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○専門2年、7月19日(木)晴。
山村雄一(阪大学長)先生の講演を聴いた。素晴らしい講演だった。終始ニコニコされている。先生の書かれた病理生化学の本に今まで以上の愛着心を持った。
○専門2年、7月30日(月)雨。
夕方病理解剖があった。その後、病理学教室で夜の9時までビールをご馳走になった。患者さんが亡くなると直ぐに解剖をしないといけない為、病理医は大変だなあ。
○専門2年、7月31日(火)雨。
久し振りに早く帰った。夕方6時に。
○専門2年、8月2日(木)晴。
彼女の両親と彼女の弟さんが住んでいる家に行った。鹿児島からバスに揺られて1位時間で着いた。田舎で、外でニワトリがコケコッコ一と鳴いていた。床が傾いていて、歩くとミシミシときしむ音がした。(自分の両親から、まず、付き合う前に親に会うことと言われていた。特に、将来、娘はその母親と似てくるので、どんな母親かを知ることが先決と言われていたので、その忠告通りに、まず、両親に会った。父親は、組合のすごく強い中学校の教頭先生で、母親は、かって教員をされていて、彼女に似て、物腰の柔らかい優しい感じの人だった。僕は、彼女の家族から気に入られているなあと思った。)
○専門2年、8月4日(土)曇。
H(同級生)は、卒後宮崎に行くと言う。僕もそうしようかなあとも思う。宮崎に今度新しく医大(宮崎医科大学)ができるし、そこの小児科に入局して、内科も出来る医者になりたい気もする。どこにいても、しっかり勉強続けることだなあ。実力、これが最大の武器だなあ。
○専門2年、8月6日(月)晴。
11時50分のにちりんで、彼女と一緒に佐伯に帰った。母が、「性格がとてもいい娘だ」と言った。長兄とその子どもも佐伯に帰っていて、アデノウイルス8型になっていた。うつらなければいいが。
○専門2年、8月7日(火)晴。
朝、浅海井の方まで、長兄が運転してくれて、見て回った。彼女は、景色の良さにビックリしていた。帰る時に、母が、「正英さん、(彼女は)上出来だ」と言って、ニコニコしていた。
○専門2年、8月10日(金)晴。
一日中、図書館でよく勉強した。Kが、細菌学の教授の英語のプリントを日本語版にして、ノ一トにきれいに整理していた(細菌学の教授の授業内容は、極めて難解で、試験も、ある年には、1回目の試験で、1人しか合格しない時もあったとか)。
○専門2年、8月12日(日)晴。
巨人が5連勝した。王さんはすごいなあ。5時に起きて(夜の)9時に就寝、規則正しい生活が大切だ。
○専門2年、8月18日(土)晴。
日曜にどこか勉強させてくれる所ないかなあ。冷房が効いている所は。家では暑さで、勉強があまり進まない。朝起きたら、近頃、体がとてもだるい。運動もしたいなあ。
○専門1年、8月23日(木)晴。
帰ったら恵ちゃんが食料を持ってきてくれていた。助かる。メシがあったら、そして、僕の大好きな玉子焼きがもっと多かったらもっと良かったかなあ。彼女が僕の家に(僕が来いと言わないのに)積極的に来たのは、これが初めてだなあ。本当に僕の彼女になった感じがしないでもないなあ。勉強も、頑張らないと。
○専門2年、9月8日(土)晴。
今日で夏休みに入ってからの6つの試験が終わるかと思うと嬉しい(生理1・生理2・薬理・衛生・医動物・細菌)。自分でもよく頑張ったと思う。あと、病理学と受けたくないが、追試だけか(基礎医学では、細菌学と衛生学の追試をそれぞれ1回受けてしまったが、2回目には、無事合格し、最終試験には幸いに逃れた。最終試験に残らなかったのは、わずか13名でしかなかった)。
*医学部専門課程に入ると、多くの人が秀才から鈍才になってしまっていた。大学入学当初には、(二期校コンプレックスでか)ここにいる様な器でなくてもっと上にいる人間だと周りに豪語していた人が沢山いたが、今では、完全にそんな人は皆無になっていた。
当時の鹿児島大学医学部の場合は、留年に関しては、学年毎に留年することはなく、教養2年から専門1年に上がる時と、専門2年から専門3年に上がる時と、最後に、卒業する時の3回だけであった。専門3年では、試験は、1ヶ月余に渡る臨床科目全部の「概説試験」だけで、専門4年では、試験は、約2カ月にも渡る臨床科目全部の最後の「卒業試験」だけであった。
○専門2年、9月24日(日)晴。
一日中、寝ていた感じ。お金がないので、教養部まで行ってメシを食べた。
○専門2年、9月24日(月)晴。
半ズボンのポケットを見たら、幸いなことに、500円札があった。これで例の所で250円の定食を食べることが出来た。お金はまだ来ない。国鉄のストの影響と連休のせいだ。