人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アニエス・ヴァルダ監督「ラ・ポワント・クールト」&「アニエスによるヴァルダ」を観る ~ ヴァルダ監督の最初と最後の作品:新文芸坐

2020年10月31日 07時19分02秒 | 日記

31日(土)。月日の流れは早いもので今日で10月も終わり、今年も残すところ61日になってしまいました

35年以上も愛用してきた総革製の小型ショルダーバッグが壊れてしまいました 信号待ちをしている時に、いきなりショルダーストラップが根元から切れてしまったのです 以前からもう少しで切れそうという予感があったのですが、とうとう重荷に耐えかねて切れました 写真のように所どころ皮が破れていて、内側は汚れがこびりついている状態です しかし愛着があるし 直せばまだ使えると思い、30数年前にバッグを買った神保町の鞄専門店Mで修理してもらうことにしました ところが、長い年月の間にMは店じまいをしてしまったらしく、どこにもありませんでした 次に近所にあるリフォーム店Kに行って相談したのですが、衣服関係のリフォームのみでバッグの修理は扱っていないとのことでした 仕方ないので、気に入ったバッグが見つかるまで、しばらくは書店でもらった布製のトートバッグを使うことにしました

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2221日目を迎え、欧州で拡大している新型コロナウイルスについて、今年の夏のバカンスの人の移動が一因となった可能性があることが分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     大勢が一斉に移動するんだから感染は当たり前だ  おい 君たち離れてくれ! 3密だ

 

         

 

昨日の夕食は「牛タン塩焼きとハラミ焼肉」と「生野菜サラダ」にしました お酒はやっぱり赤ワインです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「ラ・ポワント・クールト」と「アニエスによるヴァルダ」の2本立てを観ました

「ラ・ポワント・クールト」はアニエス・ヴァルダ監督による1955年製作フランス映画(モノクロ・80分)です この映画はヴァルダ監督による長編劇映画デビュー作で、ゴダールやトリュフォーに先がけて撮った、ヌーベルヴァーグの先駆的な存在となった作品です

南フランスの小さな漁村ラ・ポワント・クールトを舞台に、生まれ故郷に戻ってきた夫(フィリップ・ノワレ)と、パリから彼を追ってきた妻(シルビア・モンフォール)の、終止符を打とうとしている一組の夫婦の対話と、村人たちの日常を描いています

当時の映画はスタジオでセットを組んで撮影するスタイルが常識でしたが、ヴァルダのこの作品は全編屋外で撮影され、当時としては画期的な手法でした この作品以降、1950年代後半にフランス映画における映画運動「ヌーベルヴァ―グ(新しい波)」が始まります これは撮影所などでの下積み経験なしでデビューした若手監督による、従来の映画制作手法に囚われない新しい映画を作ろうとした運動です

 

     

 

「ポワント・クールト」は直訳すると「短い岬」ですが、フランス南部の地中海に面した漁村の名前です ここは ヴァルダ監督が第2次世界大戦中に家族で疎開していた思い出の場所です

この映画を観て思ったのは、現代のフランス映画を観るたびに、登場人物が哲学的な会話を繰り広げるシーンが多いのは、ヴァルダのこの作品の影響があるのではないか、ということです 愛について語る夫婦の会話は理屈っぽく、言葉だけの愛を描いているように感じます その反面、地元の漁民やその家族の会話は普段の言葉遣いで生活感に溢れ、その対照が鮮やかです    また、猫好きのヴァルダらしく、あらゆるシーンに猫が登場し助演動物賞を狙っています

この映画では、木管楽器(クラリネットとバス―ンか?)によりストラヴィンスキー風の諧謔的な音楽が流れますが、後まで耳に残ります ヴァルダはこの音楽とともに少女時代の思い出の地ラ・ポワント・クールトを映像に残しておきたかったのかもしれない、と思いました

 

         

 

「アニエスによるヴァルダ」はアニエス・ヴァルダ監督による2019年製作フランス映画(119分)で、1955年製作のデビュー作「ラ・ポワント・クールト」から、前作「顔たち、ところどころ」まで、バルダ監督が自身の半世紀以上にわたる創作活動を熱意とユーモアをもって語ったセルフポートレートです

 

     

 

ヴァルダは劇場や浜辺や自身の作品のゆかりの地で、作品にまつわるゲストを交えて自分の作品の解説をしていきます

まず最初に、ヴァルダは映画製作について3つの要素を語ります 「ひらめき」「創作」「共有」です 「ひらめき」は創造的欲求を刺激する出来事やアイディアです 「創作」はアイディアを具体的な形にするための手段や描き方です そして「共有」は作品を観てくれる人や観客に伝えることです

この映画を観て一番強く感じるのは、ヴァルダの飽くこのない好奇心と映画製作への情熱です 元々写真家から出発したヴァルダは、最初はフィクションを、次にドキュメンタリーを、そしてデジタルカメラが出現するとビジュアル・アーティストとして 何にでも興味をもってカメラを向けます    それらは「ひらめき」から出発し「創作」を経て人々に「共有」されていきます

アニエス・ヴァルダはこの作品を最後に 2019年3月、90歳で「生涯現役」の人生の幕を閉じました 遺された数々の作品は これからも世界中の人々に観られ、名作として語り継がれていくことでしょう

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アニエス・ヴァルダ監督「ジャック・ドゥミの少年期」を観る ~ バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」も流れる:新文芸坐 / 扇子で感染症対策 ~ 芸者さんが講師

2020年10月30日 07時22分55秒 | 日記

30日(金)。昨日の朝日朝刊「東京」面に「赤坂芸者が講師 扇子で感染対策」という記事が載っていました 超訳すると、

「港区などは28日、港区立伝統文化交流会館で、日本の伝統文化に触れながら新型コロナウイルス対策を進める啓発イベントを開いた 赤坂芸者が講師になり、食事などマスクを外した際の感染対策の一つとして扇子を紹介した 参加者約30人は、話したり笑ったりする時に扇子で口元を隠す様子など、扇子を用いて美しく見える所作を学んだ

たしかに、扇子は普段は折りたたんでおいて、話すときや笑うときにパッと開いて飛沫を飛ばさないようすることができます きわめてセンスが良いと思います ←これ「センス」じゃなく「ウチワ」だろうって? そうですけど、ウチワもめはやめましょうね

ということで、わが家に来てから今日で2220日目を迎え、米東部ペンシルベニア州の最大都市フィラデルフィアで、刃物を持った黒人男性が警官に射殺される事件があり、抗議デモが広がった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どうして米国の警官は 相手の足を狙わず いきなり射殺するのか  警官教育が原因?

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「キャベツとシイタケの中華スープ」を作りました 鶏もも肉は後半 特製ソース(日本酒、砂糖、醤油、オイスターソース、トマトケチャップ)を絡めながら焼きますが、焦げやすいので 弱火で時間をかけて焼きました   とても柔らかくて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐でアニエス・ヴァルダ監督による1991年製作フランス映画「ジャック・ドゥミの少年期」(120分)を観ました

この映画は「シェルブールの雨傘」など数多くの名作を生んだジャック・ドゥミ監督の少年時代を、ドゥミの妻アニエス・ヴァルダが映画化した作品です ドゥミの創造の源となった少年時代の映画愛に満ち溢れた日々の思い出を優しい眼差しで描いています

フランス西部の港町ナントで暮らす8歳の少年ジャコは自動車修理工場を営む父と髪結いの母の下で幸せに過ごしていた ある日、ジャコは友人から映写機を借りたことをキッカケに、映画作りに熱中になっていく

 

    

 

この映画は、少年期のジャックの物語を語る時は基本的にモノクロで描き、その間に挿入するドゥミ監督の映画作品はオリジナルのカラーで描いています 「シェルブールの雨傘」「王女とロバ」「ロシュフォールの恋人たち」「ローラ」をはじめドゥミの代表作の片鱗が垣間見られるのもこの映画の魅力です

ドゥミは幼少時代に人形劇に夢中になり、それが映画製作への原動力になっていったことがよく分かります 彼はクラシック音楽に傾倒した時期があるようで、少年時代のエピソードで、ショパンの曲をサックスで吹いているのを聴いて、「ショパンが台無しだ」と嘆くシーンがあります ピアノのための曲はピアノで聴きたいというドゥミの意識が働いていると思われます また、劇中ではヴィヴァルディの「四季」から「春」が流れたり、劇中とエンドロールではJ.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びを」(教会カンタータ「心と口と行いと」BWV147の第10曲=終曲)が穏やかに流れます この辺の選曲は夫婦で話し合って決めたのかもしれません

ジャックは父親から「お金にならない映画製作などにうつつを抜かしていないで、職業訓練校に行きなさい」と言われ、仕方なく訓練校通いますが、趣味で映写機による映画製作を続けます そして、ある人に才能を認められ 映画製作専門学校に通うことを許されます そこからジャック・ドゥミの才能が開花することになります この映画は、本当にやりたいことを続けていれば、いつか誰かが認めてくれて道が開けるものだ、ということを教えてくれます

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新日本フィル「室内楽シリーズ第136回」 ~ 重松希巳江 ✕ 佐久間大作 ✕ 石橋衣里でベートーヴェン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲」他を聴く

2020年10月29日 07時27分07秒 | 日記

29日(木)。わが家に来てから今日で2219日目を迎え、無為作為抽出した約4500世帯を対象とし、約2800世帯から回答のあった厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、喫煙者の割合は全体で16.7%、男女別では男性27.1%、女性7.6%で減少傾向にあるが、対策が進む受動喫煙の機会に関しては、飲食店が29.6%で前年の36.9%からさらに減った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     飲食店の3割弱というのはまだ喫煙率が高い  ご主人様は二十歳でタバコを止めたよ

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラこんにゃく」と「生野菜サラダ」を作りました 料理中に包丁で左人差し指を切りました。油断していました 皆さん包丁には気をつけましょうね

 

     

 

         

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ第136回 拝啓、ベートーヴェン様・・・佐久間大作プロデュース編」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための演奏会用小品 第2番 ニ短調 作品114」、②グリンカ「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲 ニ短調 ”悲愴”」、③ベートーヴェン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲 変ホ長調 作品38」です 演奏はクラリネット=重松希巳江、ファゴット=佐久間大作 、ピアノ=石橋衣里です

重松希巳江は2004年入団、首席クラリネット奏者。佐久間大作は1997年入団、ファゴット奏者。ピアノの石橋衣里は昭和音大卒、同大の伴奏・ピアノ科講師を務めています

自席は7列15番、右から2つ目です 会場は市松模様を埋めて、後から追加販売したような配置です。つまり半数以上は埋まっている状況です 私が最後に聴いた室内楽シリーズは3分の1くらいしか埋まっていなかったことを考えると、コロナ禍のもと大健闘の客入りです

開演にあたり本公演のプロデューサー佐久間大作氏によるプレトークがありました 佐久間氏は最初に「今朝のドイツのケルン・フィルのフェイスブックによると、同フィルは11月末まで演奏会を中止する、と書かれていた そうした中、(日本では)このように多くの聴衆を前に演奏ができるのは幸せなことだと思う」という趣旨のあいさつをし、この日のプログラムについて解説を加えました。トークの天才・篠原英和氏の域にはとても達しませんが、彼なりに面白く話をされました

7時15分にプレトークが終わったので、ロビーに出たら、だれも出てきません おかしいなと思っていると、開演の予鈴が鳴ったので慌てて席に戻りました。私はてっきり、7時半まで休憩で7時半から本番が始まると思い込んでいたのです 読響アンサンブルがまさに7時プレトーク開始、7時半開演になっているので、それと同じだと勘違いしていたのです 周囲の人は演奏が始まるのに外に出て行くなんて おかしな奴だと思ったと思いますが、その通り、不審者です

 

     

 

1曲目はメンデルスゾーン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための演奏会用小品 第2番 ニ短調 作品114」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が、クラリネットとバセットホルン(クラリネット属の楽器)のために書いた作品です 第1楽章「プレスト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」の3楽章から成ります。佐久間氏のプレトークによると、メンデルスゾーンはこの曲についてメモを残しているが、それによると、第1楽章は「カードゲームをやって、すっかり巻き上げるという喧噪の様子」が描かれ、第2楽章は「それが尾を引いて、負けた方のはらわたが煮えくり返るような気持ち」が描かれ、第3楽章は「ロシアの焼肉店の寒々した様子」が描かれている(ちょっと違うかも)とのことでした

佐久間とともに 重松が青緑の衣装で、石橋が黒の衣装で登場し、さっそく演奏に入ります

佐久間氏の解説を聴いていたので、演奏を聴きながら頭の中でストーリーを思い描いていましたが、そう言えばそのように聴こえました そういう意味ではプレトークは演奏を聴く上で参考になります。初めて聴く曲であればなおさらです

2曲目はグリンカ「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲 ニ短調 ”悲愴”」です この曲はミハイル・イヴァノヴィチ・グリンカ(1804-1857)が1828~1833年に滞在していたイタリア・ミラノで作曲されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ:ヴィヴァ―チッシモ」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・コン・スピリト」の4楽章から成ります 佐久間氏のプレトークによると、グリンカは人妻を恋した苦しみをこの曲に込めたとのことです

3人の演奏で聴く限り、極めてメンデルスゾーンの曲想に近いと感じます グリンカと言うと、ロシア音楽を思い浮かべますが、若い頃はメンデルスゾーンやベルリオーズなどと交流があり、彼らの影響を受けたようです ドイツ・ロマン派という言葉を思い浮かべます

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「ピアノ、クラリネット、ファゴットのための三重奏曲 変ホ長調 作品38」です この曲は元々ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が「七重奏曲」として作曲した作品の編曲バージョンです しかも正式な編曲は「ピアノ、クラリネット、チェロ」のために編曲された作品ですが、本公演ではチェロに代えてファゴットが加わります。第1楽章「アダージョ~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・カンタービレ」、第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」、第4楽章「テーマ・コン・バリアチオー二:アンダンテ」、第5楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第6楽章「アンダンテ・コン・モート」の6楽章から成ります

佐久間氏のプレトークによると、CDも放送もない時代に、曲を知ってもらうためには演奏を聴いてもらうしかないが、「七重奏曲」だと7人の奏者が必要だが、三重奏曲に編曲すれば3人だけで各地を”巡業”し曲をPRできるので、三重奏バージョンを作ったと解説していました

作曲者本人の編曲とは言え、元々7つの楽器で演奏しなければならない作品を3つの楽器で同じような効果を出さなければならない、という過酷な条件の中で、ピアノが主に第一ヴァイオリンの役割を果たし、それに乗る形で、クラリネットとファゴットがソロで活躍するという形をとりますが、まず石橋衣里のピアノが安定して 良い演奏をしています 第2楽章ではクラリネットとファゴットがそれぞれよく歌っていました 第3楽章と第4楽章では、ピアノに乗せてクラリネットとファゴットの会話が楽しく聴けました 第5楽章では独奏ファゴットが良く歌っていました 第6楽章は終盤で本来 独奏ヴァイオリンが弾くカデンツァをピアノが奏でましたが、聴きごたえのある力強い演奏でした この楽章は全体的に理屈抜きで楽しい演奏で、いつしか3つの楽器で演奏されていることを忘れるほどでした   この曲を聴きながら、かなり前にこのシリーズで同曲を取り上げた時の、第1ヴァイオリンの山田さんとクラリネットの重松さんの”音楽による対話”を思い出しました

3人は満場の拍手に応え、ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 ”街の歌” 作品11」より第2楽章「アダージョ」をチェロの代わりにファゴットを入れた編曲版で演奏、満場の喝采を浴びました 久しぶりに聴いた「室内楽シリーズ」は公演後のワンコインパーティーがコロナ禍の影響でないのが残念でしたが、かつての淋しい状況を脱し、活況を呈しているようで良かったと思いました

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コロナ禍で読書が増加 ~ 日本財団の調査から / ロマン・ポランスキー監督「ローズマリーの赤ちゃん」を観る ~ 自分以外のだれも信じられなくなっていく妊婦の恐怖心:早稲田松竹

2020年10月28日 07時13分23秒 | 日記

28日(水)。一昨日、町田でピアノを教えているSさんから、「お話ししたいことがあるので お会いしたい」と電話があったので、昨日 巣鴨駅アトレ5階の「Oキッチン」でランチしました お話とはK氏が亡くなられたという悲しい知らせでした K氏は8月29日に秋葉原で熱中症で倒れT大病院に運ばれたものの、無理してその日のうちに退院し自力で自宅アパートに戻り、翌30日に弟さんがアパートを訪問した時に死亡を確認したとのことでした K氏はM音大を卒業後、音楽之友社で「週刊FM」の編集に携わり、その後脱サラし、巣鴨の私の家の近くでラーメン屋Eを営みましたが、白山通りの道路拡張のため立ち退きとなり、立退料をもとに大塚駅近くでLという隠れ家的なバーを営んでいました 2軒のお店には、タンノイのスピーカーとクラシックCDが揃っていたのでよく飲みに通いました K氏の人柄から様々な職業の常連客が出入りしていました。Eでは立川志の輔師匠や故・柳家喜多八師匠などとご一緒したこともあります K氏はパソコンに関する知識が豊富な人で、2008年11月22日(土)にLを畳んでからはパソコン関係の仕事で秋葉原通いを続けていたようですが、私は ずっとご無沙汰していました SさんはK氏のM音大の後輩ですが、ピアノ演奏についてK氏からアドヴァイスを受けていました    かつてSさんがJR吉祥寺駅の地下広場で開かれていた「ロンロン・コンサート」で霧丘朱代のステージネームでピアノを演奏していた時は、彼女のマネージャーのような役割を果たし、いつも彼女を励まし 適切なアドヴァイスを与えていました 今回はあまりにも急なことだったので、私も「本当ですか」と聞き返したほどビックリしましたが、心身ともに支えとなっていたK氏を失ったSさんの悲しみは計り知れないものがあるでしょう 四十九日も過ぎた今、Sさんは時々涙を浮かべ、言葉に詰まりながらK氏への感謝の思いを話されていました 2時間くらい経ったところで、Oキッチンから Sカフェに移って話を続けました。私は音大を出たわけでもない単なるクラシック音楽好きに過ぎず、何のアドヴァイスもできないので 聞き役に徹しましたが、少しでも気分が和らいでくれたら嬉しいと思いました

あらためて ヨーゼフ・ホフマンとシューラ・チェルカスキーが大好きだったKさんのご冥福をお祈りいたします

Sさんには出来る限り早く立ち直り、自立心とともに新生霧丘朱代として再出発してほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2218日目を迎え、東京地裁は27日、昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)の罪に問われた参院議員、河井安里被告の保釈を認める決定をしたが、安里議員側は保釈保証金1200万円を現金で即日納付した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     1200万円が議員報酬=歳費から出ているとすれば 元は国民の税金だ 許せないな!

 

         

 

昨日の夕食は「海鮮鍋」にしました 材料は、タラ、牡蠣、イカ、アサリ、ホタテ貝柱、エビ、白菜、エノキダケ、シイタケ、豆腐です 寒い夜は鍋ですね。あったまりました

 

     

 

     

         

 

昨日の日経朝刊に「読書『増加』24% コロナが影響 日本財団、17~19歳調査」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「27日からの『読書週間』に合わせ、日本財団が全国の17~19歳の男女計1000人に実施した調査で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などで、24.9%が読書量が増えたと答えたことが分かった 調査結果によると、読書が『好き』と答えたのは59.7%で『嫌い』は12.8%だった。好きと答えた人ほど、コロナの影響で読書量が増えたと回答していた

日本財団がなぜ17~19歳に絞って調査をしたのか不明ですが、年齢を問わず上記の回答と同じような傾向が見られるのではないかと推測します

私は年間目標を①クラシックコンサート鑑賞=200回、②映画鑑賞=160本、③読書=65冊としていますが、本日(10月28日)時点の実績は①76回、②166本、③62冊となっており、例年と比べて①が相次ぐ中止で大幅に落ち込み、その分②と③の目標達成ペースが速まっています とくに3月~5月の3か月間は、コンサートにも映画にも行けなかったので、残された「目標」は読書しかありませんでした この間に集中的に本を読んだことは間違いありません。コロナ禍が原因で読書をする人が増えているのであれば、コロナも悪い面ばかりではないな、と思います ものは考えようです

 

         

 

一昨日、早稲田松竹でロマン・ポランスキー監督による1968年製作映画「ローズマリーの赤ちゃん」(136分)を観ました

売れない俳優ガイ(ジョン・カサベテス)と妻ローズマリー(ミア・ファロ―)は、マンハッタンの古いが広くて格安のアパートに引っ越してくる そのアパートは以前から不吉な噂がささやかれていたが、若い2人は気に留めることもない ガイは隣家のカスタベット夫妻を気に入り家族ぐるみで付き合うことになる。ある日、隣人の老夫婦の養女が不可解な飛び降り自殺を遂げる その後、カスタベット夫婦はローズマリーに、養女が生前に身に着けていたペンダントを贈る やがてローズマリーは奇妙な悪夢とともに妊娠したが、カスタベット夫妻の勧めるとおりに行動をする しかし、ローズマリーは次第に、身ごもった子どもが周囲の人々に狙われているという意識が強くなり情緒不安定に陥っていく

 

     

 

【以下、ネタバレ注意】

この映画は、ポーランド出身のロマン・ポランスキーがアイラ・レビンの同名小説を映画化したオカルトホラーの先駆的作品です

ローズマリーがどんどん追い詰められていき、誰も信じられなくなっていくミステリータッチのストーリー展開は見事です

結局、隣家のカスタベット夫妻をはじめとするアパートの住人たちや、婦人科医などもすべて悪魔崇拝者のカルト教団の信者だったのです 夫のガイは 自分の出世(悪魔の仕業により主役の俳優が怪我をし、ガイに代役が回ってくる)と引き換えに、悪魔にローズマリーをレイプさせ悪魔の子を産ませることに同意していたのです ローズマリーは、赤ん坊の目を見て人間の子ではないと知り怒り狂いますが、赤ん坊を見ているうちに穏やかな顔になっていき 幕を閉じます

ラストのローズマリーの笑顔のアップは、母親として悪魔の赤ん坊を育てていこうと決心したことを暗示しています この笑顔が一番怖いと思いました

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アンジェイ・ズラウスキー監督「ポゼッション」を観る ~ イザベル・アジャー二の狂気迫る演技がすべて:早稲田松竹

2020年10月27日 07時14分08秒 | 日記

27日(火)。わが家に来てから今日で2217日目を迎え、米国では23日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新し、ペンス副大統領の周辺で5人の感染が判明した中で、メドウズ米大統領首席補佐官は25日、CNNとのインタビューで「新型コロナウイルスを制御することはしない」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     大統領が無能なトランプゆえに 首席補佐官も酒席補佐官の如く酩酊ぶりを発揮する

 

         

 

昨日、早稲田松竹でアンジェイ・ズラウスキー監督による1981年製作フランス・西ドイツ合作映画「ポゼッション」(124分・HDリマスター版)を観ました

西ドイツのベルリン郊外。単身赴任を終え妻子の待つ自宅に帰ったマルク(サム・二―ル)は、妻アンナ(イザベル・アジャー二)の態度がどこかよそよそしいことに気づく アンナの友人マージからある男の存在を聞いたマルクは妻を責めるが、彼女は浮気を認めるどころか夫を完全に拒絶するようになる ある日、息子ボブを学校へ送ったマルクは、そこでアンナと瓜二つの教師ヘレン(イザベル・アジャー二)と出会う やがてマルクは妻の浮気相手ハインリッヒと顔を合わせるが、彼もアンナの全てを知っているわけではなかった マルクは新たに浮上した”第3の男”について調べるべく、私立探偵にアンナの尾行を依頼する 探偵はアンナの住むアパートに管理人だと偽って入室するが、そこで得体のしれない異生物と遭遇したあと姿を消す やがてマルクも彼女のアパートに行き、アンナが異生物と交わるところを目撃する その後、アンナは「やっと完成したの」と言ってマルクそっくりの人物を紹介する

 

     

 

この映画はホラーであり、ミステリーであり、オカルトでもある不条理ドラマです 「POSSESSION」とは「所有」とか「所有物」とかいう意味ですが、この映画では「(何かに)取りつかれること」を意味しているようです 異生物に取りつかれたアンナは自分の意志では生きられず、身体の中の「善人」と「悪人」の闘いで「悪人」が勝ち、アンナを破滅に導いていきます

この映画は、アンナを演じたイザベル・アジャー二の迫真の演技がすべてと言っても過言ではないほど衝撃的です 地下鉄の通路を狂ったように大声で叫びながらのたうち回る姿は、悪魔が乗っ取り 所有物となったアンナそのもので、もはや人間ではないとさえ感じます 「演技を超えた演技」と言えるでしょう アンナと瓜二つのヘレンを演じるイザベル・アジャー二とは全く正反対の姿です しかも、そのヘレンだって本当の正体は何かは分からないところが怖いです

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原田慶太楼 ✕ 横山幸雄 ✕ 大谷康子 ✕ オーケストラ・アンサンブル金沢でメンデルスゾーン「イタリア」、ショパン「ピアノ協奏曲第2番」、ヴィヴァルディ「四季」から他を聴く

2020年10月26日 07時17分37秒 | 日記

26日(月)。わが家に来てから今日で2216日目を迎え、ワシントン・ポスト紙の集計によると、トランプ大統領は就任以来2万回以上の「虚偽や誤解を招く発言・発信」をしたが、ニューヨーク市立大学のエリック・オルターマン教授は、「過去の大統領のウソには理由があった。しかし、トランプ氏の場合は理由が不明なものが多い。真実とウソの境界が認識されていないかもしれない」と語った  という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの場合は嘘でない発言を数えた方が早い  俺は嘘つき と言えば皆が信じる

 

         

 

昨日、文京シビックホールで「オーケストラ・アンサンブル金沢」のコンサートを聴きました   プログラムは①ヴィヴァルディ「四季」より「春」「冬」、②メンデルスゾーン「交響曲 第4番 イ長調 作品90 ”イタリア”」、③同:劇付随音楽「夏の夜の夢」より「スケルツォ」、④ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=大谷康子、④のピアノ独奏=横山幸雄、管弦楽=オーケストラ・アンサンブル金沢、指揮=原田慶太楼です

「オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)」は1988年、岩城宏之が創設音楽監督を務め、多くの外国人を含む40名からなる日本初のプロの室内オーケストラとして石川県と金沢市によって設立されました

原田慶太楼は1885年 東京生まれの35歳。2020年シーズンからアメリカ・ジョージア州サヴァンナ・フィルの音楽・芸術監督に就任、2021年4月から東京交響楽団正指揮者に就任することが決まっている俊英です

 

     

 

1曲目はヴィヴァルディ「四季」より「春」「冬」です この曲はアントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)が1725年に出版した「ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』」全12曲の中の第1集の第1番「春」と第4番「冬」に当たります

オケはヴィヴァルディということで4型の小規模編成で、左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリンという対向配置をとり、中央奥にはチェンバロが控えます。対向配置の場合、ヴィオラとチェロの位置が逆になるケースが多いですが、原田氏のこだわりがあるのでしょう コンミスは京都市交響楽団の特別客員コンマスを務める会田莉凡が客演します ヴィオラ首席の位置には新日本フィル首席の篠崎友美がスタンバイします

原田氏と共に今年デビュー45周年を迎える大谷康子がブルーと白を基調とするエレガントな衣装で登場、さっそく演奏に入ります とにかくヴァイオリンの音色が美しい 彼女はストラディヴァリウスとグァルネリの両方を所有しているとのことですが、この日はどちらで弾いたのだろうか? この曲では特に「春」における大谷康子と会田莉凡の掛け合いが素晴らしく、春の浮き浮きする気分を醸し出していました 「冬」の「ラルゴ」では大谷の演歌的なこぶし回しが聴けました

2曲目はメンデルスゾーン「交響曲 第4番 イ長調 作品90 ”イタリア”」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が1830年にイタリアを訪問したときの印象をもとに、1831年から33年にかけて作曲、1833年にロンドンで初演されました その後改訂を加えたため出版されたのが没後の1851年となったことから、第2番「賛歌」、第3番「スコットランド」よりも前の作品ながら第4番となりました 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ~ピゥ・アニマート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「コン・モート・モデラート」、第4楽章「サルタレッロ:プレスト」の4楽章から成ります

弦は6型に拡大し、管・打楽器が加わります 原田の指揮で第1楽章に入りますが、終始 快速テンポで進みます クラリネット、フルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器群の演奏が素晴らしく、それに弦楽器がからんで、イタリアの底抜けに明るい空を思い浮かべるような爽やかな気分になります 第2楽章でも管楽器のアンサンブルが素晴らしい 第3楽章では弦楽器のアンサンブルが美しく響きます 第4楽章に入ると、再び快速テンポで進み、オケの面々は原田の躍動感あふれる指揮に呼応するように渾身の演奏を展開します まさにメンデルスゾーンが現代に息づいていると感じました 少数精鋭のプロ集団による文句なしの素晴らしい演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はメンデルスゾーン:劇付随音楽「夏の夜の夢」より「スケルツォ」です この曲はメンデルスゾーンが1842年に作曲したシェイクスピアの劇のための作品の第2曲(前奏曲の次)に当たります 木管楽器を中心にメンデルスゾーン特有の、妖精が飛び回るような音楽が展開します ここではフルートが大活躍しました

ピアノがセンターに移動し、最後の曲 ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」の演奏に備えます この曲はフレデリック・ショパン(1810-1849)が1829年から翌30年にかけて作曲、1830年にワルシャワで初演されました 第1番ホ短調の協奏曲より先に作曲されましたが、遅れて出版されたため第2番と呼ばれています 第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

かなり大柄の横山幸雄氏がピアノに向かい、原田の指揮で第1楽章に入ります 横山のピアノは鮮やかと言うしか言いようがありません 実に軽々と美しいメロディーを紡いでいきます 原田が快速テンポでサポートします ソリストの良さが一番発揮されていたのは第2楽章「ラルゲット」でした 研ぎ澄まされた煌めく高音が美しい それを弦楽器群がそっと寄り添い支えます リリシズムの極致を行く演奏でした 間断なく入った第3楽章ではマズルカ風の音楽がテンポよく奏でられました

満場の拍手に、横山はショパンの「ノクターン 第2番 変ホ長調 作品9-2」をロマンティシズムたっぷりに演奏、再び喝采を浴びました

原田が「もう1曲」と煽ると、横山は再びピアノに向かい ゆったりしたメロディーを弾き始めました どこかで聴いたことがあるような・・・と思っていると、舞台の下手から大谷康子がヴァイオリンを弾きながら登場しました アンコール曲としてお馴染みのモンティ「チャルダーシュ」です 大谷は横山のピアノと原田指揮OEKの演奏をバックに、ヴァイオリンを弾きながらピアノの周りを一周し 大団円を迎えました   「新型コロナウイルス感染症予防のため 大きな声での声援はお控えください」の事前アナウンスがなければ、ブラボーが飛び交っていたのは間違いないでしょう これを聴きながら、「大谷康子も 横山幸雄も 原田慶太楼も 演歌テナー、もとい、エンターテナーだな」と思いました

こんなに素晴らしいコンサートを市松模様で聴くなんてもったいないと思います

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10月25日はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」初演の日です ~ 1875年10月25日、ボストンで

2020年10月25日 07時23分19秒 | 日記

25日(日)。昨日は午前11時から「ポゼッション」と「ローズマリーの赤ちゃん」の2本立てを観る予定で、開演30分前に着くように早稲田松竹に行ったのですが、何と私の前の人までで満席になってしまいました 同館は小規模な映画館のため 3密防止の観点から 今なお市松模様の座席配置をとっており、入場者を定員の半分以下に抑えているのです 2回目のサイクルを観ると終演が夜になってしまうので諦めて帰ってきました 幸い この2本立ては来週金曜日まで上映されるので、来週月曜日に出直すことにしました

ということで、わが家に来てから今日で2215日目を迎え、米大統領選に向け22日にあった、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領による2回目のテレビ討論会は、相手候補の発言中にマイクのスイッチを切る措置と合わせ、司会役だったNBCテレビのアンカー、クリステン・ウェルカー氏による質問や進行が効果的だったと称賛する声が上がった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     マイクのスイッチを切ってフェイクを防いだ後は  トランプとの縁を切る番じゃね?

 

         

 

今日(10月25日)はチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調」初演の日です    この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1874年に作曲した作品です   チャイコフスキーはピアノの巨匠アントン・ルビンシテインが1866年に開設したモスクワ音楽院に教授として迎えられ、当時すでに作曲家として広く認められていました    チャイコフスキーは曲が完成すると、先輩に敬意を払い批評を仰ごうと考え、アントンの弟で同音楽院の校長だったニコライ・ルビンシテインと同僚のフーベルトの前で試奏しました ところが、演奏が終わるとルビンシテインは「書き直すなら、自分が初演してもよい」と激しくこき下ろしたのです これに対しチャイコフスキーは改訂を拒否し、自分の良き理解者であるドイツのピアニストで指揮者のハンス・フォン・ビューローに楽譜を送りました ビューローはこの作品が独創的で高貴な曲だとして、予定されているアメリカへの演奏旅行で初演したいとチャイコフスキーに伝えました こうした経緯から、彼はこの曲をビューローに献呈し、1875年10月25日にボストンでビューローのピアノ独奏により初演されたのです 初演は大成功で、翌月にはモスクワで初演されました。その後、ルビンシテインはこの曲を演奏会で頻繁に取り上げ、作品の普及に貢献しました

初演と言えば、チャイコフスキーが1878年に作曲した名曲「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」もトラブルがありました チャイコフスキーは完成した楽譜を彼の経済支援者メック夫人に送りましたが、夫人からは称賛の声はなく、その後、楽譜を当時ロシアで最も偉大なヴァイオリニストと称されていたペテルブルク音楽院教授のレオポルト・アウアーに送りましたが、「演奏不可能」として初演を拒否されました 結局、ライプツィヒ音楽院教授となったロシア人ヴァイオリニストのアドルフ・ブロツキーのピアノ独奏、ハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルの演奏により1881年12月4日に初演されました その後、批評家ハンスリックらに酷評されましたが、ブロツキーが繰り返しこの作品を取り上げて演奏したこともあって、次第に作品の真価が理解されるようになり、アウアーも演奏するようになったと言われています

「ピアノ協奏曲第1番」にしても「ヴァイオリン協奏曲」にしても、今でこそ 音楽史に残る名曲中の名曲として世界中に知れ渡っていますが、曲が完成した当時は「現代音楽」なので、周囲の理解を得るのは生易しいことではなかったのでしょう 今の時代に作曲される「現代音楽」も、繰り返し演奏されることがなければ後世に残りません したがって、作曲家は繰り返し演奏するのに堪えうる作品を作曲しなければなりません

「ピアノ協奏曲第1番」のCDは十数枚持っていますが、マルタ・アルゲリッチの3種類のCDをご紹介します

1枚目はシャルル・デュトワ指揮ロイヤル・フィルとの共演盤(1967年録音)です

 

     

 

2枚目はキリル・コンドラシン指揮バイエルン放送交響楽団との共演盤(1980年録音)です

 

     

 

3枚目はクラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルとの共演盤(1994年 ライブ録音)です

 

     

 

オーケストラこそ違いますが、アルゲリッチはアルゲリッチ。唯一無二の名演です

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ウェン・ムーイエ監督 中国映画「薬の神じゃない」を観る ~ 中国の医薬業界に激震を起こしたジェネリック薬事件の実話に基づくエンタメ映画

2020年10月24日 07時19分44秒 | 日記

24日(土)。わが家に来てから今日で2214日目を迎え、米国の1日あたりの新型コロナウイルスの感染者数は10月下旬にインドを抜き再び世界最多になったで中、米南部テネシー州ナッシュビルで22日夜に開かれた大統領選に関するテレビ討論会で、現職のトランプ大統領は「全米各地での感染拡大は峠を越え、収束に向かっている。ワクチンを数週間以内に配布できる。ウイルスは消えてなくなる」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     この男はいまだに自国の実態が把握できていない  驚くべき無能! もう終わったな

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」「生野菜とワカメのサラダ」「ワカメの味噌汁」を作りました あとは娘が漬けた「キュウリのぬか漬け」です。「唐揚げ」はほぼ2週間に一度に定着しました

 

     

     

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でウェン・ムーイエ監督による2018年製作中国映画「薬の神じゃない」(117分)を観ました

上海でインドの強壮剤を販売する小さな薬屋を細々と営むチョン・ヨン(程勇)は、店の家賃も払えず、妻にも見放され、人生の目的を失っていた ある日、血液のガンである慢性骨髄性白血病患者のリュ・ショウイ―(呂受益)が店にやってくる 彼は国内で認可されている治療薬が非常に高価なため、安くて成分が同じインドのジェネリック薬を輸入してほしいとチョンに持ちかけてくる 最初のうちは申し出を断っていたチョンだったが、金に目がくらみ、インドに赴き代理店契約を結びジェネリック薬の密輸・販売に手を染めるようになる そして、より多くの薬を仕入れるため、チョンは輸入グループを結成する 白血病の娘を持つポールダンサーで、白血病患者が集まるネットコミュニティ管理人のリウ・スーフェイ、中国語なまりの英語を操るリウ牧師、力仕事が得意な不良少年ボン・ハオなどが加わり、密輸・販売事業はさらに拡大していく やがて警察に密輸として目を付けられ始め、チョンは逮捕を免れるためグループを解散し同業者に販売の権利を譲る しかし、安価な薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びを聞き、チョンは患者の負担を軽くするため仕入れ価格よりも安い価格で再び薬を売り始める ところが 最後には警察の抜き打ち捜査を受け、証拠の薬を押収・逮捕され、チョンは裁判にかけられる

 

     

 

この映画は、インドから安価なジェネリック薬を輸入していた慢性骨髄性白血病患者の陸勇が、2014年に逮捕されるも、裁判撤回の市民デモが発生し、翌年に釈放された「陸勇事件」を基に製作されています この事件と映画公開をキッカケに中国医薬業界に改善に向けた大きな変化が起こったと言われています

この映画を観て真っ先に思ったのは、情報統制の厳しい中国でよくもこうした医薬業界と無策な政府を告発する内容の映画が上映されたものだ、ということです さらに、この映画が2018年7月に中国で公開されると、3日間で9億元(約146億円)、最終的には30億元(約500億円)を超える爆発的なヒットを記録したということです 中国ではそれほど医薬品、特に慢性骨髄性白血病の治療薬が高価過ぎて、人々の間に不満が渦巻いていたということでしょう

主人公のチョン・ヨン(程勇)は、最初のうちは髭もじゃのしょぼくれた中年オヤジの風貌ですが、グループを解散した後、患者たちの苦しみを知り、自腹を切ってまで安価なジェネリック薬を売ろうと決意してからは、髭も剃り、すっきりした”実業家”の顔に変貌を遂げています。「男の中身は顔に現れる」と言っているかのようです

同業者がチョンに語る言葉が印象的です

「この国で一番の病気は”貧乏”だよ」

GDP(国民総生産)がアメリカに次いで世界第2位と言われる中国ですが、その実態は「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」二極分化が進んでいるのでしょう

こういう映画をもっと撮って中国の現況を知らせてほしいと思います

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黒沢清監督「スパイの妻」を観る ~ 身を挺して国家の不都合な真実を暴露しようとする夫に対し「正義よりも幸福を選びたい」妻はどうしたか?

2020年10月23日 07時58分18秒 | 日記

23日(金)。わが家に来てから今日で2213日目を迎え、米連邦選挙委員会によると、大統領選を目前に控えたトランプ陣営の手元資金は、フェイスブックなどSNS向けの広告を増やしたことなどから、9月末時点で6310万ドル(約66億円)となり、8月末(1億2110万ドル)から48%減少した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     SNSに広告出してもフェイクだと止められる  どうせ負けるのに66億円も出すのか

 

         

 

昨日、夕食に「ポークシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました シチューは今秋初メニューです。お酒はワインですね

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーで黒沢清監督による2020年製作映画「スパイの妻」(115分)を観ました

舞台は太平洋戦争直前の1940年の神戸。貿易会社を経営する福原優作(高橋一生)は、妻の聡子(蒼井優)をヒロインとして素人映画を撮ることを趣味にしている 満州へ物資の買い付けに行く際も撮影機材を持参していくほどの映画好きだった 夫の留守中、聡子は幼なじみの憲兵隊長・津森(東山昌大)と旧交を温めようと家に招くが、彼は福原夫妻の西洋かぶれ的な優雅な暮らしぶりが、戦争が始まろうとしている時代にそぐわないと忠告する 満州から帰った優作は女を連れて帰ったが、聡子は気づかなかった。数日後、女の死体が海で発見された。聡子は夫を疑い問い詰めるが、優作は「やましいことはない。自分を信じるか信じないか、どちらかだ」と迫る 聡子は夫を信じるが、どうしても納得できない。そして、会社の倉庫の金庫に秘匿されているあるノートとフィルムを密かに持ち出し、夫が何を隠していたかを知り、夫を問い詰める 優作は満州で 関東軍が行っていた恐ろしい行動を目撃し、それをフィルムに収めてきたのだった 優作は正義のため「日本にとって不都合な国家機密」を世に知らしめようとする 夫が反逆罪と疑われる中、聡子はスパイの妻と罵られようとも、愛する夫を信じて、ともに生きることを心に誓う 太平洋戦争開戦間近の日本で、抗えない時代の大きな荒波に夫婦の運命は飲み込まれていく

 

     

 

第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞作です

【以下、ネタバレ注意】

映画を観終わって、思わず「してやられた」と思いました 冒頭の 優作が製作した「スパイ映画」のシーンが最後まで影響を及ぼしているからです 映画の中で女優となった聡子が金庫を開けるシーンが出てきますが、聡子は後にこの金庫をリアルの世界で開けることになります そこに入っていたのは優作が満州で撮影した関東軍による細菌兵器開発のための人体実験の映像を収めた極秘フィルムであり、その実態を記した極秘ノートでした これを観ることによって「正義よりも幸福を選びます」と言っていた聡子は大きな不安を抱えながらも夫を信じ、夫と共に生きていこうと決意することになります 

2人はアメリカに亡命し、現地で日本軍の悪事を世界に向けて明らかにすることを決意します 優作の提案で、聡子はフィルムを持って神戸港の第2埠頭から貨物船の木箱に隠れて直接アメリカに渡り、優作は極秘ノートを持って出国し 香港にいる仲間からフィルムの原版を受け取ってからアメリカに渡り、現地で落ち合う手はずになります ところが、何者かの密告により聡子は出航前に発見され逮捕されてしまいます 聡子は軍の本部に連行され、憲兵隊長・津森の命令でフィルムが上映されます ところが、スクリーンに映し出されたのは満州の様子ではなく、優作が撮った聡子をヒロインとする「スパイ映画」だったのです 聡子は大きな声で笑い「お見事です」と叫びます。つまり、優作は国の不都合な真実を明らかにして「非国民扱い」を受けるのは自分だけで良い(妻を巻き添えにしたくない)と考え、聡子には本物の極秘フィルムを渡さず、自ら密告して聡子を逮捕させることにより、彼女の身の安全を図ったのではないか? したがって、優作はノートもフィルムも自分で持参して海外に向けて出航したのではないか このシーンでは、観ているわれわれも「お見事です」と叫ばざるを得ません

その後、聡子は特殊な病院に監禁されますが、見舞いにきた福原家の主治医・野崎医師にこう語ります

「先生だから告白しますが、私は狂ってなんかいません でも、狂っていないことが狂っているんでしょうね、この国では

現代はこうではない、と言い切れるだろうか

ところで、映画の中盤で 夫婦そろって映画館で山中貞雄監督「河内山宗俊」を観るシーンが映し出されます 冒頭の「原作・監督=山中貞雄 脚本=三村伸太郎」というタイトルロールの部分だけですが、なぜ黒沢清監督はこの映画を登場させたのだろうか? この映画は河原崎長十郎が河内山宗俊を、15歳の原節子がお浪を演じた時代劇(モノクロ・82分)ですが、製作は1936年です 「スパイの妻」の時代設定は1940年なので、2人はその当時の映画をほぼリアルタイムで観ているということになりますが、あえて時代劇を登場させたのは、素人ながら「スパイ映画」を撮っている優作の国際性・先進性を表すために、対比の対象として登場させたのではないか、と思います というのは、聡子が「あなたは日本の同胞を裏切るつもりなのですか 」と問い詰めた時、優作は「私は日本人というよりは コスモポリタン(世界主義者)だ」と答えるシーンがあるからです 世界が平和になるためには 日本が戦争に負けてもかまわない、という考えです

映画のラストは、「優作は戦争が終わった翌年、インドのボンベイにいたことが目撃され、その後アメリカに向けた航海の途中で死亡したと伝えられているが、その情報には不自然さがある」「聡子はその翌年、アメリカに渡った」という字幕が出ます この物語にはかすかな希望が期待できる「続き」がある、ということを暗示しているかのような終結です 予想以上に素晴らしい映画でした

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中山七里著「夜がどれほど暗くても」を読む ~ 息子がストーカー殺人を犯して自殺したという疑いを掛けられる「週刊春潮」副編集長の苦悩を描いた作品

2020年10月22日 07時20分19秒 | 日記

22日(木)。パソコンのセキュリティソフトの有効期限が切れたままになっており、このままだと新型コロナ以外のウイルス感染が怖いので、更新することにしました 購入したのはSOURCENEXTの「ZEROスーパーセキュリティ」という 契約更新料なし 1年間有効 1台4,290円 という商品です   40分ほどでインストゥールが完了しました。動作が軽くなりました

ということで、わが家に来てから今日で2212日目を迎え、昨年7月の参院選をめぐり、公職選挙法違反(加重買収など)の罪に問われた元法相で衆院議員の河井克行被告が20日、計5人の弁護人(うち4人は前に解任した弁護人)を選任したことがわかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     自民党から渡った1億5千万円の残りがあるから 弁護費用には困らないはずだよね

 

         

 

昨日は「鮭のバター焼き」「生野菜サラダ」「ジャガイモと玉ねぎとナスの味噌汁」を作り、買ってきた「真鯛の刺身」といっしょに食べました 和食はいいですね

 

     

 

         

 

中山七里著「夜がどれほど暗くても」(ハルキ文庫)を読み終わりました toraブログの読者の方にはお馴染みの中山七里ですが、念のため簡単に経歴をご紹介します 中山氏は1961年岐阜県出身。会社員生活の傍ら、2009年に「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年デビュー その後の活躍は「中山七里は七人いる」と言われるほど数多くの作品を間断なく発表しています

 

     

 

志賀倫成は大手出版社の雑誌「週刊春潮」の副編集長を務めている スキャンダル記事に関しては誰にも負けない自負を持ち、毎日充実した編集者生活を送っていた しかし、大学生の息子・健輔にストーカー事件を犯して自殺したという嫌疑がかかる 加害者の家族として周囲から誹謗中傷を受け、会社では「春潮48」編集部に転属させられる 副編集長からヒラの記者に降格され、上司や取材対象から罵倒される毎日に精神をすり減らしていく さらに、妻・鞠子は神経が参っている時に ちょっとした口喧嘩で実家に帰ってしまう そんな中、被害者遺族で唯一生き残った娘の奈々美と出会い、彼女が学校でイジメに遭っていることを知り、彼女に接近し守ろうとする 最初は拒否反応を示していた奈々美だったが、志賀が身体を張って自分を守ってくれたことで次第に心を開いていく 一方、警察は健輔のストーカー事件について不審な点があるとして捜査を継続していた    殺人現場で何が起こっていたのか? そして健輔の嫌疑は晴れるのか

 

     

 

「週刊春潮」といえば誰もが「週刊文春」か「週刊新潮」を思い浮かべます    しかし「春潮48」といえば「新潮45」しか思い浮かべません    ということは、中山氏がモデルにしている出版社は「新潮社」であることが想像できます 解説を西原理恵子さんがコミックで描いていますが、冒頭のコマで「この人はよっぽど新潮社が嫌いなんだなあ」と言わせています 無理もありません。中山氏は「週刊春潮」も「新潮48」もボロクソに書いているからです コマの欄外を見ると、蟻のような小さな字で「編注:中山七里先生は、新潮社からも本を出版しており、関係は良好です」という、角川春樹事務所は天下の新潮社を相手に喧嘩を売るつもりはございません的な言い訳が書かれています

この小説の冒頭、主人公の「週刊春潮」副編集長・志賀の檄が飛びます

「取材対象の一人や二人、死のうが潰れようが関係あるか! それより雑誌が売れるかどうかだろ!」

ここに中山氏が週刊誌をどうとらえているかが表れています そして、「春潮48」については、編集長の楢崎に次のように編集方針を語らせています

「創刊からはや10年。かつての固定読者も今や60に手が届こうとしている 彼らのほとんどはバブルを謳歌した世代で、日本経済は世界を席巻し続けていると信じ、自分は大国を動かしているとびきり優秀な民族だと思い込んでいた者たちだ そしてバブル崩壊した日本がその後の20年を失っても、まだ昔の甘い夢を忘れられずにいる 旧弊な価値観、古き佳き日本を賛美し、性的マイノリティや外国人の不作法 至らなさに物申す。それだけで更に多くの読者を獲得できるはずだ。競合他誌だって、そうして命脈を保っている

つまり、これからも右寄りの編集方針で行こうと言っているのです この小説の主人公・志賀が「春潮48」に転属されられたのは、同誌が ある女性国会議員のLGBTへの差別的な文章を寄せたことがきっかけになり、同誌や春潮社に批判が集中して、編集部員がやる気を無くしている時期という設定になっています 「春潮48」を大混乱に陥れたのは、「新潮45」の次のような事件をモデルにしています

「『新潮45』の2018年8月号で杉田水脈議員が『LGBT支援の度が過ぎる』を寄稿した 文中で杉田はLGBTはそれほど差別されていないのではないか、『LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり”生産性”がないのです』と書き、LGBTの権利を拡張する動きに疑問を投げかけた この杉田の寄稿文は、与野党の政治家やLGBTの当事者・識者など様々な立場から批判を受けた 『新潮45』はこの批判を受けて2018年10月号に『そんなにおかしいか”杉田水脈”論文』と題する特別企画を掲載した。この企画には小川榮太郎や松浦大悟ら7人が杉田の主張を擁護する文章を寄稿した この特別企画に関して、作家の平野啓一郎が『どうしてあんな低劣な差別に加担するのか』と新潮社を非難するなど、再び批判の声が上がった。また、新潮社文芸部が使用するTwitterの公式アカウントが、新潮社を批判する作家らのツイートをリツイートしたことから、新潮社内部からも本誌を非難する動きがあると報道された 2018年9月21日、新潮社は反論記事を掲載した10月号について『あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた』と、内容に問題があったことを認める佐藤隆信社長の談話を発表した その後、9月25日に『部数低迷に直面し、試行錯誤の課程において編集上の無理が生じた』として休刊を発表した」(以上Wikipediaより)

杉田水脈(すぎた みお)議員はその後も、伊藤詩織さん事件においてもセカンドレイプ発言をしたり、つい最近も国会の部会で「女はいくらでもウソをつく」と発言して物議を醸したりして、まったく反省の様子が見えません    困った議員です。こういう人をいつまでも国民の税金で雇っていて良いのでしょうか

話がそれましたが、中山七里という作家は、こうした最近の世の中の動きを巧みに小説に取り込みながら、ミステリーを組み立てていきます 読者としては、小説の背景になっている事件などを知った上で作品を読むと、より深い読み方ができると思います

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