2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 久野収・鶴見俊輔著『思想の折り返し点で』(岩波現代文庫)

2010-08-24 19:46:47 | 読書
久野収さんと鶴見俊輔さんとの対談(1989年10月頃から1990年7月頃か)。
本書からいくつか。
「自分が相手にレッテルをはるんじゃなしに、相手もどこかいいことを言っているのではないか」を探る姿勢が双方にないと、議論が生産的にならない(50頁)。『朝生テレビ』で行われる大声の出し合いで、互いが納得するようなことはないということがこの姿勢の大切さを明らかにしている。
「ぼくら日本人は、自分と他人や、自分と組織や制度の区別に基づく自己検証があまり得意」ではないのは、「どこで間違ったのか、機構や党派のどこに責任を負わすのか、その時の勢いのどこに責任を負わすのか、それらを具体的にはっきりさせる営み」がなされないから(66頁)。この悪しき慣習は、支配者が自らの責任を取りたくないがため、誤りを誰か他人に負わせたり、誤りそのものを不問にしてきたから歴史的なものではないだろうか。
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