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日本の食料安全保障

2023年07月28日 | 政治・経済
今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。

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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。

私は、18年前に1冊目の本を出した時から、
「日本は自立しましょう」
という話をしています。

ということは、日本は今自立していないのでしょうか?
そうです。
私は昔、「アメリカ幕府」「日本は幕府の天領」という話をよくしていました。
「日本はアメリカ幕府の天領」という話。
今まで誰にも否定されたことがありません。

そして、10年ぐらい前から、「5つの自立」という話をしています。
「日本の自立」といってもわけがわからないので、もう少し具体的にしたのです。
「5つの自立」とは?
・精神の自立
・経済の自立
・食料の自立
・エネルギーの自立
・軍事の自立


ちなみに、ロシアは、「まあまあ自立を達成している国」です。
・精神の自立=ロシア正教ベースで、欧米と全然違う
・経済の自立=これはイマイチ
・食料の自立=小麦輸出世界一
・エネルギーの自立=原油生産世界3位、天然ガス生産世界2位
・軍事の自立=アメリカに並ぶ核兵器超大国

それで、ウクライナ侵攻後、日本と欧米から地獄の制裁にあっても、なかなかしぶとくサバイバルしているのです。
なんといっても、食糧とエネルギーを自給できるのは大きいですね。
まあ、それでもプーチンのウクライナ侵略でこれからさらにボロボロになっていくのは確実です。

▼日本の食料安全保障
「5つの自立」
どれも大事ですが、今回は「食料の自立」について。
食料については、
「輸入を完全に解禁すれば、世界中から安い食品を入手できるようになり、国民の生活が楽になる」という「食料自由貿易論」。

「食料品輸入を完全解禁すれば、有事の際、輸入が止まって、国民は飢えることになる。
自給率をなるべく高めていくことが大事」
という「食料安保論」の二つがあるでしょう。

私は、「食料安保論者」です。
そして、08年出版の『隷属国家日本の岐路~今度は中国の天領になるのか?』
の中で、その理由について、『食料危機が起こるから』と主張しました。

そして、この本が出版されたまさに2008年、世界的食料危機が起こったのです。
この年、中国、ブラジル、インド、インドネシア、ベトナム、カンボジア、エジプトなど
主要なコメ輸出国は。国内需要を満たすためコメの輸出に厳しい規制を課しました。

そして、次の食料危機は、ウクライナ侵攻がはじまった2022年でした。
ウクライナは、小麦輸出世界5位の国。
ところが、ロシア軍が黒海を封鎖して、ウクライナが小麦を輸出できないようにした。
それで、食料価格が高騰したり、食料危機が起こったのです。

「国連世界食糧計画」のHPには、以下のように記されています。
<79カ国において、過去最高となる3億4900万人が深刻な飢餓(急性の食料不安)に苦しんでいます。この数は2021年の2億8700万人から拡大し、新型コロナウイルスのパンデミック前からは2億人も増加しています。

90万人以上は飢餓の中でも最も深刻な飢きんにほぼ近い状態にあり、こうした人びとは5年前と比較して10倍となり、憂慮すべき割合で急増しています。>

しかし、日本では2008年、2022年の食料危機、いずれも「食料不足」にはなりませんでした。
インフレにはなりましたが、それで済みました。

これ、実は「ありがたいこと」なのです。
たとえば2008年の食料危機、
ブルキナファソ、カメルーン、セネガル、モーリタニア、コートジボワール、エジプト、モロッコ、メキシコ、ボリビア、イエメン、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、南アフリカ
などで、食料不足から暴動が起こりました。

なぜ日本では暴動が起こらなかったのでしょうか?
日本の食料自給率は、
カロリーベースで38%、
生産額ベースで63%
と、高くはないものの、

たとえば、米の自給率が、ほぼ100%だからでしょう。
とはいえ、日本の「食料の自立」、まったく油断できません。

「農業従事者の高齢化問題」が深刻だからです。
農業従事者の約70%が、65歳以上。
しっかり対策をしていかなければ、次に食料危機が起こった時、
食料不足で、国民が飢えたり、暴動が起こる事態に発展しかねません。

では、どうすればいいのでしょうか?
ここでは書ききれません。
・世界の食料事情
・日本の食料事情
・食料安全保障のために、日本は何をすべきか?

このことを、しっかり学べる本があります。
末松広行先生(東京農業大学総合研究所特命教授)の新刊
◆『日本の食料安全保障』
詳細は↓
です。

末松先生は、
農林水産省入省後、地方行政(長崎県諌早市)、米問題、食品リサイクルなどを担当。
総理大臣官邸内閣参事官、農林水産省環境政策課長、食料安全保障課長、関東農政局長、農村振興局長などを歴任。2016年、経済産業省産業技術環境局長。2018年、農林水産事務次官。
という経歴で、まさに農業政策のプロです。

この本の内容は、
第一章 世界の食料事情に忍び寄る危機
第二章 日本の食に起きていること
第三章 食料安全保障の実現に向けて
第四章 稲作と水田という日本の強みを活かすためには
第五章 食料安全保障を高め、地球環境を守り、地域経済を回すために

これ一冊で、日本と世界の食料事情がわかってしまいます。
今何が起こっているのか、どうすればいいのか、知っておきましょう。

日本と自分、家族の未来のために、
◆『日本の食料安全保障』

詳細は↓
をご一読ください。

---owari---
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