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入院した日は時間が、たっぷりあったので半分ほど読み、続きは術後。
病室に届けてもらう新聞2紙を日頃より丹念にページをめくり、その合間に読むのでやっと今日、読了。
裏表紙に「2007.10.12 於、西区公会堂 講演会場にて」
母の字です。
生前、母の本棚から持ち出した一冊。
ベアテさんがインタビューに答える形で編まれた本。
「日本国憲法は古くなった」どころか、ベアテさんが憲法草案に込めた「
一人ひとりの人間の尊厳」という普遍的な価値を本当の意味で共有できていない。憲法が求めている水準に到達していないことを感じる。
リベラルで進歩的な考えを持ち、互いに信頼と愛情で結ばれた両親のもとで成長した少女時代のベアテさんが、戦前の日本の女性達の、虐げられた悲しみを目の当たりにして感じたこと、「女性も男性も全ての人が人として大切にされる保障を」と精魂込めて書き、残してくれた贈り物。
本書の中のベアテさんの言葉より。
「『日本国憲法』は60年間、日本を支えたベースです。あなた方の憲法は『主権は国民にある』とうたっています。憲法を生かすも殺すも、あなたたちしだいということです。あなたたちはいま重要な選択に直面しているのです。この素晴らしい憲法を粗末にしないでくださいね。」
ベアテさんのメッセージは10年たって、ますます重い。
著者;ベアテ・シロタ・ゴードン
村山アツ子
高見澤たか子
発行者;晶文社