ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

清く正しい宝塚ファン必見の本

2005-05-21 10:16:44 | つれづれ日記
タイトルがオーバーかしら

今回、ご紹介するのは「バリバリのハト派」という本。
(荷宮和子著・晶文社)

この本はサブタイトルに
「女子供のカルチャー反戦論」と書いている。
そう・・要するに「反戦論」なわけ。
「憲法9条は絶対に守るべきだ」
「イラクへの自衛隊派兵は許されない」
というようなことが書いてあるのだけど、非常にわかりやすくそれでいて
ばしばしと述べてくれているので小気味いい。

どうして「清く正しい宝塚ファン必見の本」なのかというと・・
引き合いに宝塚の作品が使われているから。
その中でも「スサノオ」
を引き合いに出しての作・演出家である木村信司批判は
「そうよっ!そうよっ!そのとおりよっ!」と頷きながら読める。

最近(っていうか去年あたりから?)感じて来た
「観客の質の低下」
それは、舞台を読み取る力の低下だったり、キャラクターの心情を理解する力の低下だったりする。
例えば
「青い鳥を捜して」(石田昌也作・演出)で、真っ向から女性をバカにしたり、否定したりする表現が
目立ったり、非常にナーバスな事に関してあまりにも無頓着に表現する事に対して、
まるっきり理解していないのか
「見ていて感動しました」という感想が多かったこと。
さらに「ご贔屓が出ている作品だから不愉快な部分は聞かなかったことにする」
という人も多かった。
作品自体を批判しても
「私のご贔屓さんが出ているのに悪口を書かないで下さい!」っていうのも多い。
このような感想しか返ってこなくなったのは、
今時の人たちが
「決まったもんはしょうがない」(例えそれが人道上許されないものでも)
「知らない方がかっこいい」と思っているからなのだそうだ。

「私のご贔屓さんが出演する作品なのに、こんなくだらなくて観客をバカにする
ような作品を押し付けるなんて許せない!断固劇団に抗議する。観客をなめるなよ」
なーんて思想はどこにもないらしい。
その理由を本書は「知ってるからってえらそーにするんじゃない」と居丈高だった
団塊世代の子供達が「知らない方がかっこいい」と思うようになってしまった事。
それを団塊と団塊ジュニアの間の「くびれ世代」は結構苦々しく思っているということ。


「反戦」
という事に関しても同じような思想の流れから
「国家が決めたイラク派兵なんだからしょうがない」という風潮が強まり、
いつのまにか、ちょっとでもそこから逸脱すると「非国民」扱いされる
危険な兆候だというのである。
まさに「何で太平洋戦争に反対する国民がいなかったのかわかる」時代なのだ。

まあ・・
そこまで本書を読んで考え込まなくてもいいけど。
そろそろ、宝塚ファンだって怒るべきじゃない?
「観客の9割が女性」で「夢を売る舞台」なのに
あからさまな女性蔑視セリフや軍国調の芝居やショーには
目を光らせて、その裏にある「思想」を読み取って
正しく理解し、許せないものは許せないというべきじゃないかしら?


どんな事でも
「知らないよりは知っていた方がいい」し、
「なぜそうなのか」
と考えることは大事。
のちのち、「あの時はああいう時代だったからしょうがない」
と開き直る事こそかっこ悪いと思うけど・・ね
コメント (2)
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