48年近く、無罪なのに拘禁された袴田巌は、神になるしかなかった。
だから憲法38条3項に、「不当に長く拘禁された後になされた自白は証拠とすることができない」と書いている。
精神を蝕まれ、現実を逃避して、いや現実を意図的に歪曲して、神の世界に棲むしかなかった。
袴田巌が、自分を「神」と呼称したことを、誰も責められない。
身体的拘束は、人の精神に最も強い影響を及ぼす。
マインド・コントロールの研究をしていて、ある大学名誉教授にも私はそう聞いた。
身体的拘束のある洗脳と、
身体的拘束のないマインド・コントロールは、段違い。
その効果がダンチの身体的拘束を48年近く受けた。
そして袴田巌は神になった。
それでも戦うことを辞めなかった袴田巌に私は神々しさを感じる。
真実を求めるその信念に崇高なるものを感じる。
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12年半、監禁されて、それでも精神を病まずに、今も立派な社会人として活躍している後藤徹さんの、立派さを思う。
あの人も神だ。
監禁はいけない。
身体的拘束はいけない。