メディア・ペルシャ(銀の国)
「あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります」(ダニエル2:39)。ネブカデネザル王が見た夢の像はすべてが金ではありませんでした。つまり、ひとつの王国がこの世界を永遠に支配するのでなく、国の覇権が移り変わりながら、最終的には、人間の国々の権力ではなく、天の父なる神様がこの歴史を導かれているという事実を見るようになるわけです。金として象徴されたバビロンは、やがて金には劣る銀で象徴されたメディアとペルシャの国にその覇権を譲ることになるとダニエルは説明しています。
バビロンは B.C.605年からB.C.539年まで世界を支配しましたが、ネブカデネザル王が死んだ数年後のB.C.539年に、バビロンのベルシャザル王が酒宴を設けている最中に、ペルシャのクロス王が率いる軍隊がユーフラテス川の流れを人工的に変えて、水門から軍隊を侵入させ、難攻不落の要塞であったバビロンを占領することになりました。
その夜、ベルシャザル王が浮かれ騒ぎに興じながら、天におられる神様をあざける言葉を出しているとき、一つの手があらわれて壁に文字を書きました。ダニエルは、その文字の意味を、怯えている王に解き明かします。その事実が、ダニエル書5章25から28に記されています。「そのしるされた文字はこうです。メネ、メネ、テケル、ウパルシン。その事の解き明かしはこうです、メネは神があなたの治世を数えて、これをその終りに至らせたことをいうのです。テケルは、あなたがはかりで量られて、その量の足りないことがあらわれたことをいうのです。ペレスは、あなたの国が分かたれて、メディアとペルシャの人々に与えられることをいうのです」 。
聖書の預言通りにB.C.539年にメディアとペルシャの同盟軍によってバビロンが滅亡します。そのとき、同盟軍の盟主である、クロス王は自分に対する預言がすでに、聖書に記されていることを、発見し大変驚きました。そして彼は、ダニエルとユダヤの国を優遇して、エルサレムの破壊された神殿を再建出来るよう許可しました。イザヤは次のように預言していました。
「またクロスについては、『彼はわが牧者、わが目的をことごとくなし遂げる』と言い、エルサレムについては、『ふたたび建てられる』と言い、神殿については、『あなたの基がすえられる』と言う」」(イザヤ44:28)。
「さあ、かわいている者はみな水にきたれ。金のない者もきたれ。来て買い求めて食べよ。あなたがたは来て、金を出さずにただでただでぶどう酒と乳とを買い求めよ」(イザヤ55:1)
聖書は人間が自分勝手に記録した書物ではありません。この書は神様の霊感による、神様のみ言葉です。このみ言葉を信じ受け入れる者たちには、永遠の命の門が開かれるのです。聖書の預言は将来を語り、さらには人の名前まで150年前に記しておきました。この世界の歴史の流れは神様の計画の中で動き進んで行くのです。
それでは、胸と腕の部分である銀で象徴されたメディア・ペルシャは、この世界を永遠に支配したのでしょうか?もう一度、ダニエル書2章に戻りましょう。