2.誰が真のイスラエルなのか?
新約聖書は、古代イスラエル民族の恵みの期間が終わると、ある人々が新しいイスラエルを構成しながら、黙示録の主人公として登場することについて明確に述べています。この冊子を通して明らかにされる、本当のイスラエルがハルマゲドンの戦いの主役であり、勝利者です。新約聖書が述べている、新しいイスラエルの存在について説明します。
1)誰が神の聖なる国民なのか?
「しかし、あなたがたは、選ばれた種族、祭司の国、聖なる国民、神につける民である。それによって、暗やみから驚くべきみ光に招き入れて下さったかたのみわざを、あなたがたが語り伝えるためである。あなたがたは、以前は神の民でなかったが、いまは神の民であり」(1ペテロ2:9,10)。
ここで使徒ペテロは、古代イスラエルに代わって登場する、新しいイスラエルを紹介しています。メシヤを受け入れた異邦人は、十字架の血潮で批准された新しい契約の中に入ることができる道が開かれました。まさに彼らが、真の霊的なイスラエルです!そして、以前には神の民ではなかったのですが、今は神の「聖なる国民」になったのです。
2)誰がアブラハムの子孫に約束された祝福を受け継ぐのか?
使徒パウロもペテロの意見に同意し、キリストの福音を受け入れた異邦人たちこそ、アブラハムの血肉による子孫に与えられた、神様の約束を受けることになるだろうと言っています。「もしキリストのものであるなら、あなたがたはアブラハムの子孫であり、約束による相続人なのである。」(ガラテヤ3:29)。
3)誰が神様の子なのか?
パウロは、ローマ人への手紙で、この点を明確に宣言しました。「パウロとバルナバとは大胆に語った、『神の言は、まず、あなたがたに語り伝えられなければならなかった。しかし、あなたがたはそれを退け、自分自身を永遠の命にふさわしからぬ者にしてしまったから、さあ、わたしたちはこれから方向をかえて、異邦人たちの方に行くのだ』」(使徒行伝13:46)。
4)誰が真のユダヤ人なのか?
「割礼のあるなしは問題ではなく、ただ、新しく造られることこそ、重要なのである。この法則に従って進む人々の上に、平和とあわれみとがあるように。また、神のイスラエルの上にあるように」(ガラテヤ6:15,16)。
ここでパウロは、新約聖書時代の真のユダヤ人の資格を「ただ、新しく造られること」(生まれ変わる経験)だと規定しましたが、ローマ2章では、真の新生を「心に割礼を受けたもの」と説明しています。
「というのは、外見上のユダヤ人がユダヤ人ではなく、また、外見上の肉における割礼が割礼でもない。かえって、隠れたユダヤ人がユダヤ人であり、また、文字によらず霊による心の割礼こそ割礼であって、そのほまれは人からではなく、神から来るのである。」(ローマ2:28,29)。真のユダヤ人は、肉の割礼ではなく、心の割礼を受けた人です。
それでは、心の割礼とは何でしょうか? 「あなたがたはまた、彼にあって、手によらない割礼、すなわち、キリストの割礼を受けて、肉のからだを脱ぎ捨てたのである」(コロサイ2:11)。古い契約は、身体の一部を切り取りましたが、新しい契約は、罪深い肉の心を切り取ることで結ばれます。言い換えれば、キリストを心に受け入れることで、新たに生まれ変わった心を持つ人々こそ、真の割礼を経験した人であり、彼らが真のユダヤ人です。