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挫折に負けない「見方・考え方」をつくるためのヒント⑤

2024年01月18日 | 人生
『視点を変える⑤』
(「お金」は良くも悪くも働くもの)――お金に振り回される人、借金して勤勉になる人
次に、お金の問題について考えてみたいと思います。
お金そのものは、良いほうにも悪いほうにも働くものですが、ほとんど旧(ふる)い宗教では、お金を悪いほうに捉え、「金銭が身を滅ぼす」ということを説いています。

実際、「お金に余裕ができると、まじめに働かなくなる人が多い」という面はあるでしょう。平均的な人間は、「借金返済をしなければならない」など、必要に迫られでもしないかぎり、なかなか必死になっては働かないものです。十人のうち八人ぐらいの人は、そうではないでしょうか。

「家を建てるときに三十年ローンを組んだので、定年まで会社を辞められない」「子供の教育費がかかるので、働かなければいけない」「事業に失敗したから、必死で働かなければならない」など、人が働く理由には、さまざまなものがあるでしょう。

悲しいことではありますが、「借金があれば、やっと働くけれども、借金がなければ働かない」という人のほうが世の中には多いのです。

逆に、普通の人間は、余裕があると、心が緩(ゆる)みやすいものです。大金が入ってくるようなことがあると、芥川龍之介の小説『杜子春(とししゅん)』の主人公のように、「飲めや歌えや」で多くの人に奢(おご)ったりして、すぐに散財してしまう人も多いでしょう。

また、お金ではありませんが、「勉強」においても、これに似たようなところはあります。平均的な人は、たまに、努力に対して“お釣り”が来るほど良い成績が出ると、つい怠けてしまい、成績が下がると、ようやく頑張り始めたりします。

「結婚」も同様です。青年期の男性は、女性が美しく見え、結婚したくなりますが、実際に結婚したら、家庭を営むために何十年も働き続けなくてはいけなくなります。いわば、人生の早い段階で、“自分の未来”を担保に入れるようなものです。かなりの借金を背負い、これを返済していくような感じで、家族を養うために、何十年も頑張るのです。

ある意味で、結婚など世の中の仕組みは実によくできていると思います。かなり性悪説的なものではありますが、「人間の緩みや慢心、傲慢さなどをよく知ったシステムができている」ということを感じます。

---owari---
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