フツゥ~~の人に天(てん)の声など聞こえるはずもない。ところが、ごく僅(わず)かな人には、その声が聞こえるという。どんな人? と知りたいところだが、それが分かれば苦労はしない。^^ 天の声が聞こえれば、これはもう、願ったり叶(かな)ったりで、かなり先の見通しが明るいものとなる。先行きがどうなるか? が分からないから、一般社会は暗いのである。新型コロナの終息、景気、オリンピック、受験etc.まあ、いろいろとある訳だ。^^
とある田舎の田園である。農家の二人が棚田(たなだ)の刈り取りの途中、野良の畔(あぜ)に座りながら手弁当を食べている。
「お前んとこの爺(じい)さま、天の声が聞こえるそうだげなっ!」
「んっだっ! ときたま、妙なこたぁ~言わっしゃるでぇ~、困ってるだぁ~よっ!」
「どげなことじゃ~!?」
「天気予報さまは昼から降ると言わっしゃるが、朝から降るでぇ~心せんとなっ! とかのう」
「一度、病院ば行かんした方がよかぞっ~」
「いや、それがのうっ! よぉ~当たりよるから困りゃ~すのよぉ~」
「そりゃ、明るぅ~ない話ごたるぅ~」
「ああ、暗(くりゃ)ぁ~暗(くりゃ)ぁ~」
二人はそんな話をしながら、魔法瓶の温茶をグビリッ! と飲んだ。
皆さんには、混在した方言のこの田舎がどこの地方か、お分りでしょうか?^ 私には、さっぱり分かりません。^^
完