(分別知による判断をせず、心を止めてみる)この世には偶然(ぐうぜん)なるものは何もないのです。それを知ってください。また、すべての問題が、会社の仕事のようなかたちで解決するわけではありません。その問題を受け入れたときに、実は、その先に道が開けてくるのです。みなさんは、「なぜ、私に、こういう現象が起きたのか」と思うかもしれません。「自分はこれほど勉強したのに」「自分は、これほど家族を大事にしていたの . . . 本文を読む
もう一つ、被災三県の瓦礫(がれき)処理の問題を取り上げよう。東京都が東北の自治体以外で初めて処理受け入れ表明したのは2011年9月末だが、直後から実際に岩手県宮古市の瓦礫の第一便30トンが到着し、処理を開始した11月3日までのあいだに、都には3328件のメールや電話が寄せられ、うち2874件が反対や苦情で、賛成などの声は200件だったという。石原知事は11月4日の会見で、「みんなで協力しなければし . . . 本文を読む
震災直後の日本社会はその痛みをみなで分かち合おうとした。それが半年すぎるうちに「我欲」にまさる人たちの発言や行動が目立つようになってきた。救援から復興へと向かいつつあるとき、被災地を応援しようと企画されたイベントが「放射能が拡散する」という市民の声を受け、中止されるケースが相次いだ。たとえば2011年9月18日、愛知県日進市は「にっしん夢まつり・夢花火」で予定していた被災三県の花火を含め計二千発の . . . 本文を読む
石原氏は震災後の3月14日、記者たちに「津波で我欲を洗い落とす必要がある」「(震災は)天罰だと思う」と語ったことがバッシングを受けた。だが私は、石原氏が対談で語った“物欲、金銭欲、性欲といった我欲が日本人のアイデンティティになってしまった”という危機感から出た発言だと思った。石原氏もその後、<このままでは日本はもたない。そんな強い予感のうちに今回の大震災は起きた。ここで津波 . . . 本文を読む
震災前、石原慎太郎氏との対談で交わした話を思いだす。石原氏は、象ですら仲間の死を弔(とむら)うのに、今の日本人は親の死すら他人事になっていると語り、<今の日本を思うとき、私は最近全国で相次いで発覚した高齢者の失踪(しっそう)、所在や生死が確認できないという問題を連想せざるを得ません。東京・足立区の民家で戸籍上百十一歳だった老人がミイラ化した遺体で見つかった事件が発端でしたが、これは老人の孫が、受給 . . . 本文を読む