一昨日28日、経済アナリストであり、お茶の間にも深く入り込んでいた人気者『モリタク』こと『森永卓郎』氏が逝った・・・。
亡くなる寸前まで日々ニッポン放送の朝番組『あなたとハッピー』に出演し、独自のトークや解説、ギター弾き語りで歌の披露までをも含め「素晴らしいエンターティナーだった!」と深く感銘を受けていた俺であり、彼の経済理論や資本主義への警鐘は、まさに俺の意見を代弁してくれているようで勝手に応援もしていたのだ。
以前、大阪での『ハウリンメガネ』との編集会議時に経済議論となった際「じゃぁ国の借金はどうすんのよ?」と俺が言った時「いや、色々勉強したんですが、あれは全然大丈夫な話なんですよ!」と彼は言ったのだ。「おお、そうなんだよ!国債をジャンジャン出しても実は全然この国の経済って平気なんだよね!」と、急に俺も彼に同調し議論はスタートしたのだった。
実はコレにはワケがある。この手の話は「相手がどこまで勉強しているのか?」で先行きは変わってしまうから、俺でさえ出だしは慎重に行くのだ。テレビや新聞では与党の言い分をそのまま伝えるから『この国は借金が多く、これ以上、若い世代への先送りは出来ない!』と信じ切っている人が多い・・・。恐らくメガネはこの情報に対して「何か変だぞ!」と思ったのだろう。そしてその先に有る『専門書籍』などで深く読んで勉強したのは明白だ。実際に彼は「いやぁ、俺もちょっと経済を勉強していて・・・」と言っていたことを思い出す。
俺は「さすが副編集長!」と思いつつ、編集会議そっちのけで『国債発行や財務省の経済手法』について永遠と話し込んでしまったのであった。以前『ギリシャが財政破綻してしまった』辺りから、俺も「日本は大丈夫なのか?」と思い、色々と勉強を始めたクチである。そこでピタッと来ていたのが『森永氏』の発言や書籍でもあった。彼はマニアでコレクターでもあるので、そこもピタッと来ていたんだがね・・・。
彼はガン告知以降、昨年だけで10冊以上という『怒涛の出版ラッシュ』を経て逝ったわけなのだが、その中でも『ザイム真理教』や『書いてはいけない』がベストセラーとなり、彼の総集編と見て良い書籍だろうが、俺としては2020年に出された『グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学』こそが『みんなの扉を開く素晴らしい名著』だと思っている。
俺は昔から『フクシマン』に送っている手紙の中などでも、勝手に『行き過ぎた資本主義』を嘆いて、批判して来たので『編集部内では理解されている思想』なのだが、読者諸君には無理解であろう。そんな俺の思想を見事に、そして具体的に分かり易く書いて頂いたのが本著である。
特に巻末の『MMT!』。おっと多くのビートルマニア読者から見れば『マジカルミステリーツアー』の略と見えるだろうが違うぞ!『MMT(現代貨幣理論)』のことであり、コレについての解説こそ読んで頂きたい!『国の国債』や『国の借金』そして『日本経済』の対処法などが詳しく書かれているからこそ、なのだ!
そして、この本では昨年、念願叶い出された寓話集『余命4ヶ月からの寓話』について『あとがき』では既に「将来は寓話集を出す」という強い気持ちと共に、一編の寓話が書き下ろされているのである。彼の死に改めて手に取り読んだ。実に感動的である・・・。
『あなたとハッピー』MCの『垣花氏』と共に熱烈な『ベイスターズ・ファン』でも有った『モリタク』。チャーリー・ワッツ、フィル・レッシュそしてガース・ハドソンの死でも涙を流すことが無かった俺なのだが、こと『モリタク』の死では泣かずにはいられなかった・・・
俺も大きな影響を受け、大好きな人であった。
「世の中が少しだけ寂しくなる・・・」ご冥福をお祈りしたい。
《編集長& Jerry's Guitarオーナー「Mash」筆》
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