何十年も前は微妙(びみょう)という言葉は、ただの微妙という意味でしかなかった。ところが、いつの頃からか? 微妙は若者達によって微妙(ビミョ~~)という新しい流行(はや)り言葉として生まれ変わったのである。この訳をなぜか? と突き詰めれば疲れるので、私は敢(あ)えて突き詰めない。^^ 今日はそんな微妙についてのビミョ~~なお話だ。^^
二人の仲のいい若い男が語らっている。
「いや、それはどうなんだろ?」
「まあ、お前が言うようにビミョ~~なことには違いがないんだがなっ!」
「ああ…。あと、開催まで半年もないぜ」
「蔓延(まんえん)すれば、延期ってことも有り得る訳だっ!」
「お前の説だと過去のデータによれば、だよな?」
「ああ。過去のウイルス性症候群のデータからだ…」
「機械データと現実の菌力とはビミョ~~に違うからなっ!」
「ビミョ~~にか? 微妙じゃないのかっ!? 俺は機械を信じるがなっ!」
「いやいや、機械はデータからシミュレートした以上のものは結果を出さないっ! そこへいくと、現実はそれ以上やそれ以下の結果を必ず生むっ!」
「おっ! 言い切ったなっ! ということは、お前の説だと菌が今以上に怖(こわ)い存在になる可能性も否定しないって訳か?」
「ああ、否定はしない。現に耐性菌[VRE]が大手(おおで)を振って歩いてる時代だからなっ」
「そうか…」
「だが、人は菌になんぞ負けないさっ! そのうち、医学の力で打ち勝つ日があると俺は信じてるっ! まあ、気の長い話だがなっ!」
「長い長いっ! 今だよ今っ! 今から数か月先までの短いスパン[時間の幅]をどうするかだっ!」
「データでは無理って訳かっ! となれば、ここは人智(じんち)にむ頼(たよ)るしかないかっ!」
「そう! 機械じゃ無理な人智というビミョ~~な発想にかけるしかないっ!」
「ビミョ~~か…」
「ああ、ビミョ~~!」
「…」「…」
二人は微妙に分からない、先のビミョ~~な変化予測に沈黙した。
微妙な違いは分かりにくく、疲れるほどビミョ~~なのだ。^^
完