

アルゼンチンタンゴに欠かせない楽器がバンドネオン..もともとはパイプオルガンの代用品として、要するに大きすぎて持ち出せないパイプオルガンに代わってどこでも弾ける楽器としてドイツで開発された。外見も音もアコーディオンのようだが、全然違う。左右にあるのは鍵盤ではなく、ボタン。これを押しつつ蛇腹を開閉して音を出す。蛇腹の開閉は手で、というよりひざで行う。そうです、座った状態で弾く楽器なんです。そして何より私が魅せられたのは、パイプオルガンの代用品というだけあって、余韻のある響き..これはアコーディオンでは出せません。バンドネオンの曲は、最近では日曜の夕方に放送される世界遺産のオープニングの曲..と言えばおわかりいただけるでしょうか?あのなんとも言えない哀愁を帯びたメロディーはバンドネオンだからこそです。もう10年近く前になりますが、夕方のニュースのオープニングに使われていたスターネオンという曲..この曲がもう、かっこよくて、すぐ東京に飛んで御茶ノ水の老舗楽器店で購入しました。おそらく、日本ではここでしか買えません。現在、ドイツでぼそぼそと製造されているくらいですから、私が手
に入れたのは第二次世界大戦の戦火をくぐり抜けてきた骨董品です。昨日、久しぶりに手入れをし、弾いてみました。というより、ほとんど音を出すのが精一杯!ボタンの配列を覚えるのがまず、難しい。そして同じボタンを押しても蛇腹の開閉で音が違う。とにかく奥の深い楽器、習得には長い年月がかかりそう。昨日は、ドレミファソ、ソファミレド、と弾けて喜んでいる私でした!