どうでもいいが…と軽く考えれば気分は明るくなる。どうしてもっ! と深く思いつめれば、逆に気分は暗くなる。これは当然の話なのだが、社会生活の中では、どうしてもっ! ということがよく起こる。コロナ禍の中で予算を増やしてオリンピックを、どうしてもっ! と深く思いつめておられる方々もおられようが、内心では、力んでみたが果たして成功するのだろうか…などと暗い気分になっておられるのかも知れない。別に深い意味はありませんので、軽く流して戴きたい。^^
とある家庭、牛窪(うしくぼ)家の居間である。
「お父さん、表の生垣の刈り込み、どうしてもおやりになるんですかっ?」
「ああ。そのつもりだが、それが、どうかしたか?」
「土、日だけで大丈夫ですか? かなりありますよっ!」
「ははは…馬鹿にしちゃいけない! あれくらい、私なら出来るよっ!」
「そうですか…。お隣りの豚崎(とんざき)さん、奥さんにブ~ブ~言われて、業者に電話されたようよっ!」
「豚崎さんは豚崎さん、うちはうちだっ!」
牛窪は、どうでもよかないっ! と意固地になって言った。
そして土曜となり、日曜となったが、刈り込みは半分も完成せず、トラ刈り状態になっていた。明るい気分で刈り込み始めた牛窪の気分は暗い気分になっていた。なんといっても、歩道から通行人に生垣が丸見えだったからである。
「お父さんっ! 私が婦人会で笑われますからっ!!」
「ああ、分かった分かった!」
妻に怒られ、牛窪もさすがに無理と感じたのか、どうでもいいか…と見切りをつけ、翌朝、業者に電話をした。
どうでもいいか…と、明るい気分でコトに望めば、暗い気分なることは、ないようだ。^^
完