ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

この木 何の木?

2008-05-17 | Weblog
 木の花は、ほとんどが散ってしまった。かろうじていまも盛りなのが、まずヤマボウシ。米国産のハナミズキ(アメリカヤマボウシ)ではなく、国産白花の山法師である。それから、桐(きり)と山の藤、ナンジャモンジャことヒトツバタゴなどであろうか。
 ところで、樹は花のあるうちはいいのだが、葉だけになってしまうと、わたしなど木の名がほとんどわからない。たとえばハナミズキ。つい先日まで白と桃色のきれいな花もどきで街路や庭を飾っていたのだが、いまになってみるとどの木がハナミズキなのか? 葉をみてもよくはわからず、樹肌の魚麟文様をみてはじめて、ああ、この木だったのかと合点したりする。この季節、素人が樹名を判定することはむずかしい。

 かつて巨木のTVコマーシャルが、よく放映されていた。スポンサーは日立だったかと記憶するが、歌も好きだ。
♪ この木 何の木 気になる木 名前も知らない木ですから 名前も知ら~ない 木に なるでしょう
 あの木はたしか、ハワイのどこかの植物園の大樹だと思うが、わずか一本の大木に<単樹千鳥を養う>とでもいおうか、野鳥だけではなく、リスもムササビも、たくさんの野生の小動物たちが集い、住まい憩う。緑の宿のようであった。

 木の名といえば、命名の最高傑作は「ナンジャモンジャノキ」ではなかろうか。よくもこのようなケッタイな名をつけたものだと感心する。今日も白い小花たちの満開に出会ったが、それらも数日で葉だけになりそうな気配であった。
 ナンジャモンジャの正式な名は「ヒトツバタゴ」だが、関東弁「何じょう物じゃ」から来たそうである。さしずめ大阪弁なら「何ちゅうもんじゃ?」であろうか。意味は、「名前のわからぬケッタイな」木ということである。
 よくもこのようなふざけた名をつけたものだと思うが、この木「ヒトツバタゴ」はもともとが、国内では中部地方木曽川域と対馬くらいにしか自生しなかった木だという。江戸期に、いまの明治神宮外苑あたりにはじめて移植された。そしてこの木の白い小花が大満開になったとき、江戸っ子たちは驚嘆した。「なんじゃもんじゃ?」。このときからヒトツバタゴは、ナンジャモンジャに変身してしまったのである。
 このような毒にも薬にもならぬ話、いくら続けても「何んぼのもんじゃ!」と軽蔑されそうだが、若葉は茶の代用品になる。中国では結構、有名な茶である。いちど葉を摘んで、茶化して飲んでみよう。もしうまければ、銘茶「なんじゃもんじゃ」と命名して売り出そうかと、まずは獲らぬ狸の皮算用の今日このごろ。
 ところで、日立コマーシャルの木の名は、いったい何であろう? 気になる木である。
<2008年5月17日 単樹養千鳥>
コメント (3)
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