今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
今日は、日本の政治について考えます。
▼自民党の強さと野党の弱さ
まず、自民党の強さを考えてみましょう。
自民党の強さ1は、外交です。
民主党時代を振り返ってみましょう。
鳩山さんは、「トラストミー事件」で、日米関係をボロボロにしました。
菅さんの時代の「尖閣中国漁船衝突事件」、野田さん時代の「尖閣国有化」で、
日中関係は、戦後最悪になりました。
メドベージェフ大統領(当時)は2010年11月、北方領土を訪問。
日ロ関係は最悪になった。
韓国の李明博大統領は2012年8月、「日王が韓国に来たければ謝罪せよ!」と暴言を吐き、日韓関係も最悪になりました。
民主党は、いわゆるリベラル政党でしょう?
自虐史観で、どこの国にも頭を下げて、仲良くやっていこうという立場だった。
ところが、結果は悲惨。
民主党政権は、2009年から2012年のわずかな期間に、
日米関係
日中関係
日ロ関係
日韓関係
を最悪にしたのです。
安倍さんは、民主党政権がぶち壊した他国との関係を、丁寧に修復していきました。
まず、2015年4月、希望の同盟演説で、日米関係を大いに好転させた。
2015年12月、慰安婦合意で、一時的ですが日韓関係を改善させました。
2016年12月、プーチンが訪日し、日ロ関係は劇的によくなりました。
「分が悪い」と見た習近平は、日本に接近。
2018年頃になると、日中関係も好転していったのです。
そして、安倍総理の下で、5年間外相を務めた岸田さん。実に立派な外交をされています。
自民党の強さ1は外交。
野党は、未知数ですが。
それでも、民主党時代のトラウマがあり、「政権を任せるのは怖い」と思ってしまいます。
▼自民党の強さ2 = 安保
自民党の強さ2は、安保です。
そして、「野党最大の弱点」も安保です。
なぜでしょうか?
国民も、「世界は危険な状態」だと気がついています。
ロシアが、いきなりウクライナを侵略しはじめた。
そんなロシアの元上院議長は、
【 北海道はロシア領だ! 】
と主張している。
時事2022年4月9日。
<ロシアのウクライナ侵攻を受けて日本が対ロ制裁を科す中、ロシアの政党党首が「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利を有している」と日本への脅しとも受け止められる見解を表明した。>
<見解を表明したのは、左派政党「公正ロシア」のミロノフ党首で、1日に同党のサイトで発表された。公正ロシアは政権に従順な「体制内野党」。ミロノフ氏は2001~11年に上院議長を務めた。>
北朝鮮は、核を保有し、ミサイル実験を繰り返している。
中国は、「日本には、尖閣だけでなく、【 沖縄 】の領有権もない!」と主張している。
@@証拠↓
国民は気づいています。
「平和憲法を守っていれば、日本は安全だ」というのは「迷信の類」だということを。
だから、護憲派の左寄り政党は、今後ますます衰退していくでしょう。
安保は、間違いなく自民党の強さです。
もちろん、自民党ですら不十分ですが、他の政党より全然マシ。
安保のことを考えると、「他の政党に任せたら、尖閣、沖縄は中国に奪われるかも」
と本気で心配になります。
▼自民党の弱点
次に自民党の弱点を見てみましょう。
これは、はっきりしています。
経済です。
1990年代初めにバブルが崩壊した。
暗黒の10年が、暗黒の20年になり、暗黒の30年になり。
この期間、「非自民の総理」もいました。
日本新党の細川さん。(1993年~94年)
新生党の羽田さん。(1994年)
社会党の村山さん(1994年~96年)
民主党の鳩山、菅、野田(2009年~12年)
とはいえ、ほとんどの期間、自民党の総理が国を治めていた。
だから、「暗黒時代の責任は、自民党にある」といっても、誰からも反論されないでしょう。
そして、素晴らしい外交の岸田さんも、経済はダメですね。
ここ数年を振り返ってみると、
2019年は、消費税率が8%から10%に引き上げられた。
2020年、2021年は、新型コロナパンデミック大不況。
2022年は、ウクライナ戦争インフレ。
この4年間で、とても多くの人の生活が、ボロボロになりました。
しかし、ようやく新型コロナが5類になり、マスクをはずせるようになった。
どこにでも旅行に行けるようになり、消費が上向いてきた。
そんなときに岸田さんは何をやっているかというと、
【 防衛増税 】
さらに、「とどめを刺せ!」とばかりに、
【 社会保険料引き上げ 】
読売新聞 5月22日。
<「次元の異なる少子化対策」に充てる安定的な財源のあり方について、政府が22日午後の「こども未来戦略会議」(議長・岸田首相)で提示する基本方針案が明らかになった。
社会保険料の引き上げを念頭に、企業や高齢者を含め、「社会全体で負担」する新たな枠組みを創設することなどが柱だ。>
正直にいうと、岸田さんが気づかなければ、日本が
【 暗黒の40年 】になるのは、ほぼ決まりでしょう。
▼日本維新の会が政権を奪う方法
というわけで日本国民のジレンマは何でしょうか?
・自民党は、外交、安保がいい。
・自民党は、経済政策がダメ、「暗黒の30年」が「暗黒の40年」になろうとしている。
このジレンマをどうすればいいのでしょうか?
野党の中で、中国、ロシア、北朝鮮の脅威を軽視、あるいは無視する左寄り政党に未来はないでしょう。
それで、反自民票はかつて立憲民主党に流れていましたが、今は日本維新の会に流れています。
では、日本維新の会は、どうすれば議席をさらに伸ばすことができるのでしょうか?
まず第一に、自民党の外交、安全保障政策を、完全にコピーすることです。
G7広島サミットの成功で、岸田内閣の支持率は、9%上がったそうです。
読売新聞オンライン5月21日。
<読売新聞社は20~21日、全国世論調査を実施し、岸田内閣の支持率は56%となり、前回(4月14~16日調査)の47%から9ポイント上昇した。>
国民は、「岸田外交を支持している」という現実を理解する必要があります。
第2に、岸田政権の増税路線を厳しく批判し、日本維新の会は、逆張りの【 減税路線 】で進むことです。
この辺りは、高橋洋一先生や田村秀男先生からアドバイスを受けて政策を立案していけばいいでしょう。
今の日本政府、
外交はすばらしく、
安保はまあまあ、
でも、経済は最悪。
しかも、岸田増税で、【 暗黒の40年 】の方向に向かっている。
自民党内でも、日本維新の会でも、他の政党でも構いません。
どうか、日本と日本国民を、増税による圧死から救ってください。
---owari---
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