ラウラは自分が計算して考えた戦術を使った・・・・
相手がどの位置に到達するのか、何処から攻撃してくるか・・・・
どの地点で攻撃すれば有効な打撃を与えるのか・・・・
いろいろと勉強しては考えた・・・・・
メラル「こしゃくな!!」
ラウラ「よっと・・・・」
メラル「当たらん!!」
メラルの攻撃の攻撃は計算して考えた戦術を用いれば手に取るように分かる。
どんな攻撃しようが、分かってしまえば無効になる。
メラル「まるで読まれているようだ・・・・・・気色悪い。」
ラウラのデタラメな機動性はメラルを混乱させた。
建物の隙間に入り、メラルがそれを追いかけるが・・・自分が乗る機体の大きさで入れず・・・・・・
コマンチよりも小柄なラウラのバルキリーは、自分の機体の特性と建物の大きさを利用し・・・
少し低めの建物をジャンプ台の代わりとして利用し高く飛ぶ・・・・
ガンポッドを片手に持ち、メラルに向けて発砲する。
メラル「くっ・・・・一歩間違えていたら・・・・・」
ラウラ「腕前はまだまだ私の方が上ね!!」
メラル「くそ・・・・・・」
徐々にメラルを追い込んでいく・・・・
やはり、メラルはまだまだ腕は私に及ばないか・・・・・
ラウラは笑う・・・・・・・・・・まだまだ自分の腕に自信が持てる事を・・・・・
このまま勝ってミリアと戦えるだけの実力のある人間だと証明してやる・・・
メラルに勝つ確立は高い・・・・・・
事実、メラルは追い詰められ自分自身に討ち取られようとしている。
一気に討ち取ってやろう・・・・・・ラウラはそう思った・・・・・
メラルは抵抗するが、ラウラは気にしない・・・・・・
後はただ討ち取ればいいのだから・・・・
そう思っていたが・・・・・・
ラウラ「なっ・・・・・」
メラル「もらったよ!!」
ラウラ「くそ・・・・・・離せ!!」
メラル「離せと言われて離す敵兵はいないよ・・・・・・ラウラ。」
メラルが強引にガウォーク形態に変形してラウラを強襲した。
そしてバトロイド形態に変形しラウラを押し倒した。
ラウラは引き離そうとするが、中々離れない・・・・・・・
コマンチはバルキリーより図体が大きいのでパワーが違う・・・・・
その結果、ラウラはメラルの乗るコマンチを引き離す事が出来ない。
そればかりか・・・・・・・
メラル「腕前は優秀だけど、奇襲に対する備えは出来てないね。教官なのに、教え子に教えられるなんてね。」
ラウラ「くっ・・・・・・・・」
メラル「もう少し警戒感を持った方がいいんじゃないの・・・・例えそれが有利な場合においてもさ・・・・・・」
メラルから有利な状態においても少しは警戒感を持っていた方がいいのではないかと・・・・言ってくる・・・・
屈辱だ・・・・・・
教え子からそれを教わる事になるとは・・・・・
確かに自分は警戒感を持って戦うけど、自分が有利な状態になると油断してしまうことがしばしばある。
油断した結果がこれか・・・・・・・
結果的に屈辱的な行為を受ける事になるとは・・・・・・
メラル「形勢は完全に逆転、今有利なのは私のようね・・・・折角のチャンスありがとうございました。」
ラウラ「まだ・・・・・・・・負けたとは限ったわけじゃない・・・・」
メラル「でもこちらが優勢なのは不利じゃない・・・・ふふふふ・・・・」
メラルはラウラを徹底的に追い込んだ。
圧倒的なパワーでラウラのバルキリーを追い込んでいるコマンチは、ラウラを逃げられないように徹底的に押さえ込み・・・・
一瞬離したと思いきや、落ちていたラウラのガンポッドを拾いラウラの頭部に押さえつけた。
ラウラは必死に何かいい手はないか模索する・・・・・
するとラウラは今の状況を見てある事を考える・・
ラウラ「・・・・さっき言ったよね、有利な場合においても・・・・・・油断するなと・・・・・」
メラル「何・・・・・・・・・・なっ!?・・・・」
ラウラ「このまま私と共に撃墜してやる・・・・・・」
対空ミサイルの発射・・・・・・
ミサイルは一回発射され別の方向に進むが・・・・・・・ある程度進んだ地点でラウラはメラルをロックオンし・・・・・
ミサイルは反転して向かってくる・・・・・・
この対空ミサイルは・・・・一度ミサイルを敵のいる方向に発射し、そのまま敵の背後に向かったら・・・・
パイロット側が相手をロックオンし、反転してロックオンした敵機を追尾する最新型ミサイルである・・・・
名前は・・・・・・・・・AMM-1D3対空対地ミサイル・チェイサー
チェイサーの開発に関しては、2020年にエースパイロットである加藤健雄中佐が提出したミサイル開発に関する意見書を元にしている。
ミサイルの特徴として一回相手を油断させ、隙が出来た所をロックオンして回避する隙も無く撃破する物であった。
または、マクシミリアン・ジーナスが生み出した囮撃ちに用いることが可能である・・・・
最初から相手をロックオンして使うのもよし、一回わざと外し後でロックオンし背後を狙うも良しの便利なミサイルであり・・・・
最前線に投入するのを要望する指揮官が多いとの事・・・・・・・・
優れたミサイルのような感じであるが・・・・ロックオンし対象物を追尾する時間は短いと言う欠点がある。
その優秀なミサイルを何故ラウラが持っているのかと言うと・・・
演習前に新型ミサイルの模擬弾があるのを知り、こっそり整備士につけてもらったから。
メラルと対峙し追い詰められた時の切り札として・・・・・・・・
メラル「お前・・・・自分まで負ける気か?」
ラウラ「その通りよ・・・・・屈辱を受けて負けるくらいなら・・・メラルと一緒にね・・・・・・・・・・」
メラル「冗談じゃない!!お前だけ自分のミサイルにぶつけられ負けろ!!」
メラルはラウラと一緒にミサイル心中したくないので、離れた・・・・・・・
屈辱を受けるなら一緒に心中するラウラの覚悟はゼントラーディ軍人らしくていいと思うが・・・・・・
一緒に心中する気はない、むしろ利用してラウラを撃破判定してやる・・・・
ふっとラウラのバルキリーから離れミサイルから回避しようとする・・・・・・
勝ちは自分にあり・・・・・・・・勝負あったな・・・・・・・
と思っていたが・・・・・・・・・
ラウラ「たぁ!!」
メラル「くそっ!!」
ラウラ「この!!」
ラウラは急に動き出し、バトロイドの右脚部でガンポッドを奪っているメラルのコマンチを蹴り上げる。
蹴り上げてラウラは前周りし、ガンポッドを奪われたメラルはバー二アを使い斜め横に回避する。
その直後にミサイルの爆発が置き、搭載されていたペイント弾が爆散する。
一歩間違っていたら二人とも爆発に巻き込まれており、両者の撃墜判定が出てしまう。
ラウラ「ふふふふ面白いでしょ、私の戦術・・・・・・・」
メラル「えぇぇ正直腹がたつ程面白かったわ・・・・・・・」
ラウラ「それじゃあそろそろ決着をつけようか・・・・・・・・・・もう自分自身を不安にさせる要素を完全に払拭したいから。」
メラル「その言葉・・・・・・・・・そっくり返す!!」
二人は距離を取っていつ相手の首を取ろうか、考える・・・・・・・
そろそろ不安定要素を排除して、自チームの勝利に貢献したい。
勝って貢献しなければ・・・・・・・・
二人はお互いの動きを監視する・・・・・
しばらくはそうした動きをしていたが・・・・・
ラウラ「やぁ!!」
先にラウラが動き出し、ガンポッドを両手で構えメラルに発砲する。
もちろん、メラルはラウラの動きを関していたのですぐさま回避行動を取り反撃した。
メラルのバルカン砲攻撃にラウラは一旦に地上に降り、銃撃しながら走る。
途中で銃弾のマガジンを交換するなど、攻撃の手を緩めなかった。
攻撃の手を緩めないのはメラルとて同じ・・・・・
お互いがマガジンをどんどん消費しながら銃撃・・・・それでも相手には命中しない・・・・・・
ミサイルも撃ったが・・・・・・それも命中すらしていない・・・・
しばらく撃ち続けていくうちに・・・・・・・・・
ラウラ「あっ・・・・・・・・もう銃弾のマガジンの残量が一・・・・・」
メラル「バルカン砲の残弾の予備は一か・・・・・・・・撃ちすぎたな・・・・・」
ラウラ「そろそろ決着をつけろと言われているのかしらね。」
ラウラとメラルのそれぞれの機体の銃弾のマガジンはもう一つしかない。
強力なミサイルも全部ない・・・・・・・・
二人はお互いに銃弾を無駄に使いすぎたと判断した・・・・
銃弾の無い可変戦闘機や可変攻撃ヘリコプターに出来るのは格闘戦闘のみ・・・・・
とは言え以前の問題を再び起すので格闘戦闘は使えない。
残った銃弾で決着をつけるか・・・・・・
二人はそう思うが・・・・・ラウラは・・・・
ラウラ「おっこれは・・・・・・・」
何かを見つける・・・・・・
その何かを見つけたラウラはクスッと笑い、表情を明るくした・・・・・
それはそれはありがたい・・・・絶好なお宝・・・・
メラル「そろそろ行かせてもらうよ!!」
ラウラ「えぇぇいつでもかかって来なさい!!」
ラウラが何かを見つけて何かを企んでいる事をメラルが知らないまま二人は決着をつけようとした。
どちらが勝つのか・・・・それはまだ・・・・分からない・・・・はずであった・・・・
イレギュラーを持つ・・・・・ラウラによって・・・・・・
メラル「なっ・・・・・ミサイル!!」
ラウラ「隠し弾行け!!」
イレギュラーもしくはお宝はミサイルの事であった。
ミサイルの発射はミサイルの残弾が無くなっていたと思っていたメラルを驚かせた。
こんな手を隠していたとは思ってもいなかった・・・・
こんな・・・・隠し弾を・・・・・・
メラルは頭が混乱し過ぎてどうしたらいいのか分からない。
ラウラの奴は・・・・・・・・
メラル「くっ・・・・・」
なんとかしてミサイルを迎撃しようと、無意識にバルカン砲を向ける。
バルカン砲の銃弾はミサイルに向かって放たれる・・・・
ミサイルは爆発・・・・メラルの一応の危機は回避される事になるのだが・・・・
簡単にはいかない・・・・・・・・・
メラル「!?」
ラウラ「終わりだよ・・・・・・・・本当こそね・・・」
メラル「ラウラ・ベルタリア!!くぁぁぁぁぁ」
既にラウラが狙いをつけていた・・・・・
メラルが気がつき叫んだ時はもう全てが終わりであった。
ラウラはその時点で銃弾のトリガーを引いており、確実にメラルが逃げられない位置にいた。
既に勝利の女神はラウラに微笑んでいた。
放った銃弾はメラルのコマンチに付着する・・・・
メラル「こんな事が・・・・・・・・馬鹿な・・・・・・・・・」
銃弾を受けたメラルのコマンチは膝をついてしまう・・・・
ラウラに翻弄されたあげく負けてしまうとは・・・・
やはりキヨラ隊のエースパイロット・・・・
ただ者ではないな・・・・・・
メラルは一回目を閉じてラウラの事を考えた・・・・・
メラル「負けたわ、ラウラ・・・・流石はキヨラ隊のエースパイロットね・・・・」
ラウラ「負けは私よ、メラル・・・・・」
メラル「えっ・・・・・」
ラウラ「勘違いしないで同情して勝ちを譲るんじゃない・・・・いろいろと教えられたからね。」
メラル「ラウラ・・・・・・」
メラルはラウラに負けた事で心を本格的に開いた。
流石はゼントラーディ軍キヨラ隊の兵士だと・・・・・
でも・・・・ラウラはこれは勝ちではなかった・・・・・
メラルにそれを伝えると驚かれるが、ラウラ的には驚くような内容じゃないと認識している・・・・
なんたって自分自身の欠点を指摘してくれたから・・・・・
教え子に欠点を教えられて勝っては勝ったとは言えない。
負けているとは言えない・・・・・・・・
ラウラは今回の演習でいろいろと学ばされた・・・・
その後戦闘はハルト機の撃墜判定が出て終わった。
最後の演習はこれで・・・終わり・・・そして数日後・・・・・・・