何度か落選し、疑心暗鬼になったとしても、次の選挙にめげないで立候補するそのバイタリティーとは、いったい何なのか? 議員さんには失礼な話になるが、その辺りの心象風景を探るのは実に面白い。結論から言えば、要は、立候補した以上は誰でも当選したい訳である。^^ 何度落ちても、めげずに立候補する所以(ゆえん)は、そんな深層心理なのではないだろうか。何度も立候補し、惜しい次点票で落選を重ねれば、自然と石橋を叩(たた)いて…という行動になる。どうして自分はいつも次点でダメなのか…と慎重になる訳だ。選挙で立候するからには、当選するための周到な準備というものが必要になってくる。所謂(いわゆる)根回しというヤツだ。めげないで根気よく根回しするということだ。^^ そうしておいて、ある程度、当選の見込みが出てくれば立候補する・・というのが当選の筋道である。見込みがなければ選挙に出なければいいだけの話だ。この順序を違(たが)えれば、また次点か…となるから注意が必要である。^^
とある選挙風景である。
どこにでもいそうな、ただの中年と若者が話をしている。どうも、何らかの先輩後輩の間柄に思える。
「いよいよ選挙ですねっ!」
「だなっ! 昨夜のテレビでは、与党支持層が30%後半、支持政党なしが45%以上だったか…」
「で、野党はっ!?」
「この国に野党は今、ないぞっ! 与党以外の全(すべ)てが全て、政策集団化している…」
「確かに…。政権担当能力を有し、尚且(なおか)つ国民の負託に応え得る組織…それが完熟デモクラシーの党だったからなっ!」
「完熟といえば、頂戴したメロン、完熟でしたよっ! 有り難うございましたっ!」
「出荷出来ないやつでよかったら、いくらでもあるから、この次、また持ってきてやるっ!」
「脱サラされて、よかったですかっ!?」
「まあな…。値崩れで当たり外れがあるから、選挙と似てるっ! お前は安定収入だからいいなっ!」
「収入は安定してますが、いつもビクビクで気分が不安定です」
「ははは…どちらにしろ、気分はいつも選挙中かっ!」
「ですねっ!」
選挙は当選するまで気分が安定せず、出馬する以上、その気分にめげないバイタリティーが求められる訳である。^^
完