日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

私の治療

2019-09-23 11:15:23 | Weblog
 以下は、9年前の平成22年9月22日に、記載した内容です。

 昨日は、大発作を起こしてICUに入院していた子ども(2泊3日)と、前から入院している子ども(4泊5日)を退院させた。何か、喉につかえていたものがやっと取れた感じになった・・・。
 昨日も、夜の9時半過ぎに寝て、今朝の4時に起きた。で、ゆっくりと朝食を野菜中心に(オリーブオイルを沢山掛けて)摂り、テレビのラジオ体操第一に合わせて体操をし、7時過ぎに病院に行った。
 救急外来のナースが、「先生、聞いて聞いて・・・」と言う。・・・→予防接種をして、熱が上がり、もう、座薬を3回使ったけど、熱が下がらない、今度、何時間あければいいでしょうか?との問い合わせがあって、それも、一番眠たい深夜の3時半にあったとのこと。で、今日ここに来そうと聞くと、「それがここにも一度も掛かったことなくて、ただ、聞きたかっただけみたいで・・・」と言う。
 まあ、こんなこと、今までに何度もあったけど・・・。(ある時、熱でけいれんが心配で来院すると言うことで、3時頃、寒い中、自転車を漕いで家から出て行って、病院で待つも、待てども待てども来ない。電話を逆にこちらからすると、子どもが眠ったので、そのまま様子を見ているとのこと。)
 昨日の午後からの予防接種で(9名いて、同時接種がその内3名いた)、その中で、前回、2回、三種とヒブをして、38度の熱が出た子がいた。で、今回大丈夫でしょうか?と心配そうに尋ねてきた。
 こんな時、私は、抗ヒスタミン剤をちょっと服用させている。発疹が出たり、三種で、腕がパンパンに張れた子も、これで、次回軽減したのを、何度も経験してるので、今回も、接種の前に、親と相談して、ペリアクチンを2ml内服させて施行した。今まで、経験的に、いい感じに思っているのだが・・・?!
 発熱って、親にとっては、とても気になる症状だ。熱を測れば、数字でちゃんと出るから、尚更、心配になるのだろう。
 私は常々、「機嫌、顔つき、食欲、睡眠の4つが、子どもの見方としては、とても大切な見方。夜、熱が上がっても、吐いても、下痢しても、咳しても、以上の4つでさほど問題がないと思えば、深夜に慌てる必要ない。それが続けば、例え熱が無くても、慌てる必要がありますが・・・」と外来で説明しているのだが・・・。
 ところで、熱が上がって、子どもが興奮状態にある時、漢方薬を注腸して様子を見ることもあります。不思議に、30分もすると、興奮が収まっていますね。当院では、救急外来で、五苓散や黄連解毒湯の座薬(1g)まで作って、使用していますが・・・。
 現在、政治的に、中国との関係がギクシャクしていますが、私は、西洋医学にはない利点が、中国医学(中医学)には沢山あり、両方が上手く使われれば、とてもいい医療ができると思っているのですが・・・?!!

*漢方薬だと、熱さましだけでも、いろいろありますが、オーダーメイド的な使い方で、それ等を使い分ける必要があります。
*嘔吐に著効する五苓散、これの注腸で、点滴するケースがめっきりと少なくなっています。
*夏の無菌性髄膜炎の時の葛根湯の注腸、よく効いている様です。
*延岡でも、病院前の調剤薬局のご厚意で、五苓散の座薬と熱証に使う黄連解毒湯の座薬、作って、使用していました。

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続・へき地医療

2019-09-23 10:05:23 | Weblog
「連休3日目」
 9年前の平成22年9月20日(月)に記載した内容です。

 既に消灯して、寝ていたのだが・・・。
 昨日の22:20に、当直医からコールあり(深夜連続の呼び出しだなあ・・・)。
 3歳の女児で、喘息発作。初診の患者さんで、里帰りの県外の人。今まで、2回、喘息で入院をしているとのこと。で、その時に、1回は、5泊したと言う。
 点滴と吸入と酸素を救急外来で既に当直医がしていたが、SpO2が88%で(来院時、84%)、顔面蒼白で、肩呼吸、陥没呼吸をしている。鼻ぴくぴくで、正に、大発作(危ない!)。
 既に、写真を撮っていて、検査もしていた(白血球多くなく、CRPも上がっていない)。胸部写真は、典型的な気管支喘息像。右にシルエットサインがあるが、肺炎と言うより、右の下肺の無気肺を思わせる所見で、聴診上も、その部位に、左右差少しあり。喘鳴は、2日前からだが、強い咳は、その日の夕方からとのこと。咳とともに嘔吐もあり。
 ICUに入院させて、モニターを付けた(心電図、心拍数、呼吸数、SpO2の値が、常に表示され、専属のナースが、絶えず観察している)。外来でメプチンをしていたが、入院後に、アスプールの吸入をすると、少し落ち着いた感じになって、眠ってしまった。ICUでずっと診ていて、家に帰ったのが、0:20だった。
 で、今日の6:00、様子を見に行くと、眠っていた。肺の音は明らかに改善(経験的に、熱が上がると改善することが多い感じだが・・・?!)。だが、尿がまだ出てないと言う。エッ!それに、来院時、熱が37度ちょっとしかなかったのに、38度と熱発。起きたら採血して、検査との指示を出す。
 ICU・・・→部屋が子どもにとっては監獄みたいなので、ひどくなって行かなければ、昼頃、小児科病棟に移すとナースに言う。検査の所見で、抗生物質を使用するかも知れませんと、親に説明する。(10時間経過の推移:白血球数9420→7980、CRP0.11→0.63で、細菌感染は、否定的だし、肺への空気の入りに、左右差がなくなっているので、抗生物質を使わずに、様子を見ることにした。来院時、気管支に痰が詰まって、無気肺になっていて、それが、取れたのかな?)
 そのまま、4階の病棟に行くと、42週のベビーが4:00に生まれていたが、少し、落陽現象があると言う。診ると、肩がひっかかって、なかなか出て来れなかった様だ。が、診察しても、特に問題なく、落陽現象も、正常範囲。
 その後、家で朝食を摂り(今日は、パン食にしたが、食欲があまりなかった・・・)、8:00過ぎに、ICUに再び行くと、目をパッチり開けていて、苦しくないと言う。尿も出ていた。
 そのまま、再び4階の病棟に行って回診して、クループ(その後、気管支炎になっていたので、退院時に清肺湯を処方)と蕁麻疹(中毒疹?十味敗毒湯が効いた?)の子どもを退院させた(二人とも、4泊5日)。
 連休3日目。今日は、忙しいのかな・・・?!

 この時、非常勤医師でしたが、常勤医並みに仕事をしていました。まとめて長い休みをもらっていましたが、それ以外は、殆ど毎日、診療していました。
 将来的には、小児科と産婦人科に関しては、科の特殊性で、集約化とならざるを得ないのではないでしょうか・・・。 

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へき地医療

2019-09-23 09:45:48 | Weblog
「そうはく」
 9年前、平成22年9月19日(日)に記載した内容です。

 早剥(胎盤早期剥離)で、自分が蒼白って感じだった。
 (土曜日の)夜、22時40分、もう、電気消してウトウト眠りかけていた時、突如、電話が鳴った。直接、若い産婦人科のドクターから、少しうわずった声で(いつも、冷静なのだが、これは、おかしいぞ・・・?!)・・・→「早剥みたいで、カイザー(帝王切開)になりそうですので、・・・その時は、お願いします・・・」とあり。「用意しときます・・・」と言って電話を切った。
 助産師さんの話だと、隣の島の人で、39週のお産前で、陣痛がないのに、この日の20時30分に突然出血したとのこと。で、船で直ぐに来てもらって、ドクターが診て、早剥だろうと言うことになった。
 しかし、条件は最悪。この日、いつも帝王切開の時に使う広い手術場が3日前から1週間使えない(無菌室にするための工事中で)。やむなく、他の科がする狭い部屋ですることになった(その準備も大変)。しかも、も一人の(20年近くいる)当院の産婦人科部長が、あいにく、遠方にいて、間に合わない・・・。
 卒後9年目の当院常勤医のこの先生(女性)、部長と相談して、手術に踏み切ったのだ。
 (急げ急げって感じで)0:00過ぎには、執刀。0:40にベビーが出て来た。
 泣かない!私が鼻から吸引しても、助産師さんが刺激しても泣かない!全身チアノーゼのまま。早剥のため、貧血もあるのかな?早剥で、こちらも蒼白って感じだったかな?!
 聴診すると、徐脈だが、心臓は、しっかりと動いている。吸引と刺激を繰り返すと、突如、泣いた!心拍数が急に多くなった。酸素を上げると、いつもの様に、ピンクになって行った。肺のラ音が、次第に、少なくなり、いつもの帝切後の赤ちゃんの姿になった。5分後アプガール9点(末梢チアノーゼややあり)。良かった、良かった、母子共に助かって、ホントに良かった!
 1時に帰り、2時まで、眠れなかったが、何故か、充実感に満ち溢れていた。
 今日は、日曜日、少し眠くて疲れている感じだが、9時までに回診を終えた。
 この赤ちゃんの朝の回診時の元気そうな姿が、眠気と疲れを取ってくれたかな・・・!

 令和元年の今、思い出しても、その時の状況が鮮明に思い出されます。
 上天草総合病院では、60歳直前に、常勤医でなく、非常勤医となりました(前々からの私の希望で)。それからは、仕事は、毎日の時間外が中心となりました。小児科の常勤医(部長)が金曜の午後から月曜の朝まで不在となるので、その時には、代わりに、入院の児を診ていました。又、新生児は、私が担当していました。看護学校の講義も。
 実際、へき地の小児科・産科は、大変です。大きな病院に送るにしても、遠いので、何とか頑張ろうと思うので、それなりに神経を使います。
 小児科医も産婦人科医も、3人ドクターが確保出来ればいいのでしょうが、それでは、採算が合いませんね。二人体制でも、独りだけに任されること、多いです。が、患者さんは、常に、います。台風の時は、島の妊婦さん、船が利用出来ないので、移動しています。


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