人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ショスタコーヴィチ「チェロ・ソナタ ニ短調」,フォーレ「シチリアーノ」他を聴く~藤原真理チェロ・リサイタル

2016年11月30日 07時52分43秒 | 日記

30日(水).今日で11月も終わり,明日から12月です.月日の流れの速さを痛感する今日この頃です 

昨日の日経朝刊 マーケット総合面のコラム「大機 小機」に『クラシック』という言葉の意味が書かれていました.超訳すると

「中世哲学を極めた故 今道友信・東大名誉教授の一文は古典の効用をこう説くークラシックという言葉は最初から古典的という意味があったわけではない もとは艦隊を意味するクラシスの派生語で,国家の危機に艦隊を寄付できる富裕な人々を指す形容詞だった.人間は私生活においても公的生活においても危機に直面することがあるが,こうした危機に際して精神の力を与える書物や作品のことをクラシクス(クラシック)と呼ぶようになった

このコラムは「リベラルアーツと経営」という標題で書かれているように,音楽について書いているわけではありませんが,「クラシック」という言葉が,もともとの意味を離れて,とくに音楽史の中では「古典派」あるいは「クラシック音楽」全般の意味で使われていることに何の疑問も抱かずに過ごしている自分に気が付きます こういう知識は知らないよりは知っている方が良いでしょう 皆さん 新聞を読みましょうね

ということで,わが家に来てから今日で792日目を迎え,青森県と新潟県の養鶏場で鳥インフルエンザの疑いのあるニワトリやアヒルが見つかった問題で,合計32万羽が殺処分になるというニュースを見て 独り言を呟いているモコタロです

 

          

              トリあえず処分するんじゃなくて 真面目にチキンと殺処分するんだって

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「串のない焼き鳥」「生野菜サラダ」「トン汁」を作りました 「串のない~」は鶏もも肉と長ネギを使いますが,娘がネギがダメなので私が引き受けました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,浜離宮朝日ホールで「ランチタイムコンサート 藤原真理 チェロ・リサイタル」を聴きました プログラムは①ラフマニノフ「ロマンス  ヘ短調」,②ショスタコーヴィチ「チェロ・ソナタ ニ短調」,③ドビュッシー「チェロとピアノのソナタ 二短調」,④フォーレ「子守歌」,⑤同「夢のあとに」,⑥同「シチリアーノ」,⑦同「エレジー」というもので,前半がロシアもの,後半がフランスものです.チェロ独奏は 巨匠ピエール・フル二エとムスティスラフ・ロストロポーヴィチに師事したこともある藤原真理,ピアノは藤原真理と200回以上も共演した実績を持つ倉戸テルです

 

          

 

ステージ中央にはグランド・ピアノが鎮座していますが,黒色ではなく,茶色の木目調です チェンバロでは珍しくありませんが,グランド・ピアノでは初めてお目にかかりました

上が臙脂  下が黒の衣装の藤原真理がピアノの倉戸テル(男性)と共に登場します  倉戸氏は松葉杖をついての登場です.後で藤原さんがトークで話したところによると「私よりもずっと若いのに,足の指を骨折した」そうです

1曲目のラフマニノフ「ロマンス  ヘ短調」は,作曲者がモスクワ音楽院の学生時代の1890年(作曲者17歳)に作曲されました 演奏を聴くと,なるほどタイトル通り憂いを帯びたロマンティックな曲想です

2曲目はショスタコービチ「チェロ・ソナタ  ニ短調」です この曲は1934年(作曲者28歳)にボリショイ劇場の首席チェリスト,ヴィクトル・クバツキ―の勧めによって作曲されました.第1楽章「モデラートーラルゴ」,第2楽章「モデラート・コン・モート」,第3楽章「ラルゴ」,第4楽章「アレグレット」から成ります

第1楽章がピアノに導かれて憂いを帯びたテーマを奏でます.この主題は印象的です 終結部は葬送行進曲風の静かな音楽となり楽章を閉じます 第2楽章は一転,冒頭から賑やかな音楽が展開します.チェロの反復音型を聴くと,あの名曲「ピアノ五重奏曲ト短調」の第3楽章「スケルツォ」を思い起こします ショスタコーヴィチ一流のアイロニカルな音楽が展開します 第3楽章「ラルゴ」に入ると弱音器を付けたチェロがモノローグを始めます.こういうところもショスタコーヴィチらしいところです 第4楽章に入ると,肩の力が抜けたような,ユーモラスとでも言えるような曲想が展開します 藤原真理は各楽章の性格の弾き分けが見事です 倉戸テルのピアノもしっかりチェロを支えています

この曲はリン・ハレルのチェロ,ウラディミール・アシュケナージのピアノによるCDで予習しました

 

          

 

プログラム後半はフランス音楽です 最初にドビュッシー「チェロとピアノのソナタ  ニ短調」が演奏されます この曲は,1915年7月から8月にかけて作曲されました.作曲者53歳の時の作品です.当初「月と仲違いしたピエロ」というサブ・タイトルが付いていたといいます 3つの楽章から成りますが,第2楽章と第3楽章は続けて演奏されます.とくに印象が残ったのは第2楽章「セレナード」で,チェロのピッツィカートとピアノの掛け合いがあるのですが,これが月とピエロが言い争っているところだろうか,と想像しながら聴きました 10分少しの短い曲ですが,面白いと思いました

 

          

 

次にフォーレの作品を4曲続けて演奏しました 最初は「子守歌 作品16」です.演奏前のトークで藤原真理が「弾き方によっては子守歌にならなくなってしまいますが・・・・」と笑いを取っていましたが,しっかり子守歌になっていました 原曲はヴァイオリンとピアノにより演奏される曲ですが,チェロで聴くと深みが増してとても良いと思いました

次いで「夢のあとに 作品7」です.この曲はフォーレの初期の歌曲集「3つのメロディー作品7」の第1曲が原曲となっています 歌詞は「あなたの姿にうっとりした眠りの中で私は幸せな夢を見る」というロマンティックの代名詞みたいな内容です チェロで聴くと落ち着いて良いです

次は「シチリアーノ 作品78」です.この曲は劇音楽「町人貴族」の間奏曲として作曲された音楽です.郷愁を誘うメロディーが朗々と奏でられます

最後は「エレジー 作品24」です.この曲は1883年(作曲者38歳)に作曲されたリリシズムの極致をいく作品です

藤原真理のチェロで聴くフォーレの名曲の数々は,本来ヴァイオリンで弾くための作品も,チェロで弾いた方がその曲の魅力が増すということを教えてくれたような気がします

会場いっぱいの拍手に応えてカサドの「親愛の言葉」を,次いでサン=サーンス「白鳥」をアンコールに演奏しました

 

          

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舟橋三十子著「形式から理解するクラシック」を読む/高関健+音楽大学フェスティバル・オーケストラのマーラー「交響曲第6番」のチケットを買う

2016年11月29日 07時59分31秒 | 日記

29日(火).世の中,モコタロの向こうをはってピコ太郎が「PPAP」(ペンパイナッポーペン)の動画で話題を呼んでいます 昨日の日経朝刊 特集面の「専門誌セレクション」に日経産業新聞の記事が紹介されていました.超訳すると

「PPAPの1分8秒の動画が8月25日に『ユーチューブ』で公開されてから,わずか2か月強で再生回数が8000万回を突破した 動画には広告が表示されるため,そのフィーがピコ太郎が所属するエイベックス経由で本人に入る 再生1回につき0.025~1円になっている模様で,これを基準にPPAPの現時点までのフィーを計算すると推定200万~8000万円となるが,実際にはその数倍になっている可能性が高い 理由は非公式投稿の広告からも収入が入るため.非公式投稿の再生の前に流れる広告の収入はオリジナルの著作権者に入る仕組みだからだ.PPAPの関連動画は7万件以上あり,再生回数は公式の6倍以上の5億回 これらの広告フィーもエイベックスとピコ太郎の収入になる

これを見て,モコタロを躍らせて 君 中部 いや「ユーチューブ」に投稿して一儲けしようかと思いましたが,考えてみたら無芸大食を身上とするモコタロは喋れなかったな,と思い直しました 

それにもめげず,わが家に来てから今日で791日目を迎え,P P A P(パーフェクト・パントマイム・アッパレ・パフォーマンス)に初挑戦するモコタロです

 

          

          

          

           

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「豚肉のアスパラ巻き焼き」と「生野菜サラダ」を作りました 「豚肉~」は何度か作ったことがあるので だいぶ慣れました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日の朝日夕刊に,今月18日にサントリーホールで開かれたティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるワーグナー「ラインの黄金」の演奏会評が載っていました 筆者は音楽評論家の白石美雪さんです.この公演については翌19日のtoraブログに感想を書きましたが,白石さんも同じような感想を持たれたようです その一つは超凄い歌手陣についてです

「ヴォータン役のミヒャエル・フォッレ,フリッカ役の藤村実穂子ら,歌手14人は超弩級の実力派」

と書かれています.もう一つは演出についてです

「ふすまに山水画風に山の尾根を描いた和テイストの背景はいただけなかったが,・・・・」

と書かれています.新聞の演奏会評は,何を言っているのかさっぱり分からないものが多い中で,白石さんの評はいつも分かり易い言葉で書かれています それは良いのですが,いったい新聞の演奏会評ってどれだけの読者に読まれているんだろうか,と いつも疑問に思いながら読んでいます

 

  またまた,閑話休題  

 

チケットを1枚買いました 来年3月26日(日)午後3時から池袋の東京芸術劇場で開かれる「第6回 音楽大学フェスティバル オーケストラ」公演です.演奏曲目は①ドビュッシー「交響詩”海”」,②マーラー「交響曲第6番イ短調」です オーケストラは首都圏9音楽大学と九州2音楽大学から選抜されたメンバーから構成される臨時編成の「フェスティバル オーケストラ」で,指揮は東京シティ・フィル常任指揮者の高関健です.チケット代は全席指定で,S席:2,000円,A席:1,500円です

 

          

          

 

実はこの日の同じ時間帯に「東京・春・音楽祭」の「名手たちによる室内楽の極」公演が東京文化会館小ホールであり,どっちにしようか迷っていたのです 「室内楽の極」は,モーツアルト「二重奏曲K.423」,ベートーヴェン「弦楽三重奏曲第3番」,シューベルト「弦楽五重奏曲ハ長調」が 長原幸太,鈴木康浩,上森祥平,富岡廉太郎によって演奏されます チケット代はS席:4,600円,A席:3,100円です.熟慮の末,やっぱりマーラーの第6番が聴きたいという結論になりました

 

  最後の,閑話休題  

 

舟橋三十子著「形式から理解するクラシック」(ヤマハミュージックメディア)を読み終わりました 著者の舟橋三十子は東京藝大大学院修了.現在名古屋芸術大学音楽学部教授.作曲を池内友次郎,矢代秋雄,三善晃らに師事.著書は「初めてのソルフェージュ」(全5巻)ほか多数あります

 

          

 

この本にどんなことが書いてあるか.それは目次を見ると分かります

序 章 動機(モティーフ)

第1章 2部形式・複合2部形式

第2章 3部形式・複合3部形式

第3章 変奏曲形式

第4章 ロンド形式

第5章 ソナタ形式

第6章 ロンド・ソナタ形式

第7章 カノンとフーガ

第8章 オペラ

第9章 宗教曲

第10章 いろいろな曲種

第11章 クラシック音楽のジャンル

例えば序章「動機」では,ベートーヴェン「交響曲第5番”運命”」の第1楽章をネタに,冒頭のジャジャジャジャーンという「音楽を構成する最小単位」が動機であることを譜例を示しながら解説していきます

古典派の交響曲やピアノ・ソナタの解説でよく目にする「ソナタ形式」は,「提示部ー展開部ー再現部ーコーダ」から成る音楽の形式ですが,韓流ブームを巻き起こした「冬のソナタ」を題材に,2人の男女が出逢ってから結末までを物語風に語ることによって,「『ソナタ形式』は作曲家によって音で書かれた『起承転結』のストーリーである」ことを分かり易く解説します

私が一番分からなかったのは「カノン」と「フーガ」の違いでしたが,この本を読んでよくわかりました カノンとは「複数のパートが,同じ旋律を追いかけっこする音楽の形式のこと」で,フーガは「追いかけっこするのは変わりないが,前の声部の主題が最後まで演奏されてから次の声部が入ってくる形式のこと」だということです 著者は「蛙の歌」を例に解説しています

第10章「いろいろな曲種」では,管弦楽組曲,奇想曲,序曲,交響詩,狂詩曲,標題音楽,セレナーデ,交響組曲,行進曲,交響的物語などについて解説しています

知っているようで,曖昧にしか理解していなかった音楽の知識を整理する上で,非常に参考になりました.音楽好きの人にお薦めします

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クァルテット・エクセルシオでベートーヴェン「セリオーソ」,メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第5番」他を聴く/東京・春・音楽祭のチケットを買う

2016年11月28日 08時06分47秒 | 日記

28日(月).わが家に来てから今日で790日目を迎え,キューバのカストロ前国家評議会議長が90歳で死去したというニュースを見て,天国での かつての相棒との会話を想像しているモコタロです

 

          

                  ゲバラ  「急場なことで ビックリしたよ」    カストロ  「チェ! ゲバラか 」

 

  閑話休題  

 

来年3月中旬から4月中旬にかけて上野で開かれる「東京・春・音楽祭2017」のチケットをNetを通じて手配しました 昨日が一般発売開始日でした.すでに4月4日のワーグナー「神々の黄昏」(ヤノフスキ指揮NHK交響楽団)は先行発売でチケットを入手済みなので,それを除くコンサートです

 

          

 

手配したのは次の9公演です

①3月16日(水)「ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽」午後7時 東京文化会館小ホール

 ブラームス,ラフマニノフ,シューマンの各「ピアノ三重奏曲第1番」

②3月19日(日)「Voice n' Violin ~アンドレアス・シャーガ-&リディア・バイチ」午後7時 東京文化会館小ホール

 モーツアルト,ワーグナー,ヨハン・シュトラウス2世らの歌劇・喜歌劇からのアリア,クライスラー「ウィーン奇想曲」ほか

③3月20日(月・祝)「東京春祭チェンバーオーケストラ~トップ奏者と煌めく才能が贈る極上のアンサンブル」午後7時 東京文化会館小ホール

 モーツアルト「交響曲第29番K.201」ほか

 

          

 

④3月22日(水)「HORNISTS8『ワーグナー✖ホルン』~N響メンバーと仲間たちによるホルン・アンサンブル」 午後7時 東京文化会館小ホール

 ウェーバー「魔弾の射手」より,ワーグナー/シュティーグラ―「ラインの黄金」幻想曲ほか

 

          

 

⑤3月25日(土)「都響メンバーによる室内楽~メンデルスゾーン『弦楽八重奏曲』」 午後7時 東京文化会館小ホール

 シューベルト「アルペジオ―ネ・ソナタ」,メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」ほか

 

          

 

⑥3月29日(水)「バイロイト祝祭ヴァイオリン・クァルテット~4本のヴァイオリンによる極上の四重奏」 午後7時 上野学園石橋メモリアルホール

 ワーグナー「ニーベルングの指環」組曲ほか

 

          

 

⑦3月30日(木)「偉大な芸術家の思い出に~堀正文,イェンス・ペーター・マインツ,清水和音」 午後7時 東京文化会館小ホール

 ハイドン,メンデルスゾーン,チャイコフスキーの各「ピアノ三重奏曲」

 

          

 

⑧4月11日(火)「トリオ・アコード~白井圭,門脇大樹,津田裕也」 午後7時 上野学園石橋メモリアルホール

 ハイドン,ラヴェル,シューベルトの各「ピアノ三重奏曲」

⑨4月13日(木)「郷古廉&加藤洋之~ベートーヴェン  ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会1」 午後7時 東京文化会館小ホール

 ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第1番,第2番,第3番,第5番”春”」

 

          

 

以上の他にも,4月14日「ブラームスの室内楽」(竹澤恭子,川本嘉子,ヴィハン・マルディロシアン)をはじめ聴きたいコンサートがいくつかあるのですが,すでに他のコンサートが入っているので諦めざるを得ませんでした

コンビニで料金を支払いチケットを引き取って,家で1枚1枚確認していたら,3月25日の「都響メンバーによる室内楽」が2枚(座席番号は別)ある一方,3月30日の「偉大な芸術家の思い出に」のチケットがありません 何かの間違いだろうと思って,主催者側からの「予約受付完了メール」を再確認したら,確かに3月25日の公演を2枚発注しており,3月30日の公演は発注していませんでした またやっちまった  原因はよくわかりませんが,25日の方は,手続きの途中で座席を変更した覚えがあるので,それがダブルブッキングになった可能性があります 一方,30日の方はまったく分かりません.そうは言っても結果がすべてです.もう一度新たに予約を入れ買い直しました  問題は25日のチケットが1枚余ってしまったことです.当日までに何とか考えなければなりません

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,東京文化会館小ホールでクァルテット・エクセルシオの第31回東京定期演奏会を聴きました  上野公園は紅葉が真っ盛りです

 

          

 

この日のプログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第81番ト長調 作品77-1」,②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番ヘ短調”セリオーソ”」,③メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第5番変ホ長調」です

 

          

 

全席自由だったので早めに並び,D列28番 右ブロック左通路側を押さえました 会場は7~8割方埋まっている感じでしょうか

4人のメンバーが登場します.いつもの通り,左から第1ヴァイオリン=西野ゆか,ヴィオラ=吉田有紀子,チェロ=大友肇,第2ヴァイオリン=山田百子という対向配置をとります 女性陣は デザインは違うものの濃い目のブルーの衣装で統一しています

1曲目はハイドン「弦楽四重奏曲第81番ト長調作品77-1」です この曲は1799年に書いた最後の弦楽四重奏曲です.当時の楽譜の出版習慣は6曲で1セットというものでしたが,この曲はアマチュア室内楽愛好家のロプコヴィッツ伯爵のために6曲セットで書こうとして2曲しか完成しなかったうちの1曲です 第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「メヌエット・プレスト」,第4楽章「フィナーレ:プレスト」から成ります

第1楽章が行進曲風の明るく伸び伸びしたメロディーで開始されます ハイドンは晩年になって肩の力が抜け,軽やかな気持ちで曲を書いたように思えます プログラム冊子に「エク 大いに語る」というコーナーがあり,ヴィオラの吉田さんが「聴き込めば聴き込むほど味がある」と表現していますが,まさにその通りです  ハイドンの弦楽四重奏曲で私が一番好きなのは「作品64-5”ひばり”」ですが,この最後の弦楽四重奏曲もなかなか魅力があります

この曲は,「クラシック音楽の百科事典」NAXOSレーベルのコダーイ・クァルテットによるCDで予習しておきました

 

          

 

2曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番ヘ短調”セリオーソ”」です この曲は1810年に作曲されました.第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「アレグレット・マ・ノン・トロッポ」,第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・セリオーソ」,第4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ・アレグレット・アジタート」から成ります

実はこの日の朝,ニュースを見ようとテレビを点けたら,「題名のない音楽会」を放映していて,ちょうど「セリオーソ」を演奏するところでした 第1ヴァイオリン=徳永二男(元N響コンマス),第2ヴァイオリン=五嶋龍,ヴィオラ=須田祥子(東フィル首席),チェロ=向山佳絵子(N響首席)という錚々たるメンバーです 前の曲(ハイドン)はVn,Vn,Va,Vcという並びで演奏したらしいのですが,「セリオーソ」はVn,Va,Vc,Vnという対向配置で演奏しました 演奏後,それぞれ感想を述べ合いましたが,対向配置もなかなか良いという点で一致していました 「演奏する相手によるかもしれない」という感想があったのは,なるほどと思いました

さてエクの演奏です.強烈な弦楽合奏から入ります.「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中で最もベートーヴェンらしいと思う曲を1曲だけ挙げよ」と言われたら,この曲を挙げるでしょう ベートーヴェンの厳しさが凝縮されています.作曲者本人が「セリオーソ(厳粛)」と楽譜に書き込んでいます

さて,第3楽章が始まろうとした時です.右後方の席で,椅子がバタンバタンと閉じる音が聞こえました 多分,曲の途中で席を移動しようとしたバカ者がいたのだと思います.第1ヴァイオリンからは良く見える位置の席です ベートーヴェンはこの楽章を「厳粛な冗談」と表現していますが,自由席だからといって,曲の途中で席を移動することは「冗談」として許されるはずがありません.こういう人には二度と来てほしくないと思います

 

          

 

休憩後は,メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第5番変ホ長調作品44-3」です この曲は1837年~38年にかけて作曲された3つの弦楽四重奏曲の1つです.第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「スケルツォ:アッサイ・レッジェロ エ ヴィヴァーチェ」,第3楽章「アダージョ・ノン・トロッポ」,第4楽章「モルト・アレグロ・コン・フォーコ」から成ります

第1楽章が特徴あるメロディーで開始されます この楽章はメンデルスゾーンらしさを感じますが,第2楽章はシューベルトを,第3楽章はベートーヴェンを感じます 最後の第4楽章は再びメンデルスゾーンらしさを感じます.溌剌とした曲想です

この演奏を聴いて,もっと頻繁にメンデルスゾーンの曲を演奏してほしいと切に思いました

この曲はパシフィカ・クァルテットのCDで予習しておきました

 

          

 

エクの演奏を聴いていていつも思うのは,大友氏のどっしりしたチェロに支えられて,三人の女性陣が伸び伸びと演奏しているな,ということです この日のプログラムはハイドン,ベートーヴェン,メンデルスゾーンという 私にとっては理想的な組み合わせでした エクには これからも こういうプログラミングで演奏していただけると嬉しいです

 

          

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ラデク・バボラークでモーツアルト「ホルン協奏曲」を聴く~第一生命ホール15周年記念ガラ・コンサート

2016年11月27日 09時42分16秒 | 日記

27日(日).わが家に来てから今日で789日目を迎え,肉屋さんが作ったポテトチップスを前に感想を述べるモコタロです

 

          

             肉屋さんが作ったポテチだって? ニクいねぇ~

 

          

             ぼくはポテチが食べられないんだよ 非肉だねぇ~ 

 

  閑話休題   

 

昨日は息子の誕生日だったので,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜サラダ」を作りました  まだ学生なので早く独り立ちしてほしいと思います

 

          

 

夕食後,一休みしてからケーキ・セレモニーをやりました FRENCH POUND HOUSE のケーキは本当に美味しいです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,晴海の第一生命ホールで「第一生命ホール15周年ガラ・コンサート~バボラーク  ホルンの室内楽」を聴きました オール・モーツアルト・プログラムで,①ホルン五重奏曲変ホ長調K.407,②ロンド ニ長調K.514,③ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495,④ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417,⑤アレグロ ニ長調k.412,⑥ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447です 演奏はホルン=ラデク・デボラーク,ヴァイオリン=ダリボル・カルヴァイ,マルティナ・バチョヴァ―,ヴィオラ=カレル・ウンターミューラー,チェロ=ハナ・バボラコヴァ,コントラバス=シュテパン・クラトホヴィルです

 

          

 

自席は1階6列11番,左ブロック右から2つ入った席です.会場はほぼ満席です 会場入口に,この公演がNHKで番組収録する旨のお知らせが掲示されていました

 

          

 

お馴染みの やんごとなきサスペンダーおじさん におかれましては,われわれ平民が静かに着席して開演を待つ中,かしこくも いつも通り一番最後にお目見えになり,最前列ど真ん中の指定席にご着席されました 目障りなことこの上なし

さて,1曲目は「ホルン五重奏曲変補ホ長調K.407」です.出演者がステージに登場します 左からヴァイオリン,ヴィオラ,ヴィオラ,チェロ,そしてホルンという並びです ヴァイオリン2挺ではなくヴィオラ2挺で演奏されるのがこの曲の特徴です この曲は1782年(モーツアルト26歳)にウィーンで作曲されました.第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「ロンド:アレグロ」から成ります.バボラークは右手をホルンのラッパに入れて 何の苦もなく全音と半音を吹き分けます

2曲目の「ロンド ニ長調K.514」は「ホルン協奏曲第1番」の第2楽章として知られている音楽で,後半で演奏される「アレグロ ニ長調k.412」がその第1楽章として知られています この日は,2つの曲に様式的な違いがあることから,まったく別の曲として捉え,切り離して演奏されます 今度はヴァイオリンが2挺,ヴィオラ,コントラバス,チェロ,そしてホルンという編成です.この曲は聴いていてとても楽しいです この曲を含めて,この日に演奏される曲はすべてボヘミア出身の名ホルン奏者ヨーゼフ・イグナーツ・ロイトゲープのために書かれましたが,この曲の自筆譜には「ゆっくりと ー ロバくん,勇気を出して ― 速く ー だんだん高く ー がんばれ ー 元気出して ー 畜生 ー うわ,調子っぱずれめ ー ああ! - 悲しいよ ー万歳.哀れな奴め!」というモーツアルトの書き込みがあるのです  ロバくんというのはモーツアルトがロイトゲープに付けたあだ名です 曲を聴きながら,これはこの辺の音楽を指しているのかな・・・と思いながら楽しみました

3曲目は「ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495」です この曲は1786年,モーツアルトが30歳の時にウィーンで作曲されました.第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「ロマンス:アンダンテ・カンタービレ」,第3楽章「ロンド:アレグロ・ヴィヴァーチェ」から成ります この曲も楽しい作品ですが,とくに第3楽章は「狩猟のロンド」と言われるスタイルの音楽で,本来狩猟のための楽器であるホルンの役割を思い出させてくれる音楽です

 

          

 

休憩後の1曲目は「ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417」です この曲は1783年,モーツアルトが27歳の時にウィーンで作曲されました.この曲もホルンの特性が生かされた明るく楽しい曲です 次いで「アレグロ ニ長調K.412」が演奏されます これは先に書いた通り,ホルン協奏曲第1番の第1楽章として知られている作品です.モーツアルトのホルン協奏曲の中で一番ポピュラーなメロディーかもしれません 伸び伸びとした雄大なメロディーです そして最後に「ホルン協奏曲第3番変補ホ長調K.447」が演奏されました.これは1787年頃に作曲されたのではないかと言われています 第1楽章「アレグロ」,第2楽章「ロマンス:ラルゲット」,第3楽章「アレグロ」から成ります.何より華やかでホルンの聴かせどころ満載の曲です.バボラークのホルンは完璧です

それにしても,同じ「ホルン協奏曲」でも,それぞれがまったく違うメロディーで違う性格の曲を作曲できるのですから,モーツアルトは本当に天才だと思います

会場いっぱいの拍手とブラボーに,バボラークは結構流ちょうな日本語で「アリガトウゴザイマシタ.オツカレサマデシタ」と言って笑いを取り,「アンコールにモーツアルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』を演奏します」と言って,演奏に入りました この曲はモーツアルトの死の年 1791年の作品(K,618)で 「レクイエムK.626」と前後して作曲された宗教合唱曲です ホルンと弦楽合奏で聴くのは初めてでしたが,とても良い演奏でした

先週日曜日と今週土曜日,2回連続でモーツアルトの曲ばかり聴きましたが,私のクラシック音楽入門の作曲家であるだけに,十分楽しむことが出来ました もうすぐモーツアルトの命日がやってきます.モーツアルトは1791年12月5日に死去しているので,今年2016年は没後225年になります ちなみに,生誕は1756年1月27日なので今年は生誕260年に当たります

 

          

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井上道義+アレクセイ・ボロディン+N響でショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」,「交響曲第12番」他を聴く/チケットを2枚買う

2016年11月26日 09時41分07秒 | 日記

26日(土).昨日の朝日朝刊・教育面に「ロボットは東大に入れるか」という人工知能(AI)の研究を続けてきた国立情報研究所の新井紀子教授が論考を寄せています 結論から言うと「現状の技術の延長線上では,AIが東京大学に合格する日は永遠に来ないだろう」ということです AIに関する彼女の論考を超約すると以下の通りです

「2010年に,AIはどこまで行き どこで止まるのか.AIはどのように仕事を奪い 仕事を生み出し,社会を変えるのか をはじき出した結果,『2030年に現在のホワイトカラーの仕事の半分がAIに置き換えられる』という予測が立った 『なぜ,仕事を奪うかもしれないAIの研究をするのか』と問われるが,私がAIの研究を止めても世界の企業や研究者はAIの研究をやめはしない ならば,AIの可能性と限界をきちんと見極め,対策をとろう.AIには弱点がある.それは『まるで意味がわかっていない』ということだ 意味を理解しなくてもできる仕事は遠からずAIに奪われる.どうか『意味』を理解する人になってほしい.それがAIによって不幸にならない唯一の道だ

私はン十年前の学生時代に自動車の組み立てのアルバイトをしたことがありますが,その時すでに機械化・自動化が図られていました しかし,現在ではさらにAIを組み込んだ技術が進み 人間が極力少ない自動車工場が稼働しているのが現状です これと同じようなことが,AIの導入によってホワイトカラーの仕事で進められようとしているわけです これは実は大変なことだと思います.今やっている仕事について,その意味を良く理解した上で進めないといけないということでしょう 

ということで,わが家に来てから今日で788日目を迎え,無料クラシック音楽情報誌ぴあクラシックを見て感想を述べるモコタロです

 

          

           アンさん 双子のお子さんが生まれたって! アンずるよりも生むが易しっ てか

 

  閑話休題  

 

昨日チケットを2枚買いました 2枚とも東京芸術劇場の「芸劇ブランチ コンサート」です 開演はいずれも午前11時で,所要時間は約1時間,全席指定2,200円です

12月21日(水)のプログラムは①チャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」,②ボロディン「ノクターン」,③ハイドン「ひばり」「セレナーデ」「皇帝」から,④シューマン「ピアノ五重奏曲」です 出演は,ヴァイオリン=藤江扶紀,大江馨,ヴィオラ=佐々木亮,チェロ=富岡廉太郎,ピアノ=清水和音です

来年2月22日(水)のプログラムは①ブラームス「クラリネット・ソナタ」より,②モーツアルト「クラリネット五重奏曲」です 出演はクラリネット=伊藤圭,ヴァイオリン=大江馨,藤江扶紀,ヴィオラ=鈴木康浩,チェロ=富岡廉太郎,ピアノ=清水和音です

 

          

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨夕,渋谷のNHKホールでNHK交響楽団の第1849回定期演奏会を聴きました NHKホール前の通路では輝くイルミネーションがお出迎えです

 

          

 

この日の公演はオール・ショスタコーヴィチ・プログラムで①ロシアとギルギスの民謡による序曲,②ピアノ協奏曲第1番ハ短調,③交響曲第12番ニ短調「1917年」が演奏されました ②のピアノ独奏はアレクセイ・ボロディン,指揮は井上道義です

井上道義は1946年東京生まれ.2007年1月からオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督を,2014年4月からは大阪フィルの首席指揮者を兼務しています N響の”定期公演”に出演するのは何と38年ぶりとのことです この日のコンマスはロンドンのロイヤル・フィルのコンマスを務めるダンカン・リデルです

 

          

 

1曲目は「ロシアとキルギスの民謡による序曲」です この曲は1963年6月にキルギス共和国で帝政ロシアへの併合100周年を祝う「ロシア・ソヴィエト音楽祭」が開催され,ショスタコーヴィチもロシアからの派遣団に参加し,その時に民族音楽に触れ 作曲することになったとのこと 3部形式で構成されています

井上道義のタクトで序奏に入りますが,確かに民族色に彩られた音楽で,いかにも「国家の”社会主義レアリズム”の方針に沿った民衆に分かり易い音楽」という感じの曲想でした

2曲目は「ピアノ協奏曲第1番ハ短調」です この作品は1933年に作られました.内容的には「ピアノ,トランペット,弦楽合奏のための協奏曲」です 1977年 レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれの39歳,アレクセイ・ボロディンが登場,ピアノに向かいます すぐ近くにトランペット独奏の菊本和昭がスタンバイします.この曲は4つの楽章から成りますが,切れ目なく演奏されます ボロディンのピアノはショスタコーヴィチのアイロニーを見事に表現しており,菊本和昭のトランペットは瞬発力のある切れ味鋭い演奏でした

ボロディンはアンコールにショスタコーヴィチ「10の小品 作品12」から第10曲「スケルツォ」を鮮やかに演奏し,拍手喝さいを浴びました

この曲は,マルタ・アルゲリッチのピアノ,イェルク・フェルバー指揮ハイルブロン・ヴェルテンベルク室内管弦楽団によるCD(1993年1月録音)で予習しておきました アルゲリッチの演奏は刺激的です

 

          

 

休憩後は交響曲第12番ニ短調”1917年”です この曲は1960~61年8月に作曲され,ロシア革命を導いたソ連共産党指導者ウラディミール・レーニンに捧げられました 第1楽章「革命のペトログラード」,第2楽章「ラズリフ」,第3楽章「アヴローラ」,第4楽章「人類の夜明け」の4つの楽章から構成されていますが,各楽章は切れ目なく演奏されます

この曲は,エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルによるCD(1984年録音)で予習しておきました これはムラヴィンスキー最後の録音ということですが,ストイックなまでの引き締まった演奏です

 

          

 

ショスタコーヴィチがこの曲を作曲したのは共産党の党員候補となった後で,結果としてこの曲は「レーニンを讃えることで共産党を賛美し,党に捧げられた作品として広く認知された」と言われています 予習をしている時は「ずいぶん激しい曲想だな」くらいにしか思わなかったのですが,実際に目の前で約40分ノンストップで聴くと,第1楽章の暴力的なまでの激しさと,それ以降の苦悩に満ちた沈潜と,最後の勝利の誇らしげな音楽と・・・・といったように,一筋縄ではいかない複雑な音楽であることが分かってきます こういう複雑怪奇な音楽は,井上道義が得意とするところだと思います

井上道義の実力を知ったのは1999年~2000年にかけてトリフォニーホールで新日本フィルを振って演奏した「マーラー交響曲全曲ツィクルス」です すべての公演を聴きましたが,あの当時の日本におけるマーラー演奏の最高峰的なパフォーマンスでした すべてライブ録音されCD化されました 思い出すのは,その第1日目の「交響曲第1番」のコンサートです.第1楽章が始まって ほんの数分経ったところでケータイの着信音が鳴ったのです その音は指揮者の井上や楽員にも届きました その時何が起こったか・・・・・井上が「アーッ」と叫びながら指揮台から転げ落ちたのです それはライブ録音が頭にあったからだと思います.何とか最初から演奏し直さなければならない,それにはどうしたら良いか,と考えた結果が”自主転落”だったのです 普通の指揮者だったら,単純に演奏を止めて最初からやり直すでしょうが,そこが井上道義らしいところです 十数分後,再び指揮台に立った井上は第1楽章の冒頭から演奏し直しました しかし,話はそれで終わらず,録音を再生した結果「録り直しが必要」という結論が出て,当日の聴衆を招待して後日 再度トリフォ二ーホールで第1番を演奏し録り直したのです そのCDを持っているのですが,例によってCD棚のマーラーのコーナーに見当たりません いつものことですが,我ながら情けないです

21世紀に入ってからは,井上道義のコンサートを聴くことはマレになりました マーラーは良かったのですが,それ以外の曲があまり気乗りしなかったのです それは演奏曲目というより,井上の演奏スタイルが気に入らなかったと言った方が正確でしょう.どちらかと言うと,楽員がどう思おうと自分のペースで音楽を進める,タクトについて行けないくらい速いテンポを要求する,演奏が上手くいくと自分の手柄だと言わんばかりにエエカッコシイをする といったやや強引なやり方が窺えたのです  それが数年前からちょっと変わってきたように思います.多分オーケストラ・サンサンブル金沢の音楽監督を引き受けて数年経ったくらいからだと思います 踊るような指揮のスタイルは変わりませんが,あくまでも楽員を立てるようになりました さらに,咽頭がんの手術をしてからさらに良くなってきたように思います

今回のショスタコーヴィチの第12番は,時にボクシングをやっているのか と思うような指揮ぶりや バレエを踊るような仕草が見られましたが,井上道義の良い面が前面に出た演奏だったように思います 先日のコバケンこと小林研一郎(76歳)にしても,この井上道義(今年70歳!)にしても,歳をとるにつれて 良い方向に進化しているように思います

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コバケン+イェルク・デームス+読売日響でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」,ブラームス「交響曲第4番」を聴く

2016年11月25日 07時50分48秒 | 日記

25日(金).わが家に来てから今日で787日目を迎え,誰かの北海道土産「白い恋人」を前に独り言を言っているモコタロです

 

          

                なに 白い変人だって? おいらのご主人のことか???

 

          

               変人じゃなくて恋人だったじゃん おいらオヤツの方がいいや!

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました 寒い時はシチューが食べたくなりますね

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで読売日本交響楽団第564回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番ハ短調」,②ブラームス「交響曲第4番ホ短調」です ①のピアノ独奏は88歳のイェルク・デームス,指揮は一回り下 76歳の小林研一郎です その一方で読響は,コンマスに若手のコンミス 日下紗矢子を持ってきました

 

          

 

 

イェルク・デームスは1928年オーストリア生まれ.56年ブゾー二国際コンクールで優勝して以来,世界各地でカラヤン,クリュイタンス,サヴァリッシュ,小澤征爾らの指揮者と共演したほか,ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ,エリザベート・シュワルツコップ,ペーター・シュライヤーなど世界的な歌手とも共演しています 最近は毎年のように来日しピアノ・リサイタルを開いています

この曲を聴くに当たって,ダニエル・バレンボイムのピアノ,オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア・オーケストラによるCD(1967年録音)で予習しておきました 信じられないほどゆったりしたテンポによる堂々たる演奏です 私の場合,この演奏が一つの基準になります.はっきり言ってハードル高いです

 

          

 

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番ハ短調」です この曲は1796~1803年に書かれ,1803年(ベートーヴェン33歳)ウィーンで初演されました.若き日の傑作です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「ラルゴ」,第3楽章「ロンド:アレグロ」から成ります

頭髪も顎鬚もロマンスグレイのイェルク・デームスがゆったりした足取りでピアノに向かいます ロマンスグレイで統一,ということでもないでしょうが,衣装も輝くシルバーです オシャレです.88歳です 

コバケンのタクトで第1楽章が開始されます 独奏ピアノの出番までオケだけの演奏が続きますが,その間デームスは目の前のピアノの鍵盤を見つめたまま まったく動きません.まるでランゲが描いたモーツアルトの肖像のようです しかし,その横顔はまるでブラームスその人のようです.「あっ,ブラームスがベートーヴェン弾いてる」と叫びたくなります いよいよピアノの出番となると,シャキッとして力強い第1主題を打ち下ろします 第1楽章を聴いていて,「いったい何なんだろうか,このエネルギーは」と思いました.本当に88歳ですよね?と念を押したくなるようなスムーズな指の動きです とても良いな,と思ったのは第2楽章「ラルゴ」です.第1楽章よりかなりテンポを落としてデームスのペースで進みましたが,ベートーヴェンの緩徐楽章の良さが伝わってきました 第3楽章のロンドは若い演奏家のような溌剌とした演奏とまではいかないものの,キチッとした音楽を奏でていました

会場いっぱいの拍手とブラボーです カーテンコールでコバケンに手を引かれて中央に歩く姿をみると,76歳のコバケンがすごく若く見えます これを「人間観察における相対性理論」と言います. ウソですけど

気を良くしたデームスはアンコールに応えました 私はベートーヴェンのピアノ・ソナタのどれかと思ったのですが,後でロビーの掲示を見たらシューベルトの「即興曲作品142-2」でした.これがとても良い演奏でした

なお,気になったので家に帰ってから確かめたら,私がシューベルトの曲を勘違いしたベートーヴェンの曲は「ピアノ・ソナタ第12番作品26」の第1楽章冒頭部分でした なぜこの曲の第1楽章を覚えているかと言うと,数年前に浜離宮朝日ホールで聴いた韓国の若手ピアニスト,HJリムのピアノ・リサイタルでこの曲が演奏された時の印象が強かったからです 彼女の演奏は下のCD(全集)で聴けます

 

          

 

休憩時間に当ブログ読者Nさんとホワイエでコーヒーを飲みながら歓談しました お互いに「とても”枯れた演奏”とは程遠い演奏で,身近な”枯れたお年寄り”と比べて 88歳のデームスのエネルギーはいったい何なんだろうか」という驚きを語り合いました 「長い音楽人生で何回この曲を演奏しているんだろう?」という話も出ました デームスの本領が発揮されるのはベートーヴェン,シューベルト,ブラームスを中心とする古典派・ロマン派が中心でしょうから,ベートーヴェンのこの第3番は数えきれないくらい演奏しているのではないかと推測します メロディーはすっかり頭に入っていて,指が自然に動くのかも知れません

アンコールがあったせいか,方針が変わったのか,いつもは20分の休憩時間が15分に短縮されていたので,残念ながらゆっくり話をする時間がありませんでした

 

          

 

さて,休憩後はブラームス「交響曲第4番ホ短調」です この曲は1884~85年に作曲され,85年10月(ブラームス52歳)にマイニンゲンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」,第2楽章「アンダンテ・モデラート」,第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」,第4楽章「アレグロ・エネルジコ・エ・パッショナート」から成ります

この曲は,カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルによるCD(1981年)で予習しておきました クライバーは速めのテンポで押していきます

 

          

 

コバケンが指揮台に上がりますが,協奏曲の時と違い低い指揮台を使っています 第1楽章がヴァイオリンの最弱音で ため息をつくように開始されます すべての楽章を通じて感じたのは,コバケンがチャイコフスキーの交響曲の演奏で示すような,「タメを作って一気に爆発させて演奏効果を高める」やり方,別の言葉で言うと「テンポを自在に変える」方法,いかにも音楽を”作っている”と思わせる恣意的な印象はありませんでした コバケン・フリークに言わせれば「そこがたまらないんだよ」と言うかもしれませんが・・・とにかく,この日の演奏は全体的に音楽の流れが自然で 素直に聴けました 今回が たまたまそうだったのか,ブラームスの第4番だったからそうなったのか,はっきりとは分かりませんが,そういう印象を持ちました コバケン+読響は現在 ブラームスの交響曲全集を録音中(第1番+ハンガリー舞曲集/第3番+シューベルト「未完成」は発売中)とのことですが,今回の第4番はそれに向けてのリハーサル的な演奏だったのかも知れません と言うのは,あまりにテンポを動かした演奏はすぐに飽きられ,繰り返しの再生に不向きだからです

演奏後,いつものようにオケの主要メンバーを立たせ,次いでセクションごとに立たせ,拍手を求めました その後,いつものルーティーン・ワークで,拍手を制し「今日は読響の皆さんの素晴らしい演奏からオーラをもらいました」とオーケストラを讃え,「デームスさんは私たちを(音楽の)高みに誘ってくださいました 会場にデームスさんいらっしゃいますか?」と会場に呼びかけました.すると会場左前方の出入口近くの席に座っていたデームスが手を振って応えました その後「アンコールにハンバリー舞曲第1番を演奏します 音のうねりを感じていただければと思います」と話し,演奏に入りました.コバケンらしい濃厚な演奏でした オーケストラの定期演奏会ではアンコールをしないのが”普通”ですが,上記の通りコバケン+読響はハンガリー舞曲を録音しているほどなので 曲が楽員の身体に染み込んでいて,全体を一度さらっただけで アンコールに臨んだのかも知れません

 

          

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年末の「第九」演奏状況は?~「ぶらあぼ」のデータから/映画「葛城事件」を観る

2016年11月24日 09時32分45秒 | 日記

24日(木).外は雪が降っています.11月に雪が降るのは東京では54年ぶりということです 今夕 サントリーホールに行くのでそれまでに止んでくれることを祈るばかりです ということで,わが家に来てから今日で786日目を迎え,小さな椅子の下に潜り込んで世間の様子を窺っているモコタロです

 

          

           世界はトランプに振り回されているようだ 日本が対抗できるのは花札しかないな

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「豚バラこんにゃく」と「生野菜サラダ」「大根の味噌汁」を作りました もちろんこんにゃくは下茹でが肝心です

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

毎年12月は聴くべきコンサートがなくて困ります 正確に言えば「第九」しかないので困ります 現時点で12月は8つのコンサートの予定が入っていますが,各コンサート会場で「第九」さえ演奏しなければもっと予定が入っているはずです

「第九」と言えば,私はクラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」(無料誌)を愛読しているのですが,12月号の「News & Topics」コーナーに「2016年の『第九』演奏状況」という記事が載っていました

それによると「ぶらあぼ12月号巻末『12月コンサート』掲載の情報を元に編集部で集計した」とあります したがって,今年の1月から11月までに演奏された「第九」は集計に含まれていないことになります 私が聴いた3回の「第九」公演(①8月21日,飯守泰次郎指揮東京シティ・フィル,②9月22日,大友直人指揮東京交響楽団,③9月28日,西本智美指揮イルミナート・フィル)は集計対象外です 集計結果の詳細は下の通りです ※(  )内は昨年のデータ.

〇地域別 全国164(188),東京・関東81(91),近畿42(52),北海道・東北8(9),中部17(19),中国・四国7(7),九州・沖縄9(10)

  このデータによると,地域に関わらず年末における「第九」の演奏回数は昨年より今年の方が減っているようです

〇オーケストラ別 12回=日本フィル(10),7回=読響(9),6回=東京フィル(6),大阪フィル(6),関西フィル(6),群響(5),京響(5),5回=N響(5),新日本フィル(5),4回=東響(6),九響(4),3回=都響(4),東京シティ・フィル(3),セントラル愛知(3),名フィル(2)

  このデータによると,日本フィルが最多の12回で,しかも昨年よりも演奏回数を増やしている以外は,昨年と同じか減らしていることが分かります たしかに,日本フィルの第九のチラシが目立つような気がします 日本フィルにとって「第九」は ドル箱 ならぬ 円箱 です

〇会場別 12回=サントリーホール(11),7回=東京芸術劇場(9),6回=ザ・シンフォニーホール(7),5回=東京文化会館(5),4回=東京オペラシティコンサートホール(5),NHKホール(4),横浜みなとみらいホール(4),3回=京都コンサートホール(5),フェスティバルホール(4),オーチャードホール(3)

 東京・関東地区ではサントリーホールが最多で,オーチャードホールが最少であるのは良く理解できます 音響効果が最高と最悪の真逆ですから

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

早稲田松竹で赤堀雅秋監督「葛城事件」を観ました この作品は2016年公開 120分の映画です

 

          

 

親から金物屋を継いだ葛城清(三浦友和)は,妻の伸子(南果歩)と二人の息子とともに,念願のマイホームで過ごしていた しかし,自信の裏返しか,葛城はいつしか家族に対して強権的な態度を取るようになっていた 長男の保(新井浩文)は幼い頃から従順で良くできた子供だったが,結婚し子供が出来たのに会社からリストラを通告され,それを誰にも言い出せないまま過ごしていた 次男の稔(若葉竜也)は堪え性がなくアルバイトも長続きせず,それを清に ことあるごとに責め立てられ鬱積した想いを抱いていた いつも清に頭ごなしにものを言われ,抑圧されていた妻の伸子は,ある日,清への不満が爆発してしまい,稔を連れて家出をしてしまう そこから一家は崩壊の一途をたどることになる 稔はサバイバルナイフを手に雑踏に向かい無差別殺人を犯す.一方,死刑反対の立場から死刑囚の稔と獄中結婚した星野順子(田中麗奈)は,何度も稔との面会に臨むが,心を開かせることが出来ない

 

          

 

この映画は,理想の家族像を追い求めながら,現実がついてこないため強権的な言動で家族を支配しようとする一人の男のために,家族が崩壊していく様を描いていますが,思いの強い葛城清を三浦友和が見事に演じています 稔を演じた若葉竜也は初めて知りましたが,なかなか素晴らしい役者だと思いました

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萩原麻未+群響のチャイ・コンのチケットを買う/「日本で一番悪い奴ら」を観る/大日向俊子著「あなたが知らない”裏”音楽史」を読む

2016年11月23日 09時05分54秒 | 日記

23日(水・祝).今夜から明日にかけて関東地方でも雪が降る可能性が高いということです 考えてみればあと1週間で12月ですから不思議なことではないかも知れませんね ということで,わが家に来てから785日目を迎え,トランプ次期米大統領が就任初日に環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を表明する意向を示したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

           すべての国が「わが国ファースト」と言い出したらどうなるの?

 

  閑話休題  

 

チケットを1枚買いました.来年3月19日(日)午後3時からすみだトリフォニーホールで開かれる群馬交響楽団東京公演です プログラムは①千住明「オペラ”滝の白糸”序曲」,②チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番変ロ長調」,③ラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調」です ②のピアノ独奏は萩原麻未,指揮は大友直人です

これはもちろん萩原麻未のピアノを聴くために買ったようなものです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,早稲田松竹で白石和彌監督「日本で一番悪い奴ら」を観ました この作品は,日本警察史上最悪の不祥事と言われた実際の事件をモチーフとして描いた2016年公開の135分の長編映画です

 

          

 

大学時代に馴らした柔道の腕を買われ,北海道警察の刑事となった諸星要一(綾野剛)は,悪の根絶を目指す強い正義感を抱きながらも,うだつの上がらない毎日を過ごしていた ある日,署内随一の敏腕刑事・村井(ピエール瀧)から刑事のイロハを叩き込まれる.端的に言うと「刑事は点数を稼ぐことが第一で,そのためには裏社会に飛び込んでS(スパイ)をつくれ」というものだった 諸星は「北海道警のエース」として柔道で鍛えた身体を張ってヤクザの世界に飛び込み,彼らをSにして拳銃や麻薬の摘発に乗り出す そしてその世界にドップリ浸かるようになる

 

          

 

根が真面目な諸星は「正義の味方,悪を絶つ」の信念のもと,次々と違法ともいえる強引な捜査をするわけですが,後にそれらの行為が警察庁から「違法行為」と断定され,結果的に覚せい剤不法所持の罪で逮捕されてしまいます 北海道警察は 諸星の強引な捜査方法を黙認してきたのに,数々の犯罪的行為の罪を諸星個人に負わせようとします この映画の最後に「北海道警察の不祥事で,諸星以外で罪を問われた者は一人もいない」というクレジットが出てきますが,「日本で一番悪い奴ら」は諸星ではなく,彼を利用して危ない捜査を進め,道警の検挙率を挙げて来た北海道警察の連中のことを指していることを示しています

とにかく,この映画では諸星を演じた綾野剛が凄い 身体を張ってヤクザなデカを演じています.その迫力には凄まじいものがあります

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

大日向俊子著「あなたが知らない”裏”音楽史」(ヤマハミュージックメディア)を読み終わりました 大日向俊子は東京生まれ.慶応義塾大学経済学部卒業.東京放送でテレビディレクターを勤めた後フリーとなる.音楽プロデュース,音楽評論,作詞・イベント企画など幅広く活躍,作詞した曲に「グッドナイト・ベイビー」「どしゃ降りの雨の中で」「オレンジの雨」などがある

 

          

 

この本には,クラシックに限らず,ジャズ,シャンソン,ポップスなども含めて,世の中にあまり知られていないエピソードが収録されていて,次の5章から構成されています

第1章「作曲家の意外な真実」

第2章「実は恐ろしい音楽の話」

第3章「音楽史には載っていない作曲家の話」

第4章「音楽家たちにまつわる愛の話」

第5章「誰も語らなかった音楽の裏の話」

このうち第1章で興味を魅かれるのは音楽家たちの最後の言葉です

〇J.S.バッハ(1750年没.65歳)   「目が見える.視力が戻った」

〇ベートーヴェン(1827年没.57歳) 「友よ拍手を!喜劇は終わった」「遅すぎた.あまりにも遅すぎた」

〇ワーグナー(1883年没.70歳)   「私の時計を」

〇マーラー(1911年没.50歳)    「モーツアルト」

〇リヒャルト・シュトラウス(1949年没.85歳)「皆さんによろしく」

この他にも著名な作曲家の最後の言葉が紹介されています

第2章で初めて知ったのは「盗まれたハイドンの頭蓋骨」という話です.それによると

「ハイドンの遺体はウィーンのフンツトゥルマ―墓地に埋葬された.しかし,ハイドンは30年間楽長を務めたエステルハージ家があるアイゼンシュタットの墓に入ることが生前の望みだった これを知ったエステルハージ家の当主ニコラウス2世は,アイゼンシュタットのベルク教会に移すためにハイドンの遺体を掘り起こさせた.するとハイドンの遺体には何と首が無かったのだ 直ちにウィーンの警察に届けられ,捜査の末 犯人が捕まった.捕まったのは監獄管理人ヨハン・ペーターという男だったが,彼は『骨相学』に凝っており,頭骸骨の収集家だった ニコラウス2世はそれをペーターの友人ローゼンバウムから莫大な金額で買い取りベルク教会に埋葬し直した.ところが,話は続きがあった 何とこの首は偽物だったのだ.本物は病理学者のフォン・ロキタンスキーの元で保管されており,その後ウィーン学友協会に寄贈され,ハイドンの死から150年経った1954年に,やっとベルク教会の墓地に収められたのだった

大日向氏は「人を驚かすために『交響曲《驚愕》』を書いたハイドンも,死後150年間かしげる首がなかったという事件だった」とシャレで結んでいますが,ハイドンの首を盗んだ監獄管理人は首が繋がらなかったことでしょう

切り口で面白いと思ったのは第3章「音楽史には載っていない作曲家の話」の中の「そのとき,1820年のヨーロッパで起こっていたこと」です われわれが西洋音楽史を語る時,年代別に分けて,バロック期,古典派,ロマン派,印象派などと呼んで捉えていますが,当時の音楽家たちはそんなことを考えて作曲していた訳ではありませんでした そこで,筆者は「縦に記されてきた音楽史を横に切り,有名な作曲家たちが同時代に一番多く生きていた1820年のヨーロッパ全土にタイム・スリップした気分で,上から見下してみた」と書いています

1820年.「アマデウス」で有名になったサリエリは70歳の人生をウィーンで送っていた 50歳のベートーヴェンは第九やミサ・ソレムニスの作曲に明け暮れていた 23歳のシューベルトは教員を辞めたものの自立できずにいた 17歳のヨハン・シュトラウス2世はワルツを書き続けていた リストは初めて公開演奏会を開き絶賛を浴びた ウェーバーは歌劇「魔弾の射手」を完成した 11歳のメンデルスゾーンは自宅のサロンで自作の曲を演奏し喝さいを浴びていた シューマンとショパンは10歳だった.ワーグナーは7歳だった.一方,イタリアでは28歳のロッシーニが歌劇「マホメット2世」の初演を迎えていた フランスでは17歳のベルリオーズが医者になるためパリの医科大学を目指して猛勉強に明け暮れていた

こうしてみると,音楽史がこれまでと全く異なる目で捉えることができるので,新鮮に感じます

このほか,この本には初めて知るエピソードが満載です.クラシックに限らず音楽好きの人に広くお薦めします

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「シュターツカペレ・ドレスデン首席奏者による室内楽の夕べ」を聴く~ベートーヴェン「七重奏曲」,シューベルト「八重奏曲」

2016年11月22日 08時06分52秒 | 日記

22日(火).今朝6時少し前の地震には驚きました 東京でも随分長い間揺れていました.報道によると福島沖を震源とするマグニチュード7.3の大地震で津波警報が出されたとのこと 幸い東京電力の原発には支障がないようですが,現地の方々は不安な時間を過ごされているのでないかとお察しします 当面,海には近づかないようにするなど用心していただきたいと思います

ということで,わが家に来てから今日で784日目を迎え,南米ペルーで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)が「あらゆる形態の保護主義に対抗する」とした首脳宣言を採択したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

             トランプの「アメリカ・ファースト」を崩さないと「APECセカンド」のままじゃん

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「牛肉とゴボウのしぐれ煮」と「生野菜サラダ」を作りました 「牛肉~」は,この前作った時に「ゴボウの さきがき が分厚すぎて噛み切れない」という娘のクレームを思い出しながら,薄く さきがき しました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,サントリーホール「ブルーローズ」で「シュターツカペレ・ドレスデン首席奏者による室内楽の夕べ」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」,②シューベルト「八重奏曲ヘ長調」です.出演はヴァイオリン=マティアス・ヴォロング(コンマス),イェルク・ファスマン(副コンマス),ヴィオラ=セバスティアン・ヘルベルク(首席.以下同様),チェロ=ノルベルト・アンガー,コントラバス=アンドレアス・ヴィレジョウ,クラリネット=ヴォルフラム・グローセ,ファゴット=ヨアヒム・ハンス,ホルン=ロベルト・ラングバインです

 

          

 

自席はLb1列6番,左斜めブロック左通路側です.会場は8割方埋まっている感じでしょうか 開演時間を2分過ぎたあたり,出演者を待つばかりの静かな会場に,またしても現れましたシン・ゴジラ,もとい,サスペンダーおじさん センターブロックの最前列左通路側席の前に立ちます.早く座ればいいものを後方を向いて隣の人に話かけています(赤の他人のようです).もちろん自分がここにいることを他の聴衆に認めて欲しいからです 照明が落ちると慌てて座りました.いつものように大きなバッグを抱え,草履を履いています.おじさんも私も同じ最前列なのでよく見えます 先週木曜には新国立オペラで,土曜にはトリフォニーホールで見たばかりなので,この5日間で3回もおじさんの姿を見ることになります.もう勘弁してほしいです 来てもいいから目立たないようにしてほしいです.あんたが主役じゃないんですから.勘違いしないで欲しいです

ということで,1曲目はベートーヴェンの「七重奏曲変ホ長調」です この作品は1799年に完成した6楽章から成る作品です.1800年(ベートーヴェン30歳の時)にブルク劇場で交響曲第1番とともに公開初演されました 若き日の傑作です 私はこの曲が大好きで,チラシを見てこの曲がプログラムに組まれていると,ほぼ自動的にチケットを買ってしまいます 前にもブログに書きましたが,晩年の弦楽四重奏曲や第九も良いけれど,若い時に書いたこうした明るく楽しい作品もベートーヴェンの別の一面を見るようで,とても好きです

コントラバスを真ん中にして,左サイドにヴァイオリン,ヴィオラ,チェロが,右サイドにホルン,ファゴット,クラリネットが並びます さながら弦楽器対管楽器の演奏合戦といった様相です 自席から顔が見えるのはファゴットとクラリネットだけで,ヴァイオリンやヴィオラなどは背中しか見えません.やっぱり室内楽はセンターブロックで聴くべきだと反省した瞬間でした

コンマスであるヴァイオリンのマティアス・ヴォロングの音頭で第1楽章「アダージョーアレグロ・コン・ブリオ」に入ります このアダージョ部分を聴いて いつも思うのは,次に来るアレグロがどんなメロディーだったかな,ということです 実は長い間,この第1楽章のアレグロと最後の第6楽章の「アンダンテ・コン・モト・アラ・マルシェープレスト」のプレストが頭の中でごっちゃになっていて,どっちがどっちだか分からなくなっていたのです とくに第1楽章のアレグロが思い浮かびませんでした.しかし,つい最近,この問題を克服しました それは交響曲第5番の運命の動機の変形と捉えることです.運命の動機はジャジャジャジャ―ンと最後は下がりますが,七重奏曲の第1楽章のアレグロはジャジャジャジャーンと最後が上がるのです.これを発見してから混乱が無くなりました.すいません.どうでもいいことです

この曲を聴いていつも思うのは,弦楽器と管楽器の,弦楽器同士,あるいは管楽器同士の掛け合いの楽しさです この日のシュターツカペレ・ドレスデンの首席奏者の演奏でもそうでしたが,例えば,第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」,第4楽章「テーマ・コン・ヴァリアッツィオー二」などは,まさに掛け合いを楽しむ音楽です

一方,第5楽章「スケルツォ」の中間部におけるチェロの独奏は,華やかな管楽器やヴァイオリンを陰で支える縁の下の力持ちの存在を前面に出したという意味で音楽的に素晴らしいと思います 全体を通して主旋律を奏でるのはもちろんヴァイオリンですが,最後の第6楽章におけるヴァイオリンのカデンツァはさすがはシュターツカペレ・ドレスデンのコンマスの演奏でした

 

          

 

休憩後はシューベルト「八重奏曲ヘ長調」です この作品はアマチュアのクラリネット奏者・トロイヤー伯爵の依頼で作曲されました.ベートヴェンの「七重奏曲」にヴァイオリンを1本追加した楽器編成です 6つの楽章から構成されていることや,各楽章の作り方などから,ベートーヴェンの「七重奏曲」を模範として作ったことは間違いないでしょう ベートーベンと違う一番の特徴は,いつ終わるか分からないということでしょうか

8人の奏者が登場,第1ヴァイオリンのヴォロングの合図で早速第1楽章に入ります ベートーヴェンの七重奏曲と同じように,最初はアダージョでゆったりと進みますが,その後溌剌としたアレグロに移ります.シューベルトはベートーヴェンをかなり意識していることが分かります この曲の中で一番親しみのある有名な音楽は躍動感溢れる第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」でしょう また,次の第4楽章「アンダンテ」はとても美しい音楽です

驚くのは最後の第6楽章です.コントラバスの激しいトレモロで不気味な雰囲気で開始されます.しかし,いつしか雲の間から晴れ間が見えるような明るい音楽になります そして,終わりそうで終わらないシューベルト特有の音楽が延々と続きます つい言いたくなります.「シューベルトってどうして同じメロディーを何度も何度も繰り返し演奏させるんだろう 」と.

この日の演奏を独断と偏見で評価すると,個人的に大好きなベートーヴェンの「七重奏曲」よりも,いつ終わるか分からないシューベルトの「八重奏曲」の方が良かったのではないか,と思います 実際に身近で聴いて感じたのは,第2ヴァイオリンのイェルク・ファスマンが加わったことが大きかったのではないか,ということです コンマスのヴァイオリンは1676年製のグァルネリですが,第2ヴァイオリンのイェルク・ファスマンの使用楽器は不明であるものの相当な楽器を使っているのではないかと推測します.実に美しい音がしました この二人にヴィオラのセバスティアン・ヘルベルクを加えた弦楽だけの三重奏の部分を聴いた時,一瞬,かつてのシュターツカペレ・ドレスデンの響きを聴いたような気がしました

8人はアンコールにシューベルト「八重奏曲」の第3楽章「アレグロ・ヴィヴァ―チェ」を演奏,拍手喝さいを受けました

なお,この公演を聴くために予習したのは下のCDです.演奏はブタペスト・アンサンブルとなっていますが,実態はどんな音楽グループか分かりません それはそれで良いのです.予習は,それがどんな曲か全体像が把握できれば良いのですから

 

          

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第一生命ホール15周年記念ガラ・コンサートでオール・モーツアルト・プログラムを聴く~吉野直子,矢部達哉,川本嘉子,仲道郁代ほか名演奏を披露

2016年11月21日 08時09分48秒 | 日記

21日(月).わが家に来てから今日で783日目を迎え,米国のトランプ次期大統領の政権の本音が見えてきたとするニュースに感想を述べるモコタロです

 

          

           当選してから現実路線に軌道修正していると言われてるけど 基本は変わらない?

 

  閑話休題  

 

昨日,晴海の第一生命ホールで「第一生命ホール15周年記念ガラ・コンサート~モーツアルト第1回」公演を聴きました 第一生命ホールのロビーもクリスマス・モードです

 

          

 

この日の公演はオール・モーツアルト・プログラムで,①ソナタ  ハ長調K.14,②「泉のほとりで」の主題による6つの変奏曲ト短調K.360,③ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423,④弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465”不協和音”より第1・4楽章,⑤ピアノ・ソナタ  ハ長調K.545,⑥ディヴェルティメント変ホ長調K.563より第1楽章,⑦アダージョとロンドK.617,⑧グラドゥアーレ「天主の御母なる聖マリア」K.273,⑨モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618です

 

          

 

自席は1階6列11番,左ブロック右から2つ目です.会場は8~9割方埋まっているでしょうか 1曲目は「ソナタ ハ長調K.14番」です 元々はチェンバロ,ヴァイオリン(又はフルート),チェロのための三重奏曲ですが,今回はハープ,フルート,チェロによって演奏されます シックな衣装の佐久間由美子,落ち着いた紫系の衣装の吉野直子が若い横坂源とともに登場します ケッヘル番号が若いことでも分かるように,この曲はモーツアルトが8歳の時に作曲した作品です 3つの楽章から成りますが,フルートによる愛らしいメロディーに華麗なハープと軽快なチェロが絡みます

2曲目は「『泉のほとりで』の主題による6つの変奏曲ト短調K.360」です モーツアルトがザルツブルクからウィーンに出た25歳以降の作品です.ヴァイオリンの松原勝也と,白の鮮やかな衣装に身を包まれた仲道郁代が登場します 冒頭の主題を演奏する松原のヴァイオリンを聴いて,古楽器の音がしたので驚きました ただその時だけで,それ以降はモダーン楽器の音がしました

演奏後,2人のトークがありましたが,仲道が「このピアノ(スタインウェイ)は,このホールが出来た15年前に選ばせていただいたんですが,これまでよく成長してくれました」と語っていたので,仲道郁代のアドヴァイスで導入したことが分かりました

3曲目は「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423」です この曲はウィーンでコンスタンツェと結婚したモーツアルトがザルツブルクに里帰りした際に,ヨーゼフ・ハイドンの弟ミヒャエル・ハイドンが病気で 依頼された作品が出来なくなったため代作したものです 第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「ロンドーアレグロ」から成ります

ヴァイオリンの矢部達哉とヴィオラの川本嘉子が登場します.この二人はかつての都響の黄金コンビです 矢部は現在も都響のコンマスを務めていますが,川本は長い間 不動のヴィオラ首席を務めていました 第1楽章が開始されます.モーツアルトのニ長調の曲なので明るく伸び伸びした曲想なのですが,二人の演奏は美しい中に深みがあります ひと言で言えば円熟した演奏家同士による豊穣の響きです.同色の楽器による二重奏でこれほどの色彩感が出せるのですから驚きます

良い気分で聴いている時,会場後方からトルルルル~というケータイの着信音が聴こえてきました こういう輩に限って,犯人は自分ではないと思っているので,しばし鳴り続けます 開演に当たり アナウンスに加え,2人の担当者が通路を巡ってケータイの電源を切るように念押ししていたにも関わらず こういう失態を起こす人はいったいどういう人種でしょうか こうした注意にまったく耳を傾ける意志のない馬耳東風の輩か日本語が通じない外国人でしょう(英語のアナウンスはなかったので).しかし,見渡したところ外国人は見当たりませんでした.こういう 常識という概念を理解できない輩にはこのホールに限らずコンサートホールには二度と来ないで欲しいと思います

プログラム前半の最後は「弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465”不協和音”」から第1楽章と第4楽章です モーツアルトは1785年(29歳)に 4年間かかって6曲の弦楽四重奏曲を作曲し,師と仰いだヨーゼフ・ハイドンに献呈しましたが,この曲は6曲目の作品です 「不協和音」という名称は第1楽章冒頭の独特の響きから付けられました

ウェールズ弦楽四重奏団が登場します.このクァルテットは桐朋学園の学生により2006年に結成され,2008年ミュンヘン国際音楽コンクールで第3位に入賞しています メンバーは,第1ヴァイオリン=崎谷直人,第2ヴァイオリン=三原久遠,ヴィオラ=横溝耕一,チェロ=富岡廉太郎です.第1楽章がチェロから入りますが,混沌とした世界から,雲間が切れて太陽が現われるようなところは,いつ聴いても素晴らしいと思います

 

          

 

休憩後の最初は「ピアノ・ソナタ ハ長調K.545」です この曲は1788年(32歳)に初心者のために書いた曲です.第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「ロンド:アレグレット」から成ります.仲道郁代が登場,軽快なテンポで第1楽章を開始します 私はこの曲の第2楽章「アンダンテ」が好きです.かなり昔,NHKテレビで「ユートピアノ」という音楽ドラマがありましたが,そこでテーマ音楽のように使われていたのがこの「アンダンテ」でした これを観てから,この曲が好きになりました.仲道郁代の演奏は私のイメージからは若干速過ぎるようです

次は「ディヴェルティメント変ホ長調K.563」から第2楽章「アダージョ」です この曲も1788年に作曲されました.6楽章形式ですが,フリーメイスンの盟友でモーツアルトが度々借金を申し入れていたプフベルクに献呈しています.もしプフベルクが居なかったらモーツアルトは(35歳で死去しましたが)もっと早死にしていたかも知れません

松原勝也のヴァイオリン,伊藤慧のヴィオラ,西山健一のチェロによる演奏は深みのある,神への感謝のような音楽に聴こえました

次いで,「アダージョとロンドK.617」が演奏されます この曲は,アメリカの政治家で科学者でもあったベンジャミン・フランクリンが発明したと言われるグラスハーモニカのために,1791年(この年の12月に死去)この曲を作曲しました この日はグラスハーモニカに代えてハープが用いられました.吉野直子のハープ,佐久間由美子のフルート,矢部達哉のヴァイオリン,川本嘉子のヴィオラ,横坂源のチェロによって演奏されましたが,一部,オペラ「魔笛」の音楽が聴こえてきたように思いました 最晩年の無垢な音楽が会場に響き渡りました

次に,ウェールズ弦楽四重奏団と東混ゾリステン(男女各4名)によりグラドゥアーレ「天主の御母なる聖マリア」K.273が,最後にモテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618が演奏されました モーツアルトの宗教音楽は,「ハ短調ミサ曲」にしても「レクイエム」にしても未完成だった中で,「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は唯一の完成した宗教曲です これはまさに天上の音楽です.合唱もクァルテットも良かったと思います

最後にこの日の出演者が全員登場しカーテンコールに応えました 15数年記念ガラに相応しい素晴らしいコンサートでした

 

          

コメント (4)
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