へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

信じぬく力 ~ トランスエゾ走行記

2016-09-03 11:17:02 | 旅とランニング
 9日目(後半戦2日目)、忠類から新得までの88km。忠類村の道の駅(温泉施設)から新得町の新得温泉ゴール、という温泉to温泉コースだが、十勝平野の碁盤の目の道路は、同じ風景が永遠に続くようで精神的に滅入りそう・・・そして、60km過ぎの芽室町からは本格的な農道、砂利道に入るため、高度な地図読みが必要、さらにはゴールの新得温泉はクルマで行くルートとは全く別の、他人の家の横を通るような感覚で山に入っていく、通常の人は通らないようなルートを行く・・・

 5年前、私は雨の降る夜、完全に一人になり、砂利道を懐中電灯を頼りに地図と現地の地形を照合しながら、恐る恐る進んだ・・・そうして、ようやくたどり着いた「新得温泉」は、夕食&朝食付きのサービス満点の心温まる宿だった・・・

 そんな5年前を思い出すと、この日は朝から「気合い」が入った。一度たりとも地図を読み間違えてはいけない。地図の読み違いによるコースアウトは、あとでどんなに修正しようとも、それだけで多大なロスタイムとなり、今の私の走行ペースでは時間外になりそうだった。

 ただし、5年前とコースは大きく違っていた。そして、5年前は土砂降りで大切な地図が濡れることを気にしていたのだが、今回は、晴天で30度まで気温が上がった。おかげで私は一日中、ビールとアイスを求めてさまよった。先日、大変お世話になったエビちゃんエイドのえびちゃん、そして5年前、私が宗谷岬にゴールした時、今の私と同様、往復コースで参加していた2名の女性のうちの一人、Sさんが車で移動エイドをしてくれた。そのSさんも、コンビニの駐車場でみんなにガリガリ君を配ってくれたのを最後に網走の自宅へ戻っていった。ここからは、本当にスタッフのサポートカーオンリーで、それ以外は自力で何とかしなければいけない。

 Sさんからいただいたガリガリ君をかじり、コンビニで買ったバドワイザーを飲みながら、今後の戦略?を考える。ガリガリ君とバドワイザーの組み合わせは、ベストマッチだった。特に、湿度の少ないカラっと晴れた北海道の夏には、軽めのバドワイザーは最高だ。(ほかには、のどごし生、淡麗がベストマッチだ・・・って決してキリンビールの回し者ではありません。いや、今回の協賛の一つはキリンビバレッジさんだから、やっぱりキリンさんにはお世話になってました。)

 おそらく屯田兵の開拓時代からの「南・・線」といった・・の中に入る数字で、あといくつ十字路があるのかわかる、本当に気の滅入りそうな区画化された道路を進む。一人で十字路の数を数えていると具合が悪くなりそうだったので、前にいるまみさんに追いつき、来年ご一緒する日本縦断走り旅の話で気分を紛らわせた。(実は彼女は第一回目の稚内から途中の下関までを縦走されている。ゴールまで行けなかったのは、息子さんが九州を走る時にハワイで結婚式を挙げたそうで、泣く泣く?ハワイに行ったそうです。)

 そのまみさんも、やはり昼食は休まず進むので、私は完全に一人になってコンビニで冷製パスタと缶ビールを、やはり、両足を投げ出して地べたに座って摂っていた。(まだまだイートイン化された店は少ない。)ここからゴールまで残り28kmは、完全に国道から外れてしまうので、細心の注意を払っての地図読みが必要だ。

 私は、立ち上がると、地図を片手に走りながら、何度も何度も現地と地図の向きを合わせ、送電線の向きを地図と見比べながら、方角が間違っていないことを確認した。地図上でかなり細い道があり、見ると川沿いの土手の上を行くSさんの姿があった。地図だけでは、そのルートが土手の上なのかどうかまでわからない。こうして、時に人の力に頼る時もある。しかし、それは本当に道に迷いそうな時だけだ。中には、ろくに自分で地図を見もせず、ただひたすら人について行ってゴールしようとする人がいるが、そもそもそのような人は、この大会に出る資格は無い、と私は断言する。実際、今回の大会で私も目の当たりにさせられたのだが、それについては後日、書こう。

 各コースの途中には、参加者を飽きさせないよう、また、コースアウトを未然に防ぐ意味も込めて、主催者がチェックポイントを設けている。ただ、このチェックポイントも見直しが必要だ。今年で20回目になるこの大会、20年前にはあったチェックポイントも実際は、取り壊されていたり、無人になって看板も目印もなく、見失うことがある。今回も、分岐点の前にそのようなチェックポイントがあり、見つけきれなかった私は左に曲がる分岐点をまっすぐ行ってしまった。実際に案内板は右の道をしめしていた。途中、間違いに気づく。戻るべきかと思ったが、その間にチェックポイントは無いので、そのまま進み、途中で正規ルートに出る道を探し、まもなく左に折れて目的地のコンビニに着いた。

 洋式の便座に座るとすでに地図読みの緊張感からか、どっと疲れが出て来た。座りながら、さらにその先の地図を読みこむ。

 そうして、ついに5年前のあのコースに出た。道を尋ねたくても通る人もいない。人よりクマに出会う確率の多そうなその道を、今回は雨に悩まされることもなく、また、かなり明るい時間に(おそらく5年前より30分から1時間早い。)通過することができた。そして、5年前、砂利道だった道は完全に舗装化されていた。いささか拍子抜けした状態でゴールの新得温泉に着くと、いつも私より先に到着してくつろいでいるハズのまみさんの姿が見えなかった。たった一日だけ、まみさんより先にゴールした。

 聞くところによると、何人で話に夢中になり、左に曲がるべきところをそのまま突き抜けてしまったとのこと。やっぱりコースアウトは多大なタイムロスを生む。

 カレーライスのほかにヒレカツやら食べきれないほどのおかずと瓶ビールをいただき、一日の疲れもぶっ飛んだ。
 
 暑くて上級者向け?のこのコース、この日の時間内完走者は12名だった。久々の50%を切る完走率だった。 
コメント (2)
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