ミレーヌ・フレア・ジーナスとガムリン木崎の三人目の娘アメリア。
末娘であり、母が元ファイアーボンバーのメンバーで父が統合軍のエリートと言う家柄に生れた。
しかし
そんな両親の娘とは思えない程、戦場では冷酷で相手を殺すことを躊躇しない戦士に育った。
今回はそんな戦場で生きるミレーヌの娘の物語を紹介したいと思う。
【西暦2071年.ラーサ星系惑星デルフォキ】
惑星デルフォキ
この惑星は反統合組織が多数出没し、新統合軍と激戦を繰り広げている惑星である。
現地軍は空だけでなく、地上戦も繰り返し・・・泥沼化するなど。
この世の地獄と言っていいほどの戦場に変貌した。
そんなデルフォキのアーラリア湾付近上空にて、とある戦いが起きようとしていた。
『ダリア隊へ・・・早期警戒機より報告・・・アーマリア沖20kmにて未確認機多数・・・、IFFに反応無し。未確認機は敵と思われる、接敵後・・・撃破・・または拿捕しろ!基地からの支援や飛行隊の派遣などする、そちらで先行で敵に対処してもらいたい。』
「了解」
VF-31Aカイロスの改良型VF-31Xカイロス改が編隊を組ながら飛行している。
早期警戒機からの報告で、未確認飛行物体の編隊を確認・・・・
IFFの識別信号に反応がないから、敵と判断・・・・
偵察飛行に出ていたダリア隊に迎撃命令を出す。
「カイロス改の調子者もよしっと。」
体つきから女と分かるパイロットはコックピットの中のモニターをいろいろと触る。
カイロス改の操縦性を調整し、今回の戦闘に備えた飛行モードに切り替える。
このVF-31Xカイロス改と言うVF-31は普通の辺境の惑星には配備されない。
その辺境に配備されてないカイロス改が何故、こんな所にいるのか?
その理由は・・・・
「全く、別の惑星から最重要テロリストが逃げ込んだと言うから・・・・」
最重要テロリストの排除。
ターゲットを排除するため、辺境に通常配備していないカイロス改を投入している。
なんせカイロス改は初期タイプのジークフリードより優れており。
そこいらの一般のVF-31Aよりかは作戦の成功率が上がる。
とは言え、最新仕様のジークフリードの方が優秀だが・・・
「ダリアリーダーからダリア各機へ、どうぞ。」
「ダリア2 レディ」
「ダリア3 レディ」
「ダリア4 レディ」
準VF-Xであるガーベラ中隊のダリア小隊は敵と戦う前に点呼を取る。
点呼の様子は問題なく、各隊員は元気よく返事をする。
返事の大きさで士気が高いかを判断する事ができる。
その中には・・・
アメリア「さて、そろそろやりますか。」
新統合宇宙軍ダリア小隊隊員.アメリア・キザキ中尉
ガムリンとミレーヌの末娘アメリアがいた。
ピンク色を髪をした女性兵士アメリアは腕をいじりながら・・・
戦闘モードに入る準備をし、操縦桿を握った。
自分達と距離のある未確認機体をどう仕留めるか・・・
ミレーヌの娘とは思えない程の表情を浮かべ考える。
そろそろ敵と接触する・・・・予測位置だと背後に回り込む事になる。
「ダリア4、俺たちは敵に側面と正面に回り込む。そのまま背後から陽動攻撃を仕掛けろ!」
アメリア「了解」
主力部隊は遠回りして正面に回り込み・・・・・
新統合軍のVF-25とVF-31の混成部隊と合流し、敵に攻撃を仕掛ける。
一方のアメリアはそのまま単機で未確認編隊に攻撃を仕掛けて、陽動として敵を引き付ける。
単機で陽動は危険な事ではあるが、アメリア的には簡単な事であり。
何度も同じような事をこなしている。
アメリア「さて、ここからが正念場・・・反統合のクズ共・・・覚悟しなさい。」
本隊と分かれたアメリアはスピードを加速し敵編隊の背後に迫る。
加速して数分後・・・・
アメリアは悠々と飛行するSv-154スヴァードとSv-262ドラケンⅢからなる大編隊を発見した。
どちらもディアン・ケヒト社が開発した可変戦闘機であり・・・
どちらもウィンダミア独立戦争で活躍した機体である。
ウィンダミア王国に配備されただけではなく、非地球人国家にも配備されており。
それだけではなく、闇世界にも横流しされており。
2067年以前よりもスヴァードとドラケンⅢの目撃情報が相次いでいる。
アメリア「ターゲットロックオン」
1機のドラケンⅢにロックオンした。
まず最初の一撃はアメリアにとっては自分自身の戦いの始まりをつげる鏑矢であり・・・
自分自身の戦いが有利になるか不利になるかを決める重要な一手である。
「隊長、ロックオンされました。」
「敵だ!散開しろ!数は・・・・」
「1機です。」
敵もアメリアの存在に気がついた・・・・
が・・・・・・
もう遅い
「ミサイル接近!早すぎる・・・回避・・不能・・・・ぐぁぁぁぁ。」
「糞・・・主力は俺と共に進め!追撃機は上空に上がって背後を取れ!」
既にロックオンされた時点とアメリアの存在を知った時点で、運命が決まっていた。
カイロス改のミサイルの時速が速く・・・・
気がついて回避行動しようとしても・・・・時既に遅し。
回避不可能な距離まで接近されてしまい、一瞬で火だるまになり撃墜されてしまう。
そんな時速の速い高性能なミサイルであるが・・・・
高コストなため、実戦に使う際は必ず1機事に1基まで決められている。
そのためアメリアはこのミサイルを鏑矢のように扱っていた。
アメリア「まずは一つ、敵はざっと34機か・・・面白い。これほどの部隊で何をしようとしてたのかしら?でも、相手逃げるの速い・・・まぁ適当にやりますか。上空に回り込む奴ら数機いるけど・・・嫌がらせのつもり?」
最初の1機を血祭りにしたアメリアは敵編隊に突っ込む。
一見すれば考えも無しに突っ込んでいるように見えるが、アメリアには考えがある。
散開が遅れた1機のスヴァードに狙いをつける。
アメリア「ごめんね、テロリスト君。」
ガンポッドによる銃撃を数発程度を素早く撃ち、スヴァードに命中。
スヴァードはエンジン部が火だるまになり爆散した。
更に本隊に遅れたドラケンⅢを見つけ撃墜。
既にアメリアのスコアは3機になっていた。
アメリア「あら、2機のドラケンか・・・・ぐっ撃って来たわね。まぁ、狙い通りだけど。」
上空に上がっていた迎撃役の2機のドラケンがアメリアの背後につく。
案外、厄介な展開であるが・・・・アメリアからすれば狙い通り。
その狙いの次の段階をすべく、まるで挑発するかのように逃げる。
「奴・・・逃げます。」
「逃がすな!奴を逃がせば、本隊が危うくなる!」
アメリアの挑発にドラケンが食い付き追いかける。
追いかけてくるドラケンを嘲笑うかのように、海面に向けて真っ正面に急降下。
それにつられて2機のドラケンもアメリアと同じように急降下。
リニアレールマシンガンを使いアメリアを攻撃する。
もうそろそろ海面にぶつかる。
アメリアはチャンスを待ちながら、ドラケンの攻撃を回避し来るべき時を待った。
アメリア「今だ!」
時が来たのか、海面ギリギリで向きを変更しバランスを取るためバトロイドに変形し・・・
脚のバーニアを使い海面から飛び、ある程度の距離になると再びファイターに変形した。
追撃してきたドラケンも同じようにやろうとしたが、タイミングがずれそのまま海面に激突した。
アメリア「さてと、これで5機は始末したわね。そろそろ対空中距離攻撃砲の支援があるけど。」
ここまでのアメリアの戦果は5機。
まだまだ30機程の残っているけど、自分が求められている仕事は一応ここまで・・・
後は・・・・・・
ズゴォォン
「なんだ?今のは?」
「今の攻撃で、6機やられました。」
「6機だと?くっ、このままでは・・・」
「前方より敵機多数!新統合軍です。」
「馬鹿な、背後の迷いこんだ奴以外にもいるだと?」
中距離支援攻撃とダリア隊本隊と新統合軍の迎撃部隊。
後の仕事の主役は彼ら・・・・
敵はまさか迎撃部隊がこんなにも早く出てくると思ってなく。
さっきのアメリアは迷い猫だと思っていたせいか・・・
ダリア本隊と迎撃部隊の登場に驚いたようである。
それも知らずか・・・ダリア本隊と迎撃部隊は突撃。
敵は全機排除完了するのであった・・・・
その後・・・・基地にて・・・・
「馬鹿野郎!無茶な飛びかたしやがって、整備するのにどれ程苦労すると思ってやがる!」
アメリア「知らない。」
「知らないじゃねぇだろ!馬鹿野郎!待て!話は終わってないぞ!」
アメリアは整備班長に起こられていた。
理由は無茶な飛びかたをしたせいで、整備する手間が増えたと・・・・
整備班長は激怒しているが、アメリアは知らないと答えて何処かへ行ってしまう。
「全く あの小娘め、本当にミレーヌちゃんの娘なのかね?」
「本当ですって、養女ではない実娘です。」
「ふん全くどうやったら、生意気な性格になるのやら。」
「生意気は若い証拠です、言う事は聞きますし。」
「ふん、それが本当なら少しはこっちの言うことを聞けばいいのに。」
アメリアが去った後、整備班長は愚痴を言うが・・・・隊長はフォローに廻る。
隊長はアメリアのある過去を知っている。
それはアメリアにとって辛い辛い記憶の事・・・
それ以来、大人し目で真面目だった彼女が変貌した。
そんな事情も知っており・・・・・
今の拗ねたアメリアに軍規違反以外は容認している。
そして、アメリアは自室に戻るとある夢を見る。
アメリア「そんな、エリコが・・・なんで殿なんか・・・一緒に逃げよう。」
エリコ「駄目・・・・もう私は致命傷を負った・・・早く・・・・・」
新統合宇宙軍エリコ・トレンダ.准尉
それは士官学校のVF演習中に、テロリストの襲撃を受けた。
数は候補生の方が多かったが、相手との経験の差により次々に殺され・・・・
なんとか士官候補生達はある程度生き残って逃げ出したが・・・・
当時その中にいたアメリアとエリコは攻撃の際に逃げ遅れてしまい敵中で孤立する・・・・
なんとか逃げ出せた友軍と合流しようとするも・・・
不幸な事に発見されてしまい追撃される。
その時エリコは攻撃を受け致命傷を追って、もう逃げられないと悟りアメリアだけを逃がし殿を務めた。
アメリア「嫌だ・・・離れたくない・・・・」
エリコ「早く行って・・・お願い・・・死んでほしくないの・・・だから・・・」
スゴォォン
アメリア「エリコ・・・・あっエリコぉぉぉぉぉ」
しかし
その直後にエリコ・トレンダ.候補生はアメリアの前で戦死。
ショックで一人になったアメリアはテロリストに囲まれるも・・・
怒りよる無我夢中でテロリストのバルキリーからガンポッドを盗み・・・
救援部隊が来た時には、テロリスト編隊をアメリアが殲滅していた。
それ以来、アメリアはテロリズムを恨んだ。
アメリア「エリコ・・・・テロリズムは絶対に滅ぼす、それが一生かかっても・・・・・」
アメリアはエリコと二人で写った写真を見ながら語りかける。
それが自室で寝る前の日課になっていた。
そして、父ガムリンと母ミレーヌへの懺悔。
テロリズムを憎み大勢の人間を殺した事に関して・・・・
軍人とは言え、人の命を殺めた・・・もう後戻り出来ないと・・・
いつもの日課・・・・・アメリアはそれを終えると寝る・・・
またら明日になれば、パトロールに出て敵と遭遇すれば殺す・・・
そう考えながら、アメリアは深い眠りにいた。
が・・・・
ウゥゥゥゥゥ
アメリア「なんだ?」
『緊急事態発生、デルフォキ革命軍による爆撃部隊がマトレシティーに接近中・・・・総員出撃せよ!』
アメリア「まさか無差別爆撃・・・・糞・・・テロリストめ!なんで民間人を・・・・』
警報により起こされてしまう。
警報の内容はデルフォキ革命軍による爆撃が行われると・・・・
アメリアはそれを聞いて部屋から飛び出し格納庫へ向かった。
この時の話はまた別の機会で・・・・
末娘であり、母が元ファイアーボンバーのメンバーで父が統合軍のエリートと言う家柄に生れた。
しかし
そんな両親の娘とは思えない程、戦場では冷酷で相手を殺すことを躊躇しない戦士に育った。
今回はそんな戦場で生きるミレーヌの娘の物語を紹介したいと思う。
【西暦2071年.ラーサ星系惑星デルフォキ】
惑星デルフォキ
この惑星は反統合組織が多数出没し、新統合軍と激戦を繰り広げている惑星である。
現地軍は空だけでなく、地上戦も繰り返し・・・泥沼化するなど。
この世の地獄と言っていいほどの戦場に変貌した。
そんなデルフォキのアーラリア湾付近上空にて、とある戦いが起きようとしていた。
『ダリア隊へ・・・早期警戒機より報告・・・アーマリア沖20kmにて未確認機多数・・・、IFFに反応無し。未確認機は敵と思われる、接敵後・・・撃破・・または拿捕しろ!基地からの支援や飛行隊の派遣などする、そちらで先行で敵に対処してもらいたい。』
「了解」
VF-31Aカイロスの改良型VF-31Xカイロス改が編隊を組ながら飛行している。
早期警戒機からの報告で、未確認飛行物体の編隊を確認・・・・
IFFの識別信号に反応がないから、敵と判断・・・・
偵察飛行に出ていたダリア隊に迎撃命令を出す。
「カイロス改の調子者もよしっと。」
体つきから女と分かるパイロットはコックピットの中のモニターをいろいろと触る。
カイロス改の操縦性を調整し、今回の戦闘に備えた飛行モードに切り替える。
このVF-31Xカイロス改と言うVF-31は普通の辺境の惑星には配備されない。
その辺境に配備されてないカイロス改が何故、こんな所にいるのか?
その理由は・・・・
「全く、別の惑星から最重要テロリストが逃げ込んだと言うから・・・・」
最重要テロリストの排除。
ターゲットを排除するため、辺境に通常配備していないカイロス改を投入している。
なんせカイロス改は初期タイプのジークフリードより優れており。
そこいらの一般のVF-31Aよりかは作戦の成功率が上がる。
とは言え、最新仕様のジークフリードの方が優秀だが・・・
「ダリアリーダーからダリア各機へ、どうぞ。」
「ダリア2 レディ」
「ダリア3 レディ」
「ダリア4 レディ」
準VF-Xであるガーベラ中隊のダリア小隊は敵と戦う前に点呼を取る。
点呼の様子は問題なく、各隊員は元気よく返事をする。
返事の大きさで士気が高いかを判断する事ができる。
その中には・・・
アメリア「さて、そろそろやりますか。」
新統合宇宙軍ダリア小隊隊員.アメリア・キザキ中尉
ガムリンとミレーヌの末娘アメリアがいた。
ピンク色を髪をした女性兵士アメリアは腕をいじりながら・・・
戦闘モードに入る準備をし、操縦桿を握った。
自分達と距離のある未確認機体をどう仕留めるか・・・
ミレーヌの娘とは思えない程の表情を浮かべ考える。
そろそろ敵と接触する・・・・予測位置だと背後に回り込む事になる。
「ダリア4、俺たちは敵に側面と正面に回り込む。そのまま背後から陽動攻撃を仕掛けろ!」
アメリア「了解」
主力部隊は遠回りして正面に回り込み・・・・・
新統合軍のVF-25とVF-31の混成部隊と合流し、敵に攻撃を仕掛ける。
一方のアメリアはそのまま単機で未確認編隊に攻撃を仕掛けて、陽動として敵を引き付ける。
単機で陽動は危険な事ではあるが、アメリア的には簡単な事であり。
何度も同じような事をこなしている。
アメリア「さて、ここからが正念場・・・反統合のクズ共・・・覚悟しなさい。」
本隊と分かれたアメリアはスピードを加速し敵編隊の背後に迫る。
加速して数分後・・・・
アメリアは悠々と飛行するSv-154スヴァードとSv-262ドラケンⅢからなる大編隊を発見した。
どちらもディアン・ケヒト社が開発した可変戦闘機であり・・・
どちらもウィンダミア独立戦争で活躍した機体である。
ウィンダミア王国に配備されただけではなく、非地球人国家にも配備されており。
それだけではなく、闇世界にも横流しされており。
2067年以前よりもスヴァードとドラケンⅢの目撃情報が相次いでいる。
アメリア「ターゲットロックオン」
1機のドラケンⅢにロックオンした。
まず最初の一撃はアメリアにとっては自分自身の戦いの始まりをつげる鏑矢であり・・・
自分自身の戦いが有利になるか不利になるかを決める重要な一手である。
「隊長、ロックオンされました。」
「敵だ!散開しろ!数は・・・・」
「1機です。」
敵もアメリアの存在に気がついた・・・・
が・・・・・・
もう遅い
「ミサイル接近!早すぎる・・・回避・・不能・・・・ぐぁぁぁぁ。」
「糞・・・主力は俺と共に進め!追撃機は上空に上がって背後を取れ!」
既にロックオンされた時点とアメリアの存在を知った時点で、運命が決まっていた。
カイロス改のミサイルの時速が速く・・・・
気がついて回避行動しようとしても・・・・時既に遅し。
回避不可能な距離まで接近されてしまい、一瞬で火だるまになり撃墜されてしまう。
そんな時速の速い高性能なミサイルであるが・・・・
高コストなため、実戦に使う際は必ず1機事に1基まで決められている。
そのためアメリアはこのミサイルを鏑矢のように扱っていた。
アメリア「まずは一つ、敵はざっと34機か・・・面白い。これほどの部隊で何をしようとしてたのかしら?でも、相手逃げるの速い・・・まぁ適当にやりますか。上空に回り込む奴ら数機いるけど・・・嫌がらせのつもり?」
最初の1機を血祭りにしたアメリアは敵編隊に突っ込む。
一見すれば考えも無しに突っ込んでいるように見えるが、アメリアには考えがある。
散開が遅れた1機のスヴァードに狙いをつける。
アメリア「ごめんね、テロリスト君。」
ガンポッドによる銃撃を数発程度を素早く撃ち、スヴァードに命中。
スヴァードはエンジン部が火だるまになり爆散した。
更に本隊に遅れたドラケンⅢを見つけ撃墜。
既にアメリアのスコアは3機になっていた。
アメリア「あら、2機のドラケンか・・・・ぐっ撃って来たわね。まぁ、狙い通りだけど。」
上空に上がっていた迎撃役の2機のドラケンがアメリアの背後につく。
案外、厄介な展開であるが・・・・アメリアからすれば狙い通り。
その狙いの次の段階をすべく、まるで挑発するかのように逃げる。
「奴・・・逃げます。」
「逃がすな!奴を逃がせば、本隊が危うくなる!」
アメリアの挑発にドラケンが食い付き追いかける。
追いかけてくるドラケンを嘲笑うかのように、海面に向けて真っ正面に急降下。
それにつられて2機のドラケンもアメリアと同じように急降下。
リニアレールマシンガンを使いアメリアを攻撃する。
もうそろそろ海面にぶつかる。
アメリアはチャンスを待ちながら、ドラケンの攻撃を回避し来るべき時を待った。
アメリア「今だ!」
時が来たのか、海面ギリギリで向きを変更しバランスを取るためバトロイドに変形し・・・
脚のバーニアを使い海面から飛び、ある程度の距離になると再びファイターに変形した。
追撃してきたドラケンも同じようにやろうとしたが、タイミングがずれそのまま海面に激突した。
アメリア「さてと、これで5機は始末したわね。そろそろ対空中距離攻撃砲の支援があるけど。」
ここまでのアメリアの戦果は5機。
まだまだ30機程の残っているけど、自分が求められている仕事は一応ここまで・・・
後は・・・・・・
ズゴォォン
「なんだ?今のは?」
「今の攻撃で、6機やられました。」
「6機だと?くっ、このままでは・・・」
「前方より敵機多数!新統合軍です。」
「馬鹿な、背後の迷いこんだ奴以外にもいるだと?」
中距離支援攻撃とダリア隊本隊と新統合軍の迎撃部隊。
後の仕事の主役は彼ら・・・・
敵はまさか迎撃部隊がこんなにも早く出てくると思ってなく。
さっきのアメリアは迷い猫だと思っていたせいか・・・
ダリア本隊と迎撃部隊の登場に驚いたようである。
それも知らずか・・・ダリア本隊と迎撃部隊は突撃。
敵は全機排除完了するのであった・・・・
その後・・・・基地にて・・・・
「馬鹿野郎!無茶な飛びかたしやがって、整備するのにどれ程苦労すると思ってやがる!」
アメリア「知らない。」
「知らないじゃねぇだろ!馬鹿野郎!待て!話は終わってないぞ!」
アメリアは整備班長に起こられていた。
理由は無茶な飛びかたをしたせいで、整備する手間が増えたと・・・・
整備班長は激怒しているが、アメリアは知らないと答えて何処かへ行ってしまう。
「全く あの小娘め、本当にミレーヌちゃんの娘なのかね?」
「本当ですって、養女ではない実娘です。」
「ふん全くどうやったら、生意気な性格になるのやら。」
「生意気は若い証拠です、言う事は聞きますし。」
「ふん、それが本当なら少しはこっちの言うことを聞けばいいのに。」
アメリアが去った後、整備班長は愚痴を言うが・・・・隊長はフォローに廻る。
隊長はアメリアのある過去を知っている。
それはアメリアにとって辛い辛い記憶の事・・・
それ以来、大人し目で真面目だった彼女が変貌した。
そんな事情も知っており・・・・・
今の拗ねたアメリアに軍規違反以外は容認している。
そして、アメリアは自室に戻るとある夢を見る。
アメリア「そんな、エリコが・・・なんで殿なんか・・・一緒に逃げよう。」
エリコ「駄目・・・・もう私は致命傷を負った・・・早く・・・・・」
新統合宇宙軍エリコ・トレンダ.准尉
それは士官学校のVF演習中に、テロリストの襲撃を受けた。
数は候補生の方が多かったが、相手との経験の差により次々に殺され・・・・
なんとか士官候補生達はある程度生き残って逃げ出したが・・・・
当時その中にいたアメリアとエリコは攻撃の際に逃げ遅れてしまい敵中で孤立する・・・・
なんとか逃げ出せた友軍と合流しようとするも・・・
不幸な事に発見されてしまい追撃される。
その時エリコは攻撃を受け致命傷を追って、もう逃げられないと悟りアメリアだけを逃がし殿を務めた。
アメリア「嫌だ・・・離れたくない・・・・」
エリコ「早く行って・・・お願い・・・死んでほしくないの・・・だから・・・」
スゴォォン
アメリア「エリコ・・・・あっエリコぉぉぉぉぉ」
しかし
その直後にエリコ・トレンダ.候補生はアメリアの前で戦死。
ショックで一人になったアメリアはテロリストに囲まれるも・・・
怒りよる無我夢中でテロリストのバルキリーからガンポッドを盗み・・・
救援部隊が来た時には、テロリスト編隊をアメリアが殲滅していた。
それ以来、アメリアはテロリズムを恨んだ。
アメリア「エリコ・・・・テロリズムは絶対に滅ぼす、それが一生かかっても・・・・・」
アメリアはエリコと二人で写った写真を見ながら語りかける。
それが自室で寝る前の日課になっていた。
そして、父ガムリンと母ミレーヌへの懺悔。
テロリズムを憎み大勢の人間を殺した事に関して・・・・
軍人とは言え、人の命を殺めた・・・もう後戻り出来ないと・・・
いつもの日課・・・・・アメリアはそれを終えると寝る・・・
またら明日になれば、パトロールに出て敵と遭遇すれば殺す・・・
そう考えながら、アメリアは深い眠りにいた。
が・・・・
ウゥゥゥゥゥ
アメリア「なんだ?」
『緊急事態発生、デルフォキ革命軍による爆撃部隊がマトレシティーに接近中・・・・総員出撃せよ!』
アメリア「まさか無差別爆撃・・・・糞・・・テロリストめ!なんで民間人を・・・・』
警報により起こされてしまう。
警報の内容はデルフォキ革命軍による爆撃が行われると・・・・
アメリアはそれを聞いて部屋から飛び出し格納庫へ向かった。
この時の話はまた別の機会で・・・・