ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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真夏のオリオン

2009-07-15 15:51:47 | ドラマ・ワイドショー

 いや・・・そのね・・・私のような引きこもり主婦にとって、外出するって

それだけで勇気がいる事だったりするのよ

まして映画館に行くって言うのはねーー勇気っていうか、決心が必要な

わけ

なので、本日、レディスデーを狙い、頑張って「真夏のオリオン」をみるぞーー

と勇気を振り絞ってバスに乗り、映画館へ

たった4人しかいない上映場所に入り、さあ、始まるぞーと思っていたら

携帯がぶるぶるぶるっ は?メール?と思ったら姫からで。

お兄ちゃんの高校で新型インフルエンザが出たから隔離されて早退

させられるの」だって・・・・

え?私、今、映画館・・・これから見るのーー

何でこんな時に限って。しかも姫の学校からはひっきりなしに携帯に

着信あり

でも、今日を逃すと見れないので姫を待たせて・・・みましたとも。

 

 真夏のオリオン 

 

時は昭和20年8月13日から15日までの間。

倉本艦長率いる潜水艦「いー77」とアメリカの戦艦がにらみ合いの

戦闘を行う。

ぎりぎりの極限状態で魚雷はすでに一発きり・・・それに全てをかけて

浮上したら・・・終戦になってしまった

「真夏のオリオン」というのは、倉本の同僚有沢の妹・静子が作った曲。

お守り代わりに倉本に渡した楽譜

真夏のオリオン 愛する人を導け 帰り路を見失わないように」と

イタリア語で書いてあるのね。

 

 あまり人が死なない戦争映画

普通、戦争映画って大規模な戦闘シーンなしでは考えられないよね。

特に昭和20年の8月なんて特攻隊やら南方戦線やら原爆やら・・・

ネタに事欠かないけど、悲惨な話ばっかり。

それこそ涙・涙・涙・・・のオンパレード

思想的にも「きけわだつみの声」みたいな反戦メッセージを役者に言わせる

映画や「男たちの大和」みたいな日本海軍万歳モード全開

ひめゆりの塔」系ドキュメンタリーって3種類に分けられますよね

3つに共通するのは日本が負けてズタズタになったということ。みーんな

死んじゃう事。

ですが、この映画で死ぬのは森さんという機関室の兵隊さんと、

「いー81」の乗組員だけ・・・

 

さらに、いわゆる思想的には日本が、アメリカが・・・っていうのではなく

お互いの国が対等にスポーツ感覚で戦争しているような感じがします。

スポーツ感覚っていうと語弊があるけど、この映画の中には「鬼畜米英」とか

ジャップ」という言葉はないし、武器などの格差もあまり考えられないっていうか

いいか悪いかは別にして、戦後生まれの人による映画なんですよね。

(敵国に対する憎しみがない戦争映画っていうんですかね・・・・)

 

いきなり飛び込んでくる終戦の通知で、お互いが敬礼し合うなんて、

考えられない事だと思うんですが、ピーっと笛がなった途端、試合終了?

みたいな?

 

 静かな戦争映画

ほとんどが潜水艦の中。しかも男ばっかり。回りの景色も魚雷も爆発も

全部CGなのであまりリアル感がないっていうか、悲愴感がないって

いうか。

「いー81」の乗組員は潜水艦ごと沈んでしまって、最後までモールスを

打ち続けた有沢艦長も酸素不足と敵の爆薬で死んでしまう。

森君はたった一つしかない魚雷に押しつぶされて死んでしまったわけで。

ゆえにここに「天皇陛下万歳」的死はありません。

 

海の中は静かだし、お互い睨みあいが続くし、激しい戦闘シーンはなく

お互い魚雷を発射し合うだけなので、その手で人を殺すわけじゃないから

なおさら悲壮感がないのかなあ。

でも、潜水を続ける艦の中の酸素が少なくなって苦しくなる過程や、

ピンチをどう切り抜けるかといった緊張感はよく伝わってくるので、

見ている観客が潜水艦に乗っているような気持ちになりますね。

 

 理想の上司・・・倉本艦長

とにかく、これ以上理想の上司はいないんじゃないか?というくらい

倉本艦長は判断力がすごい。

 どんなにピンチでも冷静・沈着

 絶対に希望を捨てない

 部下に優しく、緊張を強いるのではなく和らげたりもする

 ロマンチスト・でも感傷的ではない

ハーモニカを持っていた音楽家志望の鈴木君に

「俺も指揮者を目指していてオーケストラの指揮をやりたかった」

などと冗談を言って笑わせる。(絶対に「のだめ」入ってるよねーー)

実は音楽には疎くてショパンとベートーベンの違いもわからない。

でも静子がくれた楽譜は大事にしていて「真夏のオリオンは吉兆」と言う

また、潜水を35時間も続けてもう終わりという時に、回天の高圧酸素を

引っ張り出して補給し、回天は無人のまま捨てる・・など、普通の軍人が

やりそうにない事を平気でやっちゃうのよ

 

また、時計のように正確に「メシっ」と言って、思いきりおいしそうに

ご飯を食べる 上司が元気だと部下も元気になるよね

最後の船が沈んでしまって中々浮上出来ず、焦りと不安で一杯な時の

それでも諦めないしつこさっていうか・・・尊敬しちゃうわあ

 

 玉木宏による玉木宏の為の・・・

という事で、この映画もまた「玉木宏ありき」の映画でした

動きが少なく、単調なシーンが多いのです。

過去と現在が唐突に絡みあったりするし、ちょっとわかりにくいところも

あるかな。CGの多様はリアル感を欠如させていうし・・・もし、主演が

玉木じゃなかったら面白くなかったかも。

 

玉木君の何がいいって、やっぱりその「目力」でしょう

潜水鏡を見つめる時や、地図を前にして作戦を練る時の目つきや

決断を下す時の目は、誰にも真似出来ないかっこよさっていうか

魅力があります。

一方で、カレーを食べたりハーモニカを聞いたりしている時のなごんだ

顔もまたよく、落ち着きます

一番はやっぱり声かなあ

とても魅惑的な声はリアリティのない映画に息を吹き込んでいるような気が

します

 

多分、今後はこういう好敵手同士の日本とアメリカ・・・みたいな映画が

出来ちゃうのかなあ。

日本人の戦争観も随分変わったなち思いました。

 

 

 

コメント (4)
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