<アメリカ大統領選挙>
ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンがデッドヒートを争っている米国大統領選挙。このふたりが最終候補なのだが、つい先日までクリントンに肉薄したバーニー・サンダースにも注目すべきであろう。
サンダースをいまも支持する青年は、バーニーとともに戦ってきた運動は「政治がわずか1%の特権階級にカネで買われ、この国が僕ら一般国民じゃなく一握りの富裕層のためだけの国になっていることに対する国民の怒りの声なのです。ヒラリーはその1%にバックアップされている人物です」(堤未果著『政府はもう嘘をつけない』角川新書)
英国の保守党と労働党の明確な差異が消滅してしまったのと同じように、いまの米国は民主党も共和党も同じ穴のムジナのように見える。保守を選ぼうが、リベラルに投票しようが、結局は1%が支配し、圧倒的多数の国民は貧困と格差に追いやられる。
誰もがアメリカンドリームを手にする機会があったはずの米国が、国家としての力を失い、超富裕層だけが潤う「株式会社国家」になってしまった。トランプは過激発言や失言がマスコミに追及されてばかりいるが、彼は国民多数の厚い支持を得ている。トランプのスローガンは「強欲な1%から、アメリカを取り戻す」であり、サンダースの主張とピタリ重なる。堤未果氏は「トランプ&サンダース旋風」は同じコインの表と裏という。
バーニー・サンダース議員はこう語っている。「アメリカの大統領と議会が国民のニーズに応えていない大きな原因は選挙資金です。お金持ちや大企業がお金で政治家を売り買いできるような制度になっていて、金持ちはより金持ちになり、貧しい人々はますます貧しくなります。普通のアメリカ人が政治から閉め出されているのです」
米国内の反資本主義の流れは、現在本命視されているクリントンが当選しても、やはり変わらないであろう。あるいはより過激な運動になっていく可能性すら感じる。圧倒的に多数の米国民が、主流派・エスタブリッシュメントに対して「ノー!」と言いはじめたのである。
米国民が体制に向けた怒りが、今回の大統領選で噴き出したのである。貧困層の拡大、広がる格差、それらに向けた怒りが異端トランプへの支持であり、民主社会主義者サンダースへの敬愛であったのであろう。だれが大統領になろうが、99%対1%の闘いはますます激化するしかないはずだ。それはおそらく、反グローバル者の時代のはじまりであろう。
<2016年9月9日掲載 8月15日記>
ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンがデッドヒートを争っている米国大統領選挙。このふたりが最終候補なのだが、つい先日までクリントンに肉薄したバーニー・サンダースにも注目すべきであろう。
サンダースをいまも支持する青年は、バーニーとともに戦ってきた運動は「政治がわずか1%の特権階級にカネで買われ、この国が僕ら一般国民じゃなく一握りの富裕層のためだけの国になっていることに対する国民の怒りの声なのです。ヒラリーはその1%にバックアップされている人物です」(堤未果著『政府はもう嘘をつけない』角川新書)
英国の保守党と労働党の明確な差異が消滅してしまったのと同じように、いまの米国は民主党も共和党も同じ穴のムジナのように見える。保守を選ぼうが、リベラルに投票しようが、結局は1%が支配し、圧倒的多数の国民は貧困と格差に追いやられる。
誰もがアメリカンドリームを手にする機会があったはずの米国が、国家としての力を失い、超富裕層だけが潤う「株式会社国家」になってしまった。トランプは過激発言や失言がマスコミに追及されてばかりいるが、彼は国民多数の厚い支持を得ている。トランプのスローガンは「強欲な1%から、アメリカを取り戻す」であり、サンダースの主張とピタリ重なる。堤未果氏は「トランプ&サンダース旋風」は同じコインの表と裏という。
バーニー・サンダース議員はこう語っている。「アメリカの大統領と議会が国民のニーズに応えていない大きな原因は選挙資金です。お金持ちや大企業がお金で政治家を売り買いできるような制度になっていて、金持ちはより金持ちになり、貧しい人々はますます貧しくなります。普通のアメリカ人が政治から閉め出されているのです」
米国内の反資本主義の流れは、現在本命視されているクリントンが当選しても、やはり変わらないであろう。あるいはより過激な運動になっていく可能性すら感じる。圧倒的に多数の米国民が、主流派・エスタブリッシュメントに対して「ノー!」と言いはじめたのである。
米国民が体制に向けた怒りが、今回の大統領選で噴き出したのである。貧困層の拡大、広がる格差、それらに向けた怒りが異端トランプへの支持であり、民主社会主義者サンダースへの敬愛であったのであろう。だれが大統領になろうが、99%対1%の闘いはますます激化するしかないはずだ。それはおそらく、反グローバル者の時代のはじまりであろう。
<2016年9月9日掲載 8月15日記>