【2043年 惑星ピースミリオン 新統合軍第5航空基地】
ライトとケビンはクリフを不意打ち同然に撃墜して基地に着陸した後
指定の兵舎に入り荷物を置きこれから所属する事になる・・・
SVF-678の指揮官クリフ少佐と面会する事になった。
当然周りからは厳しい処分が降るのだろうと心配している目つきをしていたが
当の二人は平然としていた。
むしろふざけている・・・・
吉野朝灯「あれがさっきのVF-11Bのパイロット?」
仕事の最中、朝灯はライト達の姿を見た。
さっきの不意打ち演習犯であるライトとケビンの左遷馬鹿コンビに睨む目つきをするが。
同僚の看護兵に怖いと指摘され、笑ってごまかす。
朝灯はまぁ無視していけばいいと自己完結するかのように〆る。
クリフ「ライト・インメルマン中尉とケビン・バードロフ少尉・・・・・・我が隊に配属された理由は左遷、優秀な成績を持っているが勤務態度が悪いか・・・・・・・」
先ほど撃墜されたクリフがライトとケビンの履歴書と戦歴書を読む。
評価はどれもよかったが勤務態度は絶望的にマイナス評価されていた。
クリフは顔を若干歪ませるが冷静な態度を装って履歴書と戦歴書を読む。
クリフ「本国直衛の兵士として最低だな・・・・・・左遷させるわけが分かる。」
「確かにその通りでありますな」
クリフ「頭が痛くなる話だ、よりによって俺の部隊に配属だ!まったく笑えん話だな。」
すべての書類を読んで机にパサッと置くとクリフはそう吐き捨てた。
エリートぞろいである地球本国軍(地球統合軍)にこんなふざけた態度の兵士はいらない。
左遷して寄こした地球本国軍の上官の気持ちがなんだが分かったかのような顔をしていた。
二人は無言だが・・・・俺を舐めてる・・・
と言いようがない態度をしていた。
クリフ「さて次だが・・・・・・なぜ我々を突然強襲するかのような訓練行動を取ったのか教えてもらおうか?」
次の話題は惑星ピースミリオンの着任時に突然、強襲攻撃の真似ごとの演習についてだ。
この模擬戦の結果、クリフが真っ先に撃墜判定を受けると言う結果になっている。
その結果についてどう思っているのかは不明ではあるが・・・・・・・・・・・
まぁクリフから言わればこの二人は優秀なパイロットであり・・・
真面目に勤務をしていたら何処の部隊でも欲しがるし・・・
本当に真面目だったらなぁ・・・・
クリフ「まぁいい俺の部隊に配属されたと言う事は何かの縁だろう、お前たちの配属を現時点を持って許可をする。」
ライト「ありがとうございます」
クリフ「とにかくだ・・・・問題を起こす真似はやめろよな!」
ケビン「あざーす」
クリフ「言ってるそばでこれはやめろ!」
クリフは少々渋った顔をしつつも部隊の配属を許可をした。
二人は黙って静かにありがとうございましたといいつつ敬礼する。
ライトとケビンはクリフの話の後、基地内を探索する。
軍事機密で規制されている以外は何処にでも行けるため早くこの場になれるためにも回る必要がある。
この基地は120機程の可変戦闘機が所在する大きな基地であり、回るのに2日間は要する。
少数ではあるが最新鋭機VF-19エクスカリバーが複数機配備されている。
そのエクスカリバーはエース機であり、なんでも噂ではジーナス家の娘ミランダ・ジーナスがいると言う事だ。
若い新人エースとして言われているらしい。
ライトとケビンは物珍しく基地を探索を進めるその時であった。
「きゃあ」
ライトは誰かにぶつかる。
声の主は女だろう・・・・・・・ライトは慌てて女の方を見る。
女は看護兵を示す腕章をしており、蒼い髪に医療用ベレー帽を被っていた。
髪からかゼントラーディ系地球人二世かハーフかなんかだろうと思った。
ライト「大丈夫か?君?」
「どうもすいません・・・あたし急いでたから・・・・ありがとうございま・・・・・・・・・・・・・・・!?嘘!?」
ライト「なんだ・・・・・・・・・・・・・」
「お前は・・・えぇぇぇい」
パシーン
ライト「・・・・・」
ケビン「おい!!」
ライトは転んだ蒼い髪の彼女に手を差し伸べる。
だがその助けに応じる手ではなくグーパンチがライトの顔面に直撃した。
その衝撃でライトは若干後ろに下がってしまった。
見た目は勝ち気そうな元気のありそうな女の子は睨んでいる。
まるで自分達を敵として見るように・・・・
ライトを敵視している人物は・・・
ケビン「お前せっかく助けてもらおうとしているのにパンチとは酷いだろ!?」
吉野朝灯「何よ本国から左遷した馬鹿に助けられるなんてこの吉野朝灯は落ちていないわよ。バ~カ。」
ライトとケビンを敵視してしまっている朝灯である。
朝灯はせっかく助けてくれた人の善意を受け取ろうとしていたが
それがライトであったため無意識にパンチが飛んでしまった。
このパンチのおかげでライトは負傷してしまった。
ライト「元気のいい看護兵さんだな、名前はなんていうんだ?」
吉野朝灯「あたしは吉野朝灯、ゼントラーディと地球人のハーフよ。名前は名乗ったけど、別にあんたらとは絡む気はないから、当然あんたの名前を聞く必要はない!!そんじゃあね~お馬鹿さん。」
ケビン「おいこら、お前看護兵だろライトの怪我を直しやがれ!!」
吉野朝灯「馬鹿は私が治さなくても治るってね、じゃあね馬鹿たれさん」
ケビン「なんだとあの小娘は!」
朝灯はバカにした態度をとりながら・・・そのまま行ってしまった。
ケビンは朝灯に向けて抗議の目を向けているが
ライトは穏やかな態度で朝灯を見ていた。
ー可愛い子だな。
朝灯はブドウジュースと牛乳を混ぜて作った自前のブドウ牛乳を造って・・・
同じ看護兵である友達の細川志乃と飲んでいた。
どんどんガブ飲みしてはの繰り返しでドン引きしていた。
まるでやけ酒を飲むかのように・・・・
細川志乃「朝灯・・・・・・・・・・・またそれ・・・・・・・」
看護兵.伍長.細川志乃
吉野朝灯「何よ悪い?」
細川志乃「飲みすぎだって・・・・・・」
朝灯の飲みっぷりは飲みすぎのレベルであった。
親友の志乃は朝灯の飲み過ぎを心配した。
お腹を壊さないかどうか・・・・
噂に聞く朝灯の母親ラウラの酒豪としての飲みっぷりを見るかように
志乃は心配しすぎて、自分の持ってるコップを口にできずにいた
吉野朝灯「あいつらに体ドンよ、まったく最悪だわ。飲んでなきゃ気が晴れないっての。」
朝灯はどんどんブドウ牛乳を飲み込む。
志乃は流石にこの調子で手が止められないと悟ったのか心配するようなそぶりを辞めた。
理由は無駄だと判断したためである。
朝灯に何を言っても無駄・・・・だと・・・・
こうして後に夫婦になるライトと志乃は最悪な状況で出会ってしまったのである。
【クラビウスシティー.吉野大樹邸】
その頃
地球首都圏の月面クラビウスシティーにある吉野大樹邸では・・
朝灯の父.吉野大樹と母ラウラはクラビウス基地から帰宅し食事をしていた。
提督である大樹付きの当直士官らが作ったフルコース・・・
【前菜】
サーモンとコンソメスープのテリーヌ
【スープ】
アスペラガース・スープ
【魚料理】
蒸したマス
ロブスターの明太子ソース和え
【肉料理】
シチュード・チキン付け合わせ 香草
ローストビーフ クレソン、ホースラディッシュ添え
【冷菓子】
レモンアイスクリーム
【雑果菓】
タピオカプリン 黒豆添え
【お酒】
クラビウス農場濃縮ワイン
で舌を肥やしながら、談笑している。
吉野大樹「ほう、桐原の親父とデワントン夫人は元気なのか・・・」
新統合宇宙軍クラビウス統合運用艦隊司令長官.吉野大樹.中将
吉野祐未「あなた、まだ桐原隊長はまだ若いですよ。まだまだバリバリ予備役復帰はできそうです」
新統合宇宙軍クラビウス航空防衛隊司令官.吉野祐未大佐(ラウラ・ベルタリア)
吉野大樹「なるほどな・・俺としては親父にはこのまま銭湯屋のデワントン夫人に尻を敷かれながらも、平穏に生きてほしい。」
二人は世間話や仕事の話などをしていた。
大樹と祐未ことラウラは同じ中隊から所属してた頃から・・・
食事しながら世間話や仕事の話をするのが当たり前であった。
それから20年以上経ってるが変わらずである。
吉野祐未「朝灯は大丈夫かしら?」
吉野大樹「多分大丈夫だろう、心配となると男性嫌いな点だな。トラブル起こしてないか心配になる。」
吉野祐未「確かに・・・・あの娘は三人いる娘の中で一番気が強いから・・・・」
吉野大樹「俺が悪かったのもあるな、朝の言う事をもう少し気にしてたらな・・・」
吉野祐未「そんな事ないわよ、あれは娘の事を思ってでしょ・・・私にも責任はある・・・私が親としての責任がもう少しあったなら・・・」
談笑したながらの会話の中で遠い戦地に行ってる朝灯の話が出た。
朝灯の二人の姉は上手くいってるが、苛烈過ぎる性格の朝灯が心配だった。
軍に入る際も大樹と朝灯は大喧嘩して、家を出ていく形で・・・
バイトしながら独り暮らししながら試験に望み、軍に入っていった。
猛烈に反対した大樹だが、いざ軍に入ると止められない・・
娘としてではなく二人の姉同様、上官と部下の関係。
その覚悟はラウラも同じだった。
吉野祐未「頑固な性格は大樹似じゃない、勝ち気な私の性格も相成って・・・」
吉野大樹「だろうなぁ、俺はそこまで頑固か?」
吉野祐未「昔の怖い怖い大日本帝国陸海軍の軍人みたいよ~」
吉野大樹「そうか・・・・」
朝灯の苛烈な性格は大樹の頑固さとラウラの勝ち気な性格が合わさり・・・
男性に対し激しい嫌悪感、喧嘩っ早い性格・・・・・
二人の欠点に近い個性が上手く合わさって生まれたのが朝灯・・・
不安すぎる。
戦闘による戦死や怪我も当然の如く心配だが・・・
男性嫌いな性格と気が強い苛烈な性格で喧嘩沙汰になり・・・
病院送りにしたり、MPのお世話にならないか心配だ。
ラウラも娘.朝灯の気持ちは凄く分かるが・・・
下手したら擁護しきれない領域もあるので、喧嘩沙汰になり・
病院送りになり、MPのお世話になって・・・
懲戒免職になるだけはなってほしくない・・・
母親として朝灯の将来心配している。
一方の大樹は・・・・
吉野大樹「出来れば娘たちには殺し合いのする世界に入って欲しくなかった。」
吉野祐未「でも最終的に賛同したけど、まだ反対なの?」
吉野大樹「本音を言えばだな、殺し合いの世界は俺たちで十分だった。夕・花・朝・・・・お前たちにはできれば戦争に無縁な生活をして欲しかったが・・・決意が固い以上、一度入った以上は止められん・・・」
吉野祐未「そうね・・・・一度やると決められたら反対できない、せめてやめるなら自分のやるべき事を満了して欲しいものね。」
吉野大樹「あぁ」
娘たちに戦争とは無縁の世界で生きて欲しいと考えていた。
大樹としては妻ラウラと共に数々の戦争に参加し、数々の死を目撃した。
仲間の死や自分達が攻撃した結果による敵の死・・・・
自分達夫婦は血塗られた上で成り立っている。
一度入り込んだら元には戻れない・・・・
せめて次世代の娘たちだけでも・・・と考えていたが・・・・
三人の娘たちは自分達による大反対の末、結局は軍に入ってしまった。
軍に入ってしまった以上
覚悟を決めるしかないが、どうせならば・・・・
自分の手を血で汚さずに軍務を終えて欲しい・・・
大樹はそう思いながらワインを飲み
その表情を見たラウラは静かに大樹の考えに同意するのであった。
ライトとケビンはクリフを不意打ち同然に撃墜して基地に着陸した後
指定の兵舎に入り荷物を置きこれから所属する事になる・・・
SVF-678の指揮官クリフ少佐と面会する事になった。
当然周りからは厳しい処分が降るのだろうと心配している目つきをしていたが
当の二人は平然としていた。
むしろふざけている・・・・
吉野朝灯「あれがさっきのVF-11Bのパイロット?」
仕事の最中、朝灯はライト達の姿を見た。
さっきの不意打ち演習犯であるライトとケビンの左遷馬鹿コンビに睨む目つきをするが。
同僚の看護兵に怖いと指摘され、笑ってごまかす。
朝灯はまぁ無視していけばいいと自己完結するかのように〆る。
クリフ「ライト・インメルマン中尉とケビン・バードロフ少尉・・・・・・我が隊に配属された理由は左遷、優秀な成績を持っているが勤務態度が悪いか・・・・・・・」
先ほど撃墜されたクリフがライトとケビンの履歴書と戦歴書を読む。
評価はどれもよかったが勤務態度は絶望的にマイナス評価されていた。
クリフは顔を若干歪ませるが冷静な態度を装って履歴書と戦歴書を読む。
クリフ「本国直衛の兵士として最低だな・・・・・・左遷させるわけが分かる。」
「確かにその通りでありますな」
クリフ「頭が痛くなる話だ、よりによって俺の部隊に配属だ!まったく笑えん話だな。」
すべての書類を読んで机にパサッと置くとクリフはそう吐き捨てた。
エリートぞろいである地球本国軍(地球統合軍)にこんなふざけた態度の兵士はいらない。
左遷して寄こした地球本国軍の上官の気持ちがなんだが分かったかのような顔をしていた。
二人は無言だが・・・・俺を舐めてる・・・
と言いようがない態度をしていた。
クリフ「さて次だが・・・・・・なぜ我々を突然強襲するかのような訓練行動を取ったのか教えてもらおうか?」
次の話題は惑星ピースミリオンの着任時に突然、強襲攻撃の真似ごとの演習についてだ。
この模擬戦の結果、クリフが真っ先に撃墜判定を受けると言う結果になっている。
その結果についてどう思っているのかは不明ではあるが・・・・・・・・・・・
まぁクリフから言わればこの二人は優秀なパイロットであり・・・
真面目に勤務をしていたら何処の部隊でも欲しがるし・・・
本当に真面目だったらなぁ・・・・
クリフ「まぁいい俺の部隊に配属されたと言う事は何かの縁だろう、お前たちの配属を現時点を持って許可をする。」
ライト「ありがとうございます」
クリフ「とにかくだ・・・・問題を起こす真似はやめろよな!」
ケビン「あざーす」
クリフ「言ってるそばでこれはやめろ!」
クリフは少々渋った顔をしつつも部隊の配属を許可をした。
二人は黙って静かにありがとうございましたといいつつ敬礼する。
ライトとケビンはクリフの話の後、基地内を探索する。
軍事機密で規制されている以外は何処にでも行けるため早くこの場になれるためにも回る必要がある。
この基地は120機程の可変戦闘機が所在する大きな基地であり、回るのに2日間は要する。
少数ではあるが最新鋭機VF-19エクスカリバーが複数機配備されている。
そのエクスカリバーはエース機であり、なんでも噂ではジーナス家の娘ミランダ・ジーナスがいると言う事だ。
若い新人エースとして言われているらしい。
ライトとケビンは物珍しく基地を探索を進めるその時であった。
「きゃあ」
ライトは誰かにぶつかる。
声の主は女だろう・・・・・・・ライトは慌てて女の方を見る。
女は看護兵を示す腕章をしており、蒼い髪に医療用ベレー帽を被っていた。
髪からかゼントラーディ系地球人二世かハーフかなんかだろうと思った。
ライト「大丈夫か?君?」
「どうもすいません・・・あたし急いでたから・・・・ありがとうございま・・・・・・・・・・・・・・・!?嘘!?」
ライト「なんだ・・・・・・・・・・・・・」
「お前は・・・えぇぇぇい」
パシーン
ライト「・・・・・」
ケビン「おい!!」
ライトは転んだ蒼い髪の彼女に手を差し伸べる。
だがその助けに応じる手ではなくグーパンチがライトの顔面に直撃した。
その衝撃でライトは若干後ろに下がってしまった。
見た目は勝ち気そうな元気のありそうな女の子は睨んでいる。
まるで自分達を敵として見るように・・・・
ライトを敵視している人物は・・・
ケビン「お前せっかく助けてもらおうとしているのにパンチとは酷いだろ!?」
吉野朝灯「何よ本国から左遷した馬鹿に助けられるなんてこの吉野朝灯は落ちていないわよ。バ~カ。」
ライトとケビンを敵視してしまっている朝灯である。
朝灯はせっかく助けてくれた人の善意を受け取ろうとしていたが
それがライトであったため無意識にパンチが飛んでしまった。
このパンチのおかげでライトは負傷してしまった。
ライト「元気のいい看護兵さんだな、名前はなんていうんだ?」
吉野朝灯「あたしは吉野朝灯、ゼントラーディと地球人のハーフよ。名前は名乗ったけど、別にあんたらとは絡む気はないから、当然あんたの名前を聞く必要はない!!そんじゃあね~お馬鹿さん。」
ケビン「おいこら、お前看護兵だろライトの怪我を直しやがれ!!」
吉野朝灯「馬鹿は私が治さなくても治るってね、じゃあね馬鹿たれさん」
ケビン「なんだとあの小娘は!」
朝灯はバカにした態度をとりながら・・・そのまま行ってしまった。
ケビンは朝灯に向けて抗議の目を向けているが
ライトは穏やかな態度で朝灯を見ていた。
ー可愛い子だな。
朝灯はブドウジュースと牛乳を混ぜて作った自前のブドウ牛乳を造って・・・
同じ看護兵である友達の細川志乃と飲んでいた。
どんどんガブ飲みしてはの繰り返しでドン引きしていた。
まるでやけ酒を飲むかのように・・・・
細川志乃「朝灯・・・・・・・・・・・またそれ・・・・・・・」
看護兵.伍長.細川志乃
吉野朝灯「何よ悪い?」
細川志乃「飲みすぎだって・・・・・・」
朝灯の飲みっぷりは飲みすぎのレベルであった。
親友の志乃は朝灯の飲み過ぎを心配した。
お腹を壊さないかどうか・・・・
噂に聞く朝灯の母親ラウラの酒豪としての飲みっぷりを見るかように
志乃は心配しすぎて、自分の持ってるコップを口にできずにいた
吉野朝灯「あいつらに体ドンよ、まったく最悪だわ。飲んでなきゃ気が晴れないっての。」
朝灯はどんどんブドウ牛乳を飲み込む。
志乃は流石にこの調子で手が止められないと悟ったのか心配するようなそぶりを辞めた。
理由は無駄だと判断したためである。
朝灯に何を言っても無駄・・・・だと・・・・
こうして後に夫婦になるライトと志乃は最悪な状況で出会ってしまったのである。
【クラビウスシティー.吉野大樹邸】
その頃
地球首都圏の月面クラビウスシティーにある吉野大樹邸では・・
朝灯の父.吉野大樹と母ラウラはクラビウス基地から帰宅し食事をしていた。
提督である大樹付きの当直士官らが作ったフルコース・・・
【前菜】
サーモンとコンソメスープのテリーヌ
【スープ】
アスペラガース・スープ
【魚料理】
蒸したマス
ロブスターの明太子ソース和え
【肉料理】
シチュード・チキン付け合わせ 香草
ローストビーフ クレソン、ホースラディッシュ添え
【冷菓子】
レモンアイスクリーム
【雑果菓】
タピオカプリン 黒豆添え
【お酒】
クラビウス農場濃縮ワイン
で舌を肥やしながら、談笑している。
吉野大樹「ほう、桐原の親父とデワントン夫人は元気なのか・・・」
新統合宇宙軍クラビウス統合運用艦隊司令長官.吉野大樹.中将
吉野祐未「あなた、まだ桐原隊長はまだ若いですよ。まだまだバリバリ予備役復帰はできそうです」
新統合宇宙軍クラビウス航空防衛隊司令官.吉野祐未大佐(ラウラ・ベルタリア)
吉野大樹「なるほどな・・俺としては親父にはこのまま銭湯屋のデワントン夫人に尻を敷かれながらも、平穏に生きてほしい。」
二人は世間話や仕事の話などをしていた。
大樹と祐未ことラウラは同じ中隊から所属してた頃から・・・
食事しながら世間話や仕事の話をするのが当たり前であった。
それから20年以上経ってるが変わらずである。
吉野祐未「朝灯は大丈夫かしら?」
吉野大樹「多分大丈夫だろう、心配となると男性嫌いな点だな。トラブル起こしてないか心配になる。」
吉野祐未「確かに・・・・あの娘は三人いる娘の中で一番気が強いから・・・・」
吉野大樹「俺が悪かったのもあるな、朝の言う事をもう少し気にしてたらな・・・」
吉野祐未「そんな事ないわよ、あれは娘の事を思ってでしょ・・・私にも責任はある・・・私が親としての責任がもう少しあったなら・・・」
談笑したながらの会話の中で遠い戦地に行ってる朝灯の話が出た。
朝灯の二人の姉は上手くいってるが、苛烈過ぎる性格の朝灯が心配だった。
軍に入る際も大樹と朝灯は大喧嘩して、家を出ていく形で・・・
バイトしながら独り暮らししながら試験に望み、軍に入っていった。
猛烈に反対した大樹だが、いざ軍に入ると止められない・・
娘としてではなく二人の姉同様、上官と部下の関係。
その覚悟はラウラも同じだった。
吉野祐未「頑固な性格は大樹似じゃない、勝ち気な私の性格も相成って・・・」
吉野大樹「だろうなぁ、俺はそこまで頑固か?」
吉野祐未「昔の怖い怖い大日本帝国陸海軍の軍人みたいよ~」
吉野大樹「そうか・・・・」
朝灯の苛烈な性格は大樹の頑固さとラウラの勝ち気な性格が合わさり・・・
男性に対し激しい嫌悪感、喧嘩っ早い性格・・・・・
二人の欠点に近い個性が上手く合わさって生まれたのが朝灯・・・
不安すぎる。
戦闘による戦死や怪我も当然の如く心配だが・・・
男性嫌いな性格と気が強い苛烈な性格で喧嘩沙汰になり・・・
病院送りにしたり、MPのお世話にならないか心配だ。
ラウラも娘.朝灯の気持ちは凄く分かるが・・・
下手したら擁護しきれない領域もあるので、喧嘩沙汰になり・
病院送りになり、MPのお世話になって・・・
懲戒免職になるだけはなってほしくない・・・
母親として朝灯の将来心配している。
一方の大樹は・・・・
吉野大樹「出来れば娘たちには殺し合いのする世界に入って欲しくなかった。」
吉野祐未「でも最終的に賛同したけど、まだ反対なの?」
吉野大樹「本音を言えばだな、殺し合いの世界は俺たちで十分だった。夕・花・朝・・・・お前たちにはできれば戦争に無縁な生活をして欲しかったが・・・決意が固い以上、一度入った以上は止められん・・・」
吉野祐未「そうね・・・・一度やると決められたら反対できない、せめてやめるなら自分のやるべき事を満了して欲しいものね。」
吉野大樹「あぁ」
娘たちに戦争とは無縁の世界で生きて欲しいと考えていた。
大樹としては妻ラウラと共に数々の戦争に参加し、数々の死を目撃した。
仲間の死や自分達が攻撃した結果による敵の死・・・・
自分達夫婦は血塗られた上で成り立っている。
一度入り込んだら元には戻れない・・・・
せめて次世代の娘たちだけでも・・・と考えていたが・・・・
三人の娘たちは自分達による大反対の末、結局は軍に入ってしまった。
軍に入ってしまった以上
覚悟を決めるしかないが、どうせならば・・・・
自分の手を血で汚さずに軍務を終えて欲しい・・・
大樹はそう思いながらワインを飲み
その表情を見たラウラは静かに大樹の考えに同意するのであった。