曲目の前後に行進曲を置き 演奏者を増やしたり減らしたりする高関氏の演出(指揮はもちろん)が素晴らしく、最初から最後まで十二分に楽しむことが出来ました 私はこの1時間 密かに足で拍子を取りながら 終始ご機嫌に過ごしました 生でモーツアルトが聴けるのは最大の喜びです 

その意味では、東響に限らず どのオーケストラでも 定期演奏会で もっとモーツアルトの「セレナーデ」や「ディヴェルティメント」を取り上げてほしいと思います

『ポストホルン・セレナーデ』は、7つの楽章すべてがモーツアルトのエッセンスが凝縮された素晴らしい音楽です まだ一度も聴いた経験のない方は 是非お聴きになることをお勧めします ご参考までに私の愛聴盤をご紹介しておきます 1枚目はカール・べーム+ベルリン・フィルによるCD(1970年5月録音)です

 

     

 

2枚目はジョージ・セル+クリーヴランド管弦楽団によるCD(1969年1月録音)です

 

     

 

カップリング曲はどちらも「アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525」です

3枚目はクラウディオ・アバト+ベルリン・フィルによるCD(1992年9月録音)です これは行進曲~ポストホルン・セレナーデ~行進曲の順に収録されています。カップリング曲は「ディヴェルティメントK.251」となっています

 

     

 

いずれも甲乙つけ難い名演です

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アンジェイ・ワイダ監督「夜の終わりに」を観る~政治色を排したポーランドの若者たちの青春群像を描いた異色作

2018年04月28日 07時47分27秒 | 日記

28日(土)。わが家に来てから今日で1304日目を迎え、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が27日、軍事境界線のある板門店で会談し、核のない朝鮮半島の実現を共通目標とすることなどを内容とする共同宣言を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       金正恩は これをもって 異母兄や多くの側近たちの暗殺や粛清をチャラにするのか

 

        

 

昨日、夕食に「牛肉と大根の煮物」「生野菜とサーモンのサラダ」「トマトとエリンギと玉ねぎのスープ」を作りました   「牛肉~」はあらかじめ大根を煮ておき、後で牛肉と一緒に煮込んだので味がしっかり沁み込んで美味しく出来ました

 

     

 

        

 

昨日から4日間、池袋の新文芸坐で「魅惑のシネマ・クラシックスVol.28」の第1部としてポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督特集を上映中です 

昨日、1960年製作ポーランド映画「夜の終わりに」(87分・モノクロ)を観ました

 

     

 

ワルシャワの粗末なアパートに住む若い医師アンジェイは、昼はボクシング・ジムの医務室で働き、それが終わると素人バンドのドラマーをやっている ある夜、ナイトクラブでマグダと名乗る美しい娘に出逢う。彼女は郊外の家へ帰るところだったが終電車は出た後で、アンジェイは自分のアパートへ連れていくことにした 二人は夜通し遊ぼうと約束し、マッチ箱のゲームをすることになった。マッチ箱をはじき、それが立てば点数が入って勝つというゲームで、負けた方が着ているものを1枚ずつ脱いでいくという野球拳のようなゲームだ 最初はアンジェイが負けていたが、後半に盛り返しマグダが脱ぐ番になる。下着だけになったマグダが「どっちを脱ぐの・・・上?下?」と訊くと、アンジェイは「僕は紳士だぜ。脱ぐ気があるのが判ったからもういいよ」と答え、マグダはホッとするのだった 朝になると夜通し遊び疲れた仲間たちがアンジェイを迎えに来るが、外に出て追い払った。部屋に戻るとマグダの姿がないので、アンジェイはスクーターに飛び乗って探し回る。どこにもいないので部屋に戻ると、マグダが紅茶を飲んで彼の帰りを待っていた 睡魔が襲ったアンジェイがベッドに横になり眼を閉じると、マグダはそっと部屋を出る。しかし、再びアンジェイの部屋に戻るのだった

 

     

 

アンジェイ・ワイダ監督というと「地下水道」、「大理石の男」、「鉄の男」、「ワレサ 連帯の男」など政治色の強い作品を思い浮かべますが、この作品は一切政治の匂いがありません まさに1960年当時のポーランドの若者たちの青春群像を描いた異色作です

アンジェイとマグダの会話の中で、理屈っぽいやり取りが出てきた時はワイダ監督らしいな、と思ったりしました マッチ箱を使ったゲームは着眼点が面白いと思いました 喫煙が当たり前でマッチが主流だった世の中だったからこそ可能だったゲームです 当時は、日本でも 喫茶店に行くと灰皿と共に小さなマッチ箱が出てくるという社会状況にありましたが、禁煙が当たり前になった昨今ではマッチ箱を探すのが困難になってしまいました 喫煙者にとってはミス・マッチな世の中になってしまいましたね 下手なシャレでした。謝ります。吸いませんでした

 

     

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東京藝大モーニングコンサートでR.シュトラウス「オーボエ協奏曲」(Ob:山田涼子)、ラロ「スペイン交響曲」(Vn:弓塲友美子)を聴く~新年度第1回目に相応しい素晴らしい演奏

2018年04月27日 07時59分01秒 | 日記

27日(金)。昨日、うっかりジーンズのポケットに万歩計を入れたまま洗ってしまいました 洗濯前は6000歩を少し上回った数字でしたが、洗濯機から取り出してみると7249歩になっていました 万歩計は私に代わって洗濯機の中で1200歩以上も”歩いていた”ことになります 奇しくも、洗濯機の中で回転していてもしっかり働くことが証明されました 万歩計にしてみれば、相手が人間だろうが洗濯機だろうが数字を増やすしか選択の余地がないわけですね

ということで、わが家に来てから今日で1303日目を迎え、野党6党が欠席する中 衆院の予算委員会の集中審議が26日午前行われたが、国会が空転している状況について安倍晋三首相は「国会審議が政策論争意外に集中してしまう状況を招いたことは率直に反省しなければならない」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     反省するだけならサルでも出来る ウミを出し切ると言うが ウミの親は誰なのか?

 

        

 

昨日、夕食に「鶏肉とキノコの赤ワイン煮込み」「生野菜とアボカドのサラダ」「ホウレン草のお浸し」を作りました 「鶏肉~」は初挑戦ですが、美味しく出来ました

 

     

 

        

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で第1回藝大モーニングコンサートを聴きました プログラムは①リヒャルト・シュトラウス「オーボエ協奏曲」、②ラロ「スペイン交響曲」です ①のオーボエ独奏は山田涼子、②のヴァイオリン独奏は弓塲友美子、管弦楽は藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮は東京シティ・フィル常任指揮者の高関健です

今回は新年度第1回目のコンサートです。全自由席ですが入場整理番号は35番なのでかなり良い席が取れます 今回は1階12列13番、センターブロック左通路側を取りました。会場は9割近い入りでしょうか。よく入りました

 

     

 

オケのメンバーが配置に着きます。指揮者が高関健氏なので、弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴォイラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります

1曲目はリヒャルト・シュトラウス「オーボエ協奏曲」です オーボエ協奏曲と言えば、モーツアルトの作品K.314とこのR.シュトラウスの曲を思い浮かべるほど代名詞的な作品です この曲は1945年、R.シュトラウス(1864-1949)が80歳の時に作曲され、終戦後の1946年2月26日にスイスで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ~アレグロ」の3楽章から成りますが、切れ目なく演奏されます

純白の晴れやかなドレスを身にまとった藝大4年在学中の山田涼子さんが、高関氏とともに登場し舞台中央に進みます 高関氏のタクトで第1楽章が開始されます。冒頭から独奏オーボエが長いフレーズを歌い上げますが、リヒャルト・シュトラウスらしい歌劇のアリアのような滑らかで心地よい旋律です 第2楽章はゆったりしたテンポで美しい旋律が奏でられます。そして第3楽章では生き生きとしたテンポによりオーボエの音色を生かした演奏が続き、華麗なフィナーレを迎えます

山田さんの演奏は鮮やかでした 高関氏+藝大フィルハーモニアのしっかりとしたバックに支えられながら、リヒャルト・シュトラウス特有の息の長い旋律も無理なく流れるように演奏し、聴衆を魅了しました

 

     

 

2曲目はラロ「スペイン交響曲」です ラロ(1823-1892)はヴァイオリン独奏とオーケストラのための曲として「ヴァイオリン協奏曲」「ノルウェー幻想曲」「ロシア協奏曲」「スペイン交響曲」の4つの作品を書きましたが、「スペイン交響曲」は実質的に「ヴァイオリン協奏曲第2番」に当たるものです ラロの祖父はスペイン人でしたが、この曲にはスペインの魅力的なメロディーやリズムが豊富に使われています。この作品は1874年に完成し、スペインの大ヴァイオリニスト、サラサーテに捧げられ、1875年2月7日にサラサーテの独奏で初演されました

第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツァンド:アレグロ・モルト」、第3楽章「間奏曲:アレグレット・ノン・トロッポ」、第4楽章「アンダンテ」、第5楽章「ロンド:アレグロ」の5楽章から成ります

赤い薔薇の髪飾りに真っ赤なドレスといった情熱的な衣装の藝大4年在学中の弓塲友美子さんが高関氏とともに登場しステージ中央でスタンバイします

高関氏の指揮で第1楽章が力強く開始されると、迫力ある演奏に会場の空気が引き締まります すぐに独奏ヴァイオリンが受け継ぎますが、弓塲さんのヴァイオリンは底力のある芯の強い演奏でスペイン情緒を醸し出します 第2楽章は一番好きな楽章ですが、スペインのアンダルシア地方の明るい情景が思い浮かぶような(行ったことはありませんが)鮮やかな演奏です 第3楽章ではハバネラのリズムが奏でられますが、赤の衣装に薔薇の髪飾りで演奏する弓塲さんの姿はまるでハバネラを歌うカルメンのようでした 第4楽章は一転、抒情的な演奏で、第5楽章はヴァイオリンとオケとの丁々発止のやり取りが楽しく、華やかなフィナーレを迎えました

高関氏は独奏ヴァイオリンが演奏するところはしっかりとソリストを引き立て、管弦楽だけによる部分では迫力ある音を引き出していました こういうところは流石だと思います

この日演奏した二人の女子学生は、さすがに学内選考を通って出場を果たしただけあって訴えるものがありました これからの活躍が楽しみです

 

     

 

         

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「上野 de クラシック~軽井沢チェンバーオーケストラ」でモーツアルト「ディヴェルティメントK、138」、「ピアノ協奏曲第14番」~第1楽章、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」~第3、4楽章を聴く

2018年04月26日 07時58分13秒 | 日記

26日(木)。わが家に来てから今日で1302日目を迎え、トランプ米大統領が24日、フランスのマクロン大統領との会談で、近く首脳会談を行う予定の北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長について「非常に率直で、尊敬に値する」と評価した というニュースを読んで感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプの発言もここまでくると ジョーカーのジョークにしか聞こえないなぁ

 

        

 

昨日、夕食に「ポークソテー」「生野菜と生ハムとタコのサラダ」「豚汁」を作りました 「ポークソテー」はスライス・チーズを載せるだけで一味違います

 

     

 

        

 

昨日、上野の東京文化会館小ホールで「上野 de クラシック ~軽井沢チェンバーオーケストラ」公演を聴きました プログラムは①モーツアルト「ディヴェルティメントK.138」、②同「ピアノ協奏曲第14番K.449」~第1楽章、②チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」~第3、4楽章です 

軽井沢チェンバーオーケストラは「軽井沢大賀ホール2014春の音楽祭」の際に東京文化会館と軽井沢大賀ホールの協力事業として結成されたもので、東京音楽コンクール入賞者を中心とした若手メンバーで構成されています。2014年以来、「軽井沢大賀ホール春の音楽祭」にレギュラー出演していますが、今回は初めての東京公演という位置づけにあります

メンバーは、ヴァイオリン=依田真宣(東フィル・コンマス)、瀧村依里(読響・首席)、小川響子(東フィル・第1ヴァイオリン・フォアシュピーラー契約団員)、植村太郎(藝大フィルハーモニア・ソロコンマス)、ヴィオラ=瀧本麻衣子(神奈川フィル・ゲスト首席)、村松龍(N響次席)、チェロ=富岡廉太郎(読響・首席)、加藤陽子(レイア・トリオ)、コントラバス=髙橋洋太(都響)、ピアノ=居福健太郎です

 

     

 

雨が降る中、東京文化会館の庇の下で30分並び、小ホール手前の坂道通路で30分並び、開演までロビーで30分待ちました 靴の中は雨水でぐちゃぐちゃ、不快指数100%です 1時間のコンサートを聴くのに何でこれほど苦労しなければならないのでしょうか 好きなんですねぇ 音楽が

全自由席です。右ブロック左通路側を押さえました。会場は9割方埋まっているでしょうか。入場料1,000円の魅力でしょうか

拍手の中、オケのメンバーが入場し配置に着きます。コンマスは東京フィルの依田君、その隣は読響の瀧村さんです 瀧村さんは爽やかな空色、小川さんは明るいクリーム色と言った具合に、女性陣はカラフルなステージ衣装に身を包まれています こういうカジュアルなコンサートでは華やかで良いと思います

1曲目はモーツアルト「ディヴェルティメントK.138」です この曲はモーツアルト(1756 -1791 )が16歳の時にザルツブルクで書かれたK.136~K138の3曲のディヴェルティメント(喜遊曲)のうちの最後の作品です この3曲はいずれもメヌエットのない3つの楽章から構成されていることから、後に交響曲にする予定だったのではないかと言われており、そのため「ザルツブルク・シンフォニー」とも呼ばれています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります

依田君の合図で第1楽章が開始されます。私はK.136~K138の中ではK.136が一番好きですが、このK.138も良い曲ですね まさに「喜遊曲」そのものです。演奏する人たちも真面目な顔つきをしながらも楽し気です ヴァイオリンの瀧村さん、チェロの富岡氏の読響コンビは余裕の表情で、音楽を楽しんでいる風情です

ピアノのセッティングに時間を要するため、時間つなぎで依田君がマイクを持って登場、このコンサートの趣旨を説明しました また、次にピアノを演奏する居福氏は東京藝大の先輩だが、今回初めて協演することになった旨の話がありました

 

     

 

2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第14番K.449」から第1楽章です この曲は1784年(モーツアルト28歳の時)に、弟子の一人だったバルバラ・フォン・プロイヤー嬢のためにウィーンで作曲されました。この曲は第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

この日演奏されるのは第1楽章「アレグロ」です。ステージ上には蓋を外したグランド・ピアノが客席に鍵盤を見せる形で設置されています つまりピアニストは客席に背を向けてオケに対峙する形で指揮をしながらピアノを弾く(弾き振り)ことになります

健康優良児がそのまま大人になったような立派な体格の居福健太郎氏が登場しピアノに向かいます この曲の第1楽章は、モーツアルトの多くのピアノ協奏曲と同様、主役のピアノがなかなか登場せず、オケだけによる前奏が続きます 居福氏は立ち上がって両手で指揮をとりますが、自分の出番になると腰を下ろし、おもむろにピアノを弾き始めます 軽やかで、時に力強いピアノが会場を満たします カデンツァはモーツアルト自筆のものが残されているので、多分これを弾いたのだと思いますが、鮮やかな演奏でした

今度はピアノを片付けるための時間調整のため、再び依田君がマイクを持って登場、居福氏を呼びインタビューに移りました 依田君が「今日はありがとうございました。どうでしたか、今回の演奏は?」と訊くと、居福氏は「実は客席に背を向けて弾き振りするのは今回が初めてす オケと直接対話しながら演奏でき、また客席と一体となって音楽作りをしているような感じがして、今後クセになりそうです」と答えていました

 

     

 

3曲目はチャイコフスキー「弦楽セレナーデ」から第3、4楽章です この曲はチャイコフスキー(1840-1893)が40歳の時(1880年)に作曲した作品で、彼がモスクワ音楽院に着任した時からの親友コンスタンチン・アルブレヒトに捧げられました 第1楽章「ソナチネ形式の小品:アンダンテ・ノン・トロッポ~アレグロ・モデラート」、第2楽章「ワルツ:モデラート」、第3楽章「エレジー」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ~アレグロ・コン・スピリト」の4楽章から成りますが、第3楽章から第4楽章へはアタッカで続けて演奏されます

オケのメンバーが再度登場し配置に着きます。今度は、コンマスを除いて各楽器群での第1、第2の入れ替わりがあります

第3楽章は美しいメロディーです ピッツィカートに乗せて第1ヴァイオリンやチェロが歌うところは まるで舟歌のようです アタッカで続く第4楽章は活気にあふれ、演奏者たちの情熱が伝わってきます 曲の終盤で、演奏が終わったと勘違いした男性客から「ウォー」という雄叫びとともに拍手が起こりましたが、それほど興奮を呼ぶ熱演でした いずれにしても、この2つの楽章を聴いただけでも、チャイコフスキーが屈指のメロディーメーカーであることが分かります

9人のメンバーは、アンコールにルロイ・アンダーソンの「フィドル・ファドル」を軽快かつジャジーに演奏し拍手喝さいを浴びました

このグループの演奏会は下のチラシの通り、4月29日(日・祝)午後2時から軽井沢大賀ホールで開かれます 時間とお金に余裕のある方は聴きに行かれてはいかがでしょうか

 

     

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是枝裕和監督、福山雅治・役所広司・広瀬すず出演『三度目の殺人』、白石和彌監督、阿部サダヲ・蒼井優・松坂桃季出演『彼女がその名を知らない鳥たち』を観る~早稲田松竹

2018年04月25日 07時53分57秒 | 日記

25日(水)。わが家に来てから今日で1301日目を迎え、23日に第3子となる男の子を出産した英王室のウィリアム王子(35)の妻キャサリン妃(36)が同日夕、ロンドン中心部の病院を退院したが、新王子の名前は数日中に発表される見通しだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       ベンジャミン、フレデリック、レイフなんてどうよ? 英国の作曲家の名前だけど

     

        

 

昨日、夕食に「ブリの照り焼き」「マグロの山掛け」「生野菜とタコのサラダ」を作りました たまには魚を食べないと、肉に偏ってしまうので

 

     

 

        

 

昨日、早稲田松竹で「三度目の殺人」と「彼女がその名を知らない鳥たち」の2本立てを観ました

「三度目の殺人」は是枝裕和監督・脚本・編集による2017年制作映画(124分)です

殺人の前科がある三隅(役所広司)が、解雇された工場の社長を殺して火を点けた容疑で起訴された 三隅は犯行を自供し死刑はほぼ確実視された。しかし、弁護を担当することになった重盛(福山雅治)は、何とか無期懲役に持ち込むために調査を開始する 三隅と接見しながら調査を進めるが、三隅は会うたびに供述を変えるため、重盛は何かがおかしいと違和感を抱くようになる 金目当ての殺人のはずが、週刊誌の取材では被害者の妻・美津江(斉藤由貴)に頼まれたと答え、動機さえも二転三転していく 調べていくうちに、被害者の娘・咲江(広瀬すず)と三隅との接点が浮かび上がる。重盛が二人の関係を探っていくと ある秘密にたどり着く 三隅は本当に殺したのか? 誰かをかばっているのか? 闇は深まるばかりだった

 

     

 

映画を観ている途中で、一番良く分からない三隅の殺人の動機が読めましたが、三隅の供述が二転三転するため、本当に彼が殺したのかどうかが分からなくなってきます 弁護士・重盛と容疑者・三隅との心理戦の描写が見事です 是枝裕和監督作品へは初参加という役所広司の 真面目だがどこか人をはぐらかす容疑者の演技が光っています   また、広瀬すずは寂しそうな目が印象的でした

 

        

 

「彼女がその名を知らない鳥たち」は、沼田まほかるの同名小説を白石和彌監督が2017年に映画化(123分)したものです

十和子(蒼井優)は15歳年上の男・陣治(阿部サダヲ)と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎(竹野内豊)のことが忘れられない 十和子は不潔で下品な陣治に嫌悪感を抱きながらも、彼の少ない稼ぎに頼って働こうともせず怠惰な生活を過ごしていた ある日、十和子はどこか黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島(松坂桃季)に出会う。デパートの時計売り場で働く水島との情事に溺れる十和子は、ある日 刑事から黒崎が行方不明だと告げられる どんなに罵倒されても「十和子のためなら何でもやる」と言い続ける陣治が執拗に自分を付け回していることを知った十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める   

 

     

 

この映画は、不潔、下品、最低と どんなに罵倒され嫌われても「十和子のためなら何でもする」という中年男の一途な愛、あるいは究極の愛を描いています  十和子は8年前に別れた黒崎が失踪したまま行方不明になっているのは、陣治が殺したのではないかと疑うわけですが、実はそうではなかったということをある事件をきっかけに”思い出し”ます 十和子はその記憶の中にある出来事こそが真実だったと悟ります。陣治はその記憶を自分のこととして引き受け、十和子の前から姿を消します

十和子が真実の出来事を思い出す場面は、それまでの世界観が覆されます。陣治は十和子のすべてを受け入れて生きていたのだな、と感動します。この映画は何と言っても陣治を演じた阿部サダヲの存在感が際立っています。不潔、下品、最低といったこれ以上ない罵詈雑言を一手に引き受ける 救いようのない中年男だが、一人の女性だけを何の見返りも求めず心の底から愛する男を見事に演じています

なお「彼女がその名を知らない鳥たち」の意味が最後まで分からなかったのが心残りです

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N響「Philharmony」掲載:データで見るオーケストラの収益力~客単価では仙台フィルが全国第2位 / 柚月裕子著「朽ちないサクラ」を読む~進化を続ける筆者の傑作ミステリー

2018年04月24日 07時47分11秒 | 日記

24日(火)。わが家に来てから今日で1300日目を迎え、韓国の大韓航空を傘下に収める財閥「韓進グループ」の趙会長が22日、社内の会議で激高して水の入ったコップを投げつけたとして暴行容疑で警察の捜査を受けた次女の顕旼大韓航空専務を グループ内のすべての役職から退任させると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      姉の「ナッツ姫」といい 妹の「水掛け姫」といい 韓進グループには寒心するよ

     

        

 

昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛炒め」と「タケノコとウドと鶏のうま煮」を作りました 「タケノコ~」は初挑戦ですが、今が旬の素材を使うのは良いものですね

 

     

 

        

 

N響のプログラム冊子「Philharmony」4月号に、「オーケストラのゆくえ」のシリーズ第16回として、行政書士で音楽ジャーナリストの潮博恵さんが「データで見るオーケストラ」というテーマで書いています 公益社団法人日本オーケストラ連盟が毎年発行している「日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑」のデータを基に筆者が独自に分析し、経営の側面からアプローチしたものです

それによると、2015年度のオーケストラ全体の収入源は、多い順に①演奏収入(53.7%)、②地方自治体(18.2%)、③経営母体(11.0%)、④民間支援(7.7%)、⑤文化庁・基金(5.5%)、⑥助成団体(0.4%)、その他(3.5%)となっています つまり 全体の半分しか演奏収入で賄えていないことになります   驚くのは、文化庁・基金からの支援が5.5%しかないことです

 

     

 

興味深いのは全国のプロ・オーケストラの収益力の比較です。全国34オーケストラの①1公演当たりの演奏収入(収益力)、②1入場者当たりの演奏収入(≒客単価)、③1公演当たりの入場者数(集客力)についてランキングしています

このうち①②③のいずれもダントツ1位は予想通りNHK交響楽団で①1208万円、②5814円、③2018人となっています   言うまでもなく、N響は収容人数の大きなNHKホール(3601席)を本拠地としていることが収益力において最大のメリットとなっています 第2位以下は①②③で順位がばらけてきます

①1公演当たりの演奏収入だけで言えば、第2位は読売日響で703万2千円、第3位は日本フィルで689万5千円となっています 第4位以下は東京交響楽団、新日本フィル、大阪フィル、東京フィル、札幌交響楽団、東京都交響楽団、仙台フィルの順になっています

②1入場者当たりの演奏収入だけで言えば、第2位は仙台フィルで4933円、第3位は日本センチュリー交響楽団で4896円となっています 当該オケには失礼な言い方かも知れませんが、これは意外でした 第4位以下は日本フィル、読売日響、東京交響楽団、奈良フィルハーモニー、中部フィルハーモニー、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、新日本フィルの順になっています

③1公演当たりの入場者数だけで言えば、第2位は東京フィルで1718人、第3位は兵庫芸術文化センター管弦楽団で1653人となっています これも意外でした 第4位以下は大阪フィル、読売日響、東京都交響楽団、日本フィル、東京交響楽団、東京ニューシティ管弦楽団、神奈川フィルの順になっています

筆者は、演奏収入を基準に収益力を測るこのランキング方法だと、もともと演奏収入の多寡を経営方針としていないオーケストラ、例えば年間約100回の学校公演が大きな位置を占める山形交響楽団や群馬交響楽団などは、必然的に低い結果となると指摘しています

「問題は そのオーケストラが どういう演奏をするかだろう」という声も聞こえてきそうですが、時には 定期会員になっている、あるいは興味のあるオーケストラが経営的に全国でどういう位置にあるのか、知っておくのも良いことだと思います

 

         

 

柚月裕子著「朽ちないサクラ」(徳間文庫)を読み終わりました 柚月裕子の本は文庫化されるたびに このブログでご紹介してきました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー、2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年「虎狼の血」で「第69回日本推理作家協会賞」を受賞しました

 

     

 

この小説の主人公は、東京で服飾メーカーのOLを3年間勤めた後に故郷の米崎県に戻り、県警の広報公聴課に配属されて4年目となる29歳の事務職員の森口泉 女子大生を狙ったストーカー事件で、米崎県の平井中央署生活安全課の担当警察官・辺見がまともに取り合わなかったため、女子大生はストーカーに殺されてしまう それだけならまだしも、ストーカー事案を担当する生活安全課がストーカー対策よりも 自分たちの慰安旅行を優先していたことが米崎新聞にスクープされ、県民たちの怒りが爆発する そうした中、泉の高校の同級生であり、慰安旅行の情報を知る人物でもある米崎新聞の記者・津村千佳が何者かに殺害される 彼女はなぜ誰に殺されたのか?その後、辺見が突然退職する。彼はなぜ辞めなければならないのか? 泉は警察学校の同期・磯川刑事とともに調査を進めるが、事件の裏にはある新興宗教と公安警察の陰がチラついていた

小説の終盤で、筆者は磯川刑事に次のように言わせています

「まだ小さかったこともあって、あの事件はなんとなく他人事のように感じていたけれど、身近でカルト教団信者が関わる事件が起き、公安警察の必要性を強く感じました。日頃、表に出る事件は、強盗や殺人など刑事警察が扱うものが多いけれど、テロやカルト教団など国家にとっての危険分子を監視する公安警察も、なくてはならない機関だなって、改めて思います

これは、オウム真理教が起こしたサリン事件を想起させますが、泉は「たしかに、公安は国にとっても必要な機関であることに間違いないが、今回、公安はカルト信者の刃から千佳を守れなかった。それを無視して考案を褒めたたえることは出来なかった」と結論付けています

泉は生活安全課の富樫課長から「サクラは公安警察の暗号名」であることを教えてもらっています。この小説のタイトル「朽ちないサクラ」はそこからきています  柚月裕子が公安警察に対してどういうスタンスをとっているかが分かります 柚月裕子は新作を発表するたびにプロットが冴えわたり、小説家として進化しているように思います 彼女ほど次作が待ち遠しい作者も珍しいでしょう

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寺岡清高+新交響楽団でシューベルト「交響曲第8番”ザ・グレート”」、コルンゴルト「劇的序曲」他を聴く / エドガー・ドガの絵画「オペラ座のオーケストラ」の楽器配置はおかしくね?

2018年04月23日 07時56分10秒 | 日記

23日(月)。わが家に来てから今日で1299日目を迎え、北朝鮮当局が 拘留している米市民3人全員を開放する方針を決めた と北朝鮮関係筋が明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 日本人拉致被害者も開放してくれないと埒が明かないぜ 将軍さまも悪よのう

     

         

 

昨日の日経朝刊「NIKKEI  The  STYLE」の見開き「美の枠」で エドガー・ドガの「オペラ座のオーケストラ」が紹介されていました

 

     

 

解説には「ドガは客席の人間には目もくれず、ひょっとすると1階の最前列で、舞台や演奏家をじっと観察し続けていたのではないだろうか この絵画には、管楽器奏者の呼吸まで伝わってきそうな、リアリティーがある」と書かれていますが、私はこの絵を見て、なんか変だな?と思いました 客席側からオーケストラピット内の指揮者の左サイドの様子を描いていますが、よく見ると、左端にチェロ奏者が、その右にファゴットとフルート奏者が、さらにその右に後ろ向きのコントラバス奏者が描かれています。いくらオーケストラピット内だからといって、こんな楽器配置があるでしょうか 管楽器と弦楽器がごちゃ混ぜです。これでは指揮者が指示を出しにくいでしょう ドガは絵の構図上の都合から楽員の配置を並べ替えて描いたのでしょうか? あるいは、中心に描かれている演奏者がドガの馴染みの友人なのでしょうか? 絵画に詳しい人に是非お聞きしたいものです

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第241回演奏会を聴きました プログラムは①シュミット:歌劇「ノートルダム」より「間奏曲」と「謝肉祭の音楽」、②コルンゴルト「劇的序曲」、③シューベルト「交響曲第8番ハ長調”ザ・グレート”」です 指揮は大阪交響楽団常任指揮者の寺岡清高です

自席は1階N列13番、センターブロック左通路側です。会場はいつもの通り、8割以上は入っている感じがします

 

     

 

1曲目はフランツ・ シュミットの歌劇「ノートルダム」より「間奏曲」と「謝肉祭の音楽」です シュミット(1874年-1939)はマーラーが指揮者を務めるウィーン宮廷歌劇場でチェロ奏者を務めました 同時代の作曲家にラフマニノフ(1873-1943)、シェーンベルク(1874-1951)、ラヴェル(1875-1937)がいます。歌劇「ノートルダム」はヴィクトル・ユゴーの「ノートルダム・ド・パリ」を基に1904年から06年にかけて作曲した作品です

オケのメンバーが入場し配置に着きます。弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です

ウィーンに本拠をおく寺岡清高が登場し演奏に入ります。有名な「間奏曲」が最初に演奏されるのかと思っていたら、最初に謝肉祭の音楽が流れ、間奏曲を挟んで、また謝肉祭の音楽が演奏されるという形でした この曲はほとんど聴く機会がないので面喰いました ブルックナーに作曲を師事したというシュミットの歌劇「ノートルダム」とはいったいどんなものか、全体を通して聴いてみたいと思いました

2曲目は 一部にモーツアルトと同じ名前を持つエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)の「劇的序曲」です 「劇的序曲」は「劇的な序曲」ではなく「劇場の序曲」という意味らしいのですが、コルンゴルトが14歳の時に、ベルリン・フィルとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の常任指揮者を務めていたアルトゥール・二キシュの委嘱により作曲されました

初めて聴きましたが、どうしてどうして後のコルンゴルトのゴージャスなサウンドを先取りしたかのようなドラマティックな曲想で まさに「劇的序曲」です

コルンゴルトはユダヤ系だったため、ナチス・ドイツの台頭を受けて1934年にアメリカに渡り、映画音楽の作曲に力を入れます 1936年には「風雲児アドヴァース」、1938年には「ロビン・フッドの冒険」でアカデミー賞を受賞するなど、アメリカの映画音楽に大きな影響を与えました 彼の音楽は「スター・ウォーズ」の作曲者で有名なジョン・ウィリアムズにまで影響を及ぼしています

下の写真は、コルンゴルトがワーナー・ブラザースの映画のために書いた音楽を収録した2枚組CDです 「キャプテン・ブラッド」「風雲児アドヴァース」「ロビン・フッドの冒険」「シー・ウルフ」などの映画音楽が収録されています

 

     


     


休憩後のプログラム後半はフランツ・ペーター・シューベルト(1797-1828)の「交響曲第8番ハ長調」です この曲は「ザ・グレート」と呼ばれていますが、同じハ長調の交響曲第6番と区別するため「大きい方のハ長調」という意味を持っています この作品は、1838年1月にロベルト・シューマンがシューベルトの兄フェルディナンドの手許に保管されていた遺品の中から発見し、メンデルスゾーンがライプツィヒで初演したという話は有名です また この作品は かつて「第7番」とか「第9番」とか言われてきましたが、シューベルト没後150年の1978年の国際シューベルト協会による作品目録改訂版に基づくベーレンライター社の新全集版として2002年に「第8番」として出版され、それ以降「ザ・グレート」は「第8番」として定着しています

第1楽章「アンダンテ~アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

寺岡清高の指揮で演奏が開始されます。はっきり言って長いです 長さがグレートです 今回ほど長く感じたことはありません。シューベルト特有の同じメロディーの繰り返しに耳と頭がついて行けなくなります それと、特に弦楽器は人数が多いだけに音が団子状の塊りになって迫ってくる感じがします 冷静に考えてみると、この週は連日のコンサート&映画通いに加え、2回の飲み会があったことが原因となり 疲労を蓄積させ、集中力を減退させたということが想像できます 決して演奏が不満足だったわけではありません 

ということで、今日は休養日にして静かに過ごそうと思います

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N響C定期でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」「交響曲第4番」を聴く~90歳の名伯楽ブロムシュテットと今年で公開演奏から引退するマリア・ジョアン・ピレシュによる充実の演奏

2018年04月22日 07時48分04秒 | 日記

22日(日)。わが家に来てから今日で1298日目を迎え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、核実験と大陸間弾道ミサイル試射の中止、核実験場の廃棄を宣言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「核を廃棄する」とは明言してないな わが家の地雷はいつ撤去するんだろうか

 

         

 

昨日、NHKホールでNHK交響楽団第1883回定期演奏会(Cプロ)を聴きました 前日夜が読響定期公演と重なったためこの日に振り替えたものです。プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番ト長調」、②同「交響曲第4番変ロ長調」です ①のピアノ独奏はマリア・ジョアン・ピレシュ、指揮はヘルベルト・ブロムシュテットです

ピレシュは1944年7月、ポルトガルのリスボン生まれで、1960年にリスト・コンクールで優勝、1970年にブリュッセルで開かれたベートーヴェン生誕200年記念コンクールで優勝し国際的な注目を集めました N響定期への出演は3度目で、1992年にブロムシュテットとモーツアルトの「ピアノ協奏曲第17番」で共演して以来の登場とのことです 昨年10月、2018年限りで演奏旅行と公開演奏から退くことを発表しています

一方、ブロムシュテットは1927年にアメリカで生まれ、その後、両親の祖国スウェーデンに移住しました ストックホルム・フィル、オスロ・フィル、スウェーデン放送交響楽団、デンマーク放送交響楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の首席指揮者、北ドイツ放送交響楽団音楽監督などを歴任し、1998年からライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを務め、昨年7月に90歳の誕生日を迎えました

 

     

 

振り替え先の席は1階C15列1番、センターブロック左通路側です

オケのメンバーが配置に着きます。弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴォイラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは伊藤亮太郎です

1曲目はベートーヴェン(1770-1827)の「ピアノ協奏曲第4番ト長調」です それまでのピアノ協奏曲は、モーツアルトの同作品の多くに見られるように、主役のピアノがなかなか登場せず、長い序奏を経て女王のように登場する形が普通だったわけですが、この曲は冒頭からピアノ独奏で開始されます 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ブラウン系統のシックな衣装を身に着けた小柄なピレシュが 背の高いブロムシュテットとともに登場、ピアノに向かいます ステージには指揮台がありません。座って演奏するピレシュの目線と、背の高いブロムシュテットの目線とが離れすぎないようにという配慮でしょうか。ブロムシュテットはタクトを使用せず、両手で指揮をします

全体的に かなりゆったりしたテンポで音楽が進められました   ピレシュは一音一音を慈しむように丁寧に音を紡いでいきました 遅めのテンポはピレシュが求めたのでしょうか 彼女のピアノは高音がとても綺麗で一音一音が粒だっています ブロムシュテットはN響からどっしりしたドイツ的な音楽を引き出し、ピレシュを支えます

大きな拍手とブラボーに、ピレシュはベートーヴェンの「6つのバガテル」から「第5曲ト長調」を慈しむように演奏しました 「6つのバガテル」は、ベートーヴェンが作曲した最後のピアノ曲として知られています ピレシュから日本の聴衆への最後のメッセージだったのでしょうか   聴衆から温かい拍手が送られました

私はピレシュの演奏ではモーツアルトが好きです 下の写真は1974年1月~2月にイイノホールで収録されたモーツアルト「ピアノ・ソナタ全集1」のCDです 当時はマリア・ジョアオ・ピリスと表記されていました

 

     

 

下の写真は上のCDから15年後の1989年2月にハンブルグで収録されたモーツアルト「ピアノ・ソナタ全集1」のCDです

 

     

      

本題に戻ります。プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第4番変ロ長調」です この曲は1806年に作曲されましたが、この年には「弦楽四重奏曲第7、8,9番」や「ヴァイオリン協奏曲」などの傑作が次々と作曲されました  第1楽章「アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

ブロムシュテットの指揮で第1楽章が開始されます この楽章は第7交響曲と同じようにリズムが主体となっていますが、ブロムシュテットの音楽作りへの瑞々しい感性に驚きます これが90歳の人間の為せる業なのか 彼の両手から紡ぎ出される音楽は若者の音楽です。オーボエ、フルート、ファゴット、クラリネットといった木管楽器群が若者の音楽に花を添えます

演奏後、会場からはもちろんのこと、オケの面々からも大きな拍手を送られて嬉しそうな表情のブロムシュテットを見ると、長年培ってきたN響との絶対的な信頼関係が 自発的な素晴らしい演奏を可能にしているのだな、と思いました

N響の定期会員の平均年齢は相当高いと思われますが、ブロムシュテットは軽くそれを上回っています 90歳にして立ったまま矍鑠たる指揮ぶりを見せるブロムシュテットの姿を見て、多くの聴衆は敬意の念とともに大きな拍手を送らざるを得ないでしょう

ところで、私が初めてプロのオーケストラを聴いたのは、若杉弘指揮読売日響の「第九」(新宿厚生年金会館・1970年代)でしたが、海外のオケを初めて聴いたのはブロムシュテット指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団のR.シュトラウス「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」他(昭和女子大 人見記念講堂・1980年代)でした   当時は東ドイツのオケだったドレスデン国立歌劇場管弦楽団の いぶし銀のような独特な響きに魅せられて、その後 何年か 来日するたびに聴きに出かけました FM放送でブラームスやR.シュトラウスの曲が流れて来た時などは、「これはドレスデンの音だ」と当てることが出来るようになりました

ブロムシュテット指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団による演奏では、やはりモーツアルトが好きです 下の写真は1973~1976年にドレスデンで収録されたモーツアルト「ディヴェルティメントK.136、K.137、K.138」「オーボエ協奏曲」「アダージョとフーガ」のCDです

 

     

 

下の写真は1982年9月にドレスデンで収録されたモーツアルト「交響曲第38番K.504」「交響曲第39番K.543」のCDです

 

     

 

ブロムシュテット+ドレスデン国立歌劇場管弦楽団によるモーツアルトは最高です

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カンブルラン+読売日響でマーラー「交響曲第9番ニ長調」、アイヴズ「ニューイングランドの3つの場所」を聴く / 「フェスタサマーミューザ2018」のチケットを14枚取る

2018年04月21日 07時48分56秒 | 日記

21日(土)。19日の当ブログでモーツアルトの「ディヴェルティメントK.136」の第1楽章に関して「風」の詩を「うろ覚えですが」としてご紹介しましたが、当ブログの読者みなみさんが「子供の頃、母が歌っていました」として、詩の出典と正しい詩をコメント欄に投稿してくださいました

                 「風」

      クリスティーナ・ロセッティ作詞 西條八十訳 草川信作曲

            誰が風を見たでしょう

            僕もあなたも見やしない

            けれど木の葉をふるわせて

            風は通り抜けていく

 

とても美しい詩ですが、歌われているとは知りませんでした なお、詩を書いたロセッティは1830年にイギリスで生まれ1894年に死去した女性詩人とのことです。みなみさんにあらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました

ということで、わが家に来てから今日で1297日目を迎え、米タイム誌が19日、恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表、日本からは安倍晋三首相とソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏を選出したが、安倍首相はトランプ米政権の離脱後 11か国となったTPP11を日本主導でとりまとめたことなどが評価された というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      森友問題、加計問題、防衛省問題、財務省問題と影響力抜群の話題も提供したし

 

        

 

昨日、夕食に「牛肉のしぐれ煮」「生野菜とタコのサラダ」「小松菜のお浸し」を作りました 「牛肉~」のゴボウは いつも通り ピーラーで剥いたので 食べやすかったです

 

     

 

        

 

昨日は「フェスタサマーミューザ」のWEB先行発売開始日だったので朝10時にWEBサイトにアクセスして、14公演のチケットを押さえました

参加オーケストラは公演順に 東響、新日本フィル、東京フィル、東京シティ・フィル、読売日響、神奈川フィル、N響、都響、日本フィル、東京ニュー・シティ菅の10団体で、東響がオープニングとフィナーレの2回演奏します このほか、洗足学園音楽大学、昭和音楽大学、鈴木雅明パイプオルガン・リサイタル、サマーナイト・ジャズの4公演があり、全15公演です

7月22日(日)に東響のオペラシティ・シリーズ公演があり、「フェスタ~」の新日本フィルとダブってしまうので、オーケストラ・セット券(11公演)を取るか、新日本フィルを除く10公演を1枚ずつ取るか迷いましたが、セット券(S席)は11公演で38,250円と1枚1枚買うよりも12,750円も安くなるので、取りあえずセット券を買って、22日の公演のどちらを聴くかは後で考えることにしました

 

     

 

上記のほかに取ったのは7月27日(金)の洗足学園音楽大学、8月8日(水)の昭和音楽大学、同11日(土・祝)の鈴木雅明パイプオルガン・リサイタルの3公演です オーケストラは 公演によっては公開リハーサル、プレトーク、ミニコンサート等があるので、それらも聴こうと思っています 「フェスタ~」のお陰で 今年の夏もコンサート三昧になりそうです

 

     

 

        

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第577回定期演奏会を聴きました   プログラムは①アイヴズ「ニューイングランドの3つの場所」、②マーラー「交響曲第9番ニ長調」です   指揮は常任指揮者のシルヴァン・カンブルランです

 

     

 

新シーズンを迎え、2階席左ブロックから1階席左ブロックのセンター寄りに移りました カンブルラン常任最終シーズンの第1回目ということでか、マーラーの第9番が演奏されることでか、会場は9割以上埋まっている感じがします。よく入りました

オケのメンバーが配置に着きます。弦楽器は左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対向配置をとります 対向配置はヴィオラとチェロの位置が逆のケースが多いのですが、カンブルラン・シフトとでも言うべき編成です コンマスは小森谷巧、隣には長原幸太が控え、万全の態勢をとります

1曲目はチャールズ・アイヴズ(1860-1954)の「ニューイングランドの3つの場所」です この曲は1908年から1923年までの間に作曲され、1930年2月にニューヨークで初演されました 第1曲「ボストン・コモンのセント=ゴードンズ」、第2曲「コネティカット州レディングのパトナム将軍の兵営」、第3曲「ストックブリッジのフーサトニック川」の3つの曲から成ります

カンブルランが指揮台に上がり第1曲の演奏に入りますが、終始 神秘的な雰囲気を湛えた曲でした 第2曲は一転、賑やかなお祭り騒ぎの曲で、複数の旋律が同時進行する面白い曲でした 第3曲は3曲の中で最もロマンティックな曲想で美しい旋律が心に残りました

 

     

 

休憩後はグスタフ・マーラー(1860-1911)の「交響曲第9番ニ長調」です この曲は1909年から翌10年にかけて作曲され、マーラーの死後1912年6月にウィーンで初演されました 第1楽章「アンダンテ・コモド」、第2楽章「ゆったりとしたレントラー風のテンポで。いくぶん不器用に、かつとても粗野に」、第3楽章「ロンド:ブルレスケ」、第4楽章「アダージョ」の4楽章から成ります 

今回の演奏を聴いて感じたのは、弦楽器、管楽器、打楽器を問わず、カンブルラン最終シーズンを意識したかのような並々ならぬ集中力を見せたということです 特に素晴らしいと思ったのは管楽器ではホルン首席の松坂隼、フルート首席のフリスト・ドブ二ノヴ、そしてオーボエ首席の蠣崎耕三です また、弦楽器群の厚みのある演奏は特筆に値します

第4楽章「アダージョ」冒頭の弦楽器による渾身の演奏を聴いていたら、第1楽章から第3楽章まではこの「アダージョ」を導くまでの前奏に過ぎないのではないか、とさえ思いました 特に終結部の静謐な音楽は、マーラーがこの世に別れを告げているかのようです

カンブルランのタクトが下ろされると、会場いっぱいの拍手とブラボーの嵐が待っていました オケが解散した後も拍手が鳴りやまず、カンブルラン一人がステージに現われ 聴衆の熱狂に応えていました。素晴らしい演奏でした

 

     

 

コンサートに先立って、ロビーの特設デスクで新シーズン会員特典CDをいただきました CDは2種類ありますが、私の場合は定期公演と読響アンサンブルの2つの会員なので引換券が2枚あります。当然のごとく1枚ずついただきました

1枚はカンブルラン指揮による演奏で①ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命”」、②デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」、③オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲が収録されています ①が2018年1月9日、サントリーホールでのライブ録音、②③が2018年1月7日、東京芸術劇場でのライブ録音です

 

     

 

もう1枚は、コルネリウス・マイスター指揮による演奏で①ベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調”田園”」、②スッペ:喜歌劇「詩人と農夫」序曲が収録されています いずれも2017年9月17日、東京芸術劇場でのライブ録音です

 

     

 

いずれも、折を見てゆっくり聴いてみようと思います   今日は暑くなりそうですが、昨日の振り替えでN響(C定期)を聴きに行きます

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