水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

☆時代劇シナリオ・影車・第十回☆贋小判(13)

2009年02月13日 00時00分00秒 | #小説

      影車      水本爽涼          
     第十回 贋小判 (13)

35. 頭部のX線撮影された映像 C.I
     医用画像管理システム(PACS)の高精細モニタ映像。
      C.O
36. 病院の診察室・現代
     医師(配役は無名の外科医)が椅子に座ってカルテを書いている。
     医師の姿を。医師、
医用画像管理システム(PACS)の高精細モ
     ニタ
映像を徐(おもむろ)に見て、カメラ目線で素人っぽく、

    医師  「今日も同じです(微笑んで)。いつもの即死ですな…(欠伸
         をしながら)」
37. 瀬崎の音松一家(内)小部屋・夜[テーマ曲のオケ2 再イン]
     一本の縄から器用に下りる又吉。丼鉢を背の袋へ収納すると、ふ
     たたびスゥーっと天井裏へと昇って消える。入れ替わり、伝助が部
     屋へ現れ、音松を担ぎ去る。
     [テーマ曲のオケ2 オフ]
38. 両替商・和田屋(内)部屋・夜
     甚兵衛が部屋の中で熟睡している。
     [テーマ曲のオケ1 再イン]
     部屋前の廊下側の障子戸が灯りに照らされたかのように明るくな
     り、人影が不気味に浮かぶ。
39. 両替商・和田屋(内)部屋前の廊下・夜
     留蔵の顔が携帯火鉢の熾(おこ)った炭に赤々と照らされ光る。留
     蔵、廊下に座り、ゆっくりと携帯用の鞴(ふいご)を押し続ける。火鉢
     の中で赤々と熾る炭。その中に、大鎌が入れられていて、刃が真っ
     赤に焼けている。留蔵、深い溜め息を、ひとつ吐(は)き、頷く。そして、
     大鎌の木の柄を持ち、部屋の障子戸を静かに開ける。
40. 両替商・和田屋(内)部屋・夜
     留蔵、甚兵衛の枕元へ寄り、両足で首を挟むと、左手で口を封じる。
     そして、右手に持った大鎌を甚兵衛の両眼へ押し当てる。(ジュー
     っという焼き入れの音S.E) 呻く甚兵衛、激しく、もがく。留蔵、間髪
     入れず、大鎌で首筋(頚動脈)を斬る。激しく吹きだす血しぶき、布団
     を紅く染める。素早く障子戸を出る留蔵。入れ替わり現れた伝助、
     甚兵衛を担ぎ去る。
     [テーマ曲のオケ1 オフ]


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