苦境とも言えるスランプから、いったい、どのようにして脱出すればよいのでしょうか。
多くの人間は、この地上に生まれてきて、大いなる自己実現を目指しています。
そこで、「自分をより発展させようという考えを持っているなかにおいて、現在、苦境に陥っているのだ」ということを前提として、スランプ脱出の方法を考えてみたいと思います。
第一に考えてほしいことは、「自己の内部には、無限のエネルギーが埋蔵されていることを忘れてはならない」ということです。
人間の魂の構造はタマネギ状になっており、そのタマネギ型の構造の中心部分には、大宇宙の仏へと通じていく部分があるのです。それは、無限の光をみなさんにもたらすものなのです。
この無限の光は、実は、仏と同じ力、仏と同じ属性を持っていると言ってもよいでしょう。
仏と同じ属性とは、非常に智慧に満ちたものであり、正義、勇気、慈悲、愛、調和に満ちたものであり、限りなく繁栄していくものであるはずなのです。
それゆえに、苦境に陥ったときには、まず、「本来の自己とは、いったい何であるか」ということを知る必要があります。「本来の自己は、無限者なのだ。無限力を持っている者なのだ」と気づくことが、無限の力を引き出すための原動力となっていくのです。
みなさんは、心の底にふたをしていると言ってもよいでしょう。ほんとうは、みなさんの力は無限大のものであって、あの温泉の湯のごとく、湧き出し、湧き出して、やまないものなのですが、いつかしら、人間的な愚かな考え方によって、それに栓をしてしまっているのが現状なのです。
第二に考えてほしいことは、「蓄積の姿勢をつくる」ということです。
スランプの時期は、結局、「エレルギーを放出しすぎて、内部にエレルギーがたまっていない」ということを意味するのですから、この時期に、大いに蓄積に励む努力をすることです。
「悩みのときには学習せよ」と、私は、常々、自分に言い聞かせています。
長い人生のなか、悩みなき人はいません。したがって、スランプの時期には、自己の充電に努めるのが、いちばん賢明な方法と言えるのです。
スランプは、やがて去っていくものですから、去っていく前に、できるだけの蓄えをしようと努力することが大事なのです。
第三には、このときに、ゆっくりと他の人々の幸福のことを考えてみることです。
スランプの時期には、自分のことを考えすぎていて、他の人のことを忘れている場合が多いのです。努力して自分の意識を転換し、他の人のことを考えてみましょう。「他の人々がどうすれば喜ぶか」ということを考えてみましょう。
「スランプ克服の、いちばんの方法は、他の多くの人々を喜ばせるなかにある」と言っても過言ではありません。
自分が苦しいからといって、その苦しみを他の人に振りまこうとしてはなりません。それは、さらなる苦しみとなって、自分に返ってくるでしょう。
自分が苦しいからこそ、他の人々を喜ばせるような生き方をしてみようではありませんか。自分の心のうちが苦渋に満ちているからこそ、他の人々に笑顔を与えようではありませんか。
他の人々を喜ばせて歩くなかに、スランプは必ず克服されていくものなのです。(仏法真理)
意外ではありませんでしたか。自分がスランプに陥って、他の人のことを考えられない状態になっているのに、そのスランプを克服するいちばんの方法が、他の人々を喜ばせるなかにあるとは。
人々を喜ばせれば、その喜びのエネルギーが自分を救ってくれるという自然の法則をしっかりと覚えておきたいものですね。
---owari---
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