ふぶきの部屋

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韓国史劇風小説『天皇の母」27 (フィクション・・よね)

2011-10-09 17:39:02 | 小説「天皇の母1話ー100話

1970年代の子供はみな「天皇は国の象徴」と教わったが、「象徴」とは何か・・という

事については教わらなかった。

真珠湾や原爆については学んだが、なぜ日本が戦争への道を歩み始めざるを

得なかったのかは教わらなかった。

ただ「日本は悪い国だったので近隣諸国に迷惑をかけた」という意識のみが残るような

教育を施されたのだ。

ゆえに、子供達の頭の中には「日の丸」「君が代」「天皇」の3つの言葉はタブーと

してインプットされてしまう。

例えば「私は国旗が好きだ。国歌を聞くと心がひきしまる」などとおおっぴらに言う者が

あれば「あなたは右翼か」と後ろ指を指される。

「天皇陛下を尊敬している」もタブーだった。

たとえ子供達の祖父母世代が「天皇陛下」と敬おうが、孫世代はそれを見習おうと

してはいけなかったのだ。

「天皇制」が何であるか、「皇室」の存在意義とは何か・・そんな事を戦後の子供達は

全く教わる事も考える事もなく今に至っている。

 

そのような時代にヒロノミヤは小学生になったのだった。

ヒロノミヤの祖父母である天皇・皇后は、宮中においては戦前と変わらない威厳を持ち

宮中祭祀を司る祭祀長の役割を務め、そして国の「父母」としての象徴だった。

ヒロノミヤの両親である皇太子夫妻は「開かれた皇室」をスローガンに、国民の中に

入って行こうとしていた。

病院・施設などを精力的に回り、沢山の人と会い、「苦しみや悲しみを分かち合う」

スタイル。

また日の当たらない福祉活動に自ら入る事によって発展させていく・・という公務を

見出して、これまた精力的に活動していた。

・皇室は清貧であるべき

・皇室は弱者を支えるべき

・皇族は常に立ち居振る舞いが完璧で失言せず、誰にとっても平等であるべき

この頑なな3つのスローガンは夫妻のみならず子供達へも影響を及ぼす。

 

「ヒロノミヤ様は何となく萎縮しているように見えますが

初等科長は皇太子妃と向かい合っていた。

将来の天皇であり、皇孫であるヒロノミヤの教育は学習院初等科においての

究極の命題になっている。

何事も受身でいらっしゃって積極的に行動されるという感じではありません。

何に特に興味があるというわけではないですし」

初等科長としてもこのような台詞を言うのには勇気がいる。

表向き、ヒロノミヤの成績は優秀で元気で活発という事になっている。

しかし初等科の中のヒロノミヤは物事に対する関心が薄く、自ら積極的に動くという

事をしない。

ヒロノミヤは自分が食堂の椅子に座れば食べ物が出てくると思っています

ミチコはため息をついてそう言った。

何事においても厳しく、求めるものが大きすぎた為に気後れしているのかも

しれないと感じる事があります」

成程

小さい時からヒロノミヤには慰められて来ました。皇室という環境の中で

私がくじけたり悲しくなったりすると、きまってヒロノミヤが手をとって慰めてくれます。

優しく思いやりがある子供です。けれど、一方で人々の前に出るときは

どうしても将来の天皇としてふさわしい行動に努めて欲しいと思うあまり、彼がよく

理解できないままに要求し、行動させてしまうのです」

アヤノミヤやノリノミヤがまだ小さい為に、兄らしさを求めているのかもしれないとも

思っています」

そうですね。宮様はまだもう少し赤ちゃんでいらしたいのかなと感じる事があります」

どうしたらいいのでしょうか」

お勉強に関しては得意な分野や好きな分野を伸ばしていく事にいたします。

社会性を身につけるという点では、もっと集団行動に入れて回りをよく見るという

訓練が必要かもしれません。学友はみな宮様と仲良しですが特に仲がいいという

者も見当たりません」

それは誰にでも平等に接するべきと教えてきたからではないでしょうか」

そうですね。もう少し親密な関係を持てるようになればいいのですが

皇太子妃は息子が非常におっとりしていることに気づいていた。

テストの成績は常にあひるが歩いているようなものだし、競争心に乏しく

回りに気を使うタイプではない。

この息子をどうフォローしていったらいいのか。

日々、忙しいためにハマオ侍従に多くを任せてはいるものの、このような環境が

のちのちどう影響を及ぼすのかと思うと、ほんの少し不安になる。

「先は長いので、どうか妃殿下、あまり考えすぎないように・・・」

完ぺき主義の親を持つと苦労するなあ。と、初等科長は内心思っていた。

 

コメント (3)
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