奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

家の間取りとライフスタイルの連動を考える際に家事動線や生活動線などの回遊性をどのように考えるべきなのかをイメージする事は大切です、回遊動線だから何でも便利という訳ではありませんから。

2024年11月04日 | 家 住まい 間取り プラン

家の間取りを考える際に

移動する位置関係を考慮した

回遊動線で

家事をスムーズにしながら

楽な生活環境をつくりだす

間取りとなるように。

※廊下を使いつつも部屋を通り道にする回遊動線のある住まいの間取り提案事例・提案時の朝刊鳥瞰間取りCG

 

家事楽になる

よい間取りの条件として

回遊動線とよく言われます。

※廊下を使いつつも部屋を通り道にする回遊動線のある住まいの間取り提案事例・提案時の鳥瞰間取りCG

 

回遊動線とは

家の中を行き止まりが無く

一筆書きのように

ぐるっと回ることのできる

動線計画のある間取りのことです。

 

必ず回遊動線は

よい間取りになるとは限りません。

 

回遊動線だと

何が便利で

どういう間取りだと

家事楽な回遊動線なのか

具体的に想像することが

大事です。

 

そのうえで

自分たちの暮らしには

回遊動線がよいのかどうなのか?

 

回遊させればいい、

という訳ではないんです。

 

よく考えておかないと

無駄すぎる

間取りになる場合も

ありますから。

 

回遊動線の

メリットとデメリット。

 

家事楽になる

回遊動線にするには

どうしたらよいのか?。

 

どのような回遊動線なら

自分達にとって

よい間取りになるのか?。

 

回遊動線とは、

読んで字のごとく

回遊できる間取りです。

 

回遊ができるということは

あっちからもこっちからも

移動ができる

出入りが出来る

という間取りです。

 

では回遊できる間取りは

なぜ家事楽で

よい間取りとなるのか?。

そうではない場合も

発生するのか?。

 

家事動線が短くなる。

家事楽な間取りにするには

基本的には

移動の範囲が単純で

移動距離を短くすることが必須です。

 

回遊動線にすると

必ず家事動線を

短くすることが

できる訳ではなりません。

 

キッチンに行くことは

買い物帰りに

重い荷物をもって

玄関ホールから

行きたいこともあれば

ランドリーで

洗濯ものを片付けてから

行くこともありますよね。

 

別の部屋に移動するときに

行く必要がないのに

通らないといけないルートが増えると

家事動線は複雑化します。

 

キッチンから

ランドリーに行きたいのに

キッチンから

リビングに戻るような

ルートを通って

ランドリーに行かないといけない。

 

各家庭により

家事時間も家事の方法も

暮らし全体も大きく異なります。

 

そういった意味で

家事時間を

スムーズにできるように

考える際には

こういう動線(移動)の方法を

確認することが重要なんです。

 

そういう意味で回遊を

どのように考えるべきなのか

ということです。

 

回遊動線をつくると

わざわざ戻るルートを通らずとも

あっちにもこっちにも

行くことができるケースもあるし

そうではないケースもありますから。

 

移動に便利な状態を

設計できるのかどうなのか?

というところがポイントです。

なんでも回遊ならよい

という訳ではないので・・・・・。

 

便利とは何か?

を考える事が重要です。

そのうえでの

回遊の条件整理が大事。

 

例えばですが

家族の移動が多い時間帯も

移動途中での

衝突を避ける事ができる。

 

朝の身支度の時間帯には

洗面からキッチンに行く人

2階からキッチンに行く人

洗面からトイレに行く人

いろいろなルートで

人は移動します・・・・・。

 

そのたびに皆が

同じところを

通らないと行くことができない

となると

そのルートで

人がすれ違う必要があります。

 

それが毎日おこるとなると

ストレスを感じる

原因にもなります。

 

家の中で人がぶつかりそうな

ルートは少ないほうが便利です。

 

ですが廊下の幅が

十分確保できたり

ホールを中心に移動が便利な間取りだと

回遊に拘らなくても

生活しやすい移動が

可能だったりします。

 

行き止まり感がなく広く感じる。

回遊できるということは

行き止まりがなく

部屋ごとの移動が

スムーズになります。

 

家のなかの移動が

スムーズだと

心理的に空間を広く

感じることになります。

 

数字上の床面積は

大きくなくとも

狭さを感じることなく

生活しやすくすることができます。

 

ですが、

その逆のケースもあります。

 

広さと生活習慣上のバランス。

回遊動線の間取りのデメリット

移動ルートが増える

あちこち行くことができる

という事は基本的には

その分通路となる部分が

増えるということです。

 

通路=廊下という訳

ではありません。

 

極力廊下を無くすと

部屋が広くなるので

廊下がない間取りを

考える事もあります。

 

トータルの床面積を増やさず

部屋の広さを

確保するためには

廊下をなくすことは

有効だからです。

 

ですが廊下を少なくして

生活上の部屋の中

移動スペースを確保する場合

見た目の畳数は広くても

通路部分が多いと

家具の配置に困ったり

実質使える部分が

少なくなり

畳数の割には使いにくい

ということがあります。


LDK内で通路部分が

あっちにもこっちにもあると

リビングで

テレビを見ているところを

人が横切ったり

家事でばたばたと通ったり

気になるかもしれません。

 

そういう事も想定した

家具や家電の配置と

生活で寛いでいる際

邪魔にならないような

動線を考えるべきだと思います。

 

収納が減るという事。

通路が増えると

その分収納が

減ることがあります。

 

行き止まりになりそうな

部分というのは

収納になることが多いです。

 

キッチンの

収納を無くして

出入口にすると

隣りの脱衣室などに

行くことができる

という計画を行う事もあります。

 

収納が減っても

大丈夫かどうか

収納を減らしてまで

通路にするメリットが

ある間取りなのかどうかを

見極める必要があります。

 

扉が増えるという事。

一部屋から

あっちにもこっちにも

移動できるということは

一部屋に扉が

あっちにもこっちにも

存在するということです。

 

狭い空間の場合は

あっちにもこっちにも

扉があるのは

ごちゃごちゃして

見た目もあまりよくないことが

多くなるかと思いますし

その場合は扉のデザインに対しても

それに応じた考え方が重要です。

 

移動ルートを

考える際には

そういった範囲も

考慮して

扉の開閉も

考える事が重要です。

 

回遊動線にも

向き不向きがあり

家の構造や広さ、

暮らし方などの要因も含めて

最適解がどちら側なのかを

考慮することを忘れずに。

 

回遊出来た方が

便利なのか不便なのかという

範疇も忘れずに。

回遊動線で

家事楽の間取りにする場合

収納を通路に使う

回遊動線にするために

廊下をつくるのべきなのかどうか?。

 

ファミリークローゼットや

パントリーといった

収納スペースを

通路に兼ねるように

する事が

よいのかどうか?。

 

玄関ホール⇒パントリー⇒キッチン

玄関ホール⇒ファミリークローゼット⇒リビング

といったルートの考え方も重要。

 

収納部屋を

行きどまりにしない

というのは

余分なものを

溜め込むことが減り

片付けもしやすくなる

というケースもあります。

 

日頃から「そこ」を通るので

散らからないように

意識し始める

という事の効能です。

 

小さすぎる回遊にしない。

キッチン⇒脱衣室、キッチン⇒ホール、脱衣室⇒ホール

となっていたら便利

といっても

脱衣室にキッチンへ行く扉と

ホールに行く扉が

すぐ横に並んでいるのは

便利とはいえません。

 

近すぎる出入口だと

回遊のメリットは

それほどありません。

 

むしろドアが増える

通路部分が増える

というデメリットのほうが

上回るかもしれません。

 

小部屋で回遊動線にする場合は

頻繁に通る部分が

ショートカットになる場合のみ

採用する価値が

あるかと思います。

 

玄関→キッチンまでを

回遊させる。

 

回遊動線で

家事楽になる間取りで

圧倒的に多いものが

玄関から

キッチンまでのルートが

回遊できる間取りです。

 

間取りの多くは

玄関からキッチンまで

玄関 ⇒ ホール ⇒ リビング ⇒ キッチン

というメインとなる

ルートがあります。

 

これとは別で

玄関 ⇒ 土間収納 ⇒ パントリー ⇒ キッチン

とか

玄関 ⇒ ホール ⇒ ファミリークローゼット ⇒ キッチン

など

収納を通る裏動線があると

家事楽な間取りに

プラスの効能も生まれます。

 

ですが、そもそも玄関を

どのように考えるのか?

という間取りの考え方もあります。

 

それによっては

ルートの考え方そのものが

もっと単純化されて

家の中での

別ルートが不要になる

という場合もあります。

 

自分たちの暮らしが

そもそもどういった状態なのかを

整理整頓することで

そういった内容も

具体化しやすいと思います。

 

朝起きてから寝るまで

どこを通って

何をするのかをイメージすると

分かりやすいと思います。

 

行ったり来たりする部分の

距離が長ければ

動線が長くなります。

 

ですが住まい手さんの価値観や

生活スタイルによっては

その長さが必要な

暮らしの環境がよい間取り

になるかもしれません。

 

そういった意味で

間取りの構成要素には

日常的な生活のスタイルを

キチンと盛り込むことが

大切だと考えています。

 

間取りから考えるのではなくて

生活環境を

整理整頓することから

考える住まい造りが大事だと

考えています。

 

生活基準は

回遊動線の内容だけでは

ありません。

暮らしを丁寧に

イメージする時間を大切に。

 

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