昨今、資材高騰や
不動産価格高騰などにより、
家づくりのハードルが上がってきています。
※土地探し時の様子
資金計画や
土地選びがより重要なフェーズとなります。
それぞれに
状況の違いがあるものの
土地探しで考えている事などが、
役立つ情報になるのではないかと思い、
今更ながら、
どのようにして
土地を決定するのかという事を少しだけ。
最初の段階での
土地選びで重要視するのは
大きく分類して2つです。
1つ目は初期段階に
資金計画を行い
資金配分のバランスを
見極めることです。
総予算(土地・建物・設計料・諸経費等)。
何にどれくらい費用が掛かり、
土地や建物に掛けられる
予算がいくらなのか、
妥当なラインを見極めないと、
土地は購入できたものの
建物に掛けれる費用が不足して
満足した計画にならない、
最悪の場合は
土地は購入したけど
計画ができない
という事態になりかねません。
初期段階での資金計画は
とても重要なフェーズになります。
結果、
土地は1900~2200万、
郊外の不便な土地を探す
地域範囲によっては1000~1300万(地域性によります)
建物は2600~3000万、
が妥当なバランスだと結論付け、
土地探しを行いました。
※過去事例です
2つ目は「設計目線の土地選び」です。
土地の予算が1900~2200万なのは
決して余裕がある
状態ではありません。
当然に完璧な土地を
購入することは難しくなります。
一定のデメリットなどがありながら、
それを設計の力により
払拭できるような
土地の選び方が必要でした。
勤務地や交通手段、近隣の環境や過ごすイメージ等
そして、
予算を考慮した結果での
土地探しのターゲット。
20件近い土地を精査し、
5件程の土地を見学しました。
そんな中で辿りついた
土地候補。
高台を売りにしている
分譲地だったのですが、
住まい手さんも僕も、
その景色が
魅力的なものとは感じませんでした。
高台に面していない側(道路側)は
価格が低く設定されていたこともあり、
そちら側のみに
絞り検討を行いました。
その中でも
最も安く価格設定がされている土地の条件が
良いことに気付きました。
以下に羅列します。
①土地の幅・南北に長い土地
並列駐車を諦め、
縦列駐車としても、
建物の計画は問題なくできる
土地の幅があることが判断できました。
加えて、
縦列駐車にすることにより
建物を道路側(北側)に寄せて
計画できるため、
南側から日照が
確保しやすくなることが予測できました。
②東側隣地の専用通路
土地の東側隣地と、
その先の隣地も連続して
専用通路がある状態でした。
専用通路に建物が建つ可能性は
極めて低いため、
東側は6M(専用通路3M×2)の空地となり、
日照条件が良いことが予測できました。
③北側斜線の有利さ
第一種低層住居専用地域だったため、
北側斜線による規制(法律上の制限)
※北側の隣地の日照を確保するための建物高さ制限
がありますが、北側が道路であることと、
方位の関係上、
制限を受けることはほぼなく、
自由度が高いと判断できました。
④防火指定の有無
防火指定が無い地域
※火災などへの対策の必要性が低い地域
だったため、
法律上サッシ(窓等)を
防火設備(火に強い構造)にする必要がなく、
建物費用が抑えられると判断できました。
⑤地盤の強度
事前に確認した開発資料
※土地の分譲に関する資料
から高台側は
擁壁の築造があるため盛土でしたが、
高台から離れている道路側は
盛土でないと判断できました。
加えて、
近隣の地盤調査データを取得し
読み取った結果、
地盤の強度が高い、
つまりは、
地盤改良の可能性が低く、
建物に充てられる費用が多くなることが
予測できました
※これに関しては絶対ということはないため、
可能性を含めて、
余裕度をみながら建物計画を進めましたが、
結果的に事前調査を行った結果
地盤改良は必要なかったため、
建物費用に充当しました
上記の5つの条件などから
土地の購入を確定。
間取りと仕上げ材のプランには
相当な工夫が必要でしたが
当初の資金計画通り建物は完成し、
竣工(完成)しています。
初期段階から資金計画をしっかり行い、
設計目線で土地選びをすると、
家づくりの可能性が広がるかもしれません。
そんな参考の一つになれば幸いです。
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