今週、三重県の賢島で、主要7カ国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催されますが、昨年4月、安倍首相がアメリカ連邦議会で演説を行う直前に、首相官邸に意見投稿した内容を掲載します。
この投稿文を見て、あなたは何様ですかと、お叱りを受けるかもしれませんが、ご容赦ください。
この投稿文を首相が読まれたかどうかにかかわらず、メディアが偏った報道しかしないならば、国民は時々に意思表明を国政の中枢に伝えなければならないのです。
私たち国民が直接に意見を伝えることは双方にとって利益があることだと思っています。
それでは、投稿文を掲載します。
【安倍首相の米両院合同議会演説での心意気について】
1.国家の主権を取戻してください(国家の主権確立)。
日本は、今、台湾のように、主権が制限されている「半主権国家」のようなものです。
国民を守る意思がないのは「主権」の放棄です。
台湾の重要性が分かっていない日本の政治家は、日本に迫る危機を本当に理解しているのでしょうか。日本が中国の植民地になる可能性もあるのです。
日本は、もうそろそろ、「国家としての自覚を」をきちんと持たなくてはなりません。そういう考え方の人が日本の政治家でなくてはいけないし、また、日本のトップでなくてはいけないと私は思います。
そのような国家意識を持っていなくて、小手先の話ばかりをし、“問題発言”をした人をすぐにクビにしたり、何かあるとすぐに謝罪したり、こんなことばかりをしてはいけません。
やはり、根本に思想・哲学が必要だと思います。
国家として、言うべきことは言わなくてはいけないのです。正しことは正しい。間違っていることは間違っている。それだけのことです。
2.「自分の国は自分で守る」という理念を取り戻してください。
国民を守るのは国家としての義務です。
自国を防衛することは、国際法的には正義です。どの国にも、他国から侵略されないようにする義務があり、権利もあるのです。国民を守るのは国家としての義務です。その義務を放棄したら、もはや国家ではありません。
3.自虐史観は他国に日本侵略の口実を与えかねない。
「大国だから正義である」というわけではありません。「何が正しいか。何が間違っているか」ということは、やはり、きちんとしていかなければなりません。「善悪を分ける知力」「善悪を知る智慧」を持つことは、リーダーにとって非常に大事です。「何が善で、何が悪か」ということが分からないと、人を導くことができないのです。
また、この「善悪を分ける智慧」を持つと、政治や国際情勢、未来を見る目も変わってきます。「善悪をどう見るか」ということによって、未来は違って見えてくるのです。
以前、日本罪悪史観や暗黒史観を持っているような日本人作家がノーベル文学賞を受賞しました。そういう歴史観を持っていても、未来が本当に幸福になるのなら、かまわないでしょう。
しかし、近隣諸国には「日本は悪い国だ」と、国家主導で国民を洗脳している国もあります。そのため、自虐史観をあまり強く持ちすぎていると、そういう国に、日本侵略の口実を与えることにもなりかねないのです。
日本が侵略国家になるのはよくないことですが、独立国家として独自の文化・文明をきっちりと守ることはよいことです。
日本であれ、中国であれ、その他の国であれ、まず、足ることを知って、自国の内政をきちんと行い、国内をしっかり治めることが大事なのです。
4.平和を愛さない国に対して「憲法九条適用の除外」を。
一つの方法論として、「日本国憲法の前文には、『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』と書いてあるので、平和を愛さないような国家に対しては、憲法九条は適用されないこともありうる」という政府見解を出してください。そうすれば、今、必要な集団的自衛権の考え方などをしっかり打ち出すことができるのです。
5.日本は「外交の鉄則」を立てよ
今、日本にとって大事なのは「外交の鉄則」をきちんと立てることです。
そして、「今後、日本の外交は、このような鉄則の下に行う」ということを、あらかじめ、国内および諸外国に対し、明確に示しておくことが大事なのです。
それをせず、場当たり的に「何とか片付けよう」とか、「話し合いで済ませよう」とか、そのようなことをしていると、次第に、おかしな交渉に持っていかれ、何をやっているのかが分からなくなるのです。
筋を通さなければ、国際的な信頼は得られない。
日本は、大国として、外交の原理・原則をきちんと立てなければいけません。
6.国家のグランド・デザインを描けない日本の政治家
(1) 国家のデザインが国家の長にあるかどうかにかかっている。
少なくとも、中国でさえ、2050年までは、国家デザインを持っているのです。
やはり、これに対して、「周りの様子を見ながら判断する」と言うようなやり方では、残念ながら対抗できないものがあります。戦略的に見ても対抗できない部分があるのではないでしょうか。
今、アメリカが内向きになるなか、日本がアジアにおける外交・防衛のところで役割をはたしていくためのグランド・デザインとは、どのようなものになるのか。
現実に、中国からの侵略の脅威を感じている国々がありますので、日本が盟主となって、ちゃんと、まとめるリーダーとなって、集団的に自分たちを守れる、国際的な体制にしなければいけないということです。考え方として出さないといけないということです。考えとして思想を撃ち込まなくてはいけないのです。
だから、「中国の覇権主義が間違っている」ということを言えないようではいけない。
(2) この国に必要な「理念」とは(国家にも「設計図」が必要)
国の設計図とはいったい何であるかというと、その国が拠って立つ「国家の理念」です。「何のための国家なのか、国家として何がしたいのか。どういう国にしたいのか」という未来ビジョンを持っていることが必要なのです。
会社で言えば、これは「経営理念」に相当するものです。会社には必ず経営理念が必要だと言われています。経営理念がなく、「ただ社員に給料が払えたらよい」というような会社は成り立っていきません。会社を大きくしたければ、やはり、経営理念を持つべきであり、これを社員が共有したときにのみ、会社は大きくなっていくのです。
国においても同様に、国家の経営理念があればこそ、国民はその実現に向けて、努力、邁進していくものです。したがって、国家の精神的な支柱、中心的な考え方というものはとても大事です。
(3) 日本の未来ビジョン
政治家は、自信を持って、「日本の未来は、こうあるべきだ」ということを打ち出すべきです。
そして、国の体制を整えなくてはいけません。
「やむにやまれぬ大和魂」を胸に刻んで、新しい未来国家を創らねばなりません。
諸外国から学ぶべきことは、もう、そう多くはない。日本から新しい情報発信がなされるべき時だ。正当なプライドを持ち、言うべきことは言う首相であり、国家であってほしいものだ。
憲法上の政治機関でもないマスコミにおもねる必要はない。「言うべきことは言う」「信ずることは断行する」、それが大和魂です。
(4) 未来への国家戦略
この国には、まだ夢があります。発展の余地があります。宇宙産業、ロボット産業、防衛産業など、長期的なものに投資をしていけば、まだまだ、未来産業を拓けます。
特に、防衛産業は、今、日本にいちばん欠けているものです。日本は、外国の善意を信じ、国防を外国に委ねているような状態なのです。
中国には、十三億人の国民がいます。このうち、二億人は失業者です。
二億人も失業者がいるのに、軍備費を二十数年連続で拡大させ、いったい、どこを占領するつもりでいるのでしょうか。
日本は「経済成長への道」をとり、「不況の克服」と「失業の対策」をなし、さらに、「国防」というものを、きちんとやるべきです。
これは、冗談ではありません。私たちの子孫の未来を護るために、本当にやらなければならないことなのです。
やるべきことは、新しい産業をつくるべく、投資を行うことです。
7.危機を迎えた世界の状況
(1) 混迷し、先が見えなくなっているアメリカ
あの偉大な民主主義国家のアメリカが、今、混迷し、先が見えなくなっています。舌先一つで人々を沸かすことができる人が、実績もないのに大統領に撰ばれているのです。極めて危険です。
思想性の低さと内容の薄さ、勉強の足りなさは"涙もの“です。
大統領には、政治家としての経験や智慧、数多くの実践が必要なのです。優秀な人たちをスタッフに集めれば大統領ができると思っているようですが、組織というものはトップ一人の判断で決まります。
トップが「右へ行け」と言えば、みな右を向き、「左へ行け」と言えば、左を向くのです。
自分の下に、いくら優秀な経営学者や経済学者を集めても、トップが方向を間違えたら、国を救うことはできないのです。
(2) 混迷の時代
世界を、これから待ち受けているものは、平和と安定の時代ではない、ということです。
世界はいま最も危険な時期を迎えつつあります。人類の滅亡をも招く危機を内包しているのです。
朝鮮半島にはまだ二重の危険があります。第一の危険は、南北のあいだにおける戦争の危険がまだまだ去っていないという危険であり、第二の危険は、もし戦争なくして南北の平和的なる統一がなされた場合の危険です。
南北朝鮮の統一ののち、朝鮮半島には二百万人の軍隊が出現するということになります。これは、日本の自衛隊の十倍の規模であり、統一朝鮮と日本との軍事バランスはちょううどイラクとクウェートの関係と同じになります。
(3)これからの世界
アメリカ合衆国の没落であり、ヨーロッパの没落であり、第三次世界大戦の勃発である。
そのほかに私たちの記憶にないところうの天変地異も多く予言されている。
このように、これからの世界について、人類未曾有の危機を警告している。
それゆえ、これからの世界の動向により、未来は決まってくる。特にこの暗雲たなびく世界社会を救うべき日本のリーダーシップが大きな鍵になる。人類七十数億人の運命が、今、日本人の手に委ねられているのである。そのような時が来たのである。一つの民族に、それだけの運命が託されたのである。
続きは後編へ
---owari---
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