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小児科医の存在感

2008-01-26 08:23:36 | Weblog
 加賀市民病院 小児科が休診 4月再開目指す 過労?常勤医が入院
(中日新聞、2008年1年22日)

 小児科の専門医不足が全国的に心配されるなか、加賀市の加賀市民病院では、小児科常勤医師が病気のために入院し代わりの医師を確保できなかったため、21日付で小児科が休診となった。恒常的な過労が一因とみられ、小児科を取り巻く厳しい環境をあらためてうかがわせた。
 県医療対策課などによると、医師の病気による小児科の休診は県内でも珍しいという。同病院は医師の回復を待ち、遅くとも4月1日の再開を予定している。
 同病院によると、小児科は40代の常勤医師が1人で担当。この医師が今月9日に病気で緊急入院した。同病院は既に予約を受けていた患者の対応のため、金沢大医学部から小児科医師を18日まで日替わりで派遣してもらったが、今後新たな医師を確保できるめどが立たず、休診を決めた。
 入院した医師は通常の診療時間以外でも、夜間の呼び出しに応じて患者を診察しており、過労の状態だったという。
 同病院の産科は既に2006年7月から、産婦人科常勤医師の退職に伴い休診中。今年4月に新たな医師を迎えて産科を再開する予定で、福村孝治病院管理部長は「早ければ3月半ば、遅くとも4月には産科とともに小児科を再開したい」と話している。
 県によると、小児科常勤医師が2人以上勤務する病院は少なく、過労になりがちな1人の常勤医師を非常勤医師がサポートして負担を減らすケースもあるという。

 ムー、1人小児科医って、自分の経験から、ホントに大変だと思います。新生児と救急と講義を抱えていたら、ホント、大変ですネ!!
 私の場合は、郷里の救急病院で8年半余、一人でしてきた。睡眠不足で体が浮いた感じになっていて、フラフラ状態の時が多かった。しかし、それでも頑張らないといけないことが多く、体を壊してまでしてきた(体が壊れた今は、もう、昔の様にはとても出来ませんが)。
 今の病院も、初めの1年間は、私一人だった。休んだのは、娘の結婚式の時に2泊3日休んだだけ。(今は、二人でそれなりに楽をしてきているが)
 ある大学の先生が、田舎の病院に出張を命じられた時に、一番気にするのは、そこに小児科医がいるかどうかだと言った。当直をする時、3歳未満の子どもが来ると、経験不足に輪を掛けて、子どもは急変するので怖いと言われた。
 田舎の病院でも、「小児科の先生にお願いします・・・」と時間外に電話が前もって掛かることも多い。他の科の先生が診て、親が不満そうな顔をして帰られるケースもある。実際に、乳児を他の科の先生が診て、裁判沙汰になったケースを何例も知っている。しかし、私の様に小児科医が診ても、ひどく叱られたこと、沢山あります。
 世間一般の多くの人は、医者の仕事って外来のことしかイメージしてないかも知れない。しかし、医者の仕事の中で、外来の仕事は、その一部でしかない。
 私の場合、周りに田舎で開業医がいない関係で、その地区の保育園・小学校・中学校などに出向いて、健診などを全てする。今は、就学前健診とか、マラソン前健診などもある。それに、乳幼児の健診・予防接種など、院外ですることを全て含むと、その数、年間に35回もある(市が合併した関係で周辺の診療所の医師が削られれば、更に今から増えそうだが、それも年に12回も)。
 併設した看護学校の講義が小児科の講義だけでも20回もある(1回が100分講義で、診療するよりも疲れる)。
 小児の入退院以外に、産婦人科がある為に、新生児・未熟児があり(数は、年間100人前後しか生まれないが、月に1回帝王切開があり、その時必ず小児科医も手術場に入っている)、そこで生まれた新生児を産まれた時と退院する時に、それに、1カ月健診で院内で診ている。
 それに、時間外の患者さんの診察や、院内の予防接種や、問い合わせの説明、更には、保険の注意書きや患者さんの保険の書類など、実に、書くことの多いこと多いこと・・・(昨年、入院数400人、それを二人でしてきているが)。一人が入院してから最後にまとめを書いて退院させるまで、スゴイエネルギーを要している(書類書きは、昔の方がはるかに楽でした)。更に、一番過酷な当直(年間500件程の救急車が来る)が月に3回あり(私は、還暦前なので、していないが)。
 そして、給料が高いことを周辺からも羨望の眼差しで常に言われる。多くの医師が耐えていると思いますが、鬱状態の人もいる様ですが、笑わないで診察している?と、「近頃、この病院の医者の質が落ちていますなあ・・・。親が入院していなかったら、とっくに訴えている所ですが・・・」何て投書も来たりして、多くの医師にショックが与えられていますが(今も、この病院でこの内容が掲示板で張られて、病院側が丁寧に返答していますが、感謝されなくてもいいですが、あまり文句は言って欲しくないです。それなりに一生懸命にしているので、ホントに悲しくなります。)。


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