第2部:進化論に関する6つの質問
1.進化論は実際に存在する証拠を根拠に立てられた理論なのか?それとも、仮説が先に立てられ、それを立証するために証拠を探し出す学問なのか?
進化論とは、仮説が先に立てられ、それを立証するために証拠を探し出し、確率を計算する学問です。進化論者たちが、とても重要視している理論の中に、適者生存があります。適者生存とは、各世代を通して、強い生物は生き残り、弱いものや変化する環境に適応できない生物は自然に絶滅するという理論です。これを自然淘汰とも言います。進化論者たちは、適者生存という仮説を進化論の重要な骨組みの中の一つとしています。そして彼らは、生物が次世代へと進む過程で、強い者だけが生存することになるため、生物はさらに発展し向上する方向に進化すると信じています。ダーウィンは、この自然淘汰こそ、自身の理論を確立させるのに最も重要な要素と考えました。彼はこのような自然淘汰説を使用し、人間と全ての生物の進化の痕跡を探し出そうと努力しました。
自然淘汰説は、現代の進化論者たちから全体的な支持を受けられずにいます。その理由は自然淘汰という仮説を通して、アメーバが人へと変容して行く過程を説明できず、それを再現することもできないからです。また、進化の過程の途中にある確実な中間形態も発見できなかったためです。強い者のみ生き残り、弱い者は消えてなくなってしまうという仮説によって、ある種の生物がまったく異なる種に変化するということを、科学的に立証できなかったため、自然淘汰説は一部の進化論者たちの間で無視されています。そして、進化論者であるG・G・シンプソン博士は、自然淘汰説について次のように言っています。「その理論は、まだ完全に立証されておらず、ただの推測で成り立っている仮説に過ぎない。」(Major Features, p.118)
進化論は、確実な証拠もなしに推測によって立てられた仮説です。ダーウィンはアメーバが人に進化するという実際的な証拠を一つも発見できなかったにも関わらず、自然淘汰(適者生存)という仮説を土台に、アメーバが人へと進化したという理論を述べたのです。最初は彼の理論がもっともなように聞こえ、人々の視線を集めましたが、自然淘汰説によってある種がほかの種に変化する実例がないため、今日自然淘汰説の信頼度は低くなってしまいました。要するに、自然淘汰説は、ある生物が実際的にある種から他のある種へと転移した事実を土台に立てられた法則ではなく、人間がアメーバから進化したという、進化論者たちの憶測を合理化するため考案された抽象的な理論なのです。