巷では、田中角栄ブームが起きている。角栄氏と言えば、お金で政治を動かす「金権政治」のイメージがある。ただ、高度経済成長を支えた政治手腕は、高く評価されるべきだろう。
実は、現在の借金体質をつくった大きな要因は、田中政治やリクルート事件などの金権政治の反省のもと、1994年に導入された選挙制度「小選挙区制」だ。それまでの中選挙区制では、大半の選挙区で複数の当選者が出るので、特定の業界から支援を得れば、一定の票数を確保でき、選挙に勝てた。
一方の小選挙区制では、1つの選挙区で1人しか当選しない。自民党は、特定の業界と結びつくだけでは当選できなくなり、業界との癒着は弱まった。だがその代わりに、国民へのバラまきに力を入れたと言える。その結果、94年以降の借金の推移を見れば明らかなように、借金は急増し、今や1千兆円を超えた。GDPも横ばいが続いている。
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