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小児科外来での出来事(その18)

2018-07-25 17:22:05 | Weblog
 外来では、難しい医学用語を並べても、意味がないことがあります。で、親御さんの顔を見ながら、理解しているかどうかを確認しながら、説明しています。
 専門用語で言うと、水いぼは、伝染性軟属腫、とびひは、伝染性膿痂疹、副鼻腔炎は、蓄膿(ちくのう)と言いますが、病名には、そう書いても、説明は、分かりやすい方がいいですね。
 昔、リンパ腺と言っていたのは、今は、リンパ節と言い、その炎症は、リンパ腺炎→リンパ節炎、脳膜炎も、今は、髄膜炎と言った方がいいですね。
 急性胃腸炎の後、嘔吐や腹痛が消失し、匂いも普通になっているのに、2週間以上、下痢が止まらないことがあります。これは、二次性乳糖不耐症の場合が多く、これだと、乳糖を切ればいいのですが、この説明、多少難儀しますが・・・何とか、理解してもらえる感じです。
 ウイルスにも、抗生物質が効くと思っている親御さんは多く、熱が長いと、抗生剤を求められるケースも、少なからずありますが、そんな場合、CRP(炎症反応)や白血球の値を説明して、熱計表で、熱の上下を付けてもらって、経過を見ています。
 今は、ワクチンを2カ月から打つので、明らかに、細菌性髄膜炎などの細菌感染症は、少なくなり、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、結核も、減少していますね。B型肝炎ウイルスを持った人も、この調子だと、殆どいなくなるのではと思っています。
 その代わりに、アレルギー疾患が多くなっています。昔は、乳児の気管支喘息など、皆無でした。今は、しばしばあります。それも、かなりひどいケースも。
 私が医師だった頃、急性腎炎で入院することが多かったですね。原因として、溶連菌感染症からなることが多く、その溶連菌の検査も、今の様に、外来で直ぐに分かるってことはありませんでした。今は、急性(糸球体)腎炎、少なくなっています。
 細菌性髄膜炎で、昔は、難儀していました。セルシンなるけいれん止めを持って、フェニックス子ども病棟の2階と3階を、深夜、行ったり来たりしていた思い出があります。今は、細菌性髄膜炎、激減しています。
 しかし、昔と違って、今は、子どものアレルギー疾患、多いですね。軽いのも入れると、乳幼児の半分近くになるでしょうか・・・?!

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