『視点を変える⑥』
(「足りないもの」があるからこそ人間は努力する)――人間の“緩み”をカバーする、人生の巧妙な仕組み
人間には、「何かが足りないと勤勉になるが、それがなくなると、とたんに緩んで怠(なま)け始める」という面があると言えます。
こうした面があるので、世の中の仕組みとして完全な平等社会をつくることは、人々が努力しなくなり、社会が駄目になっていくことにつながるのです。
例えば、プロの野球やサッカーの世界でも、何億円もの年俸を稼ぐ一流の選手と、そうでない選手には、報酬に大きな差があります。これが、もし、すべての選手の報酬が、能力や成果にかかわらず同じであったなら、選手は真剣に努力するでしょうか。
そう考えると、報酬に差があることが、選手の真剣さにつながり、試合を面白くしている面があると言えるのです。
大きな目で見れば、人々の間に、さまざまな面で“差”のあることが、社会の多様性を生み出しており、また、それぞれの人が、それぞれの道に努力していく可能性を生んでいるのです。そのことを知らなければいけません。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます