水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

疲れるユーモア短編集 (27)臨機応変(りんきおうへん)

2021年03月08日 00時00分00秒 | #小説

 人の世は一寸先が闇(やみ)・・とよく言われる。状況が先々(さきざき)どう変化するか分からないということだ。分からなければ心労(しんろう)が重(かさ)なって疲れることになる。疲れずに世渡りするには臨機応変(りんきおうへん)に先読みし、対処する必要が生まれる。今日はそんな一例をお話することにしよう。まあ、どうでもいい話だが…。^^
 とある日である。雨になりそうな灰色の雲が立ち込めている。若者が一人、庭先のサッシ戸の前
で窺(うかが)うようにその空を見上げている。
「さて、どうしよう…。降るだろうから先にやるか、降ってからやるかだが…」
 幸い、若者は天候が下り坂で降ることを事前に調べておいたから、目的を果たす時間は約四分の一に短縮できていた。臨機応変な判断による措置(そち)である。
「よしっ! 大丈夫だろっ! やるかっ!!」
 若者はふたたびそう呟(つぶや)くと行動し始めた。臨機応変な判断で行動し始めると若者の動きは早かった。瞬(またた)く間(ま)に目的は果たせたのである。その時間、実に五分の一に短縮されていた。
 このように、臨機応変で間違いのない判断はトップに欠かせない素質ということになる。あの店は美味(おい)しいけど、午前中は込むから午後にしよう…などというのは臨機応変な判断だが、個人的なものだから、ご勝手にっ!^^


                   完


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